BACK

UPDATE 2003.6.04
ヤフーオークション研究(速報)
「日本代表対アルゼンチン戦2003」チケットの売買の解析
第二報

SARSの懸念消え、急騰するアルゼンチン戦(先行発売から6月3日まで)
川越シマリス研究所 所長
はじめに

試合を週末の6月8日(日)に控え、ヤフーオークション(以下ヤフオク)上のアルゼンチン戦チケット市場はいよいよ佳境を迎えました。5月12日の先行発売から1ヶ月。SARSの影響で一時下落した相場は、先週末の5月30日頃から上昇に転じ、今週に入って高騰の気配が出て来ました。
カテ1はその平均価格がペアで30.000円台に乗り、カテ1の相場の上昇に引っ張られてカテ2、カテ3も落札価格が上昇して来ています。特にカテ3の上昇率が大きく、本日(6月3日)は平均落札価格がついにペアで20.000円台に乗りました。

今回の報告は、5月12日の先行発売以降の経過と、最新の落札相場です。
まず、先行発売以降の予約番号の取引、そして実券(チケット)の取引。最後に最新の落札データを供覧します。


対象と方法 

現在出品中のヤフオク上の代表戦(対アルゼンチン戦・6月8日/長居)のチケットオークションを全てウオッチリストに記録し、それぞれの出品のオークション終了後にその落札価格と終了時間を記録します。説明のあるものは商品の詳細、座席の位置、取引の方法などを記録します。研究の期間は、先行販売開始後の5月12日から試合当日の6月8日の朝までです。
本報告は速報の第二報(速報)です。本報では先行発売の5月12日(朝6時)から一般発売の5月18日を経て、最新の6月3日(6月4日朝6時)までの全落札データを集計しました。
今回の長居(大阪)のアルゼンチン戦はカテ1,2,3の販売で、カテ4はありません。カテ1がメインスタンド。カテ2がバックスタンド。カテ3が両サイドのゴール裏側となります。
チケットの値段はカテ1が9.000円、カテ2が7.500円、カテ3が4.000円です。


結果と考察 

1)先行発売から現在までの「アルゼンチン戦2003チケット」取引の集計(6月3日分まで)

(A)「予約番号」落札数の推移
Fig.1
まず、既に先月の取引になりますが発売以降の「予約番号」の落札状況を報告します。落札(取引)件数の経過を示します(Fig.1)。
グラフは縦軸が落札件数であり、横軸が日付になっています。落札されなかった出品はカウントしていません。
先行販売(5月12日)以後も一般販売(5月18日)後でも、この「予約番号」は単日で300件以上の取引が成立しています。
「予約番号」1件で4枚のチケットの購入権利があるので、単日で少なくとも1.000枚以上のチケットが扱われていることになります。昨年のアルゼンチン戦に比べても格段に増えています。
先行発売ではカテ3の占める割合が多かったのですが、一般発売ではカテ1での「予約番号」の出品が一番多くなっています。これは先行発売と一般発売の発売枚数の差によるものだと思われます。発売枚数が多いほど利益率のいいカテ1の出品が増えるという訳です。
これらの「予約番号」の出品はほぼ100%が「業者」または「チケット・ゲッター」と呼ばれる方々の出品です。業者の方から見れば同じ手間であればより高く売れ、利益率のいいカテ1を取った方が良いというわけです。
(B)「予約番号」平均落札価格の推移
Fig.2
Fig.2はその「予約番号」の落札価格の平均値の推移です。
グラフは縦軸が落札金額(予約番号1件=チケット4枚の購入権利)であり、横軸が日付になっています。予約番号1件でチケット4枚を発券出来ます。なかにはチケット2枚、あるいは1枚の購入権利などの出品もありましたが、それらは4枚相当の金額に換算してグラフに表示しています。
グラフを見ると右肩下がりになっているのが判るかと思います。「予約番号」の取引は、先行発売直後が最も高く、以後日毎に下落して行きます。これは毎回認められるパターンです。
「予約番号」の引き替え締め切り前の19日から、序盤の半値以下に落札値が下がることが判るかと思います。
ご存知のように「予約番号」そのものは、発券するまで席は判らない「購入の権利」であり、いわば共通の価値のものです。それが同じカテでもこれだけ値段に差があることは驚くべき事です。


(C)「チケット」落札数の推移
Fig.3
グラフは先行発売からのチケツトの取引数です。落札されたものだけを記録しています(Fig.3)。
業者の増加により倍増した「予約番号」の出品ですが、この「チケット」の取引でも同じような現象が見られます。ともかく、この取引件数には驚かされます。出品数が昨年とは比べものにならないくらい増えているのです。
第一報で、昨年のアルゼンチン戦ではヤフオクで12.000枚ものチケットが取引されたと報告しましたが、その昨年の倍以上の取引数です。スタジアムで石を投げればヤフオクで落札した人(出品した人)に当たるのではないかと思います。異常事態です。
一般発売日の出品は既に発売前から予定出品が済まされており、発売当日を最高に以後3日間は多数の取引がありました。これらの行為は明らかに転売が目的であり、また発売直後が一番良く売れるということをよく知る「業者」、あるいは「ほぼ業者」の方々の出品です。


(D)「チケット」平均落札価格の推移
Fig.4
今回のアルゼンチン戦では先行発売後間もなくから取引値が下落しました。
Fig.4は、カテごとの平均落札価格をグラフにしたものです。横軸が日付です。ゆるいU型になっているのが良く判るかと思います。
序盤は、取引数は多いのですが入札数が伸びず、落札が競われないため相場はほとんど上昇しませんでした。
一般発売以後、多くの出品が2,3の入札しか無い状態で、世間にはSARSによってアルゼンチン戦が中止になる可能性が高いのではないかという風評が広まりました。
このSARSの影響は極めて大きかったようであり、定価、またはほとんど定価に近い値段での取引が数多く認められました。
また、このチケットの出品では一般発売の翌週以降「ほぼ業者」あるいはプチ業者、素人業者と言われる「利益を求める個人」の方々の出品を数多く見ました。

5月23日頃までは低迷していたのですが、韓国戦のチケット発売が行われた5月24日(土)以降、韓国戦の過熱ぶりに引っ張られるように、このアルゼンチン戦にも徐々に入札が集まるようになり、じりじりと値を上げて来ました。
SARSによる中止の懸念が薄らいだこと、韓国戦を控えてテレビで代表戦が取り上げられるようになったことが原因のようです。
そして状況が一変するのが5月31日に国立で行われた韓国戦の翌日からです。
翌6月1日(日)はパラグアイ戦の発売日でしたが、この日から火が着いたように入札が増えました。
出品数も多かったのですが、明らかに入札者側に購入意欲が出て来たようです。落札値も高騰とまでは行かないまでも良席で高値の落札が目立って来ました。
6月2日(月曜日)には代表戦メンバーの発表があり、カテ3を中心に落札値が上昇します。発売後の取引が不調で定価割れが続出する「パラグアイ戦」(6月11日・埼玉)を尻目に、6月3日(火)にはカテ3のみならずカテ1,カテ2でも過激な入札が行われ、前週から一転して高騰気配となりました。



2)「チケット」取引最新情報 6月3日分(6月3日朝6時〜4日朝6時まで)の全取引
Fig.5
Fig.5は最新の6月3日分(6月3日朝6時から6月4日朝6時まで)の全取引です。単日で140件の取引がありました。カテ1、カテ2,カテ3の全取引を、24時間の経過で見ています。縦軸が落札値でペア(2枚)の価格になっています。

カテごとに見てみましょう。まず赤い丸ポイントのカテ1です。
6月3日分のカテ1の平均落札値はついに30.000円の大台に乗り、31.357円(取引47件)をつけました。次回報告しますが現在の落札も同じ傾向で、出品数の減少に伴いさらに高騰の気配があります。

代表的な良席での取引を見てみますと、メインスタンドB(中央のややアウェー寄り)の前段5列の120番でペアが61.000円。
C2(Cはメインスタンドのアウェー側)の11列でペア34.500円というくらいです。あまり前段の良席の出品がありません。ほとんどの出品が後方の席になっています。
しかし落札値の方は上昇しています。良席では無くとも、A3(中央のホーム側)の54列でペア54.000円、32列でペア40.500円という落札があります。
3日になって、カテ1はメインスタンドですと上段でもペアで30.000円以上の高値で取引されています。

カテ2(青い四角のポイント)も増えない出品数に対して入札が急増しており、値を上げています。
カテ2のこの日の平均落札価格は30.000円に迫るペアで29.534円(39件)であり、前日までのカテ1の落札値に匹敵するものになりました。この原因は明らかに入札数の増加、入札者の購入意欲の高まりです。また、カテ1の出品が少ないため、このカテ2に需要が流れてきているという要因もあります。
細かく上げますと、バックスタンドG(Gはバックスタンド中央部)の33列でのペア46.000円の取引がカテ2の最高落札値でした。その他、Gの3列でペアで43.000円。F(Fはバックスタンドのアウェー側)の12列でペア31.110円。H3(Hはバックスタンドのホーム側)の7列でペア37.000円などがあります。ここ数日、バックスタンドでもロウアーの席では軒並みペアで30.000円以上の値をつけています。良席での出品は少ないのですが、それでもカテ1に迫る勢いで相場を上げています。

また最も驚かされたのがカテ3(緑三角のポイント)です。平均落札値が一気にペア20.000円台に乗りペアで23.040円(54件)となりました。前々週ならば軽くカテ1が買える値段です。
定価1枚4000円。2枚で8.000円のカテ3ですが、ペアで30.000円以上をつける取引が6月3日の1日で10件を数えました。この日の最も高値での取引は、さほど良席では無いD31列のペアで41.333円という落札です。

この6月3日は特に良席は無かったのですが、カテ1,2の高値に引っ張られ、また出品が徐々に減ったこともあり、カテ3で異常な高値が付くようになりました。カテ3のペアで15.000以下(2枚)で取引されたのはわずが7件しかありませんでした。つまりほとんどが定価(4.000円)の倍以上の値段で取引されたというわけです。

3日は最も良かった席でもホーム側の7列目で、ペア26.500円の値が付いていますが、同日の深夜にはホーム側の40列にペアで38.800円の落札がありました。そして深夜の1時前には、ついにカテ3のアウェイの43列でさえもペアで38.800円という信じられない入札を見ます。アウェイの43列目が40.000円弱です。明らかに異常な事態です。

最新の4日のデータを見ても格安な落札は無く、1枚の出品が比較的安値で終わっているくらいで、ペアの出品ですとアウェイの30列台で25.000円前後での落札が続いています。
ここに来て出品も徐々に少なくなり、カテ1,2を狙っていた入札者がカテ3を求めて来ているようです。アルゼンチン戦を是非とも見たいファンが、しびれを切らして高値での入札を繰り返してます。
定価近くで買えていた一般発売後の相場を思えば、これほどダイナミックに変化するものかと驚かされます。


後 記

今回のヤフオク研究は、6月8日に長居(大阪)で行われるアルゼンチン戦の速報をお届けしました。
現在パラグアイ戦(6月11日・埼玉)の速報も作成中ですが、アルゼンチン戦の白熱ぶりとは対照的に、パラグアイ戦は出品者たちにとってまさに「悲惨な状況」になってしまっています。
出品が膨大なため作業に時間がかかっておりますが、出来るだけ早く次を報告しようと思っております。御期待下さい。


追 記

本検討はアルゼンチン戦2003チケット売買の速報の第二報です。これまでの報告と併せてご覧頂けますと幸いです。残りわずかな日数となりましたがアルゼンチン戦の方も最後にもう一度「短報」で報告したいと思っております。また全体をまとめた「総括」は後日、報告します。(所長)