ギター製作&気まぐれ日記




ギター製作に関わること、その他なんでも、思い付いた事、気になることを書いていきます。
2003年9月6日

山の上ホテルのアイスコーヒー


9月になっても残暑が厳しく、こうなると休日家にいると無性にアイスコーヒーが飲みたくなる。
以前は豆の焙煎からドリップ、シロップまで自分で作っていたが、さすがに最近はそこまでやる気力が失せ、アイスコーヒーが飲みたくなると近くの喫茶店に出向くことになる。
そこは「モノンクル」といって一応ジャズ喫茶なのだが、残念ながら土地柄、客層としてはジャズを聞くような人は皆無で、高級オーディオセットの音も爺さん婆さんの極度の名古屋弁で掻き消される始末であった。
一応、注文が入るたび豆を引き、ペパードリップで丁寧に落とすという基本スタイルで一杯づつ入れ、アイスコーヒーも業務用パックから注ぐのでなく同様に落とし、氷のたっぷり入ったグラスに注いでくれる。これで田舎とはいえ300円で提供してくれるのだから良心的である。
アイスコーヒーは香り、苦味、後味と申し分ないのだが、今まで飲んだ最高のアイスコーヒーというと学生時代、山の上ホテルのコーヒーパーラーで飲んだ水出しアイスコーヒーを思い出す。

東京出張のたび、アコースティックギター詣でに御茶ノ水に参上しているが、もともと学生時代を御茶ノ水で過ごしており、ランチは、ちょうど旧Blue−Gがあった辺りに食べに行っていたので、政経学部の校舎から山の上ホテル横の坂は何度となく往復していた。
当時、山の上ホテルは著名な作家達が泊まり込んで小説を書き上げるという有名なホテルとして認識しており、近い所に在りながら中に入るのは恐れ多い場所であった。
当時、学生達でお茶を飲みに行くところは御茶ノ水駅前の音楽喫茶「ウィーン」か画材屋喫茶「レモン」、神保町の「さぼうる」くらいであったが、4年生になって就職活動をしていたとき、友人と山の上ホテル横を通りかかり、「一度、入ってみないか。コーヒーくらいなら大丈夫だろう。スーツも着ているし」と言うことで意を決して初めて入る事にした。

ウェイターに怪訝な顔をされるのではと緊張していたが、丁寧に席に案内され、良家のお嬢様みたいなウェイトレスが勘違いしてしまいそうな素敵な笑みで注文を取りにきた。
夏で暑い時期であったので二人ともアイスコーヒーを注文し待っていたところ、そのウェイトレスが壁側にある3つの大きな砂時計みたいなものの一つからガラスの容器を外し奥へ持っていった。
あとで分かったことだが、その大きな砂時計みたいなものはコーヒーの水出し抽出機であり、ここのアイスコーヒーは全てその抽出液で作られていた。
運ばれてきたアイスコーヒーは透明度の高い氷で褐色のグラデーションを描き、ガムシロップは最初から入っていたがその甘さと苦味のバランス、舌の上を何の抵抗もなくさらっと流れていく感覚に一気に飲み干してしまいそうであり、二人ともアイスコーヒー一杯でこんなに感動するものかと飲んでいる最中は御互い無言であった。

その後、三回ほど行ったが、場違いの中、緊張して飲んでもやはり美味しいアイスコーヒーであった。
卒業してからは一度も行かなく、ギター屋を回った後に寄れば良いのに、何故かホーボーズ前のスターバックスでキャラメルフレーバーのアイスコーヒーを飲んでしまっている。
学生当時、生協の自販機のコーヒーがメインでクリーム増量を押していた頃から味覚は多少なりに向上し感動は少ないかもしれないが、アイスコーヒーの原点として再度飲んでみたいと思っている。今ならそんなに緊張もしないでしょう。



2003年5月2日
1.高級ギター購入時には鑑定屋出現か?

  先日、東京都内の新築マンション内覧会というものに仕事で初めて参加した。
内覧会というのは、購入した人たちが引渡し前に、部屋のクロスの貼り方にしわが寄っている、汚れがある、ドアの開きが悪い、床板にそりがある、等々、気に入らないところを最終チェックし、手直しを依頼する場である。
総戸数180世帯という巨大マンションであったので、1日50組ずつ、各時間帯に分け4日間で行われた。

  主にはゼネコン社員20名程が対応するのだが、今回はゼネコン側にとってはじめての部材である玄関用電波リモコンキーが取り付けられている為、何かのトラブル、突っ込んだ質問があった場合に対応するため、相談窓口テーブルに待機していた。
何度か現場に呼ばれたが、基本的な使用上の間違いか、セキュリティシステムとの接続のトラブルで特に大問題となることは無く、となりの光通信インターネットシステムを入れた業者としゃべっていた。

  何組かの参加者を見ているうちに、7〜8組に1組くらい、どうにも入居する人に見えない、作業服を着て大きな道具箱を持ち、脚の部分を白い布で巻いたアルミの脚立を持ちこんでいる人たちが混じっているのに気がついた。
ゼネコン社員たちも受付にそのような人を見つけるとピリピリとした空気になり、携帯電話を取り出ししきりに誰かをすぐ来るように呼んでいた。
「あれはどういう人たちですか?」と、となりの通信業者に聞いたところ、「あれは内覧会屋といってゼネコンの仕事のアラを見つけて食べてる人たちですよ」と教えてくれた。

  なるほどこういった職業があるのかと感心したが、確かに購入する側としては三千〜四千万円もする物件なので専門家にみて欲しいというニーズはあるのだろう。
実際、内覧会屋が入っていないと指摘は5〜6箇所、少ないと0箇所という事もあるが、内覧会屋が入ると指摘が30箇所にもおよぶそうだ。

  これを見ていて高価なギターを購入する場合にもそのうち鑑定屋みたいな人が出現するのではと思い、頭の中にすぐにでも出来そうな人が片手で数えられるくらい思い浮かんだ。
持ち物はデジタルノギス、塗装の艶を測る光沢計、CCDカメラ等、あとはわずかな音のビビリも聞き分けられる耳と材料を嗅ぎ分けられる鼻であろうか。
まあ、これを読んでいる人はそんな人を雇う必要がないであろうが、出現したら間違い無くショップから嫌われるであろう。





[ 戻る ]