健康トピックス 6

 上がり性 社会不安障害の可能性3割

 上がり性でスピーチや会食など人前に出るのが苦手という人の中には、状態が改善しない社会不安障害(SAD)の可能性の人が3割程度いるというアンケート結果を、アステラス製薬(東京都)などがまとめた。SADは放置すればうつ病やアルコール依存症などを引き起こすとの報告もあり、専門家は状態のひどい人は早めの受診を呼びかけている。

 上がり性でも多くの人は年齢を経たり、場数を踏むことで克服されるが、SADは会社を休むなど回避行動が増え、普通の日常生活が送れなくなる精神疾患。人前に出ようとすると大量の発汗や動悸(どうき)、頭痛、胸の痛みなどが起きる。推計では、国内の患者は300万人以上。認知度が低いため、周囲には内気で無気力だととられがちだ。

 調査は昨年10月、全国に住む16〜49歳までの男女計614人を対象に、インターネットによるアンケート形式で行われた。人前でのスピーチや会食の時に「怖くなったり、とまどったりする」と答えた“上がり性”の人は283人。このうち、人前に出るのをいつまでも避けているなどSADの症状に「自分はあてはまる」と答えた人は82人に上った。

 またSADの症状が出た時に受診するかどうか聞いたところ、回答した411人のうち381人は「受診しない」と答えた。その理由は「病気とは考えないから」や「性格の問題とあきらめているから」が大半を占めた。

 SADに詳しい山田和夫・東洋英和女学院大教授(臨床精神薬理学)は「SADは社会的にあまり認知されておらず、性格の問題と苦しむ人が少なくない。会社を休んだり、会議を欠席したりということが2度、3度続くなら医師の診察を受けたほうがいい」と話している。【山本建】

2月2日 毎日新聞

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