Log (Aug 2006)

■夏休み最後の週末。

 8月末が提出期限の論文をようやく書き上げた。

 前々から書かなければと思ってはいたのだが、
 忙しかったのと面倒くさかったのとで、なかなか本腰を入れられなかったのであった。

 時はまさに夏休み最後の週末。
 夏休みの読書感想文の宿題に追われる小学生のような気分である。

 ***
 読書感想文といえば「青少年読書感想文全国コンクール」の課題図書であるが、
 今年は高等学校の部の課題図書に『オシムの言葉』が選出されていた。

 『オシムの言葉』を読んで感想文を書くなんて、どこかのビジネス研修のようである。

 ところで、課題図書はこんなに値段の張る書籍だっただろうか。

 出版業界の陰謀?

 出版不況で本が売れないから、ドル箱の課題図書に高めのハードカバーを選出している
 と考えるのは考え過ぎだろうか。


■前のめり。

 ここ最近、急速にビジネスシーンにも浸透しつつあるのが
 インターネット電話「Skype」である。

 わざわざ相手先まで出向かなくとも、いながらにして打合せができる。
 しかも、無料で。
 なかなか便利な時代になったものである。

 そんなわけで会社でもSkypeによる外部との打合せが増えてはきたが、
 会社の備品のスピーカーマイクが安物のせいか分からないが、
 相手の声が聞き取りにくい上に、マイクにかなり顔を近づけないと声を拾ってくれない。

 勢い、打合せの参加者全員が前のめりである。

 「前のめりに打合せ」というと何だか白熱した議論の応酬を連想しがちであるが、
 前のめりなのは外面的な姿勢のみであって、内面的にはかなり天を仰ぎたい気分である。

 ビジネスシーン。

 いい歳をした大人が、何人も前のめりに顔を寄せ合って話しているのだ。
 遠目に見ると、ひそひそと良からぬ密談をしているようにしか見えない。


■料理番組。

 アメリカの料理番組を見ていたら、そのあまりのアバウトさに驚愕した。

 ふむ。

 ほう。

 ?!

 ・・・。

 マーサ・スチュアートの右腕五人衆というくらいだから、日本で言うならケンタロウとか森野熊八クラスだろうか。
 老婆心ながら、水餃子くらい包んだらどうか。

 まあ、手間をかけずに手早く合理的に料理を作るというコンセプトは、
 いかにもアメリカらしいと言えなくもない。

 各国の料理番組には、それぞれのお国柄が表れているようで面白い。


■経済。

 鳥インフルエンザの感染拡大を防ぐために大量のガチョウを処分した結果、
 高品質の羽根が不足するようになり、バドミントンのシャトルが値上がりしているというニュースを見た。

 羽毛ふとん。

 同様に、ロウソクと線香の値段も高騰しているらしい。
 ロウソクは原油の価格高騰、線香は産地であるインドネシアの地震や豪雨などの災害が影響しているのだと言う。

 ・・・どれも価格高騰と言われてもいまいちピンとこない。

 生活必需品ではない上に消耗サイクルの長い商品なので、滅多に買うこともなく、
 価格を気にすることもなければ、いつも去年や一昨年の残りを使っているイメージがあるし、
 なければないで、何とかなりそうでもある。

 全体的に話題はミクロなのに、視点がマクロなので何だかクラクラする。
 「風が吹けば桶屋が儲かる」のような理屈ではあるが、
 経済が循環しているというのはこういうことを言うのだろうか。


■夏本番。

 テレビを付けたら、高校野球をやっていたので何となく見る。

 とりあえず暑そうだと思った。
 驚くほど野球に疎いので、観戦のポイントも外しがちである。

 これが十年ほど前なら、
 「あー、もう甲子園に出場している選手たちも年下になっちゃったんだなあ。」
 などという妙な感慨もあったが、
 大相撲の横綱すら年下となってしまった今となってはそんな感慨も薄い。

 ただ、負けて本気で悔しがって男泣きしている姿を見ると、
 何となく羨ましいような気がしないでもない。

 今の自分にはそこまで本気になれるものがないことに、ふと気付かされるから。

 ***
 稲川淳二が出ているバナー広告を見て、「あー、今年も夏が来たんだなあ」と感じた。

 どうやら、俺にとっての夏のアイコンは稲川淳二であるらしい。
 むしろ、もはや夏の季語なんじゃないだろうか。稲川淳二。

 字余り。


■東京にて。

 仕事で東京に出張した。

 「旅情」という調味料なしではキツイ

 事前にYahoo!で路線情報を調べ、
 「東京駅から東京メトロに乗り、大井町で乗り換えて茅場町へ行く」
 というルートは確認していたのだが、
 大井町で丸ノ内線から東西線に乗り換える際、
 一旦改札を出なければならないという事態に直面し、思わず狼狽する。

 同じ東京メトロでありながら、改札を出なければならないとは何事か。

 本当に出てしまって大丈夫なのか?
 改札を通した後、切符はちゃんと戻ってくるのか?
 ・・・これが疑心暗鬼にならずにおれようか。

 説明書きを求めて視線を彷徨わせるも、特に説明はない。
 ああ、都会の人は冷たいというのは、こういうことか。

 こんなホスピタリティでオリンピックが誘致できると思ったら大間違いだ、などと
 毒づくベクトルを間違えつつ、待ち合せ場所に着いたら時間ギリギリであった。

 ***
 クーポンマガジンのホットペッパーが積んであったので、何となく手にとってみた。

 「東京のホットペッパーも厚さは名古屋と同じくらいだなあ」と思ってふと隣を見ると、
 隣の冊子はペラペラに薄い。どうやら、列ごとに厚さが違うようだ。

 もしやと思って何冊か確かめてみると、
 俺が東京のホットペッパーだと思っていたものは、
 渋谷・赤坂・六本木地域限定のものであることが判明した。地域ごとに分かれているのだ。

 何だか微妙に新鮮な驚きがあったのだが、
 冷静に考えてみれば、人の数も店舗の数も全然違うのだから当たり前である。

 久々の東京でつい浮かれたのか分からないが、間違いなく必要以上に驚いている。

 ***
 「地元の人にとっては当たり前のことでも、他所の目から見ると新鮮に映る」
 という話をしたつもりだったが、
 読み返してみると今日の日記は全体的に田舎者丸出しである。



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