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《とんぼ》について
《とんぼ》作品53は、1897年に作曲された女声のための三重唱曲(ソプラノ2、メゾソプラノ)です。アレクセイ・トルストイの詩に拠った作品で、同年に女声合唱自由の管弦楽伴奏に編曲されました。
リムスキー=コルサコフの有名な作品に《熊蜂の飛行》がありますが、これは頻繁に演奏され、リムスキーの作品では最も知られていると言ってもよいのに対して、《とんぼ》はレコーディングも無く、演奏会で取り上げられる機会も(多分)無い、全く知られていない「超」マイナーな存在です。
この作品については、リムスキーの自伝にも言及はなく、作曲の経緯などは不明です。ロシア音楽史などの文献を調べても題名以上の記述はなく、わずかにヤストレブツェフの『想い出』に、リムスキー邸で演奏されたときの模様がごく簡単に記されているのみです。
曲は8分の12拍子で非常にゆったりしたものです。リムスキーの作品の特徴とされる、息の短い旋律を用いた叙情性はこの作品にも当てはまります。持続音やトレモロが多いので、ピアノ伴奏ではあまり綺麗には聞こえないのが難点といえば難点。ちなみに管弦楽伴奏となる第2版では、フルート2、オーボエ2、クラリネット(A)2、ファゴット2、ホルン(F)2、チェレスタまたは小ピアノ、弦五部という編成になります。
楽譜は、Kalmusの他にカワイから出版された『ロシア重唱曲集(女声編)』にも収録されています。カワイのものはロシア語のふりがなやテキストの対訳がついているのが何と言っても強みです。実際に演奏会などで演奏する方々には重宝するでしょう。
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