2008年3月18日(火) 財政委員会
1、新銀行東京への400億円追加出資の問題点と設立時の700億円の都債発行と利子負担について
<財務局>
●西岡委員…まず最初に、平成二十年度補正予算案、新銀行東京に対する四百億円の追加出資に対する東京都の基本的な考え方について、伺わせていただきたいと思います。
●真田主計部長…今回の補正予算案の基本的考え方でございますけれども、先般の委員会でもご説明しましたとおり、今回の補正予算は新銀行東京への追加出資を行うものでございます。財源につきましては、財政調整基金を取り崩して対応することとしております。
●西岡委員…実は昨年度も追加補正予算案がありました。このケースは、昨年の一月十六日に都区協議が合意されての二月七日の提案理由であって、今年度のものは、これは議会開会の前日、十九日ですね、二月十九日に要請があったという大変異例な予算案だと思うんです、時期的に見れば。東京都によれば、二月十九日に新銀行東京から、正式に追加出資の要請があって、翌日の二十日に都が補正予算案として都議会に議案を提案上程したわけでございます。これはまさにスピード決裁だと思うんですね。この一日間の補正予算の調製、例えば見積もりの精査やヒアリングの実施、知事査定など、都としても容認する、議会にも十分説明ができる、他の議案と同様の調整を行い得たのかどうか。ここは財政委員会ですから、きちっと、問題がなかったのかどうか、確認をしておきたいと思います。
●真田主計部長…今回の補正予算案につきましても、関係局と調整しまして、必要な検討を行った上で、最終的には知事の判断で決定したものでございます。ご理解願います。
●西岡委員…予算調製には問題なかったというご見解だというふうにご答弁されたものだと受けとめます。この補正予算案は、新銀行東京の案件のみの予算案でございますけれども、この根拠となっている査定に関しまして、六ページの新銀行東京再建計画や、補足資料ということで、この四百億の追加出資が一日で了承されたというこの事実そのものは、問題なかったというご答弁がありましたけれども、私にとっては大変驚きであるということは主張させていただきたいというふうに思います。続いて、この出資の財源がなぜ財政調整基金からの取り崩しとなったのか、伺っておきたいと思います。
●真田主計部長…事業の財源の選択に当たりましては、その時々の財源の状況、あるいは事業や財源の性格、さらには将来の財政状況に及ぼす影響などを勘案の上、判断してございます。こうした観点から、今回の追加出資の財源につきましては、将来に向けた財政的な影響ですとか、現在の基金の積み立て状況、出資額の規模などを総合的に判断しまして、基金を活用することといたしました。
●西岡委員…基金の取り崩しとなったわけですけれども、これは都民から預かった公の財産をもって追加の出資を行わなければならない事態なんですね。都財政から判断しても、この四百億円の追加出資というのは、財政から見てもその深刻さというものをひしひしと痛感をしているところなんですけれども、知事は、この追加出資をせざるを得ないとした決定に、発案者としての責任をやっぱり強く感じなければいけないだろうということは指摘しておきたいと思います。東京都は、平成十六年度東京都予算において減債基金の積み立ての一部六百十二億円の計上を見送り、他会計からの借入金の返済六百億円を繰り延べるなど臨時的な財源対策を行って、苦しい中で財政再建の取り組みを行っていました。平成十六年予算においてはですね。一方、限られた財源で施策を厳選して、東京発金融改革として新銀行東京を設立して、一千億円を出資したわけでございます。新銀行設立当時の出資時の都の財政状況と、当時の出資の意義について確認をしておきたいと思います。
●真田主計部長…ただいま先生、お話しにありましたとおり、平成十六年度の予算編成時は都財政も非常に厳しい状況に置かれておりました。また、そういう状況の中にありまして、当時は多くの中小企業も資金繰りにあえぐなど困難な状況に直面してございました。そうした中にありまして、都は厳しい財政状況にございましたけれども、出資を行いまして、新銀行を設立したものというふうに承知しております。
●西岡委員…知事は、平成十五年の二期目の東京都知事選挙において、この新銀行設立を公約に掲げて、負の遺産のない全く新しいタイプの銀行ということで、胸を張って設立をうたった新銀行東京であります。一方、地方自治体の歳出は、地方債以外の歳入をもって財源としなければならず、地方債をもってその財源とすることができる場合について制限がありますけれども、そこで伺いますが、新銀行設立時の出資金の財源は、先ほど宇田川委員も議論をなさっておりましたけれども、都債が七百億円、一般財源が三百億円となっております。ここで、都債を発行した理由について確認しておきたいと思います。
●真田主計部長…先ほどもご答弁申し上げましたとおり、設立当初の平成十六年度に新銀行東京に対しまして、一千億円の出資を行っております。事業の財源の選択に当たりましては、先ほどの質問でもお答えしましたとおり、その時々の財源の状況、事業や財源の性格、あるいは将来の財政状況に及ぼす影響などを勘案の上、判断したものでございます。こうした観点から、出資の財源につきましては、都債を七百億円充当したものでございまして、残りの三百億円は一般財源でございます。この出資金に充てます地方債の充当率は七〇%でございまして、この充当率は公園整備等と同様でございます。
●西岡委員…この七〇%というのは、恐らく上限いっぱいのところということですね。ですから、当時は財政状況が大変に厳しかったので、都債を上限いっぱい発行せざるを得なかったということなんだろうというふうに思います。確かに財政再建を進める東京都は、この将来の財政負担を考慮して都債発行の抑制を続けていました。そういった時期に、都が大きな投資として新銀行東京の立ち上げを進めたわけでございます。当時、都債発行には地方債許可制度ということで、地方分権一括法の制定前の状況ですね、総務大臣と知事との協議と同意の許可が必要であったというふうに理解をしております。当時、七百億円の出資債発行における総務大臣との協議において、国から、東京都が新銀行東京設立のために七百億円の都債を発行することに関して、何か意見があったのかなかったのか。あったとすれば、具体的にどのような意見があったのか、伺っておきたいと思います。
●真田主計部長…平成十六年度の出資金に都債を充当する際に、ただいま先生からお話しございましたとおり、総務省との協議を行いました。総務省からは、今、先生が引用なさいました地方財政法五条第二号、すなわち出資金が地方債の対象になるかどうか、また、その要件を満たすかなどのやりとりが総務省との間でございまして、最終的には妥当であるということの意見をいただきました。
●西岡委員…最終的には妥当であったということで、総務省から理解をいただいたということだと思うんですけれども、当時、総務省が許可をしたときの都が示したいろんな条件、新銀行東京の、例えば再建計画であるとか、いろんな銀行の可能性についても恐らくやりとりがあったんだと理解するんですね。そういう意味では、今新銀行東京が置かれている現状というのは、当時総務省と合意をした見通しと大分違っているのではないのかなというふうには感じておりまして、そのことは指摘をしておきたいというふうに思います。また、我々都議会民主党は、この新銀行東京への出資を含めた平成十六年度予算案に賛成する上で、東京都の再出資は行わないこと、節目ごとに経営計画を検証することなどを求めました。一方、経営の健全性の構築と監視を行うこととした付帯決議をつけ、慎重に慎重を期して進めてまいりましたが、そもそもこの財政委員会において、新銀行東京の設立の所管長であった、当時、大塚出納長、現在の新銀行東京取締役議長が、新銀行について経営健全性をしっかりと確保していくということで、税を再び投入することは毛頭考えておりませんと答弁をしておりました。また、同日、津島出納長室理事、現在の新銀行東京代表執行役も、新銀行には将来性があると述べ、設立を推進する答弁を行っていた経緯があります。これは平成十六年三月十八日の財政委員会であります。一方、当時の三木繁光全国銀行協会会長は、万が一、新銀行に損失が発生した場合には国民の負担にはね返ってくる懸念もなしとしないというコメントが載っておりました。また、一方、長野幸彦全国信用金庫協会会長も、経営が行き詰まり、不良債権化する貸出先が出てきた場合の損失負担処理をどうするのかという懸念も表明されておりました。金融界トップによる将来を予測した発言なんですけれども、新銀行が現在、追加出資が不可避である事態に陥っているという東京都の考え方、新銀行東京の考え方は、これはだれの目にも明らかになっているわけであります。また、東京都は、都債は市場において都の財政力や、その安全性が高く評価されていると述べております。二月十四日に、都が赤字が続いている新銀行東京に四百億円を追加出資すると報じられてからの今日まで、連日多くの報道が行われております。そこで、今回の新銀行東京の経営悪化に対して、都債に投資を行っている都民を含む投資家や企業の方々から、都に対する問い合わせや反応があったのかなかったのか。あったら、その中身について教えていただきたいと思います。
●真田主計部長…都債に対する投資家からは、今回の新銀行東京の追加出資に関連する特段の問い合わせは来てございません。
●西岡委員…わかりました。特段ないということでございます。少し都債の方に話を移していきたいと思いますけども、投資家から新銀行東京に対する問い合わせがないということですが、実は都民はますます懸念を抱きつつあるという状況なんですね。それでは、新銀行東京設立時の起債七百億円は、これは四回にわたる東京都公募十年債として、利率一・四%から一・五%で発行されておりました。我々もそれなりに調査をさせていただきました。十年債では七百億円の出資債を平成十六年度から十年後の平成二十六年度に全額償還した場合の想定利子総額は、先ほど百億円というご答弁がございました。財政委員会ですから、詳細についてお伺いしておきたいと思うんです。数字を把握していると思いますから。四回発行されているんですが、四回の発行額の内訳、それから利率、それから四回の利子の総額、そして、結果として最終的に全体の利子総額の正確な数字、多分わかると思いますので、こちらについてお示しをいただきたいというふうに思います。また同時に、この都債は利子を毎年毎年決まった時期に都債を買った方にお支払いをしていて、最後、満期になったときに元本をお返しをするというやり方だと思うんですけれども、平成二十年度予算までに、これまでに支払われたこの利子の額、それから平成二十一年度以降の利子額が幾らなのかも、あわせて伺っておきたいと思います。
●真田主計部長…まず、新銀行出資金に対します七百億円の起債につきましては、先生お話しのとおり、四回に分けて発行しております。その内訳でございますけれども、一回目が平成十六年十月二十六日に百億円発行しまして、利率は一・四八%でございます。十年間の利子総額は十四億六千五百万でございます。次に発行しましたのが十六年十一月二十六日でございまして、起債額は二百億円でございます。利率は一・五三%で、利子総額は三十億三百万でございます。三回目の発行が十六年十二月二十七日発行日でございまして、百億円でございます。利率は一・四一%、利子総額が十四億七百万円でございます。四回目の発行が十七年一月二十七日でございまして、三百億円でございます。利率は一・四〇%で、利子総額四十一億五千五百万でございます。都合四回、合計いたしまして七百億円で、利子総額が百億、端数が三千百万円になります。このうち既にこれまで利子負担ということで予算計上してまいりましたのが四十二億円でございまして、残りの五十八億円が今後の負担ということになります。
●西岡委員…利子総額が百億円というのは、なかなかこれは表に今まで出てこなかった数字でして、都債を発行するという決断は、その後の財政にそれなりの大きな影響を与えるんだということをよくよく認識できるものだなというふうに思わせていただきました。この利子というものは、銀行の行方にかかわらず、常に必要になってくる利子だと思いますけれども、その点だけ確認したいんですが、銀行の行方にかかわらず、どんな状況になっても、この利息というものは毎年毎年必要になってくるものであると思いますが、間違いないでしょうか。
●真田主計部長…先ほどもご答弁いたしましたけれども、本件につきましては、満期一括償還の市場公募債でございますので、銀行の行方いかんにかかわらず、その償還までの間確実に発生しております。
●西岡委員…最後に、東京都がこの追加出資以外に検討した二つの想定について伺っておきたいと思います。新銀行東京がみずから事業清算を行い廃業する場合、または債務超過や預金払い戻し停止のおそれがあるとして金融庁からの指導によって破綻処理の発動がなされた場合において、きょうは財務局所管ですから、この出資債ですね、都債の具体的な扱いについて、これも仮定の話なんですけれども、検討した二つの想定になった場合の都債の扱いについて、具体的に伺っておきたいと思います。
●真田主計部長…出資債につきましては、将来にわたり出資が維持されることを前提として発行されております。したがいまして、今回検討しました、追加出資も含めまして三つの選択肢があったわけでございますが、そのいずれの場合でも出資が維持されなくなったことへの対応が必要になってまいります。
その方法につきましては、その際実際には検討することになりますけれども、この都債が多数の投資家が購入する市場公募債であるので、繰り上げ償還はできないというのは先ほど申し上げたとおりでございまして、したがいまして、減債基金への積み立て等によることになると思われます。先ほどもお答えしましたとおり、銀行の出資債は十九、二十合わせまして六十三億の減債基金への積み立てを行っておりますけれども、まだ積立所要額として六百三十七億円が残ってございます。仮にそうした場合、その時点で所管局とも調整の上、対応を検討することとなります。もし必要があれば、予算上の措置を行うことになりますが、その方法、時期等につきましては、その時点で検討するものでございまして、現時点では未定でございます。
●西岡委員…いろいろとるる伺ってまいりましたけれども、東京都は、追加出資をした場合、その負担が少ないんだということをよく主張しますけれども、これまでの予特や経済・港湾の議論など、きょうまでの経過を見ておりましても、まだまだ新銀行の実態の解明が必要ですし、今後も経営悪化が続いていけば、さらなる追加出資が必要となる可能性もまだ残っているわけでございます。今回、議論を行って、私は、この地方自治体が主体となって銀行に出資を行って、自治体が銀行を設立していく難しさということをつくづく認識をしました。また、新銀行東京の出資金というものは、これは利払いを含めると、都費というものは一千百億円、出資金は一千億円ですけれども、都費としては百億円の利息があるわけですから、一千百億円相当必要になるということも確認をさせていただきました。よって、新銀行の設立に当たって、東京都はより一層の慎重さが求められていたのではないのでしょうかというふうに思います。
今後は、我々都議会民主党は、予算特別委員会の締めくくり総括質疑において、さらに新銀行東京の実態と再建計画の検証を行うこととしております。そのことを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。以上です。
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