314スケールについて |
店名(タイトル)の通りDG工房のギターは基本的にミディアム(314)スケールで製作します。ここでは314スケールとエレキギターのスケール全般について説明いたします。
まずスケールとはナットからブリッジまでの長さの事で弦長といいます。エレキギターはアメリカで誕生したので通常の単位はインチ(1インチ=25.4mm)です。エレキギターのスケールをセンチで表す場合は一般に弦長の半分の12フレットまでの長さをいいます。したがって゛314゛はナットから12フレットまでの長さが314mmであるという事です。
314スケールとは、フェンダーとともに40年以上ものあいだロックシーンを創り出すミュージシャンの支持を得ているギブソンが採用しているスケールであり、別名ギブソンスケールとも呼ばれています。本来の単位はインチでフェンダースケールは25.5インチでギブソンスケールは24.75インチになります。
実際にギブソンのエレキギターを計測すると313mm弱でフレット溝を切る工具はギブソンスケールとして24.625インチのものが販売されています。ギブソンに二種類のスケールが存在するのかそのあたりは恥ずかしい話ですが、正直なところ勉強不足で私には分かりません。そうなると本来は314mmではないのですが、一般的にギブソンスケールイコール314mmと言われていますのでここではそう呼ばせていただきます。
弦長はギターを製作する上で大切な要因ですが、楽器として最も重要な事は弦長から割出したフレットの位置ですので演奏上はそちらがしっかりしていれば問題ありません。以下で説明しますが、楽器店に並んでいるエレキギターにはその他にもいくつかのスケールが使われています。しかし市販されている多くのエレキギターのほとんどはフェンダースケールで製作されています。それらとギブソンスケールとの差は弦長で約20mmです。
314mmは12フレットまでの長さですから、フェンダースケールとの違いは約1cmです。フレット間ではかなり微妙な差のような感じですが、手の小さなプレーヤーにとってはそのわずかな差が物理的に演奏不可能になってしまう事があります。成毛滋氏はその点をメーカーに働きかけて現在もフェンダージャパンで生産されているミディアムスケール(314スケール)のストラトキャスターを生み出しました。ミディアムスケールを採用しているエレキギターはギブソン系のコピーモデル以外は私の知るかぎりあまりなくグリップもギブソンの太目のネックのコピーでSTMのナロー&スリムネックはかなり特殊です。フェンダージャパンの’02年モデルのST43Mはナット幅、指板Rが変更になり少しSTMの仕様に戻ったようです。
フェンダージャパン同様にエピフォンブランドでギブソンのモデルが低価格で販売されていますが、レスポールクラッシックが’60年モデルのスリムネックを採用した以降は薄目のグリップが多くなったと思いますがナット幅は43mmのものが多い様です。
その他にフェンダースケールよりスケールの短いエレキギターを探してみると、フェンダーではさらに短い24インチスケールのモデルもありショートスケールと呼ばれています。これはロングスケールの1フレットをナットにしたモデルで(数字上若干違うのですがおそらくフレッティングは同じ器具を流用していたのではと思います。)約305mmスケールです。弦長が短いショートスケールでは低音域がややつらい感じがします。実際にはムスタング等のショートスケールのモデルですばらしい演奏をしているプレーヤーが沢山いらっしゃいますので、問題ないと言えます。リッケンバッカーにはさらに短い20.75インチを採用しています。またモズライトは24.5インチで、ギブソンスケールのものもあります。B.C.リッチのモッキンバード、ビッチ等もギブソンスケールです。
ポールリードスミスはデザイン的にもちょうどフェンダーとギブソンの中間の感じですが、スケールも25インチでほぼ両メーカーのあいだです。まさにおいしいとこ取りの感じ?でそれにパーツ等に優れたアイデアを加え、新しいメーカーですが確固たる地位を得ていると思います。
最近はギブソン系もエピフォンブランドなら手頃な価格で手に入り、ギブソンも低価格の製品を提供しています。手の小さいプレーヤーも比較的低価格でギターを選べる様になってきている様です。フェンダージャパンのミディアムスケールのストラトキャスターも価格が下がりナット幅も40mmになり、指板も240アールで実用的なモデルに戻りました。
私は、比較的手の小さい人の多い日本人にとってはロングスケールよりミディアムスケール等のより短いスケールが適していると考えています。私自身はエレキギターを選ぶのにミディアムスケールである事を第一の条件としていました。(プレーヤーとしてちゃんとしていれば説得力もあるのですが…)
なにより私は最も敬愛するギタリストのジェフベックがストラトのネックを握りこんで演奏する映像を真似しようにも6弦側に親指を引っ掛けるとまともに弾く事が出来ません。ジミヘンに至っては親指で3弦までもミュートして平気な感じでクラプトンなどはバッキングでの危険な中指を披露?しています。憧れのミュージシャンと同じモデルを手にしても同じスタイルで演奏するには技術的には勿論、物理的にも不可能でした。
ストラトキャスター等のロングスケールのモデルを愛用している方もギブソンスケールのギターを試してみると何か新たな発見があるかもしれません...。