自分で出来る心理療法
 第1回   内観療法による自己洞察で自分を変える

 自分を変える、向上させるといった自己啓発のために自分でできる心理療法としては、自律訓練法、イメージ療法、フォーカシング、内観療法などがあります。

 今回は、その中で内観療法を取り上げてみたいと思います。
他の療法も順次取り上げていく予定ですので、自分に合ったものをお試しいただければ幸いです。

 精神科の治療やカウンセリングなどを受けてる人にとっても、相乗的な効果が期待できると思います。


 内観療法とはどういうものか?

 内観療法とは、今から半世紀前に、吉本伊信という人が開発した「自分を知る」ための自己啓発法の一種です。
浄土真宗の修行体系のひとつ「身調べ」を土台に、一般人にも簡単に出来るようにと宗教色を取り除き、試行錯誤のすえ確立されたもので「内観」「内観法」「内観療法」などと呼ばれます。

 内観療法は自力で自己洞察を深めていく自己探求のための方法ですが、心の問題で悩んでいる人々が短期間で回復した例が数多く報告され、心理療法としての効果も高いといわれます。
現在ではさまざまな分野で研究や実践が行われ、国内だけでなく、ヨーロッパやアメリカなどにも広がり、
国際的にも評価されつつあるようです。


 内観療法の特徴

 先ずその特徴として、やり方が単純明快であることと適用範囲が広いということがあげられます。
やる気さえあれば中学生でもできますし、苦労はするかもしれませんが、一人でやれないことはありません。

 対象となる範囲も、人格向上を目指す人、取り合えず健康な生活は送っているけどやりがいや生きがいが感じられないという人や精神科、心療内科などの対象となる深刻な心の問題を抱えた人など多岐に渡ります。

 一般の人を対象とした内観の場合には、自分自身を見つめるということを通じて、真の自己を発見することを目指します。
その方法は、身近な人に対する過去の記憶を具体的に思い起こして、その再構成をはかることで、ものの見方を変えようというものです。

 過去を振り返るという意味は、過ぎ去ったことを思い出して悔やむのとは違います。
今の自分は過去の出来事の積み重ねであり、それに縛られていることもしばしばです。
だから、過去の事実を素直に受け入れることは、本当の自分を前提にして今を生きるということにつながるのです。

 この記憶想起法の論理的なよりどころは、それまで再生できないとされていた記憶が20世紀半ばになって「記憶は再構成できる」ことが発見されたことに基づいています。


                   次のページ  ひとり内観のやり方

ホームへ 次へ