| ルーマニアで「ラセッタ」と呼ばれるこの技法は、母から娘に伝承されていました。世界的にも珍しいレース手芸で、太さ、形の異なる50種近いコードをかぎ針で編み、このコードを組み合わせて描く模様と、それらの空間をすべて、一本の針と糸によって施されるステッチで埋めていくものです。ステッチは100を超えるバリエーションがあり、出来上がったレースはメリハリの効いた立体的な表情が魅力的で、類例のない重量感と優雅さを持っています。 ◇ 1976年に白鳥千鶴子が伝承をロジカに受けて以来、 【白鳥千鶴子のルーマニアンレース】 及び 【日本ルーマニアンレース協会】は正しい「心と技術」の伝承、研究、修練に努め、彼女独自の絵画・手芸の才覚やセンスによって産まれた作品の数々と共にその業績は高い評価を頂いております。そして2008年にルーマニア国大統領令 文化勲章受勲の栄誉を頂きました。 白鳥千鶴子はルーマニアでも失われつつあったこのレースを本国での最盛期同様に昇華させ、更には新しいステッチの考案にまで入り込んだ研究成果を駆使して、新しい作品を次々と発表してまいりました。 しかし、白鳥千鶴子は「この受勲は私のみならず、その師であるロジカ、そしてロジカに伝承するまでに経た多くのルーマニアのご婦人達、そして今なお、伝承を担う白鳥千鶴子の教え子達、講師と生徒達とともに受勲します」と敢えて勲章式にて明確にしました。 その「心」を理解しないで修練も浅く、ルーマニアのレースを教える人、安易に販売する人の出現はとても残念です。 今後も白鳥千鶴子の貢献に積み重ねられた教えが、派生し伝承されていきます。類似作品も多く出ています。その中で世代を超えて伝えられるべき「心と技術」を持った方を見極めて是非教わって頂きたいと願っております。伝承は出会いや交流も含めて大切で、手作業であるルーマニアンレースが楽しく真摯に伝承されて行くことが、日本やルーマニア、今の世界にとって大切な「心」を守る伝承でもあると信じて、日本ルーマニアンレース協会は今後も修練を経た講師と共に 「心と技術」の伝承を守る活動を続けていきます。 ルーマニアンレースをこよなく愛し、人が好きな方が次世代の講師となるように講師育成にも力を注いでいます。是非皆様に正しい伝承の意義を改めてご理解頂き、お力添えをいただきたくお願い申し上げます。 |
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