BACK

UPDATE 2003.8.15
ヤフーオークション研究(速報)
「日本代表対ナイジェリア戦2003」(8/20国立)チケットの売買の解析
第三報

欧州組全員参加でも高騰せず(発売開始から8月13日まで)
川越シマリス研究所 所長
はじめに

ヤフオク研究「キリンチャレンジ2003・ナイジェリア戦」(8月20日・国立)の第三報をお届けします。
本報告は8月13日分(14日朝6時)までのヤフオク上の全てのチケットの取引を集計、解析しています。

発売以降これまで比較的安値で安定していた「ナイジェリア戦」のヤフオク相場ですが、8月11日に代表メンバーの発表があり、欧州組の全員召集が明らかになったことでヤフオクのチケット市場も一時相場を上げました。
しかし落札価格の高騰を見たのはカテ1とカテ2の良席の若干数のみで、カテ3はほぼ横這い、カテ4は高騰すること無く定価程度で取引されています。そして未入札で終了する出品は、減るどころかやや増えています。

今回のナイジェリア戦は、前回のパラグアイ戦ほどではありませんが序盤から相場が下落しました。
先行発売直後こそやや高値で取引されましたが、8月3日(日)の一般発売後は、まず「予約番号」の取引が暴落し、「チケット」の取引も一部の良席を除いて低迷しました。

この原因はまず今回の対戦相手に今ひとつ人気(魅力)が無いこと、そして転売を目的とする業者(実際にはプロでは無い素人のチケットゲッターの方々が多いのですが)の方々が、発売日にあまりにも数多くの予約番号を獲得しており、それをヤフオクに一気に放出したことがこの暴落の引き金になりました。特に国立は発売されるカテ1の座席が少なく、業者(実際にはプロでは無い素人も混じったほぼ業者)も業者自身の数の増加から席の確保が困難になったため、業者が下位の席種(カテ3,カテ4)までも大量に確保し、多数ヤフオクに出品して来ました。
しかし今回のカテ4は自由席であることもあり人気が無く、いつもなら高額で取引される発売当日の午後から、カテ4の「予約番号」は開始価格の500円でも売れないという結果を招きました。
発売当日からカテ1,カテ2などの上位席種はまあまあの値段で取引されているのですが、この「予約番号」の相場の低迷感から一般の出品者も「チケット」の出品を躊躇することになりました。いつもなら一般発売後の一週間は多量の「チケット」の売りがあるのに、今回は一般発売後の一週間、さほどチケットの出品が増えないという結果となっています。

今週は週初めの8月11日、12日こそ出品を増やしましたが、現在、市場にはまだまだチケットが残っているようです。
ヤフオクの各出品をのぞいてみると判りますが、一般の方々がカテ1を除いて多量のチケットを余らせています。
試合まで残り数日となった今週末は、この一般の方々の余ったチケットが多量に出品されることが予想され、週初めには欧州組の参加で高騰気配を見せたヤフオク相場も、最後には暴落に近い状態で値を落とすことになりそうです。
それでは今回の「ナイジェリア戦」のチケット売買の最新情報を報告します。


対象と方法

現在出品中のヤフオク上の代表戦(ナイジェリア戦 8月20日・国立)の「チケット」の取引と「予約番号」の取引を全てウオッチリストに記録し、それぞれの出品のオークション終了後にその落札価格と終了時間を記録します。チケットについては、説明のあるものは商品の詳細、座席の位置、取引の方法、出品者についての情報などを記録します。
研究の期間は、先行販売の申し込み開始の7月22日(火)から試合当日の8月20日(水)の朝までです。

本報告は速報の第三報です。本報では8月13日(8月14日朝6時)までの「チケット」の全落札データを集計しました。

今回のナイジェリア戦はカテ1、2、3、4の販売でカテ4のみが自由席でありその他のカテは指定席です。
カテ1がメインスタンド。カテ2がバックスタンド。カテ4が両サイドのゴール裏側、カテ3はカテ1、2とカテ4に挟まれるコーナーとなります。
チケットの定価はカテ1が7.000円、カテ2が6.000円、カテ3が4.500円、カテ4(一般)が3.000円(/枚)です。


結果と考察

先行発売から8月13日までの「ナイジェリア戦2003」(8月20日国立)取引の集計

1)落札数/未入札数の推移(実数)
Fig.1
グラフは「チケット」の取引の、落札数と未入札数(未落札数)の一般発売後の推移を示しています(Fig.1)。縦軸が各日の実数で、横軸が日時です。両者の合計がヤフオクへのチケット(実券)の出品数ということになります。左端の8月3日が今回の一般発売日になります。

グラフを見てお判りの通り、発売翌日の8月4日の未落札数が非常に多いのが特徴的です。前日(8月3日)の予約番号の暴落ぶりを見て、購入希望者が入札を控えたようです。また、いつもなら出品数の多い発売後の一週間なのですが、週末(8月9、10日)に至るまでその数があまり増えていないことが判るかと思います。
また、メンバー発表があった11日とその翌日の12日の出品数が増えていますが、未入札数はあまり減っていません。この未入札数(未落札数)の多さは開始価格でさえも入札されずに流れる(出品が終了する)ということであり、統計上の数字にはならない相場の下落を意味します。ですからこの未入札の割合は、入札需要を見る上で、ある意味取引相場以上に重要で、入札者側の心理を読むバロメーターになります。
(この部分の表現が良くないので補足します。未入札、未落札数の増加は、開始価格が定価より高い場合は数字上の下落にはなりません。しかしヤフオクのようなオークションでは入札者の落札意欲が冷えた場合でも、開始価格以下には値段が下がらない訳で、その代わりに未入札、未落札数が増えるという現象が起きます。これが統計上の数字にはならない下落の意味です。中にはその他の理由で入札を見送られる出品もありますが、未入札が多数出るような状況では、次々に落札を見送る入札者の行為が、値は下がらなくとも現在の相場の下落感、あるいはそのムードを反映していることになります。8/16)

またいつもなら土日の終了が多いのが当たり前でなのですが、今週はそれより翌週の月、火(11、12日)に出品の終了数が増えています。これはかなりの数の出品者が、代表メンバーの発表がある11日の終了を狙った可能性があります。
13日以降はこれよりやや出品は減っていますが、それでも一日で200以上もの出品の終了数を維持しています。
いつもの傾向から、今週末にもう一度出品のピークが来ると思われます。最後のヤマは今度の日曜日(17日)の夜でしょう。


2)チケット落札価格の推移(8月13日分まで)

以下は前回以降の「チケット落札価格の推移」です。今回の報告分(8月9日から13日分まで)は濃いポイントで表示してあります。淡いポイントが前回までの報告分(8月8日分まで)です。

カテゴリー1
Fig.2
まずカテ1です(Fig.2)。このカテ1のみが出品数の少なさから相場が上昇して来ています。
一般発売直後はピッチに近い前段か、後段の良席でないと高値が付いていませんでしたが、今週はカテ1であれば入札が集まるようになっています。
先週末まで(10日まで)は入札側に購入の意欲がありませんでした。特に10日の日曜日はカテ1でも定価での落札が多く認められ、出品数が少ないにも関わらず値が付きにくい状況でした。カテ1でペア30.000円以上をつけるのは前段の良席のみでした。
しかし11日以降は前段であればほぼ全てが高値で落札され、中には後段でもペアで30.000円以上の落札値をつけるようになっています。
11日の代表メンバー発表後、翌12日にはペアで50.000円以上をつける取引が頻発しています。前段O列で51.000円(1枚25.500円)、M列でペア56.000円、N列で61.000円(1枚30.500円)というペアで60.000円をも越える取引も見られました。
13日も50.000円台こそありませんが、前段のG列でペア41.000円、N列でペア42.000円、F列で41.000円とペアで40.000円を超える取引が見られます。
この12,13日の2日間でペアで20.000円以下の取引が減って来ており、平均落札値も上昇しています。
これは明らかに欧州組召集の効果であり、このカテ1でのみ顕著に現れています。しかし高騰とまでは言えません。

当初欧州組の参加は難しいのではないかという噂があったため、今回のナイジェリア戦の購入を迷っていた方々が多かったのではないかと思います。その模様眺めをしていた方々が、ここに来て躊躇無く高値での入札をして来ているのです。
オークションの各入札履歴の「詳細」で判るのですが、超高値で落札された幾つかの出品は、競って高くなったというよりも、落札者が初めから途方もない額を入れています。他の人が入札して来ても「自動入札」で最高値を更新(上回り)し、最終的に他者が追いつけないという形で終了(落札)しています。
つまり初めからかなり高い金額を入れているわけで、終了間際に競っているわけでは無いことが判ります。このような方々の(常人では考えられない高額での)入札により、過去にあったような試合によってはペアで10万という落札も生じ、それがニュースとなり、高騰にも拍車をかけることになるのでしょう。


カテゴリー2
Fig.3
カテ2も8月10日(日)までは暴落傾向であり、売れるのは前段か後段の良席のみで、上段の出品には見向きもされないという状況が続きました(Fig.3)。
定価出品でも未入札終了のものが頻発し、その数が9日は16件、10日は18件にも上りました。定価で売れればいい方であり、定価でさえも売れないのです。10日だけを見ても51件中何と20件が定価以下での落札になっています。

カテ2での高値での取引の例を挙げますと、以下全て前段ですが、21入口のL列でペア23.000円(9日)、J列でペア20.500円(10日)、22入口C列でペア30.000円、B列でペア21.500円、22.500(いずれも11日)などがあります。
代表メンバー発表後、12日以降はカテ2でも良席ではやや値を上げており、例を挙げると、B列でペア30.500円、F列でペア31.500円、L列で32.000円(いずれも12日)という高値をつけています。
しかし現在はカテ2も後段や上段では定価か、定価プラスアルファ程度の安値で落札されており、高値終了と安値終了と二極分化しています。
カテ2の未入札終了(落札されなかった出品)は、11日以降も12件、30件、17件、18件と多く認めています。
数字だけ見ると未入札終了は減少か、横這いのようですが、実際には出品者側が開始価格をかなり下げて(ダンピングして)出品して来ていてるのであり、それでもこの数字(未入札数)にとどまっているのです。
以上のことからここ数日の落札値の上昇は、今まで購入を躊躇っていたサッカーファンの方々が席を選んで入札して来ている訳であり、決して需要が広がっている(ブームになっている)ということでは無いと言えます。


カテゴリー3
Fig.4
カテ3も先週から今週の週初めの11日まではなかなか値を付けず、数多くの出品が定価か、定価プラスアルファ程度の値段で終了しました(Fig.4)。
しかし自由席(カテ4)を嫌う層がこのカテ3に来ており若干の需要はあるようで、出品数が少ないことから定価落札はあっても、定価を切ることは少なくなって来ました。
12日まではペアで10.000円を切る取引を数多く認めましたが、13日にはペアで10.000円を切る取引がゼロになりました。


カテゴリー4
Fig.5
今回自由席のカテ4は、相変わらず暴落しています(Fig.5)。他のカテが値を上げた11日以降も、定価前後での落札が続いています。
実際には定価ちょうどのペア6.000円で落札される出品がかなり多く、手数料等を引けば実質的な定価割れになる出品は多いということになります。このカテ4のグラフはポイントが重なって判りにくいので、もう少し詳細が判るグラフを下に供覧します(Fig.6)。

落札内容の推移(カテゴリー4)
Fig.6
上のグラフで、青の部分が定価以上で落札された件数であり、緑の部分が定価のペア6.000円で落札された件数です(Fig.6)。赤の部分が定価割れ(定価以下)で取引された件数であり、黄色の部分が入札が無く未落札(未入札)だった出品の件数です。縦軸が実数であり、横軸が日時になっています。
このグラフで判る通り、8月9日と10日は定価以上で落札される出品はほんのわずかでした(青の部分)。11日以降、定価以上での落札が増え、12日からやっと全体の半分が定価以上で取引されるようになりました。
しかし現在も約半数の出品が定価の6.000円か定価割れ、あるいは未落札で終了している状態です。
後 記

ナイジェリア戦のヤフオク研究第三報をお届けしました。第二報では今週後半以降の大暴落は間違い無いと断言しましたが、思わぬ?欧州組の全員召集で、今週前半は暴落に若干のブレーキがかかったようです。
しかしながら現在のヤフオクを見てみますと、取引は相変わらず低調であり、一部の良席を除いて定価程度での落札が続いているようです。
今週末の土日の終了が現在約400件あります。これがさらに増えそうです。これらの残券に対する入札も、開始価格が相当下がっているにもかかわらず低調であり、多くが安値で終了するものと思われます。また、15日現在、定価以下での「即決」の出品が出始めています。
市場のこのような流れから、試合直前の来週初め(月、火)のヤフオク相場は、大暴落とまでは言えないまでも下落の展開になることが予想されます。定価割れも多いでしょう。

いまだ多量のチケットを抱えたままのゲッターさん達が心配です。


追 記

本検討は8月20日に東京・国立で行われるナイジェリア戦のチケット売買の速報の第三報です。これまでの他の報告と併せてご覧頂けますと幸いです。引き続き試合直前に第四報を出す予定です。

今回のナイジェリア戦はいまいち盛り上がらないヤフオク市場と同様、我が研究員の面々も観戦者が少なく10余名程度の参加になりそうです。次の新潟のセネガル戦(9月10日)はどうなることやら、です。今のところ研究員の中で新潟に行くと言っているのはたった1名。皆勤賞の私も次は厳しいです。さすがに平日の新潟はきついですよね。
さて、今度の日曜日(17日)がそのセネガル戦の一般発売日です。(所長)