ホーム漫筆 > 21 《ナポリの歌》リリース!

21 《ナポリの歌》リリース!


お久しぶりです。この頃はリムスキー=コルサコフの新譜もあまり出なくて曲を聴くのもちょっと停滞期ぎみ。「ご主人様ぁ」とたくさんのCD達に取り囲まれてせがまれても「ワシ疲れているから」とさっさと横向いて寝てしまう始末です。ハーレムなのに(CDの)。

と・こ・ろ・が!

出ましたよ、出ました!久々の新譜!しかもこれまで録音のなかった超マイナー曲!!その名は言わずと知れた(マイナーなのに?)──

《ナポリの歌》作品63──っ!

リムスキー=コルサコフの管弦楽作品は数あれど、未完のものを除くとこの《ナポリの歌》だけが録音の機会がなかったのですね。正確にはピアノ連弾版はリリースされていたのですが、本来のオケ版は今回が初めてなのです。

マイナーといいながらも原曲はデンツァの超有名な《フニクリ・フニクラ》。このイタリア的陽気さと、ロシア的凶暴さがミックスされた日にゃ、あーた、聴かずにはいられないってものですよ。

ヤストレブツェフ(リムスキー=コルサコフの伝記作家)によれば、リムスキーは1906年10月11日に自邸で娘らとおふざけで《フニクリ・フニクラ》を歌ったとされています。「有名なナポリの歌《フニクリ》」と記されていることから、当時ロシアでも広く知られていたことがうかがえますね。

リムスキーは翌年、管弦楽編曲したこの曲を演奏会の演目に加えようとしたものの、リハーサルで実際に聴いてみたところ「完全にゴミ箱行き」と、例によって厳しすぎる自己評価がなされ、結局演奏もされず、楽譜も出版されないままとなっていました。

しかし、今回シャンドスから出た新譜を聴いてみると、意外に良い──いや、かなり...いやいやこれこそ最高傑作──とすら言いたくなるようなノリの良さ。もっとも大部分は原曲のデンツァの功績でしょうけど、本人の評価とは違ってリムスキーらしい管弦楽編曲が十分に発揮されているように思います。特にティンパニーがあちこちで「ドッドレッソド」とかましているのが効いているじゃないですか。

私は田舎育ちなんで、この乾いた「ドッドレッソド」を聴いていると、秋祭りを思い出してしまうのです。稔りの秋──秋晴れの空に、早朝から祭りの開催を告げる花火の音が鳴り響きます。パン!パン!パパン!と。ナポリのお祭りでも花火を上げるのでしょうか?イタリアの伊達男たちは、自分の着ているシャツがいかにこの青空の色に近いのかをネタにして延々とおしゃべりを続けるそうですが、ナポリの青い空と日本の秋祭り、妙なところでの親近性をこの曲が思わせてくれるのですね。

ネットで見ていたら、この《ナポリの歌》をアンコールで取り上げようとした楽団がありました。確かに誰でも知っている曲だし(これ重要)、ノリノリで、終盤盛り上がっていって、最後に「ドッドレッソド」でバシッと決まる──これほどアンコールに適した曲もないでしょう。私も是非ナマで聴いてみたいところですが、悲しいかな楽譜の手配ができずにお流れになったようです。残念!(07.11.25)

 

 


ホーム漫筆 > 21 《ナポリの歌》リリース!