Log (Mar 2005)

■2005年3月31日(木)  ─ オールインワンのど飴。 ─

 今年の花粉の飛散量は平年の数倍であり、
 花粉症の罹患者も増えると言われている。

 花粉症の予防策は何かないものかと思っていたのだが、
 花粉症の人が対策するのと同じことをすることで予防になるという話を耳にした。

 外出時にマスクをしたり、家に入る際に衣服に付いた花粉を払い落としたり、
 そういうこまめな対策をすることで予防になるというのだ。

 ただ、俺は今のところ花粉症ではないようなので、
 外出時に大仰にマスクをするのもどうなのか、と思わないでもない。

 そこで、「凍頂烏龍茶入り花粉しそ甜茶のど飴」である。

 花粉しそ甜茶のど飴。

 ・しその実エキス
 ・しその葉エキス
 ・甜茶エキス
 ・凍頂烏龍茶
 ・ペパーミントオイル
 ・月見草抽出油
 ・ミツバチ花粉

 などなど、21種類のハーブエキスを配合している。

 オールインワン。
 言わば花粉対策のドリームチームである。

 どうにも収拾の付かない商品名を見るにつけ、
 「巷で効くと言われているエキスを、節操なくかき集めて飴にしました」
 という印象は否めないが、
 これだけ配合されていれば、どれかは効くだろうという気もしてくる。

 今後、ブレンドされるエキスが増えることで、
 どこまで商品名が伸びていくのかも気になるところだ。

 オールインワン。


■2005年3月30日(水)  ─ 120の国と地域。 ─

 さすがにお膝元であるだけに、
 朝のニュースで「愛・地球博」が取り上げられることが多い。

 その際の枕詞として、必ずといっていいほど付いてくるのが、
 「120の国と地域が参加する、21世紀最初の万博」というフレーズである。

 120の国と地域。

 ぱっと頭に思い浮かぶ国の名前など、
 両手両足の指で足りる程度のものだ。

 判官びいきというか、
 聞いたこともないような国名に、少し惹かれるものがある。

 「ブルキナファソ」
 「サントメ・プリンシペ民主共和国」
 「ガボン共和国」
 「ベリーズ」

 いずれも万博の公式参加出展国なのだが、
 見慣れないカタカナの配列という風情は否めない。
 この馴染みのなさ、新鮮な響きはどうだろう。

 「ベリーズ」などと言われても、
 俺が思い浮かべるのは「ベリーズホーエー」(東海地方ローカルの電気店チェーン)くらいである。

 そう考えると、全く耳馴染みがないわけではないか。

 疑いの余地なく着地点を見失っているので軌道修正するが、
 知らない国に、
 知らない言葉で話し、
 知らない通貨を使って取引する人々がいるのだと思うと、
 世界は思っているより広いと感じる。

 日本がどこにあるのか、愛知県がどこにあるのか、愛・地球博が何なのか、
 ちゃんと理解して参加している国と地域は、いくつくらいあるのだろうか。

 ジャマーヒリーヤ。


■2005年3月28日(月)  ─ インテリジェンス。 ─

 ニュースを見て知ったのだが、
 大和ハウス工業とTOTOが共同で、「インテリジェンストイレ」なるものを発売するらしい。

 家族4人分の「尿糖値」「血圧」「体脂肪」「体重」の4つのデータを測定・記録でき、
 家庭内LANと接続することでパソコンで管理もできるという、
 まさに夢のような商品である。

 価格はトイレ本体を除いたシステム価格が38万円〜56万2,000円(税別)。

 ・・・考えるまでもなく、欲しくない。

 しかし、この古臭い発想と、商売する気を微塵も感じさせない価格設定。
 これは何か裏がありそうだと思ったが、
 どうやらそれぞれの企業の会長の意向で開発されたらしい。

 サラリーマンとしては、何か納得せざるを得ないものがある。
 耳を澄ませば、不平不満渦巻く現場の声が今にも聞こえてくるようである。

 家族4人分のデータを記録できても、
 思春期前後の娘さんはまず間違いなく利用しないはずである。
 体重・体脂肪率といえば、家族にも知られたくないトップシークレットであり、
 パソコンに保存され、あまつさえ時系列でグラフ化なんかされた日には、
 家庭崩壊の引き金になりかねない。

 無駄なことに技術をつぎこむのは嫌いではないが、
 もっと不毛な方向に技術を使って欲しい。

 難しい年頃の娘を持つ家庭のために、
 「小川のせせらぎ」から「ナイアガラ大瀑布」まで、音量を選択できる音消し装置とか、
 音消し用のメロディをダウンロードできるとか。

 うおっ

 それなら、失笑することなく、屈託なく笑える。


■2005年3月27日(日)  ─ アラザン。 ─

 スーパーの製菓材料コーナーで、アラザンを見かけた。

 ケーキの生クリームの上なんかに乗っている、仁丹みたいなアレである。
 「仁丹」という比喩をしてみたものの、最近の若者は仁丹を知っているのだろうか。
 念の為に補足するなら、仁丹は銀色に光る小さな生薬の粒だ。医薬部外品。

 話を本筋に戻すが、
 アラザンは何だか苦くて美味しくないので、子供の頃から敬遠していた。

 仁丹と何が違うのだろうと、ふとパッケージを裏返して見ると、
 原材料は砂糖、コーンスターチ、植物油脂、銀箔・・・。

 ・・・銀箔。
 あの銀色は、本物の銀を使っていたのか。

 美味しくないからと、銀を含有する粒を捨てていた俺。
 少なからずショックである。
 ケニアのワンガリ・マータイさんが聞いたら、「もったいない」と言うに違いない。

 ショック。

 今後は、アラザンも残さず食べることを自らに課したい。

 いや、それとも、銀は俺が思っているよりも安価な金属なのだろうか。

 アラザンに対する評価が上がるのか、銀に対する評価が下がるのか、
 未だ答えを出せずにいる。

 ***
 同じく製菓コーナーにて、
 タピオカの原料がキャッサバであることを初めて知り、少なからず驚愕。


■2005年3月26日(土)  ─ 世界に羽ばたけ。 ─

 「愛・地球博」を見に来た観光客か、
 もしくはパビリオンに勤務するために来日した万博関係者か、
 栄あたりで何やら外国人をよく見かけた。

 おそらくは後者であろう。

 ところで、「愛・地球博」の開催に乗じて、
 飲食店でも期間中の特別メニューなどを用意している。
 エビフライだったり、守口漬だったり、赤だしの味噌汁だったり、
 恥ずかしいほどに郷土愛溢れたセットメニューである。

 えびふりゃ

 海外で「愛・地球博」がどのように紹介されているのかは定かではないが、
 よく、海外について書かれた日本のガイドブックなんかを見ると、
 その土地の伝統料理・名物料理なんかが載っていたりするだろう。

 もしかして、海外向けのガイドブックには
 みそカツ・ひつまぶし・味噌煮込み・あんかけスパなんかが載っていたりするのだろうか。

  朝・喫茶店でモーニング(小倉トースト)
  昼・あんかけスパ
  夜・味噌煮込み

 みたいなおすすめコースが載っているかも知れない。
 こんな濃密でベタな食生活は地元でもそうそうしないが。

 初来日で、初めて接する日本食が名古屋グルメ。
 何だか訳もなく申し訳なくなってくる。

 そういえば、タイの名物料理「タイスキ」は、
 日本のすき焼きとしゃぶしゃぶを伝えるときに間違って伝わってしまい、
 その結果生まれたという話を聞いたことがあるが、
 名古屋グルメが海外に間違って伝わって、何か生まれないものかと少し期待している。


■2005年3月24日(木)  ─ 発光ダイオード型。 ─

 社会経済生産性本部の「職業のあり方研究会」の発表によれば、
 今年の新入社員は「発光ダイオード型」だそうだ。

 「電流を通す(ちゃんと指導する)と、
 きれいに光る(いい仕事をする)が、熱くはならない(冷めている)」タイプらしい。

 ちなみに、去年は「ネットオークション型」、一昨年は「カメラ付きケータイ型」である。

 毎年発表される度に思うのだが、
 これは先にキャッチーな型名を考えておいて、
 後付けで適当にそれっぽいことを書いているんじゃないだろうか。

 毎回、「笑点」の大喜利なら桂歌丸が言いそうな、円楽が座布団をくれそうな発表である。

 しかし、大切なのは、個々の資質を見極めて成長を助けていくことであって、
 総体を語ることにどれほどの意味があるのか分からない。
 一般化・類型化することで、一見分かりやすくはなるものの、
 逆に見えなくなってしまうものもあるような気がする。

 「ゲーム脳」という単語なんかもそうだが、
 あまり意味のないものにセンセーショナルな名称を与えるのは、
 名称だけが一人歩きするので止めたほうがいい。

 調子に乗っていると、そのうち山田君が座布団を全部持っていくと思う。

 発光ダイオード?


■2005年3月22日(火)  ─ 三英傑募集。 ─

 名古屋では、毎年5月の終わり頃に「名古屋まつり」なる祭りが開催される。

 その祭りの目玉のひとつに「郷土英傑行列」というのがあり、
 最近、地下鉄の吊り広告で三英傑(織田信長・豊臣秀吉・徳川家康)役の募集を
 見かけることが多くなった。

 誰が?

 募集要項を見ると、書類審査・面接審査の上で決定するらしい。

 武将を書類選考するというのも、なかなかどうして堪らないものがあるが、
 面接で何を聞かれるのかも非常に気になる。

 やはり信長役ともなると、
 「自分の思い通りに事が進まない場合、あなたは普段どうされていますか?」との質問に、
 迷わず「焼き討ち。」と答えるくらい血の気が多くないとダメなのだろうか。

 「友達が勝手に応募しちゃって・・・」などというシャイな信長など、見たくない。
 晴れの舞台もぶち壊しである。

 ところで、何気なく名古屋まつりのサイトを見ていたら、
 過去に英傑行列で扮した人物の紹介が載っていた。

 ねね、濃姫、千姫、森蘭丸、柴田勝家・・・(まあ、順当なところである。)

 ・・・加藤清正、毛利輝元、石田三成・・・(何だか節操がなくなってきてはいないか。)

 ・・・近藤勇、土方歳三・・・?

 あまり詳しくは知らないが、『スーパーロボット大戦』ってこんな感じか。
 来年あたり、必然性もなくジャンヌ・ダルクとか出てきそうである。


■2005年3月21日(月)  ─ USBメモリの新機能。 ─

 最近のUSBメモリは多機能にして多種多様である。

 大容量であったり、PCロック機能があったり、
 専用のセキュリティソフトが付属していたり、
 デザインが寿司やエビフライの形をしていたりしている。

 最初は、USBポートに挿すだけという利便性をウリにしていたと思ったが、
 日を追うにつれ、続々と新機能・新要素が追加されていく。

 何かに似ていると思ったら、これは携帯電話と同じ構図である。

 最初は限られた地域で通話できるだけだったものが、
 メールを送受信できるようになり、
 インターネットに接続できるようになり、
 様々なデザインで各社の差別化がされるようになり、
 今や電子決済の端末になったりしている。

 ということは、
 今後USBメモリに決済機能が付加されたりするのだろうか。

 とりあえず、USBメモリの端にシャチハタ印を付ければ、
 決済には使えると思う。

 実用新案。


■2005年3月20日(日)  ─ ワゴンセール。 ─

 ダイエーで、レンタル落ち中古CDのワゴンセールをしていた。

 マキシシングル:1枚100円。
 アルバム:1枚300円。4枚で1,000円。

 マキシシングルは最近のタイトルが大半を占め、
 アルバムにはかなり懐かしいタイトルが並ぶ。

 マキシシングルは、レンタル開始からある程度時間が経って、
 出足が鈍り出した商品の在庫整理だろう。
 ラインナップにも面白みがない。

 やはり、ワゴンセールの醍醐味はアルバムに尽きる。

 過去のアルバムでも、レンタルの需要があれば店頭に並ぶわけで、
 レンタル落ちになるということは即ち、
 誰も借りず、店頭にも並ばない不良在庫ということになる。

 それゆえに、記憶という重箱の隅をつつくような面白さがあって好きだ。

 ワゴンの隅から隅まで、なめるように吟味していく。
 名前は知っているが、当時は興味がなくて聴かなかった歌手が
 結構多いことに気付かされる。

 翻って考えると、それは今も同じではあるが。

 さて、1枚300円という大幅な値崩れ感はありながらも、
 やはりそこは嗜好の分かれる世界である。
 「この棚の、ここからここまでいただこうかしら。」という話にはならない。
 掘り出し物を探り当てるという点では、いわば目利きである。
 時間を忘れて没頭する。

 1時間。

 そして、3枚セレクトすると「もう1枚何か見つけなければならない」という
 使命を自らに課してしまう愚かさといったらどうだろう。

 この求道的な集中力を、なぜ仕事で発揮しないのか。


■2005年3月19日(土)  ─ 相似性。 ─

 薬局に行ったら、花粉症対策用品コーナーができていた。

 それ自体はよくある光景なのだが、
 脇に置いてあったオブジェに目をひかれた。

 花粉対策。

 針葉樹に、花粉を模した黄色い球が鈴生りについているのだが、
 これ、クリスマスツリーを流用していないか。
 量販店で1,000円くらいで売っていそうな安っぽいクリスマスツリー。

 そういう視点で改めて見てみると、
 デフォルメされたクリスマスツリーの絵と
 天気予報の花粉情報によくあるスギの木の絵は確かによく似ている。

 図解。

 片やロマンチックの象徴。
 片やアレルゲンの象徴。

 上流階級と下層階級。何という境遇のコントラストか。
 まるで「牡丹と薔薇」である。

 似たような例を挙げるなら、
 家電のコジマのマークと、エヘン虫もよく似ている。


■2005年3月16日(水)  ─ ういろう。 ─

 三寒四温というやつか、真冬並みに寒かった週末とはうってかわって
 東海地方は春らしい暖かな一日であった。

 春めいてくると、何だか無性に和菓子が欲しくなるような気がする。
 あえて詩的に言うなら、米粉とアンコが織り成す甘美な世界に浸りたい。
 そこに煎茶のカテキンが加われば、それはもう三位一体、ひとつの完成形である。

 結局、草餅を買った。

 さて、名古屋で米粉を使った和菓子といえば、その代表格は当然ういろうである。

 よくコンビニのレジ横に一口サイズにパックされた羊羹が売られているが、
 あんな感じで一口サイズのういろうを販売することはできないだろうか。

 それが青柳ういろうの「四季づくし」(一口サイズのういろうの中にこしあんが入っている)であれば、
 もう何も言うことはない。
 買物のついでに、うっかりカゴの中に入れてしまうこと請け合いである。

 ういろうと言うと、お土産用にロット単位で販売されがちであるが、
 一口サイズをバラで売った方が潜在需要も見込め、結果的に利益率が高いと思う。

 つまり、今までお土産品としてしか流通に乗っていなかったういろうを、
 コンビニという新しい販路でもってお茶の間にまで浸透させるプロジェクトXである。

 ・・・仕事中にこんなことを考えてしまうくらい、頭の中まで春めいた一日。


■2005年3月15日(火)  ─ ケミカル。 ─

 明治村の駄菓子屋でニッキ水を見かけた。

 ニッキ水自体はそれほど馴染みはないのだが、
 いかにも「赤色1号」といったケミカルな発色には、
 どこか懐かしさを禁じえないものがある。

 俺の世代で言うなら、そういうケミカルお菓子の代表格は
 やはり「ねるねるねるね」であろうか。

 練れば練るほど色が変わって、添付の粉を付けて食べる、例のアレである。

 ウチは親がその手のケミカルお菓子を嫌っていたので、
 幸か不幸かほとんど食べる機会がなかった。

 今さら食べたいとも思わないが。

 少し調べてみたのだが、
 「ねるねるねるね」の販売元のカネボウフーズも時代の流れに即してか、
 赤キャベツやクチナシを原料とする着色料を使用しているらしい。

 日和ってしまった「ねるねるねるね」。
 ケミカルお菓子が健康志向になってどうする。

 「ねるねるねるね」が膨らむメカニズムに関する説明もあったが、
 半ば裏切られた気分のままでは興味も半減である。

 『クエン酸と重曹が反応してできる炭酸ガスを、
 卵白や増粘多糖類で、クリーム状の泡に仕上げています。』

 ・・・これ、「金しゃちタマゴ」と同じ原理である。

 「金しゃちタマゴ」と同列。
 この事実に、再び息を吹き返す関心。

 しかし、ケミカルお菓子のランキング上位からの転落は避けられない。

 「ねるねるねるね」の凋落により、俺の中でのケミカルお菓子の頂点は
 明治製菓「ひもQ」(120センチのグミ:ソーダ味・コーラ味)が繰り上がり当選である。

 ケミカル。


■2005年3月13日(日)  ─ 明治村。 ─

 愛知県犬山市に、「明治村」という名鉄系列のテーマパークがある。

 明治時代の建物を移築・保存している博物館のようなところで、
 名古屋周辺に在住の人ならば、小・中・高校の遠足などで
 必ず一度は行ったことがあるはずの観光スポットである。

 約十年ぶりに足を運んだのだが、
 記憶よりもずっときっちりとしたテーマパーク然としていて驚いた。
 学校行事で行くから面白く感じなかったのかも知れない。

 絶叫マシンや観覧車があるわけでもなく、派手さには欠けるが
 コンセプトに揺るぎがなく磐石の構えである。

 新聞広告。

 その明治村であるが、村内に「ハイカラ写真館」というのがあり、
 フロックコート姿や貴婦人姿など、明治時代の扮装で写真を撮ることができる。

 貴婦人のドレスなど、ベルサイユのバラに出てきそうなほど豪華にして華美である。
 百数十年前には、これがひとつのモードであった時代があるのである。

 よく、ファッションの流行にはサイクルがあるなどと言われるが、
 もしかしたらゴシックロリータ、通称「ゴスロリ」と呼ばれるファッションは
 百年単位のスパンで見たモードのサイクルの上に出現したのではないだろうか、などと思った。

 男性のモードとしてフロックコートが復活するのはいつのことであろうか。

 ***
 オマケ。思わずぐっときた看板。

 イカタル散。


■2005年3月11日(金)  ─ 太陽電池。 ─

 仕事で使っている電卓は太陽電池で動いている。
 計算処理を実行し、モノクロの液晶画面を表示するくらいなら、
 現在の技術でも太陽光発電で間に合わせることができる、ということか。

 携帯電話の充電器に、ハンドルを手回しするタイプのものがあるが、
 太陽光を受けて発電する充電器があってもいいんじゃないか。

 ・・・と思ったら、既にあった。
 「モバイル太陽電池 バイオレッタソーラーギア VS01」

 率直にいうと、試作品かと見紛うほどに武骨である。
 スタイリッシュさの欠片もない。
 これが「2001年度グッドデザイン賞、中小企業庁長官特別賞」受賞とは、
 何かの冗談か、もしくは高度でシュールなエスプリである。

 しかし、考えてみれば
 携帯電話も凝ったデザインが出回るようになったのは最近のことで、
 最初はちょっとした鈍器とでもいった風情であった。

 携帯電話然り、USBメモリ然り。
 やはり、デザインによる差別化は、
 ある程度の普及を待たなければならないのだろう。

 もしかして、今後伸びる産業か。個人向け小型太陽電池。

 ニッチ戦略で一山当てたいものである。

 日向ぼっこ。

 ***
 「The SEEDS of LOVE」(管理人:Tacさん)で3月10日付の代打日記を書きました。
 よろしければご覧ください。


■2005年3月9日(水)  ─ カロリー。 ─

 会社帰りに、よくファミレスに寄る。

 ファミレスのメニューには、よくそれぞれのカロリーが書いてある。
 サービスの一環なのかも知れないが、
 ああやって明記されてしまうと、どうしても気になる。

 「天丼とかけそばセット」が1,091kcal、「とんかつ定食」が1,167kcal、
 「かつとじ膳」に至っては1,417kcalである。

 「かつとじ膳」でも頼もうかと思っていた出鼻をくじく、堂々の1,417kcal。

 帰って寝るだけなのに、こんなにカロリーを摂取してよいのか、俺。
 1,417kcalといえば、体重65kgの男性が1時間クロールを泳ぐのとほぼ同じカロリーである。

 よせばいいのに、余計な知識をJOINしてしまい、
 一度そう思ってしまうと、ついついそういう視点で見てしまう悪循環。

 「有機ほうれん草のミートスパゲティ」 ≒ ラジオ体操(2時間)
 「豚肉の生姜焼き」 ≒ ゴルフの打ちっぱなし(3時間)
 「肉包餃子」 ≒ 机上事務(6時間)

 ・・・。

 数字のマジックにより、みるみる失われていく食欲。
 「バッチ来い、かつとじ膳!」という先ほどのテンションとはうってかわって、
 「小柱のかき揚げうどん」(418kcal)を力なくちゅるちゅるすする。

 ・・・などと書くと、
 カロリーを抑えたダイエットに成功しているように見えなくもないが、
 深夜に腹が減っていろいろつまんでいるので、結局、元の木阿弥である。


■2005年3月8日(火)  ─ 愛・地球博。 ─

 「愛・地球博」の開催期間が、半年もあるということを初めて知った。

 開催が近いというのに、まだパビリオンが完成していないという噂を聞いたが、
 さては、開催に間に合わない部分は、期間中に順次オープンという目論みか。

 まるで前の会社にいた頃の五月雨納品みたいだ。
 できたところからとりあえず納品。

 往々にしてバグの取りこぼしや仕様変更があって、
 システムの開発と稼働と修正を並行で走らせつつ、迫る最終納期。

 最終的に納品したのは、当初のシンプルな設計思想とは全く異なるゴテゴテした代物だった。

 多分、9月頃には「愛・地球博」のコンセプトは
 『21世紀の日本列島改造』とか『新世紀・ふるさと創生』とかになっていると思う。

 モリゾー・キッコロも、実はロボットでした。みたいなどんでん返し。
 科学技術の叡智を礼讃である。

 未来の世界の植物型ロボット。

 もしくは、「愛知・球博」という、古今東西の球を一同に集めた博覧会になっていてもいい。


■2005年3月7日(月)  ─ 伝言板。 ─

 駅の構内の、暗く目立たない隅の方に、
 「○時間後に消します」とか書かれた伝言板がひっそりと設置してある。

 携帯電話を使って連絡をとれば、別にあそこに書く必要もない気がするが、
 果たして最近の伝言板は割と空白が多い。

 どちらかといえば情報伝達のツールとしてより、
 「駅っぽさ」を醸し出すための舞台装置として機能している気がする。
 そういう意味では駅構内の名脇役と言えなくもない。

 それゆえ、たまに「○○ちゃんへ。先に行ってるよ。」とか書いてあったりすると、
 何だか不必要なまでにドラマ性・事件性を感じてしまう。

 なぜ、彼女はわざわざここに伝言を残すに至ったのか。
 その経緯・背景に少なからず興味を覚える。

 何しろこのデジタル全盛の時代にあって、黒板にチョークである。
 コミュニケーションツールとして頑なにアナログであり、プライベートである。

 また、公衆便所の落書きにも似て、その公共性が都会の闇を感じさせる。
 2時間ドラマのクライマックスが切り立った断崖であるのにも似た、ただならぬシチュエーション。
 火曜サスペンス、土曜ワイドな匂いがする。

 駅の伝言板の前を通り過ぎる瞬間、俺は心にカメラマンベストを着用する。

 カメラマンベスト着用。


■2005年3月6日(日)  ─ ムリヤリ普遍化。 ─

 ガレージキットやおもちゃを展示・販売するイベントに、
 当日のイベントスタッフとして参加しないかという話があった。

 ガレージキット。
 そういう物が存在していることは聞き及んではいるが、未知の領域である。

 一般に「オタク」と呼ばれる人たちが購入しているイメージが強いが、確証はない。
 もしかしたら、それは俺が勝手に抱いているステレオタイプなのかも知れない。
 こういう機会でもない限り、今後この目で確認できることもないだろう。

 あの山の向こうに本当は何があるのか、
 それは実際に自分の目で見てみなければ分からない。
 向こう見ずな探究心と根拠のない使命感を奮い立たせ、会場に乗り込む。

 ・・・ただ絶句、である。

 開場と共に怒涛のようになだれ込み、
 一瞬にして場内を満たす、異様な熱気と興奮状態。

 仕事とはいえ、気持ちは遊び半分で会場に立っている俺からすると、
 彼らの刺すような眼光のなんと鋭いことか。

 縦横無尽に伸びる行列。
 あちらこちらで焚かれるフラッシュ。
 それをただ冷静に眺めることしかできない俺。

 「あなたにとって私 ただの通りすがり ちょっと振り向いてみただけの異邦人」
 などと思わず懐メロを口ずさむ。

 しかし、客層と商品が異なるだけで、
 イベントとしてはデパートの物産展と大差はない。
 程度の多寡はあれ、デパートの「全国有名駅弁祭り」なんかの大盛況・大混雑を見ても、
 俺はきっと似たように理解に苦しむと思う。

 商品の特殊性に惑わされていたが、視点を転じれば簡単な話である。
 ある嗜好があって、それに基づいて作品が作られ、そこに需要が生まれ、供給される。
 経済ってそういうことだろう。

 あえて哲学的に言うなら、
 俺にはそれの「本質」を理解することは今後もできないだろうが、
 今ならそれの「現象」を理解することはできる、とでも言おうか。

 あの山の向こうには、
 皆が噂していたような、俗にいう「オタク」な世界も広がっていたけれど、
 そのさらに向こうには、「版権」や「お金」といった現実的な世界が広がっていた。

 営業スマイル。


■2005年3月5日(土)  ─ 気象庁。 ─

 金曜日、関東地方に雪が降った。
 その日の朝のニュースは、その話題で持ちきりである。

 ところで、気象関連のニュースのとき
 「このため、気象庁は○○に注意を呼びかけています」という
 アナウンサーのアナウンスが入ることがある。

 例えば、台風のときならば、
 「このため、気象庁では河川の増水・氾濫に注意を呼びかけています」とか。

 ちなみに、あの日のアナウンスは
 「このため、気象庁では通勤・通学時に足元に気をつけるよう注意を呼びかけています」であった。

 「足元に気をつけて」、である。

 確かに雪の日は滑りやすく、それゆえ転倒の危険性が高まるが、
 省庁の発表として、「足元に気をつけて」というのは果たしてどうなのか。

 子離れできない過保護な親か。

 おかん。

 気象庁、いらん心配をし過ぎである。
 ある意味、ドサクサ紛れな越権行為。


■2005年3月2日(水)  ─ ハンコ。 ─

 以前にも書いたが、ハンコが割と好きだ。

 ポンポンと押すだけで、同じ模様が何個でも印刷できる。
 これは、人間にとってプリミティブな快感であると言ってもいいだろう。

 おそらく、活版印刷を発明したグーテンベルクも
 「面白れー。面白れー。」と言いながら聖書をガリガリと印刷していたに違いない。

 たまに文房具コーナーに立ち寄ると、三文判やネーム印のケースが気になる。

 とりあえず自分の名字があるかどうか確認した後、おもむろにクルクルと回す。

 メリーゴーランドのように、次々と現れては消える様々な名字。
 「鈴木」「佐藤」というメジャー級の名字から、読み方すら分からない珍しい名字まで。

 「あ」から「わ」まで、古今東西のあらゆる名字が一同に会する壮観。
 日本人の名字のサンプルケースである。

 あれをそのままアメリカに持っていって、
 『日本人の名字』という夏休みの自由研究の課題として提出したい。
 工芸的にも優れているので、
 きっと市の教育委員長から賞がもらえるはずだ。

 楽しみ方。


■2005年3月1日(火)  ─ 金しゃちタマゴ。 ─

 いつも行っているランチの店で
 愛・地球博関連の抽選券をもらったので、抽選をしに行った。

 1等は上海旅行。
 愛・地球博関連の抽選なのに、それでいいのだろうか。
 という疑問はあれど、とりあえずガラガラを回す。

 カランと硬質な音を立てて、黄色の玉が受け皿に落ちた。
 4等だ。

 4等の景品は、コレである。

 金しゃちタマゴ。 ・・・ちなみに、お菓子ではない。

 久々に、如何ともしがたい景品に巡りあったものである。
 もし、これがサービスエリアのお土産コーナーに置いてあっても、
 手にとるどころか一瞥をくれることもないだろう。

 「開運」
 「ハラハラ、ドキドキ、金シャチがとびだす!!」
 「対象年令5才以上」

 取ってつけたような「開運」の文字が悲しい。

 中身。 箱の中身。

 叩くと・・・ ムク・・・ → ムクムク・・・ ・・・膨れる。

 金色の何かが。 「パァン!」と弾けて、ゴロンと鯉のぼりっぽいものが。

 金しゃちタマゴ。 お部屋のインテリアに。西に置けば金運アップか。 あら?

 ***
 大人になる過程で、色々な知恵がつく。
 その結果、「重曹とクエン酸が反応して膨らむ」という
 カラクリが頭で理解できてしまい、
 目の前の光景を、純粋に楽しんだり驚いたりできない。

 重曹とクエン酸が反応しても、夢は膨らまない。

 夢を膨らませる触媒を見つけることで、初めて運が開けるのかも知れない。

 ・・・と、無理矢理に結論づけてみたが、
 かなりの確率で「金しゃちタマゴ」のコンセプトはそういうことではない。



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