きっかけは、ヤフーで見かけた情報だった。
・「
トリック繪画邸」(犬山市):渡辺健一の油絵によるトリックアートを展示。
トリックアート。
エッシャーのだまし絵やマグリットの絵の類が好きな人間の心をガッチリ鷲掴みだ。
犬山城にも近いし、ちょっと犬山観光でもしながら、
のんびりトリックアート鑑賞でもしようかと思ったのが、この休暇の数日前のこと。
しかし、実際に行ってみると、想像以上にユルかった。
それこそトリッキーなくらいに。
犬山市は名古屋の北に位置し、名鉄で新名古屋駅から急行で30分ほどだ。
日本モンキーパークや木曽川のライン下りが有名といえば有名だと思う。
犬山駅で、いきなりユルい観光キャラクターを目にする。

余計なお世話だが、大人の事情は色々と大丈夫なんだろうか。
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駅を1歩出ると、いきなり雷鳴が轟く。
ちなみに本日、愛知県西部には大雨・雷・洪水注意報が発令されている。
日頃の行いというヤツか。
西口を出た旧城下町の辺りは、都市計画か何かなのだろうか、
マンションのような建物がなく、古くからの長屋や店舗が残っている。
何だか、ここだけ昭和のまま時間が止まっているような感じ。
それはもう、個人商店にアイスクリームの「宝石箱」が売っていても驚かないくらいの勢いだ。
コンビニもファミレスもない。
俺が生きていくには過酷な環境だと思う。
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「トリック繪画邸」は、個人画廊といった風情。アットホームだ。
それほど期待はしていなかったのがよかったのか、割と楽しめた。
派手さはないが、心地よいユルさ。仕事は丁寧。
子供向けというよりは、中高年向けかも知れない。
観光地を楽しむコツは、期待し過ぎないことなのではないかと、ふと悟りを開く。
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ついでに、犬山城を見に行く。
城の隣にある針綱神社に、何の説明もなく十数羽のニワトリが放し飼いにされている。

特にニワトリに関する謂れがあるわけでもなさそうだ。もしや神主の趣味か。
朝早くここを参拝したら、産みたての鶏卵が拾えたりするのだろうか。だったらお得だ。
神社の前の、いかにも観光地っぽい、ユルい土産物屋で木刀を発見して大喜びの俺。

「観光地のお土産といえば木刀」というのは中高生のお約束だが、
ここで木刀を買うというのは、とても間違ったテンションであると思う。
何だか修学旅行に来ているような錯覚すら覚えてくる。
有名であれ無名であれ、観光地の基本は土産物屋と値段高めのお食事処と150円の自動販売機だ。
修学旅行先は、程度の差はあれ、こんなユルい感じだったはずだ。
多分、「観光バス」・「級友と旅行」という修学旅行ならではのテンションがなければ、
あの頃の俺も、今と同じような冷静な目でユルい観光地を眺めていたことだろう。
十数年経ってようやく見破った、修学旅行のトリック。