ECM寄りのPM-GONG? 音楽性を一変させて、ウネり感と浮遊感を強調した作風に
前作とは音楽性は一変。ゲスト・ギタリストにはAllan Holdsworthに変わり、フリースタイルのジャズ・ロックでは第一人者的なギタリストであるDavid Torn(Bruford Levin Upper Extremities, POLYTOWN)。
彼がPOLYTOWNで見せてくれた、ジャズとも中近東ともメタルとも限定できない無国籍な奏法・・・ウネウネとした独特のスタイルはここでも健在。まるでRobert Frippの一連のソロ・プロジェクトような存在感でバンドの音を仕切っている。とりわけ彼の奏法が前面に出ていて、なおかつ完成度の高さからGONGZILLAとして新たな段階に入ったことを示す1曲目Sufferと4曲目Imageは圧巻だ。実にモダンな音。特に4曲目ImageはYou時代のGONGが持っていたスペース感覚を漂わせた名曲。メロディの良さもあってか、二本のギターが作り出す不思議な空間に、聴き手の魂を遊ばせるかのような趣きを感じさせる。この浮遊感がたまらない。ちょうどAndy SummersのECM作品を連想した。1曲目Sufferのエスニックにうねるギター、5曲目ShamanのBenoit Moerlenの演奏と徐々に上がっていくテンションも特筆ものだ。6曲目Les Vosgesのしっとりとした展開と美しい旋律も忘れられない。
前作のPierre Moerlen's GONG全盛時を思わせるような白熱したバトルは影を潜め、一言で言えばカンペキに深夜向きの音に仕上がっている、と書けばわかってもらえるだろうか。Holdsworthを中心にPierre Moerlen's GONG時代の傑作Expressoを再現したような前作とは対照的に、本作は、ウネり感とモダンで洗練された面を強調したというところか。Pierre Moerlen's GONGがECMから作品を出せばこんな感じになるのかも。