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今回はねぶた祭の変化について話しましょう。
永い歴史を誇るねぶた祭ですが、ねぶた本体や祭のスタイルは、少しづつその様相が変わってきて
います。
昔のねぶたとは違うということですか。
現代のねぶたは、横幅でかなり大型になっていますが、昔のねぶた(戦前)は縦方向に大きかった
とのことです。言い方をかえると、今のねぶたは座りねぶたであるのに対し、戦前は立ちねぶたが
主流だったということです。
道路を横断する電線が邪魔になるため高くできなくなった事や、昔はねぶたを人がかついで引いて
歩いたため、縦方向に荷重するよう作られていた事が理由と思われますが、ねぶたもその時代背景を反映して
いるのです。
昨年(平成10年)、五所川原市のねぶた祭に立ちねぶたが出陣したという話がありましたが、昔ながらの
ねぶたが復活したということで、話題になりました。
本家の青森市としては、話題を持っていかれた感じになりましたが、昔ねぶたの懐かしさや勇壮さが地元の人達
や観光客に大ウケだったようです。
だし以外で変わった点はありますか。
ハネトが発する掛け声も昔とは変わったようです。
今の掛け声は
「ラッセラー・ラッセラー・ラッセ・ラッセ・ラッセラー」
ですが、もともとは
「ラッセ・ラッセ・ラッセ・ラッセ・(ガガシコガン)」
だったそうです。
今のハネト達にはすっかり前者が定着しており、後者の方で掛け声をする人は皆無ですが、お年寄りに言わせる
と、後者が昔の掛け声だったということです。いつ頃からどのようにして変化したのか僕にはわかりませんが、
もしかするとねぶたが始まった頃の掛け声はもっと違うものだったのかもしれません。
最近カラスハネトというのをよく聞きますが・・・。
ねぶたや掛け声が変貌し、現代はハネトの衣装までもが、変わろうとしています。
まず、20年ほど前から衣装の一部のはずの花笠やガガシコをつけない若者が増ふえだし、以降
タスキの色が紫や黒を付ける若者、浴衣の丈を異常に短くしてミニスカート風にする女性などが出て
きました。
そして、いつからか、黒い衣装を身にまとう若者が現れ、それがカラスハネトと呼ばれるようになっています。
最近にいたっては、さらに様々な服装が出没し、その数もかなり多く膨れ上がり、衣装にとどまらず、掛け声
や踊り方もおよそ本来のねぶたのとは違ったものになっており、深刻な状況となっています。
中には、カラスハネトのあまりの多さに、正装だと勘違いする観光客までいる始末で、悲しいことですが、
もはや、ソフト面でねぶた祭は壊れているといってもいい気がします。
このカラス問題はいろんな方面で取りざたされていますが、今のところ良策が見つかっていないとのことです。
ねぶた祭の良さは誰でも自由に参加できる点でした。ねぶた祭の認知度が国際的に広がったのも、その
自由な良さがあったからです。ところが、ここに来てそれが逆に仇となり、自由が故に伝統が崩壊しようと
しています。
その時代背景により変貌をとげてきたねぶた祭ですが、曲げてはならない伝統は守られてきたはずです。今、
ねぶた祭は最大の危機に直面しています。
流行に飛び付く若者。荒廃していく伝統。それは今の日本を象徴しているともいえるのではないでしょうか。