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UPDATE 2003.11.19
ヤフーオークション研究(速報・総括)
「日本代表対カメルーン代表戦2003」(11/19大分)チケットの売買の解析
第二報

最後までやや高値で推移した大分カメルーン戦
予約番号と実券の取引数はチケット換算で計1万席分!
川越シマリス研究所 所長
はじめに

 いよいよ試合当日となりました。一般発売前後には一時高騰の気配を見せた今回の「キリンチャレンジ2003・カメルーン戦」(11月19日・大分)ですが、最後まで安定した高値相場のまま試合当日を迎えました。試合直前まで一部の良席を除けばさほど高騰することなく、また終盤の暴落をみることもありませんでした。
 ヤフオク後半の取引も、1階前列の良席では相変わらず定価の倍前後の値をつけました。しかし2階席をはじめとする良席以外の取引では、定価プラスアルファ程度の落札値で収まっています。

 今年は前回のセネガル戦(新潟)が終盤に高騰したこと、またその前のパラグアイ戦(埼玉)やナイジェリア戦(国立)が最後に暴落、あるいは値下がりしたことが印象的でしたが、今回の大分戦は今年になって初めての安定した相場だったようです。

 この大分カメルーン戦のヤフオクは、新潟でのセネガル戦に比べて一般向けの発売枚数がかなり多かったと思われ、またセネガル戦の高騰の結果を見て多くのゲッターさん(多くは素人のゲッターさん)達がカメルーン戦のチケット獲りに参戦したことで、出品がかなり増えました。
 高騰の要素はあったのですが、出品数が多いことで相場は高騰することなく「やや高値」程度で安定し、また大分という地方都市での開催ではあるものの根強い代表戦需要があるために、市場は下落もせずに最後までやや高値で経過したものと思われます。

 今回の「大分カメルーン戦」を総括すると、予約番号の取引が917件(チケット換算で3,759席分)、チケット(実券)の取引が我々が収集しただけで2,390件(5,596席分)でした。最初の1週間がサンプル収集なので、実際にはチケット取引は6,000席分程度だと思われます。前回の新潟セネガル戦と比較すると、取引件数で1,200件、チケット枚数に換算して3,000席分以上増えています。
 予約番号分とチケット分を合わせると約一万席分です。会場の座席数が少ない割には多く、首都圏開催の代表戦と肩を並べる数です。しかし一試合で一万枚ものチケットがヤフオク上で取引されていることには、毎度ながら驚かされます。
 また今回の大分カメルーン戦の一般向けの発売枚数は二万数千枚と考えられるので(前回の新潟セネガル戦はこれよりもかなり少なかったのです)、一般発売分の三分の一以上のチケットがヤフオクで売り買いされていることになります。ヤフオクが日本最大の非公式チケット販売会社と言われる所以です。

 また今回の大分カメルーン戦の特徴として、極端な高値での取引が少なかったことも上げられます。首都圏開催の試合であればピッチに近い前列の良席にペア(チケット連番2枚)で70,000円から100,000円という異常な高値を入れる入札者もあるのですが、地方ではそのようなむちゃくちゃな入札をする者は無く、ペアで50,000円を超える高額での取引は数件にとどまりました。
 入落札者のほとんど(半数以上の8割近く)は大分の方々であり、次いで隣県の福岡、熊本などの方が多かったようでした。


対象と方法

 ヤフオク上の代表戦(カメルーン戦 11月19日・大分)の「チケット」の取引と「予約番号」の取引をウオッチリストに記録し、それぞれの出品のオークション終了後にその落札価格と終了時間を記録します。「チケット」については、説明のあるものは商品の詳細、座席の位置、取引の方法、出品者についての情報などを記録します。
 研究の期間は、先行発売前の10月1日(水)から試合当日の11月19日(水)の昼12時までです。
 今回は一般発売後の10月24日までの「チケット」の取引のウオッチがサンプルでの(全体の7割の)収集になっています。 「予約番号」の出品と、10月25日以降の「チケット」の出品についてはほぼ100%のウオッチ率になっています。
 本報告は速報の第二報の総括です。本報では発売開始から11月18日分(試合日である11月19日昼12時まで)の全取引データを検討しました。

 今回のカメルーン戦はカテ1、2、3、4の販売で、カテ4のみが自由席(一般、高校、小中)であり、他は指定席です。カテ1はメインスタンド、カテ2がバックスタンド、カテ4が両サイドのゴール裏であり、カテ3はカテ1,2とカテ4に挟まれた四隅になります。
 チケットの定価は今回も前回の新潟セネガル戦と同じで、カテ1が7.000円、カテ2が6.000円、カテ3が4.500円、カテ4(一般)は3.000円(/枚)となっています


結果と考察

一般発売から試合当日までの「カメルーン戦2003」(11月19日・大分)取引の集計

1)「チケット」取引数の推移(実数)
Fig.1
グラフは一般発売後の「チケット」の取引数の推移を示しています(Fig.1)。縦軸が各日の出品数(実数)で、横軸が日時です。カテごとに色分けしてあります。
 先行発売から一般発売前日までのデータはグラフでは10月18日分の一日にひとまとめにしてあります。また先行発売から10月24日までの取引のウオッチがサンプル(全体の7割の)での収集になっていることをご考慮下さい。

 前回も報告しましたが、一般発売後は一日100弱の取引件数で推移し(グラフ上はその7割を表示)、最初の日曜日(10月26日)に大きなピークが見られました。ゲッターさん達がこの日に一気に放出した(終了を設定した)のです。
 次いで11月2、3日に小さなピークがあり、代表メンバー発表後の11月12、13日にも大きなピークを認めます。

 通常、ヤフオクではウオッチ率の高い日曜日の夜に出品者の多くが終了を設定する傾向にあります。ウオッチ率の高い方日曜日の夜が値が上がりやすいからです。
 しかし出品数が需要に対して多すぎると、逆の結果(値下がり)を招くことになります。毎度の傾向ですが、最近の代表戦や日本シリーズなどのチケットの取引がそうです。

 今回の大分カメルーン戦でも、10月26日は出品の終了が明らかに多すぎたことで相場がやや下げました。この下落の影響によって、次週の出品数が伸びなくなっています。
 10月の末から11月の初めまでは、出品の取りやめ(出品中止)が相次ぎ、また新規の出品も明らかに減りました。高騰を期待する出品者達が、後の相場の回復を待ったのです。

 しかし熱心なファン達は、大半がこの時点で既にチケットを手にしています。大分はサッカーファンが多い土地なのですが、需要の底は首都圏ほど広くは無いこともあり、出品数が伸び悩んでも(通常なら出品が減れば値が上がるのですが)、相場はさほど高騰しませんでした。このため発売後の2週目も3週目も、出品数はさほど多くは無いのにあまり値が上がらないという展開になっています。

 大きなピークは試合前週の代表メンバーの発表後に来ました。
 11月12、13日には平日にもかかわらず単日で100件を越える出品終了があり、多くの取引がありました。最後まで高騰を待っていた出品者が、ここで一気に出品して来たのです。
 試合は翌週です。出品者はここで売り切らなければなりませんから、開始価格、最低落札価格、あるいは即決価格を下げて出して来ました。強気の値段設定では、明らかに売れない状態になっていたのです。
 この試合前週の11月11日からの数日は、明らかに買い手市場となっていました。

 12、13日を中心とする出品数の増加は、代表メンバーの発表後ということもありますが、銀行が休みとなる週末に取引が入るのを避けるという理由が大きいようです。つまり、銀行の営業日である金曜日までに入金確認が可能である日となると、水曜日か木曜日の夜に出品を終了させなければならないのです。

 前回の新潟セネガル戦もそうですが、地方での開催の場合、月曜日の早い時間の入金確認後の発送でギリギリです。以後は試合日である水曜日に間に合わない可能性があります。出品者の多くは首都圏の方々です。首都圏の試合であれば直接手渡しでも受け渡しが出来ますが、地方ではそれが出来ません。このため、取引は実質16日の夜で終了しています。


2)「チケット」落札価格の推移(試合当日まで)

以下、各カテごとの「チケット落札価格の推移」です。縦軸が1件(ペア2枚)の落札価格であり、横軸が日付になっています。1枚などの2枚以外での出品は2枚あたりの価格に換算してグラフに示しています。
カテゴリー1
Fig.2
 比較的落ち着いているといっても、さすがにカテ1は最後まで安定した高値になりました(Fig.2)。しかし前半こそ1階の良席ではペアで30,000円以上が当たり前になっていましたが、11月以降は良席での出品がほとんど無くなったこともあり、ペアで20,000円台前半が中心になっています。ペアの出品がほとんどですが、2枚の出品では定価並に値が下がることは無く、定価前後での落札は、ほぼ全て1枚での出品でした。

 後半の代表的な高値での取引を紹介しますと、メインスタンド1階でペア56,000円(A3 1階ff列 180番台・11月5日)、ペア38,500円(A3 1階dd列目 150番台・6日)、ペア29,000円(A4 1階e列 300番台・7日)、ペアで40,000円(A5 1階3列目 150番台・8日)、ペア34,000円(1階CC列 160番台・8日)、ペア30,000円(A2 1階f列 70番台・8日)、ペア45,000円(A5 1階dd列 350番台・9日)、ペア39,500円(A5 1階bb列・9日)、ペア41,000円(A5 1階ee列 350番台・11日)、ペア51,000円(A2-o列 100〜120番台・15日)、そして16日には ペア72,000円 (A2 hh列90番台、gg列90番台、ff列90番台)がありました。これが2階席になるとペアで20,000円前後になり、2階席後方ではペアで17,000円前後になっていました。

 今回の大分カメルーン戦の特徴は、首都圏での試合に比べて最前列、あるいは最前列に近い前列での出品が少なかったことです。これは全カテで言えるのですが、どうもゲッターさん以外のチケット購入者はほとんどが地元大分の方であったようであり、最前列などの良席は手放さなかったものと思われます。



カテゴリー2
Fig.3
カテ2も比較的安定した高値で相場を維持しました(Fig.3)。
 グラフの通り、このカテ2の相場は一般発売前の先行予約分からペアで20,000円台でのでの取引が中心となり、1階の前段では定価の倍以上もの価格で落札されています。比較的廉価で取引されるのは2階席であり、それでも序盤はペアで20,000円近い値段で取引されました。カテ1でも述べましたが定価に近い安値での取引は1枚での出品でした。

 相場が安定した11月の初旬以降は、2枚以上での出品では1階席がペアで20,000円前後、2階席ではペアで15,000円前後が相場になっています。
 ただしこのカテ2は出品数が多いことで、出品の終了が集中する日曜日には相場を下げる傾向がありました。グラフでは10月26日と11月2日、9日の日曜日が特徴的であり、これらの日は出品終了の集中から良席でも値を下げる傾向がありました。

 また落札値については、席位置の違いによる要素に次いで、終了時間による違いで落札値にかなり上下が出ていました。地方開催ということで大分の入落札者が多かったのですが、ヤフオクにあまり慣れていない方もいらっしゃったようです。

 前回の報告以降の主な高値での取引を紹介すると、バックスタンド1階のホーム側でペア32,500円(B5 1階gg列 410番台・11月2日)、1階前列でペア27,500円(B3 1階ff列 200番台・11月3日)、m列でペア36,124円(1階n列 400番台・11月3日)、アウェイ側ではB2のee列でペア24,500円(B2 1階ee列・11月4日)、dd列でペア26,000円(B2 1階dd列 130番台・11月5日)などとなっています。
 11月に入って以降は、バックスタンドの1階の良席でもペアで25,000円がいいところであり、明らかに相場が下がっています。
 しかしこの値下がりもわずかなものでした。試合前週の11月10日以降、出品が急増したにも関わらず相場は暴落せず、やや高値を維持しました。定価を下回る取引もわずかにありましたが、全て1枚での出品です。
 出品が急増しながらも暴落見なかった理由は、地元、大分の方々の入札が最後まで絶えなかったためです。試合直前になりスタジアムでの観戦を決めた地元の方が非常に多かったのではないでしょうか。


カテゴリー3
Fig.4
 序盤、定価の2倍弱での取引を多く認めたカテ3も、11月に入ってからやや値を下げました(Fig.4)。特に試合前週の11日以降は、カテ2の出品が急増したために、このカテ3と下のカテ4の人気が落ちています。ペアでも10,000円余りの取引を多く認めました。
 このカテ3も後半は良席での出品をほとんど見ませんでした。良席が無いことも値が上がらない要因と思われました。


カテゴリー4
Fig.5
 前回の新潟セネガル戦では最後にペアで30,000円超を見た自由席ですが、今回のカテ4は非常に安定した相場を維持しました。グラフを見ても分かるとおり、試合直前こそ出品の減少から値が上がっていますが、最初から最後までペアで10,000円前後を維持しています(Fig.5)。
 特にカテ4の出品が急増した試合前週の11月10日以降、定価程度の取引はありましたが、定価を下回る取引は1枚での出品のみであり、ペアでの出品であれば確実に定価プラスアルファの値を維持しました。
 しかしこのカテ4は、かなりの数のゲッターさんが模様眺めで最後の最後まで出品を待っていたようです。序盤の高騰を期待したものの、さほどの値上がりをみないために出品を待ち、タイミングをみている出品者が非常に多かったと思われます。
後 記

 今回の大分カメルーン戦のヤフオクを通して思い知らされたのは、昨年、そして今年前半と比べても素人のゲッターさんが非常に増えているということです。そのほとんどがあたかも株取引のような、またはゲーム感覚で、転売による利益確保を目論んでいます。

 今年のトヨタカップでも同じような現象があるのですが、素人ゲッターさんの激増によって、従来の業者、あるいはプロのゲッターさん達がチケットを確保出来にくくなって来ています。チケット獲得競争の激化によって、ゲッターひとりあたりの取れる枚数が激減しています。そのために、昨年まで、あるいは今年初め頃まで見たプロの業者さん達が、最近は目立たなくなって来ているという面白い現象があります。
 このへんの詳しいところは後のトヨタカップの報告の中で述べます。


追 記

 引き続いてトヨタカップの第一報をアップします。(所長)