Log (Nov 2006)

■イノシシ。

 今週末にはもう12月である。
 そろそろ年賀状のデザインくらい考え始めなければならない。

 そしてはたと気が付いたのだが、干支の中でもイノシシというのは
 意匠のイメージが湧きにくい素材である。

 身近な動物でもないし、特別可愛らしいとも言いがたい。
 どちらかと言えば危険動物に指定され、畑を荒らす害獣というイメージもある。

 使えそうなもので思い浮かぶのは「猪突猛進」という四字熟語くらいか。

 あとは・・・

 いくつかの年賀状素材サイトも見てみたが、
 イノシシを割とそのままイラスト化したような、そのものズバリなデザインが多い気がする。
 土鈴や絵馬の意匠も散見されるが、あまり若者向けとは言いがたい。

 かといって、イノシシを擬人化しているデザインは何だか不自然だし、
 いやはや、どうしたものかと思案に暮れる。

 そんなこんなで、猪年は結局年賀状を出さない人が多いのではないだろうか。

 ・・・何だ、今から既に言い訳か、俺。


■紅白の話題。

 紅白歌合戦の話題がマスコミを賑わすようになると、
 ああ、またこの季節がやってきたか、と溜息が漏れる。

 紅白歌合戦にかける押し付けがましいまでの気負いのようなものが感じられて、
 今から何だか憂鬱になるのだ。

 これから年末にかけ、NHKの盛り上がりと反比例して下がっていくテンション。

 別に行く気もない社員旅行を、上司が並々ならぬ気負いで企画しているのを見るのにも似た、
 申し訳なさと白眼視が3:7で交じり合ったような居心地の悪さ。

 別に、そんな気負うほどのイベントでもなかろうに。

 そういえば、昼間にテレビを付けたら「NHKのど自慢」がやっていた。

 誉れ、なのか?

 一切の気負いを排した弛緩っぷり。
 司会者の上滑りする徹底した社交辞令っぷり。
 一切澱みのない、タイムスケジュールに沿った進行。
 興奮気味の出場者の晴れがましい姿。

 結局、紅白歌合戦というのは芸能人を使って気負った「のど自慢」をしているだけ、
 という気が何となくしてきて、
 申し訳なさと白眼視が2:8で交じり合ったような居心地の悪さを覚えた。


■この時期になると。

 気が早いもので、既に街の気分はクリスマスである。

 駅前や広場に巨大なツリーがお目見えするのも、
 いつの間にか11月の風物詩となって久しい。

 そういえば、この間ニュースでツリーがお目見えしたニュースを見たが、
 そこに映った人々が全員携帯電話を構えて写真を撮っていたのが
 何だか異様で面白かった。

 その場にいる全員が中途半端に腕を挙げた同じポーズで、
 掲げた手元を寄り目になって見ている。

 ・・・何かのメタファーか。

 手段が目的化しているという点では、
 何だか、運動会で応援そっちのけでビデオを回す親御さんのようでもある。

 別に、思い出を何でもかんでも記録に残す必要はないと思うのだが、
 まあ、その辺は人それぞれか。

 ***
 毎年ハンコを押し忘れる。


■○○割。

 ナンバーポータビリティ制度によって携帯電話キャリアが脚光を浴びている。

 ソフトバンクの「予想外割」というネーミングを初めて聞いたとき、
 徹夜続きの妙なテンションのときに決めてしまったような雑なネーミングだなあと
 思ったのは俺だけだろうか。

 予想外

 分かりやすく覚えやすい割引サービス名にしなければならない上に、
 既に他社が使用している名称は使用できないのだから、さぞかし大変であろう。

 ふと思ったが、「割」と名の付く単語を予め商標登録しておいたら
 いずれキャリアに買ってもらえるのではないだろうか。

 「頭割り」
 「黄金分割」
 「唐竹割り」
 「水割り」
 「ソーダ割り」
 「薪割り」
 「くるみ割り」
 「瓦割り」
 「スイカ割り」

 ・・・どれもこれも一般名詞なので却下されそうである。

 それなら、「割・る・なら、ハイサワ〜♪」ならどうだ、とも一瞬思ったが、
 それは既に別の商標である上に、何が「それなら」で何が「どうだ」なのかも分からない。

 こういう精神状態にあったならば、「予想外割」というネーミングを採用してしまうのも納得がいく。


■ツキを呼ぶ○○。

 『ツキを呼ぶ「トイレ掃除」』という本が売れているらしい。

 洋式便器がデザインされた斬新な表紙には、
 「トイレ掃除するだけで人生がガラリと好転!」
 「宝くじ当選!理想の人と結婚!赤ちゃんができた!」
 などの宣伝文句が並ぶ。

 ・・・いや、それはどうなんだ。

 まあ、風水やら占いっぽくオカルトめかした方がウケがいいのかも知れない。
 そういうものの信奉者は多そうだし。

 雨後の筍。

 そういえば、青森県鶴田町が「朝ごはん条例」を制定して
 朝ごはんをとる運動を推進しているが、条例なんかで強制するより
 『ツキを呼ぶ朝ごはん』のような路線で行けば良かったのではないだろうか。「北風と太陽」である。

 「朝ごはんを食べるだけで人生がガラリと好転!」
 「成績が上がった!彼氏彼女ができた!ダイエットに成功!」

 思春期の子どもには、変な条例よりよっぽど効果があるような気がする。


■ウィンナー。

 ポトフを作ろうとウィンナーを買おうとして、
 そういえば、ウィンナーって殆どの商品が2袋セットのバンドル販売だよなと思った。

 テープには「2袋で380円 お得!」とか書いてあったりするのだが、
 欲しいのは1袋だけだし、2袋もいらないのだがなといつも思う。

 そこには、「質より量」というバブル期的な発想が透けて見える気がする。

 野菜だと、最近ではスーパーでもネギ1本だけ買えるような
 オンデマンドな方向にシフトしてきている。ネギ・オン・デマンド。

 2袋目のウィンナーは大して欲しくはないのだが
 何だかんだで結局買ってしまう構図は、何だかCDのワゴンセールに似ている。

 謎。


■商業デザイン。

 書店で『日本の商業デザイン─大正・昭和のエポック─』(青幻舎)を衝動買いした。

 大正・昭和の商業広告などが多数掲載されているのだが、
 写真がほとんど使用されていないため、現在の広告を見慣れた目には
 かなり斬新でお洒落に映って面白い。

 プリミティブな味があるので、
 レトロなポスターなどを蒐集する人がいたりするのも、何となく頷ける。

 ***
 一番笑った広告。

 。印クシチイ

 大らかな時代であったと思う。



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