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UPDATE 2003.8.7
ヤフーオークション研究(速報)
「日本代表対ナイジェリア戦2003」(8/20国立)チケットの売買の解析
第一報

序盤から暴落した予約番号の取引(先行発売から8月3日まで)
川越シマリス研究所 所長
はじめに

ヤフオク研究「キリンチャレンジ2003・ナイジェリア戦」(8月20日・国立)の第一報をお届けします。この第一報では「予約番号」の取引のみを報告し、チケット取引の序盤戦は次の第二報でお届けします。

今回の「ナイジェリア戦」は当初6月に埼玉スタジアムで行われる予定で組まれていたものです。それがSARSの影響で中止となり、代替として8月に予定されていた「パラグアイ戦」が前倒しで急遽6月11日に行われたという経緯があります。結果的にパラグアイ戦と入れ替わる形で、ナイジェリア戦が8月20日に組まれました。
いつものようにファミマの先行発売の受付が、今回は7月22日から始まり、29日に当選発表となりました。一般発売が8月3日です。ヤフオクへの出品は後援会分(カテ2)の出品が7月16日から認められました。

今回のヤフオクの特徴ですが、前回のキリン杯にも増して出品数が極めて多くなっています。しかし、専門のチケット業者の方の出品数は減っているのです。「ほぼ業者」あるいは「素人ゲッター」の方々の出品が、ものすごい数で出ているのですが、どうもプロ(専門の業者)の方々は今回の「ナイジェリア戦」を儲からないと判断したようです。そのプロの「業者」の方々の予想が果たして当たるかどうかも興味あるところです。

実際、今度の「ナイジェリア戦」のチケット市場は、大暴落した前回のパラグアイ戦(埼玉)ほどではありませんが、序盤から極端な高値の無い、比較的落ち着いた展開になりました。これはヤフオク上で同時期に進行した「レアル戦」とは好対照です。
結果的に8月3日の一般発売後に暴落するのですが、序盤の一般発売前のファミマの先行分までは、多くの取引が6月8日のアルゼンチン戦(大阪・長居)の前半戦よりもやや高い程度の相場で推移しました。前回のパラグアイ戦(発売時にはナイジェリア戦)では未落札・未入札が多発し、落札率が57%と低調だったのと比べると、不人気とはいえ取引は盛んでした。

ファミマの先行の抽選前に出品される後援会分は、大半が1枚か2枚のカテ2の予約番号ですが、ファミマの発表までに1枚あたり6.000円程度(4枚に換算すると24.000円前後)で取引されていました。ただし後援会分の取引数はわずかであり、後援会分の出品はやや減少傾向にあるようです。

本格的にヤフオクに予約番号の出品が登場するのは29日のファミマの先行発売の当選発表後になります。このファミマの先行に出品されるのは、専門の「業者」ではありません。専門の業者は電話でチケットの予約番号を得ますから、業者の出品は一般発売後に出てきます。
ファミマの先行販売では今回も多量の出品がありました。未落札(未入札)も若干あるものの、引き替え終了となる一般発売前日までにカテ1が60件、カテ2が104件、カテ3が14件、カテ4が65件、合計243件(約1.000席分)が取引されました。落札価格は上にも述べたように6月のキリン杯よりもやや高い価格で取引が推移しました。
しかし8月3日の一般発売後には様相を異にすることになります。一般発売後、極めて多量の出品がヤフオク上にあふれたのです。そのほとんどが「ほぼ業者」の方の出品であり、世間でよく素人ゲッターさんと呼ばれている方々です。

今回は「プロの業者」の方々は、4名ほどしか確認していません。前回のパラグアイ戦(埼玉)と同様です。8月3日の一般発売前、ヤフオクには前々日頃から予定出品(見込み出品)が登場し、8月3日午前10時の発売と同時に多量の出品が終了を迎えました。その数は半端ではなく、この8月3日に取引(落札)された出品は1日で550件に上りました(カテ1:40件、カテ2:149件、カテ3:90件、カテ4:271件)。先にも述べましたがほぼ全てがプロの業者では無い「ほぼ業者」の方々の出品ですが、これはこのヤフオク研究をはじめてから最高の数字になります。
そして今回はこれら「ほぼ業者」の方々のあまりの出品数の多さから、発売日の8月3日は明らかに供給過剰の状態になりました。また、ただでさえ少ない国立のカテ1の予約番号は、「ほぼ業者」の方々もなかなか確保出来なかったようであり、多くのカテ1の予定出品が追記でカテ2,あるいはカテ4に変更されていました。

一般発売のこの日、午前10時の発売開始直後からヤフオクでは予約番号の出品の終了が短時間に膨大な数続きました。相場は開始2時間後の12時台までは需要と供給の関係で比較的高い相場が維持されていましたが、あまりの出品過多の為、13時台から暴落が始まりました。この傾向は出品が続く夕方まで続き、出品の経る夜にはやや価格を戻す結果となりました。以後、落札価格の低迷は現在まで続いています。供給が少ない(元々の座席数が少ない)カテ1を除いて、予約番号にはまともな値が付かず、チケットも定価か、定価に近い価格での落札が続いています。

それではチケットの取引の報告は次回にまわして、先行発売後の「予約番号」の取引状況を報告します。


対象と方法

現在出品中のヤフオク上の代表戦(ナイジェリア戦 8月20日・国立)の「チケット」の取引と「予約番号」の取引を全てウオッチリストに記録し、それぞれの出品のオークション終了後にその落札価格と終了時間を記録します。チケットについては、説明のあるものは商品の詳細、座席の位置、取引の方法、出品者についての情報などを記録します。
研究の期間は、先行販売の申し込み開始の7月22日(火)から試合当日の8月20日(水)の朝までです。
本報告は速報の第一報(短報)です。本報では先行発売から一般発売の8月3日(8月4日朝6時)までの「予約番号」の全落札データを集計しました。
今回のナイジェリア戦はカテ1、2、3、4の販売でカテ4以外が指定席です。カテ1がメインスタンド。カテ2がバックスタンド。カテ4が両サイドのゴール裏側、カテ3はカテ1、2とカテ4に挟まれるコーナーとなります。
チケットの定価はカテ1が7.000円、カテ2が6.000円、カテ3が4.500円、カテ4(一般)が3.000円です。


結果と考察

先行発売から8月3日までの「ナイジェリア戦2003」予約番号の取引の集計
1) カテゴリー1
まず、カテゴリー別の「予約番号」の落札状況です(Fig.1)。
グラフは縦軸が金額(予約番号1件=チケット4枚の購入権利)であり、横軸が日付になっています。
予約番号1件でチケット4枚を発券出来ます。なかにはチケット2枚、あるいは1枚の購入権利などの出品もありましたが、それらは4枚相当の金額に換算してグラフに表示しています。

グラフを見て頂ければ判るかと思いますが、7月29日のファミマの先行発売の抽選発表の当日は予約番号1件に30.000円もの値段がついています。数件40.000円を超える取引がありますが、これは相場形成を目的とした自己落札と思われました。
以後わずかに値を下げますが、出品終了のピークとなった31日にも多くの取引が20.000円台での落札になっています。
引き替え終了を控えた8月1,2日には出品が減り、値を下げますが、一般発売となった8月3日には多くの予定出品の終了があり、多くの取引が行われています。
このグラフを見てお判りの通り、オークションの序盤ほど(先行発売の方が)落札値が高くなっています。
Fig.1
8月3日一般発売日の取引の推移(24時間)カテゴリー1
Fig.2
一般発売日である8月3日の24時間の取引の推移も興味深いので供覧します(Fig.2)。縦軸が予約番号1件の落札価格であり、横軸が朝6時から翌日朝6時までの24時間になっています。
グラフを見てお判りの通り、午前10時の発売開始後1時間経過した11時台から予定出品の終了が続きました。
今回、会場が国立であることもありカテ1は業者(実際にはほぼ業者の方々)も、なかなかカテ1が確保出来なかったようです。落札価格は他のカテに比べるとカテ1の出品は少なく、落札価格も取引がはじまった午前11時台からばらばらです。
1件で4席分の購入権利である予約番号ですが、予約番号の段階では席位置が判らないのでカテが同じなら全て同一の価値であるわけです。それにもかかわらず、オークションの宿命でこれだけの落札価格差が生じています。
一時1件20.000円以上で取引されますが、午後になり値下がりし、10.000円程度の取引が続いています。


2)カテゴリー2
カテ4に次いで出品数が多かったカテ2です。中白のポイントは先行発売前の後援会分の出品です。

先行発売の前半では比較的高値で落札されていますが、出品数が増えた31日以降、ほとんどの出品が10.000円台中前半で取引されています。
31日に出品(の終了)が多いのは、出品期間の最短設定が2日間であるためです。先行発売の出品はファミマからの当選通知が来てから出品されるので、当選通知が来てから出品すると、2日遅れてオークションが終了するのです。

一般発売までは相場は維持されていましたが、一般発売の8月3日には供給量の増加から落札価格を下げることことになります。
この傾向は以後さらに強くなり、ヤフオクのチケット相場も現在はカテ2でさえ暴落傾向になっています。
Fig.3
8月3日一般発売日の取引の推移(24時間)カテゴリー2
Fig.4
発売日(8月3日)のカテ2の予約番号の取引の推移です。横軸が24時間です。(Fig.4)。
開始こそ予約番号1件10.000円程度で取引されますが、昼12時台から値下がりし、1件6.000円程度で取引が推移します。供給過剰となった同日の午後には一時3.000円台での取引が続きます。
出品が減った15時台から徐々に相場は上昇し、5.000円から6.000円台での落札が続きます。
夕方に一旦出品が途絶え、当日の夜にまた出品がありますが、落札価格はあまり上昇することなく1件3、4.000円前後での取引が続きます。ある程度ヤフオクに慣れた落札者は、この段階で今回の(高騰は無いという)相場展開を見切ったのではないかと思います。ここで買い急ぐ必要は無いと判断したと思われます。

この日のカテ2の最安値は予約番号1件で1.100円での取引です。前回のパラグアイ戦ほど入札も無いというような状況ではありませんでしたが、それに近い暴落の状況でした。


3)カテゴリー3
今回、カテ3とカテ4は惨憺たる状況になりそうです。前回の最終的に代表選のチケットが紙屑同然となった埼玉パラグアイ戦ほどではありませんが、それに次ぐ暴落ぶりです(Fig.5)。
カテ3は元々席数が少なく、販売数が少ないため先行発売でも出品数はわずかです。
またカテ2とカテ4に挟まれた「中途半端な」席種であり、いつも入札が集まりません。また価格も上昇しにくいカテであり、買い手にとっては穴的な券種でもあります。

グラフを見ても判る通り、先行発売こそ10.000円台の相場で維持しましたが、一斉に出品が増えた8月3日には大暴落しています。
Fig.5
8月3日一般発売日の取引の推移(24時間)カテゴリー3
Fig.6
一般発売日である8月3日のカテ3の取引です(Fig.6)。10時の発売開始から1時間経過した11時台から5.000円前後での取引が推移しますが、12時台から下落し、出品の集中する13時以降は暴落が始まりました。出品に全く入札が入らず、入札があっても競争にはならずに入札が終了しています。開始価格で終了する出品が多く、1件2.000円から1.000円台の相場で推移しています。
夜になり相場はわずかに上昇しますが、回復とはいえず、当日の22時以降は再び1件1.000円台に下がりました。また、値段が付かず未落札で終了する出品も多く認められました。
4)カテゴリー4
いつもは人気のサポーター席であるカテ4も、最終的に暴落しています。また今回は自由席であることも、入札を集めない要因のようです。Fig.7のグラフは先行発売以降の落札価格の推移です。わずかに10.000円台での落札も認めますが、多くの取引が5.000円から6.000円前後に集中しています。

一般発売の8月3日には極めて多数の出品がありましたが、中でもこのカテ4は出品数が今回特に多く、これも暴落の原因となっています。明らかに出品過多であり、時単位の供給が時単位の需要(ヤフオク・ウオッチャー)を上回ったのです。同時同分に何件もの出品が終了するほどの出品数なのですから無理もありません。
このため8月3日は、多くの出品が開始価格で終了し、オークションにもならず未入札で終了する出品が数多く認められました。
最新のチケット市場でもこのカテ4にはほとんど入札が集まっていません。
Fig.7
8月3日一般発売日の取引の推移(24時間)カテゴリー4
Fig.8
8月3日一般発売日のカテ4の落札価格の推移です(Fig.8)。このグラフを見ても判るとおり、この日はものすごい数の出品がありました。落札されたものだけで1日でカテ4が271件です。未入札のものを含めると400件に迫ります。しかも全てが見込みの予定出品であり、素人ゲッターさんをはじめとする「ほぼ業者」の方々の出品です。
今回はかなりの数、このような出品があったわけですが、業者も過当競争となってしまったようで、確保出来ないカテ1,カテ2の替わりに、従来なら特殊な試合を除いてプロはあまり手を出さなかった自由席のカテ4までも漁り、出品して来たのです。手間の割に利益は少ないのですが、チケットと異なり予約番号の取引は定価割れというものが無いので(仕入れは0円なので)、このような状況になるのでしょう。
10時の販売開始直後に2件、13時台に2件の10.000円を超える不自然な入札がありますが、これらは相場形成を意図した自己落札です。相場を上げようとする目的で、自分で自分の出品に入札するのです。このような自己落札は夜の21時以降も認められ、前後の相場(1.000円台)を無視した5.000円前後の高値での取引を行っています。
後 記

昨年のワールドカップ以後、ジャマイカ戦、アルゼンチン戦、そして12月のトヨタカップまではプラチナチケットと言われたサッカー・チケットですが、今年に入りヤフオク市場は沈静化し、6月のパラグアイ戦(埼玉)では最後には紙屑同然の投げ売り状態になるまでに相場が下落するようになりました。

アルゼンチン戦や韓国戦などの人気国が相手の場合は需要が高いようですが、人気国で無い場合にはたとえ交通の便の良い都内(国立)での試合であっても、価格は高騰しないようです。
それを一番判っているのが専門の「業者」であり、判っていないのが素人の俗にチケットゲッターと呼ばれている「ほぼ業者」の方々なのでしょう。

今回のナイジェリア戦のヤフオクウオッチで感じられたことは、これら「ほぼ業者」の方々の激増ぶりです。これでもかという膨大な数の見込み出品は、昨年には見なかった現象です。
ヤフオクが世に知られるようになり、さらに利用者が増え、チケットゲットの術を知る素人が増えた結果が(サッカーチケットだけの話ではありませんが)、今のこの状況です。

価格の高騰が無くなったのは喜ばしいことですが、それでも一般のサッカーファンがチケットを通常の方法で入手出来ないことには変わりがありません。状況はさらに入手困難になっています。それもこれも素人ゲッターさん達の増加のためです。さらに言えば、入手したチケット(予約番号)を手軽にさばけるネット・オークションの普及にその原因があります。

チケットの高騰を招くのはそれに応ずる入札者がいるからです。責任は入札する側にもあります。しかし今の状況では、業者の問題だけでは無く、価格の高騰は無くとも、僅かな小遣い稼ぎのために通常では無い手段でチケットの予約番号を入手する素人の増加に問題があります。誰もが情報を知り得るこのネット時代だからこその事態です。
やはり、欲しい人が(定価で無くとも)適正な価格でチケットを買えないというのは問題ですし、その上乗せの利益が興行主では無く、関係の無い人間の懐に入ることには納得が出来ません。

追 記

本検討は8月20日に東京・国立で行われるナイジェリア戦のチケット売買の速報の第一報です。これまでの他の報告と併せてご覧頂けますと幸いです。第二報を作製中です。出来るだけ早くアップします。汗(所長)