| BACK | |||||||||||||||||||||||||||||
| UPDATE 2002.10.27 | |||||||||||||||||||||||||||||
| ヤフーオークション研究(短報) 「サッカー日本代表対アルゼンチン戦チケットの売買の解析」 |
|||||||||||||||||||||||||||||
| 第四報 | |||||||||||||||||||||||||||||
| 相場の暴落をみた22日の取引 | |||||||||||||||||||||||||||||
| 川越シマリス研究所 所長 | |||||||||||||||||||||||||||||
| はじめに アルゼンチン戦チケットの一般販売のあった10月20日以後、ヤフーオークション(以下ヤフオク)上のチケット相場は前一週間に比べ明らかに下落しました. この相場の傾向は発売翌日から顕著となり、22日には暴落といっていいほどの相場の下落をみせます. この日(22日)は一般発売後のチケット、ならびに「予約番号」の出品があふれ、明らかに供給過剰の状態にありました.ヤフオクの代表戦チケット市場は売り手市場から買い手市場となり、しかも出品の終了が21時から夜中の1時に集中していたため、入札が分散し、各出品の落札価格がなかなか上がらないという状況になりました.また、同一時に多数の終了が重なる時間帯には、瞬間的にですが、おそらくヤフオクのサーバーが処理しきれない状態となり、新たな入札が出来ないような現象がみられました.そのためこれまでの経過から考えると理解できないような落札価格で終了する出品が多数認められました. 今回の報告はその相場の暴落をみせた22日の24時間の記録です. 対象と方法 現在出品中のヤフオクの代表戦(対アルゼンチン戦)のチケットオークションを全てウオッチリストに記録する.それぞれの出品のオークション終了後にその落札価格と終了時間を記録する.また説明のあるものは商品の詳細、座席の位置、取引の方法などを記録する. 研究の観察期間は、先行予約開始後の10月11日から試合当日の11月20日の朝までである. 本報告は速報の第四報(短報)である.本報告では、10月22日分(10月22日の朝6時から翌23日の朝6時まで)の全ての落札データを集計した.また今回も「予約番号のみ」の取引が多いため、「(A)チケット(実券)の取引」と「(B)予約番号のみの取引」の二者に分けて検討している. 結果と考察 10月22日分の「日本代表vsアルゼンチン戦チケット」落札の集計(速報) (A) チケットの取引 |
|||||||||||||||||||||||||||||
![]() |
|||||||||||||||||||||||||||||
| Fig.1 | |||||||||||||||||||||||||||||
| 10月22日の午前6時から22日の午前6時までのヤフオク上のアルゼンチン戦(11月20日:埼玉)のチケットの全取引を集計しました.グラフは縦軸が金額(全てペア=2枚の価格)、横軸が時間を示します.横軸は22日の午前6時から翌午前6時の時間表示になっています.グレーのポイントは10月11日から20日までのデータです.またピンクのポイントは前日の21日のデータです.黒い縁取りのポイントは、後に述べる「特異な下落をみせた取引」です.なお、1枚のみなど、2枚以外での取引のものは全て2枚に換算して計算しています. 22日は一般発売から2日目ということもあって、前日を上まわる多くのチケットの出品の終了がありました.チケットについては全てのカテゴリー(以下カテ)において過去最高の出品数であり、また予約番号についても一昨日、昨日に次ぐ出品数がありました.単日の取引としては過去最高であり、特に夜22時からの時間帯は取引が短時間に集中しました. カテ1の取引は、朝から前日の下落を引きずった価格形成となりました(Fig.1). 午後に入ってもペアで30.000円台での取引が続き、21時になりメインスタンド下段の良席でペア40.000円台の落札を認めるようになりました.しかし大半の出品はメインスタンドの上段のものであり、これらの出品は変わらずペア30.000円台前半で落札されていました. ヤフオクが混み出したのは21時20分からで、出品の終了が重なり、またウオッチも増えたことで急に更新が重くなりました. そして最初の「異常」を感じたのは21時台後半からでした. 同時に多量の出品終了が続いた21時51分から22時21分のことです.幾つかのオークションが、最後の10分余の新たな入札を見ないでそのまま終了したのです.特に高額な取引となるカテ1でまず気付いたのですが、新たな入札が無いため「終了時間の延長」とならず、そのままの安値で終了しました.最初にその異常に気付いた取引は、カテ1のペアで27.100円で落札されています. 以後も同様の現象は続き、22時34分から47分、22時56分から23時05分、そして23時13分から23時15分、23時42分から47分、翌00時16分から20分の時間で、新たな入札が行われるべきタイミングと価格で、入札の更新を見ず、幾つかの出品が 最後の10分より数分前の価格で終了しました. 出品者もその「異常事態」に気付いたのでしょう.10数件の出品が落札直前に「出品の取り消し」になっています. この時のカテ1の最安値はペアで26.500円(21時57分)です.予約番号のみの取引では、カテ1で15.500円(23時15分)という安値での落札もありました. これらはいくら相場が暴落しているといっても、前後の相場の状況からすると極めて不自然な落札でした.おそらくヤフオク側の何らかのトラブルによるものと思われます.実際、何年か前にもサーバーが混み合う時間に同様の不都合が起こることが指摘されています. その気になる落札(特異な下落をみせた取引)を、各図では黒の縁取りのポイントで示しています. しかしこの日の相場は、この「特異な下落をみせた取引」を抜きにしても前日までと比べてかなりの「下げ」でした.カテ1のペアで40.000円以上をつけた取引も多くありますが、先週までならカテ1のペア60.000円以上の価格をつけていたメインスタンド前段の前列(一桁列)の席でもこの日はペアで40.000円(00時08分)に過ぎない価格の取引であり、メインスタンド下段でもよほど前列でなければ先週の落札平均値にも至りませんでした. 勿論、主たる原因は供給過剰による(出品数が極端に多いための)ものです.入札が集まらず、加えてヤフオクが重くなったこともあったからでしょうが、入札競争があまり起こらなかったのです. 多くのヤフオクウオッチャーがこの日の暴落ぶりに驚かれたのではないかと思います.他のカテの中にはまさに定価に近い落札もみられました. |
|||||||||||||||||||||||||||||
![]() |
|||||||||||||||||||||||||||||
| Fig.2 | |||||||||||||||||||||||||||||
|
カテ2の相場も前日にも増して下落しています.ただしピッチに近い前列の良席では比較的高い値がついており、Fig2でもわかるかと思いますが、同じカテ2でもかなり落札価格に差があります. |
|||||||||||||||||||||||||||||
![]() |
|||||||||||||||||||||||||||||
| Fig.3 | |||||||||||||||||||||||||||||
|
カテ3でも昨日以上の相場の下落が見られます.ペアで30.000円以上というのは前週の話で、21日からペアで20.000円前後の取引が最も多くなっています.ちなみに最高値での落札は、前7列の席での1枚18.000円での取引(00時15分)でした(Fig.3). |
|||||||||||||||||||||||||||||
![]() |
|||||||||||||||||||||||||||||
| Fig.4 | |||||||||||||||||||||||||||||
|
前日と比べてあまり相場を下げなかったのはカテ4だけです(Fig.4). |
|||||||||||||||||||||||||||||
| (B) 予約番号のみの取引 | |||||||||||||||||||||||||||||
![]() |
|||||||||||||||||||||||||||||
| Fig.5 | |||||||||||||||||||||||||||||
![]() |
|||||||||||||||||||||||||||||
| Fig.6 | |||||||||||||||||||||||||||||
![]() |
|||||||||||||||||||||||||||||
| Fig.7 | |||||||||||||||||||||||||||||
![]() |
|||||||||||||||||||||||||||||
| Fig.8 | |||||||||||||||||||||||||||||
| 「予約番号のみ」の取引もグラフは横軸が時間(22日の6時から翌6時)を示します.予約番号1件でチケット4枚を発券出来ますが、縦軸はその1件の取引金額(チケット4枚を購入出来る権利)です.2枚の購入権利など4枚以外での予約番号の出品は全て4枚相当に換算して計算しています.薄色のポイントは昨日(21日)のデータであり、グレーのポイントは10月11日から20日までのデータになっています(Fig.5〜8). 「予約番号のみ」の出品も、この22日は非常に多いものでした.カテ別の出品数の内訳は、カテ1が35件(前日43件、前々日37件)、カテ2が32件(前日34件、前々日57件)、カテ3が79件(前日67件、前々日65件)、カテ4が40件(前日33件、前々日111件)でした. また前日と同様、出品の終了時間も21時から24時にかけてに集中していました.この時間はチケットの出品も極めて多かったため、またチケットの取引相場が下落したため、「予約番号のみ」の取引は前回に比べて終了時間による高低の少ない安定したものになっています. この日(22日)は、高価なカテ1での「予約番号のみ」の取引だけが時間を追って下落しているのが特徴です.入札者はチケットの相場の下落を見て、この「予約番号」に高値での入札をしなくなったためと思われます. また「予約番号のみ」の取引の方でもカテ4はカテ3より高く、ほぼカテ2と同じ相場になっているのが判るかと思います. |
|||||||||||||||||||||||||||||
| まとめ 10月20日のアルゼンチン戦のチケットの一般発売から2日を経て、22日のヤフオク上のチケット取引は21日の下落から引き続き、ご覧のように暴落という結果を見せました. 原因はやはり出品の集中(供給過多)です.しかも同じ時間にあまりに多くの出品の終了が集中しているため、入札が分散し、落札価格が下がるという結果になっています.特に20日から22日にかけて、引き替え期限のある「予約番号のみ」の出品も終了が集中していたため、チケットの相場と合わせて下落するという結果になりました. またネットオークションの宿命でしょうが、あまりに短時間に多くの出品終了が集中し、同時にウオッチャー(入札者)のアクセスが集中した場合、オークションのシステムが正常に機能しないことがあるようです. サーバーがビジーの時には入札さえも困難なことがありますが、時に入札したはずなのに入札されていない.落札したはずなのに落札されていない、また逆に、落札出来なかったはずなのに自分が落札している、という現象があるようです.入札が正常に行われなければ相場より安値で落札されることになり、これは出品者の不利益になります.これを良く知る(と思われる)出品者の何人かは、終了直前で出品を取り下げるという「自衛手段」に出ていました. 「ヤフオクでチケットがほとんど定価に近い値段で売られていた!」という声も聞きますが、22日の夜に見られた大暴落はこの「異常事態」の件も加味して理解しなければならないと思います. またこの原稿を書いているのは26日ですが、23日以降の経過を見ると、この相場の下落は21日と22日に限ってのことのようです.以後23日から26日にかけてヤフオク上のアルゼンチン戦のチケット相場は再び高騰の気配にあります. また27日のトヨタカップの一般販売もあり、現在ヤフオクのサッカーチケット市場は非常に賑わっています. 後 記 現在、トヨタカップの方のウオッチも行っております.「これ以上やってどうする!」と言う研究員(友人)の暖かい?助言もありますが、代表戦とはまた違った傾向がつかめるかも知れず、興味を持って見ている次第です.しかしトヨタカップ、代表戦以上のヤフオク上の賑わいですネ.さすが「世界一決定戦」です. 追 記 本検討はアルゼンチン戦チケット売買の第四報(短報)です.前回までの速報(第一報〜第三報)もあわせてご覧頂けると幸いです. 今後、定期的にアルゼンチン戦チケット売買の状況に関する研究成果を提供して行きたいと思っています.(所長) |
|||||||||||||||||||||||||||||