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歌劇《パン・ヴォエヴォーダ》について
《パン・ヴォエヴォーダ》は《セルヴィリア》と同じく、《皇帝の花嫁》から派生したもので、16世紀から17世紀のポーランドを舞台とした作品です。封建的な体制の下、絶対的な権力を誇るパン・ヴォエヴォーダ(地方長官)に見初められてしまったマリアとその許嫁チャプリンスキーの苦闘の物語で、チャプリンスキーはシュラフタ(小貴族・士族階級)の仲間たちとパン・ヴォエヴォーダに反旗を翻しますが逆に捕らえられ、絶体絶命となったところにパン・ヴォエヴォーダの妻となったマリアを、嫉妬から亡き者にしようとしたヤドヴィガの毒薬が誤ってパン・ヴォエヴォーダを殺してしまうという話です。
リムスキー=コルサコフ家のルーツはポーランドにあるといい、作曲者もまた幼少の頃から母親が歌ってくれたポーランドの旋律に親しんでいました。その影響は「3つのポーランドの歌によるマズルカ」(1888年)という作品に現れていますが、後年ポーランドを舞台にした歌劇を作曲したいというリムスキー=コルサコフの願望が形となったのがこの《パン・ヴォエヴォーダ》なのです。彼はまた自らポーランド出身のショパンに影響を受けていたと語っており、この歌劇はショパンの想い出に捧げられています。
この歌劇は、やはり《セルヴィリア》と同様にほとんど上演の機会に恵まれない不幸な作品となってしまっていますが、歌劇から抜粋された組曲が編まれたおかげで、どのような作品であるのかの一端をうかがうことができます。また全曲盤はサモスード指揮により録音されたことがあり、この作品の唯一の全曲録音として大変貴重なものとなっています。
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