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UPDATE 2002.11.11
ヤフーオークション研究(速報)
「トヨタカップ20002チケットの売買の解析」
第一報
驚愕の高値相場で始まった前半戦の経過
(10月27日〜11月7日)
川越シマリス研究所 所長
はじめに

 ヤフオク研究「トヨタカップ」の第一報をお届けします.
 今回のトヨタカップのチケット市場は、10月27日の発売前から「予約番号のみ」の出品が多数ヤフーオークション(以下ヤフオク)に登場しました.そして発売開始日である27日日曜日の夜から数日間、怒濤の「予約番号のみ」の取引が行われます.
 発売開始日の翌日、28日月曜日からチケットの取引が本格化し、驚愕の高値での落札が始まりました.
 対照的にアルゼンチン戦の取引は、この間も落ち着いた相場で推移します.値が上がらないため業者は出品を控えるようになり、この傾向は11月8日金曜日まで続きます.しかしいよいよ試合前週となり、11月10日日曜日からアルゼンチン戦の出品が急増します.
 この両者の傾向を見ていて感じたのは、業者あるいは「ほぼ業者」の方々は、トヨタカップの方に発売前あまり注目していなかったのではないかということです.代表戦に比べると業者出品の総数が圧倒的に少ないのです.
 これまでの展開でも十分に相場は高いのですからどんどん出品して来ても良さそうなものですが、このトヨタカップの方は相変わらず出品が増えません.このため需要と供給の関係からトヨタカップの落札相場が更に高騰するという状況になっています.
 もしかしたら(レアルはともかく)南米側が一般には無名の(?失礼)オリンピアということで、「仕入れ」を躊躇していたのかも知れません.
 今回の速報は「トヨタカップ」の第一報です.10月27日の発売日から11月7日までの前半戦のヤフオク上の取引を報告します.

対象と方法

 現在出品中のヤフオク上の「トヨタカップ」のチケットオークションをウオッチリストに記録し、それぞれの出品のオークション終了後にその落札価格と終了時間を記録する.また説明のあるものは商品の詳細、座席の 位置、取引の方法などを記録する.
 研究の観察期間は、一般発売開始後の10月27日から試合当日の12月3日の朝までです.
 本報告(速報の第一報)では、10月27日の発売日から11月7日まで(10月27日の朝6時から11月8日の朝6時まで) の落札データを集計しました.
 なお、今回はアルゼンチン戦と平行で調査を行ったため、また発売開始直後の出品(主に「予約番号のみ」の出品)が多かったため、序盤は全ての出品を収集していません.ウオッチリストのキャパシティの関係で、10月30日までは全体の約1/2、11月3日までは全体の約2/3の無作為のサンプル抽出による調査結果になっています.
 11月4日以降は全ての取引を網羅しています.

結果と考察

A.トヨタカップ2002「チケット落札価格(平均落札価格)」の推移(10月27日〜11月7日)

Fig.1a Fig.1b
Fig.1c Fig.1d
まず発売から12日間(10月27日から11月7日まで)の各カテゴリー(以下カテ)の「チケット落札価格(平均落札価格)の推移」を見て頂きたいと思います(Fig.1a〜d).
 グラフは縦軸が金額(全てペア=2枚の価格)です.1枚のみなど、2枚以外での取引のものは全て2枚に換算して計算しています.また横軸が日時(10月27日から11月7日)になっています.
 参考として入れましたがグレーのポイントは発売後同時期の「アルゼンチン戦」のデータです.

 一見して判ると思いますが、平均相場がアルゼンチン戦に比べて各カテで大きく上まわっています.定価も違うのですが、それを差し引いても大きな違いです.
 カテ1の平均落札価格は、序盤からペアで50.000円前後で推移します.カテ2はペアで30.000円から35.000円.カテ3も30.000円前後からそれ以上.カテ4も30日を除いて30.000円台です.しかも全てのカテで11月5日以降、落札価格がさらに上昇しています.この相場は代表戦の比ではありません.トヨタカップはまさにプラチナチケットです.

 細かな検討は以下に述べますが、今回のトヨタカップはほとんどがカテ1での販売です.メインスタンドとバックスタンドのほとんどのエリアをカテ1が占め、両サイド(ゴール裏)がカテ4ですが、カテ2とカテ3はカテ1とカテ4にはさまれたほんとうにわずかなエリアになっています.この販売数の特徴と、業者出品はカテ1が圧倒的に多いため、ヤフオクの出品もほとんどがカテ1になっています.

B.トヨタカップ2002「チケット落札価格」の推移(分布)(10月27日〜11月7日)

Fig.2a Fig.2b
Fig.2c Fig.2d
 グラフは各日ごとの「チケット落札価格の分布」を示しています(Fig.2a〜d).上のFig.1の「平均」では判りにくいかと思いますが、この「分布」の推移を見るとカテごとの落札状況がよく判るかと思います.
 いずれも縦軸が金額(全てペア=2枚の価格)であり、横軸が日時(10月27日から11月7日)になっています.これまでと同様、1枚のみなど、2枚以外での取引のものは全て2枚に換算して計算しています.

 圧倒的に出品数の多いカテ1は、本格的に出品(の終了)が始まった10月29日から、大半の取引がペアで40.000円以上で成立しています.28日の最高値での取引は、前2列目のペアで69.000円、67.500円(いずれも18時)での落札です.
 翌29日には前3列目でペア82.000円(24時)、7列目でもペア69.000円(20時)、4列目でペア70.000円(24時)という高値をつけています.
 30日以降も相場は高値を維持し、カテ1の良席は、5列目でペア72.000円(30日22時)、7列目でペア60.000円(30日22時)、最前列のペアで61.000円(31日22時)、6列のペアで61.000円(31日23時)となっています.
 対して近い日付の比較的安価な取引を見てみますと、バック上段(二階)のペアが38.000円(6日23時)、41.000円(6日23時)、40.000円(6日24時)です.7日は安い取引でも、バック上段(二階)の15列がペアで47.000円(7日22時)、同じく22列でペア44.000円(7日23時)でした.安い方から順に見てもこの価格ですから驚きます.

 6日以降は、カテ1ではペアで40.000円以下の取引ははほとんど認めなくなって来ています.最新の取引を見てみても(11月10日現在)ペアで40.000円を切る取引はありません.やはり需要(入札者)に対して供給(出品数)が少ないという傾向は変わっていないようです.

 カテ2、3、4は序盤、出品数が極めて少なく、有効な統計が取れていません.
 いくつか例を挙げますと、カテ2では、10列のペアで42.000円(28日23時)、19列でペア37.000円(3日22時)、18列でペア32.500円(3日24時)、9列でペア39.000円(4日23時)、12列でペア34.000円(4日23時)です.これが平均的な価格です.
 近い日付の比較的安価な落札では、カテ2の上段(二階)でペア31.000円(4日23時)、ペア34.000円(6日24時)、ペア37.100円(7日23時)です.安いものでもこのくらいの落札価格です.

 またカテ3の近い日付の比較的安価な取引を挙げると、上段の16列でペア32.500円(3日23時)、17列でペア32.000円(4日23時)、19列でペア30.000円(6日14時)、26列でペア32.000円(6日23時)です.カテ3の上段(二階)でこの値段です.3日以降は30.000円以下の取引はありません.この相場は同時に出ているアルゼンチン戦の倍近いものです.

 状況はカテ4も同様で、前段の10列台はペア35.000円以上の相場になってしまっています.

 このカテ3,カテ4の出品は極めて少なく、おそらく業者あるいは「ほぼ業者」の方々は主にカテ1あるいはカテ2を「仕入れて」おり、このカテ3やカテ4には手が回らなかったか、あるいは初めから利幅が薄いと予想されたカテ3,4は「仕入れていなかった」のかも知れません.ただでさえトヨタカップは個人の出品が少ない状況であるため、このカテ3とカテ4は業者出品の乏しさから特に出品が少なくなっています.

C.トヨタカップ2002「予約番号の落札価格(分布と平均)」の推移(10月27日〜11月7日)

Fig.3a Fig.3b
Fig.3c Fig.3d
 参考までに「予約番号のみ」の落札価格の推移も報告します.既に出品は無くなりましたが今後の参考にはなるのではないかと思います.
 縦軸は「予約番号」一件の価格です.ひとつの予約番号で4枚のチケットが購入出来ます.ただし引き替えるまで座席位置は判りません.Fig.1、2と同様、横軸は日付(10月27日〜11月7日)になっています.

 この「予約番号のみ」の取引は、発売当日(27日)の相場が最も高く、以後日を追うに従って徐々に下がっています.上のグラフでよく判るかと思います(Fig3a〜d).取引価格はカテ1で30.000円台から40.000円台.カテ1以外が20.000円台から30.000円台です.後のチケット相場の高騰ぶりを考えると、4枚分の購入権利ですからこれでも割安だったのかも知れません.

 またこの「予約番号」の取引はチケットの購入権利の売り買いであり、全て同じ価値のやり取り(席は決まっていない)ですから、落札者の心理、動向がよく判ります.
 このカテ1の分布を見て判る通り、「欲しい人はいくら出しても欲しい」という入札者の情動が見えます.全く同じ商品(予約番号)を、ある人は70.000円以上、あるいは60.000円以上で買い、また安くで買う人は30.000円以下で買っているのです.倍以上の価格差です.これを馬鹿げていると思うべきか、情報が無いのが罪なのか.一つ言えることは、サッカーファンの「熱」、熱い気持がそこにあるということです.

 「予約番号」には引き替え期限がありますので月末には取引が終了していますが、全てのカテで最後に落札価格が上昇しているのが判るかと思います.平均落札価格は全てのグラフでゆるいU字(V字)型になっています.
まとめ

 「恐るべしトヨタカップ!」それが今の心境です.
 この検討で「トヨタカップ」と「代表戦」との違いが明らかになったのではないかと思います.それは相場の違いだけではありません.トヨタカップはある意味、代表戦以上にサッカーファンが求める試合、貴重な試合であり、業者の方々はレアル対オリンピアという組み合わせで判断し、先の需要を読み間違ったのではないかということです.

 これはあくまで私の見解ですが、トヨタカップでは、運良くチケットを獲得したサッカーファンは券を放さない.そう、最初から購入層が代表戦とは少し違うのです.おそらくチケットが1枚2枚余っても知人友人にまわし、ほとんどヤフオクには出さないのでしょう.それは代表戦以上に「その価値」を知っているからです.

 今日(11月11日)までヤフオクをウオッチしていても、このトヨタカップの出品はほとんど業者の方々の出品です.一般の個人(業者では無い方々)の出品は少数です.現在のアルゼンチン戦、あるいは先のジャマイカ戦ではこれよりはるかに多くの個人の出品を見ました.これが皮肉にもトヨタカップのチケット相場の高騰の一因になっているのです.

 また序盤の「予約番号のみ」の出品の頃から現在まで、チケット専門の業者さんの数が代表戦に比べると少なかったようです.確かに発売開始から数日は大量の「予約番号のみ」の出品を見ましたが、それでも代表戦に比べると少なかったのです.
 そして、このトヨタカップでは業者ではない個人の利益目的の出品も代表戦に比べて少ないようです.つまり最初からトヨタカップに参戦した業者、そして「ほぼ業者」の数、出品数が代表戦に比べて少なかったのです.この点はやはり業者、「ほぼ業者」の方々の読みの違いではなかったかと思われます.何故なら、これほど相場が高騰しているのですから.

 レアルはプロ野球でいえばスター選手がそろった巨人なのです.巨人の試合ならば相手はどこであろうと需要は大きいのです(言い過ぎですか?).

 一般の方々の出品が少ない.業者の出品が少ない.この2点によりヤフオクの出品数が伸びず、需要と供給との関係で、トヨタカップの相場は高騰したのだと思われます.裏を返せば、ヤフオクのチケット市場のかなりの割合を業者、あるいは「ほぼ業者」の方々の出品が占めているということであり、この特色がトヨタカップでは強く出てしまったということではないでしょうか.

 以上の見解から、今後もこのトヨタカップの相場は高値で推移するのではないかと思われます.出来るだけ安価に試合を見に行くとしたら、席を、カテを選んではいけないのかも知れません.コストパフォーマンスの高いカテ3のペア30.000円台前半が狙い目でしょうか.
後 記

 寒くなりました.この寒さでは来週のアルゼンチン戦、12月のトヨタカップをどんな格好で観戦しようかと考えてしまいます.(それよりまずチケットゲット・・・?)


追 記

 本検討は「トヨタカップ2002チケット売買の解析」の第一報(速報)です.後日全体をまとめた研究報告を行う予定です.また今後、試合当日まで一週置きに、このトヨタカップのチケット売買の状況に関する研究成果を速報で提供したいと思っています.(所長)