BACK

UPDATE 2002.10.21
ヤフーオークション研究(速報)
「サッカー日本代表対アルゼンチン戦チケットの売買の解析」
第一報

川越シマリス研究所 所長
はじめに

 いよいよアルゼンチン戦のチケット販売が始まりました.
 先日のジャマイカ戦の売買の解析は、試合の1週間前からの調査でしたが、今回のアルゼンチン戦は、先行予約が始まった
10月11日(金曜日)から調査を開始しています.今回はその第一回目の速報で、先行予約から本格発売まで.つまり10月11日から10月19日までのヤフーオークション(以下ヤフオク)上の取引状況を解析しております.
 前回までのヤフオク研究で感じたことは、サッカーファンの方々の非常に熱い情熱と、それによる落札価格の高騰でした.今やプラチナチケットとなってしまったサッカー日本代表戦のチケットを得るために、ヤフオク上では考えられないような相場が形成されています.これには幾つかの原因があるかと思いますが、やはりひとつにはヤフオクのシステムにも問題があると思われます.
 本来オークションというものは、過去の取引情報が公になっていてしかるべきものです.しかし現在のヤフオクでは、過去の情報(取引相場)が判りません.今までにいったいどのくらいで取引されているかという大切な情報が無いのです.このため多くの落札者はその前後の相場だけを頼りに入札することになります.他のネットオークションも同様なのですが、これが落札価格の高騰を招いてしまう原因になっていると思われます.古くからあるオークションとはここが異なるのです.

 皆がだいたいの相場を知れば、無理な落札は無くなるのではないかと思います.これはサッカーチケットだけの話ではありません.
 この研究はヤフオク上の取引の相場を解析しています.つまりこの報告が将来あるだろう(そう期待しますが)ネットオークションのシステム改善のための、特にチケット売買に関する改善のためのひとつの提案になればと思います.


対象と方法

 現在出品中のヤフオクの代表戦(対アルゼンチン戦)のチケットを全てウオッチリストに記録する.それぞれの出品のオークション終了後にその落札価格と終了時間を記録する.また説明のあるものは商品の詳細、座席の位置、取引の方法などを記録する.
 観察期間は、先行予約開始後の10月11日から試合当日の11月20日の朝までである.
 本報告は「速報」の第一報である.本速報では、10月11日(朝6時)から19日(10月20日の朝6時)までの落札データを集計した.
 また今回と次回はいわゆる「予約番号」のみの取引が多いため、「(A)チケット(実券)の取引」と「(B)予約番号のみの取引」の二者に分けて検討した.


結果と考察

10月11日〜19日分の「日本代表vsアルゼンチン戦チケット」落札の集計(速報)

(A) チケットの取引
Fig.1
 10月11日午前6時から20日午前6時までの全ての取引を集計しました.グラフは縦軸が金額(全てペア=2枚の価格)、横軸が時間(1時から24時)を示します.なお、1枚のみなど2枚以外での取引のものは全て2枚に換算して計算しています.
 前回のジャマイカ戦ではこのカテ1での出品は非常に少なかったのですが、今回のアルゼンチン戦は序盤とあって比較多くの出品がみられました.ほぼ全てが業者の出品です.
 出品の約4割近くが後半に述べる「予約番号のみの出品」であり、上の図(Fig.1)はチケットの取引のみを示しています.
 まだ序盤ですが前回のジャマイカ戦の試合直前1週間の相場(ペアで4万円弱)よりも平均の落札価格は上昇しています.ちょうど16日にジャマイカ戦があり、盛り上がっていたせいもあるのでしょう.11日夜にあった初回の取引が、メインスタンド(以下メイン)上段のペアで55.000円でした.以後ほぼ全てペアで4万円以上での取引となっています.
 最高値をつけたのは、19日夜のペアで64.000円(メイン上段)です.逆に安値をつけた2件(4万円以下)は、いずれも18日の取引で、個人(業者ではない)の出品者でした(メイン上段).ちなみに16日のジャマイカ戦の試合中には1件の取引も無かったようです.また、試合後から翌17日にかけての取引相場はそれまでより明らかに高いものでした.
 ちなみに新規の(過去に評価の無い)出品者によるオークションが3件ありましたが、どれも入札が無く、取引は成立しませんでした.代表戦のオークションでは取引が成立しないことは極めて稀なのですが、この時期の入札はまだ入札者の方に余裕があるため、出品者を吟味した結果のようです.
Fig.2

 カテ2も明らかにジャマイカ戦よりも相場が上がっています(Fig.2).ジャマイカ戦の平均相場はペアで3万円でした.それがアルゼンチン戦では、序盤から平均でペア4万円の相場になっています.
 8万円前後という信じられない落札価格が4件ありますが、うち3件は1枚での取引で割高になったものであり、また1件は説明にバックスタンド最前列の良席と明示してあったために数名による落札競争に突入したのが原因でした.
 またカテ1とカテ2では出品の説明欄にだいたいの座席位置が(スタンド上段、後段、前段などと)明示してある出品が多く、これが落札価格を上下させる要素になっていました.
 カテ1との値段差があまり無い要因は第一にこの座席位置であり、この時期の販売はファミリーマートの先行予約が多かったのですが、カテ1といってもカテ3寄りの席で、しかもカテ1の方にスタンド上段の出品が多かったため、このような結果になったものと思われます.グラウンドから遠いカテ1よりも、グラウンドに近いカテ2が好まれたというわけです.

Fig.3

 販売数の少ないカテ3ですが、これもカテ1と同様、序盤とあって比較的多くの出品がありました(Fig.3).
 実券(チケット)での出品は、14日に始まり(それまでは予約番号のみの出品)、15日までは平均相場がペアで3万円余りでしたが、ジャマイカ戦が行われた16日から急に相場が上昇し、ペアで3万円中盤から4万円での取引相場となっています.
 またカテ3でもメイン下段の良席での出品が2割ほどあり、これらにはやはり比較的高い値段がついていました.
 しかし不思議とカテ3の場合は、座席の位置とともに落札時間(オークションの終了時間)が価格を左右する要素として大きく、深夜の落札価格はいずれも高いものになっています.極端に高い価格での落札が数件ありますが、これらはいずれも複数の入札者が落札を競った結果です.カテ3とカテ4は値段が手頃であるためウオッチ数も多く、時間帯によっては競争に突入してしまうケースが多いようです.

Fig.4

今回はカテ4も全て指定席であるため、カテ4が自由席であったジャマイカ戦に比べてかなり高い落札相場となっています(Fig.4).
 前回はペアで12.000円、1枚6.000円が相場でしたが、今回はペアで3万円弱.ものによってはペアで4万円という高値の落札になっています.ペア2万円以下での落札は1件もありません.
 カテ4は価格が手頃であることと、ゴール裏のサポーター席でもあるので人気の高いカテですが、入札者の人気はなかでも前列の良席に集まっているようです.カテ4でペア4万円前後の値をつけている出品はどれも前列(18列よりも前)の席であり、前列、良席と出品の説明に明示してあれば、極めて多くの入札者が集まっています.
 最も高い落札価格を付けたのは20日の最前列(3列目)のペアでの出品でした.信じられないのですが、これが何と!ペア78.000円での落札でした.カテ4で7万円です.7万円も出せばカテ1のペアでも楽勝なのですが.

(B) 予約番号のみの取引
Fig.5
Fig.6
Fig.7
Fig.8
 Fig.5〜8が予約番号のみの落札状況です.予約番号1件でチケット4枚を発券出来ます.なかに僅かですがチケット2枚、あるいは1枚の購入権利のものもありましたが、それらは4枚相当として集計しています.
 この時期の出品はファミマの先行予約からのものがほとんどであり、後援会分のものが一割ほどありました.ほぼ全てが業者、または「ほぼ業者」の方による出品です.
 予約番号のみの取引の場合、席の良悪は発券してみないと判らないため落札価格を左右する要素にはなりません.このため相場はカテごとにほぼ一定しています.またそれぞれのカテでの落札価格は、チケット代を含めるとチケット(実券)そのものでの取引よりも、わずかに安くなるような相場形成になっています.
 またこの予約番号での取引の場合、入札者の判断材料になるのは出品者の評価しかありません.よってオークションの終了時間とともに出品者の評価欄、過去の取引の状況が入札の動機となっているようです.
 また非常に興味深いのが、Fig.7で判る通りカテ3でオークション終了時間による落札価格の差が顕著に出ている点です.明らかに夜21時以降のオークション終了で落札価格が上昇しています.どのオークションでも夜20時以降終了の出品が多いのですが、入札者もこの時間にPCを開くため、入札競争でどうしても22時から24時の価格が上昇してしまっているようです.
 また今回はカテ4が指定席ですが、この予約番号の取引ではカテ3とカテ4の落札価格がほとんど同じなのが非常に興味深い点です.やはりゴール裏の盛り上がるサポーター席を求める需要は大きいのでしょう.
まとめ

 今回のアルゼンチン戦のチケットをめぐるオークションは、前回のジャマイカ戦にも増して目の離せない展開になりそうです.
 この第一回の速報は、正式発売である10月20日までの集計であり、主ファミマなどの先行発売分が中心になっています
 この一週間余の相場は、高いといわれたジャマイカ戦を序盤からさらに上まわるものです.また16日に代表戦(国立)が行われたこともあり、既にヤフオク上の展開はヒートアップしています.
 しかしそれも嵐の序章に過ぎなかったようです.この原稿を書いているのはアルゼンチン戦の正式なチケット発売日である
10月20日ですが、今朝のチケットの発売開始から電話もイープラスも全く繋がらず、状況は昨年までとは比べものにならないくらい厳しくなっているようです.

 また、今日20日から21日にかけての出品、そしてオークション終了の数はこの1週間を軽く上まわるものです.ヤフオク上には現在、11月の代表戦のチケットと予約番号の出品があふれており、その落札価格を見ていると眩暈がしてきそうです.

 現在、発売日である10月20日分の集計を行っていますが、このような状況でもあり、次回の速報はこの20日の単日、24時間の解析をお届けする予定です.ちなみに私も朝から一生懸命頑張ったのですが、本日一枚のチケツトも得ることが出来ませんでした.ファミマの先行予約も全滅でしたから、いよいよヤフオク参入となりそうです.


追 記

 本検討はアルゼンチン戦チケット売買の速報の第一報です.後日、全体をまとめた研究を報告する予定です.
 今後、定期的にアルゼンチン戦チケット売買の状況に関して速報を提供して行きたいと思っています.(所長)