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交響曲ロ短調について
リムスキー=コルサコフの交響曲ロ短調は、交響曲第1番の完成後に「第2番」として着手されたものです。
この作品について、作曲者が五人組の仲間たちと手紙でいろいろとやりとりをした形跡が残されていますが、結局バラキレフをはじめ友人たちを満足させることはできず、未完成のまま放置されてしまいました。その結果、彼の作品目録にはよく知られている《アンタール》が交響曲第2番として残ることになったのです。
リムスキー=コルサコフといえば、オペラや《シェヘラザード》のような華麗な管弦楽曲の作曲家というイメージがありますが、少なくともその作曲家人生の当初は交響曲に、しかもこの未完成のロ短調交響曲に伺えるようなかなり本格的な作品を書こうとしていたようです。
第1楽章は作曲者自身が語っているとおり「ベートーヴェンの第9交響曲の出だしを彷彿」とさせるものですが、第1主題の部分は意気込みが空回りをして、いろいろな細工を施しているものの効果が上がらず、まとまりが悪いというような印象を受けます。第2主題になると多少リムスキー=コルサコフらしさが表れてくるようですが、ここはキュイのオペラ《コーカサスの虜》の合唱に類似した旋律を用い、カンタービレの部分は後に《雪娘》のミスギールの歌に転用されることとなる独自のものです。
交響曲ロ短調は、第1楽章が202小節まで出来上がっている外は、断片的なスケッチが残されているにすぎません。当然、他の作曲家によって補筆され、演奏や録音がされるといったこともなく、知られざる作品となっているのですが、リムスキー=コルサコフの初期の作曲活動の有り様を考える上で重要な痕跡であると言えるかもしれません。
ちなみに楽器編成は、フルート3、オーボエ2、クラリネット(A)2、ファゴット2、ホルン(D,C)4、トランペット(D)2、トロンボーン3、ティンパニ、弦五部となっています。
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