ネックについて
ほとんどのプレーヤーが気に入ったギターを手に取りまず確認するのはネックの握りだと思います。量産ギターの場合基本的な握りの形状と厚さが決まっていてある程度は同一メーカーの同一機種であればほぼ同じグリップですが、やはり個体差はあります。
グリップ形状にこだわる方にとってはその微妙な違いが重要です。価格以上にすばらしい仕上げのものもあれば逆にハズレもありますので量販店で購入される際は試奏して何本か比較する事をお勧めします。同じ規格で生産されたものでも、握りの他重量やバランス等が1本づつ微妙に違い、勿論サウンドも微妙に違います。音質はある程度ピックアップの交換等で改善できますが、グリップについての変更はかなり難しいので握り重視で選択されるのが良いと思います。同じモデルでも手に馴染むネックとしっくり来ないものとがあります。とは言ってもボディカラー等の見た目で゛惚れて゛購入してしまう場合が多いでしょうから難しいとは思いますが...。
ジェフ・ベックはほぼ十年間現在のメインギターのネックを使い続けています。ステージではかなりラフな扱いをするのでヒビが入っていたりするのですが(そんな訳でボディはサーフグリーンからオリンピックホワイトのものに交換しました)いまだにメインです。
ちなみに以前発売されたシグネーチャーは極太ネックでしかも本人はほとんど使用する事はありませんでした。’59年のレスポールばりで後にやや薄く変更になったもののそれでも十分に扱いづらいほどでした。現在のシグネーチャーは、ネックポケットの修理まで再現してヒールカットしてあります。資料によると、本人使用のネックは1フレットで約21.6ミリ、12フレットで23.1ミリというごく普通の数値です。ナット幅はウイルキンソン製のローラーナットなので43mmです。その分1フレット側が若干厚め(おそらくナット幅の分フラット気味にならないように)ですが、ほぼ最近のストラトキャスターの標準的なグリップと変わらないと思われます。ウイルキンソン製は入手し辛いのか、シグネーチャーではLSRのローラーナットになっています。
最近は、かなり薄いネックが一般的になり手の小さなプレーヤーにとってはかなり選択の幅が広がったと思います。しかし形状から見るとほとんどがフラットなUシェイプかフラットです。極薄の量産ネックの握り形状がほとんど同一なのは厚みのないネックが厚みのあるネックほど加工の自由度がないからです。厚みのないネックを丸いUシェイプにするのはかなり微妙な加工が必要になります。Vシェイプも同様です。量産品ではそこまで求めるのは無理だと思います。市販のネックシェイプに満足できない場合はカスタムメイドをお勧めします。
サウンド的には、ある程度グリップの厚さが必要であると言われています。ネックの剛性はボディの材質が音質に違いが有るように影響する事は確かだと思います。そちらを求める方のご希望にもお答えしてまいりますが、演奏性から考えると比較的スリムなネックが良いと考えて当工房の基本仕様は若干薄目のUシェイプ(1フレットで19mm厚12フレットで21mm厚)を採用しています。サイドにかけて丸く仕上げていますので数値以上にファットな印象です。
DG工房はグリップ形状にこだわりを持ち製作しています。上記の基本シェイプの他Vシェイプからフラットシェイプまでお客様が指定されたように製作します。製作者はオールドと言われるものをはじめ多くのネックをみてきました。約十年間グリップ形状にこだわり製造工場に勤務した経験を生かしお客様のご希望の握りを再現いたします。