2009年12月10日(木)財政委員会(質疑概要)
1、工事請負契約議案に関連する入札契約制度改革や低入札問題等について
2、平成21年一般会計補正予算案と都の緊急経済・雇用対策について
●西岡委員…まずは、工事請負契約議案に関連して伺ってまいります。
十月五日より新たに導入された特別重点調査を経た契約議案が、第四回定例会に初めて上程されました。極端な低入札傾向にあった公共工事分野の落札状況を改善するために導入された制度であり、その動向が大きく注目をされておりました。
制度の導入に当たっての都側のねらいは、現下の厳しい経済情勢を反映した公共工事の受注状況にかんがみ、工事品質の確保を強化する観点から、低入札価格調査に特別重点調査の導入を行うこととし、その基本は、入札価格で、契約の内容に適合した履行が可能か否かを判断するため、資機材調達や請負関係の費用が手抜き工事や下請へのしわ寄せなどの懸念を生じさせることなく、現実的に実施可能であることを、明確な積算根拠、実績などの資料により説明させ、入札者に、具体的な根拠をもって工事の履行が可能であることを証明させることとされております。今議会では、議決要件となっている七件の議案のうち、四件において特別重点調査が適用される応札となりました。
そこで、重要な入札契約制度改革の一環として初めて導入された特別重点調査制度に関しまして、幾つか基本的なことも含めて伺ってまいりたいと思います。
特別重点調査は、これまでの入札制度と比較して、大きな違いとしては具体的にどのような点があったのか。また、この制度のメリットとしてはどのようなことがあると考えているか伺います。
●奥田契約調整担当部長…今回導入いたしました特別重点調査は、労働安全対策などの法令遵守の徹底や、中長期的な工事品質の確保の観点に立ちまして、低入札価格調査制度の強化を図るものでございます。極端な低入札を行った入札者に対し、資機材調達や下請関係の費用が手抜き工事や下請へのしわ寄せ等の懸念を生じさせることなく、契約内容の履行が可能であることを、従来の調査よりもより厳しい基準で確認するものでございます。
この調査によりまして、価格と工事品質のバランスがとれた公共工事の実現や、将来の工事品質の確保に一層資するものとなるものと考えております。
●西岡委員…極端な低入札者に対し、契約内容の履行が可能であるということを、従来よりもより厳しい基準で確認することとなり、品質確保につながるものであるということと理解をいたします。
次に、特別重点調査の、その内容について伺ってまいりたいと思います。この特別重点調査を行うかどうかの判定の際に、直接工事費などの積算内訳を構成する各項目に乗じる係数、これが重要なんですけれども、直接工事費の七五%、共通仮設費の七〇%、現場管理費の六〇%、一般管理費の三〇%、これにはどのような根拠があるのか。また、この係数は、ずうっと固定されていくものなのかどうなのか伺っておきたいと思います。
経済環境などによって変動すべきものと考えられますけれども、いかがお考えでしょうか。
また、特別調査における一般管理費の規定五%という基準については、どのような調査をして五%と決定したのか、その根拠についても伺っておきたいと思います。
●奥田契約調整担当部長…特別重点調査の積算内訳を構成いたします各項目に乗じる係数につきましては、国が採用している係数を参考に制度設計を行いました。
この係数につきましては、経済情勢などの制度を取り巻く状況を勘案しながら、制度運用の中で適切に取り扱っていく所存でございます。
また、一般管理費等の規定でございますが、東京都の特別重点調査におきましては、中長期的な工事品質確保の面からの対策といたしまして、将来にわたる工事品質の確保の担保に寄与する一般管理費等の計上状況を確認することといたしました。
具体的には、東京都の低入札価格調査制度が適用される工事規模に応じた格付を有します企業の決算資料における販売費及び一般管理費の売上高に占める割合を考慮いたしまして五%と設定したものでございます。
●西岡委員…一番この特別重点制度の大事な数字だと思いますが、この係数については、今後も、最新の動向を把握している国の動向など見極めながら適切に対応していただきたいということを要望しておきたいと思います。
次に、制度改正に伴って、受注者サイドにしっかりと周知ができているかということも重要な視点だと思います。この制度が発表されてから、非常に速いスピードで制度のスタートとなったと思います。この制度についての周知がどのようになされていたのか、十分周知されていると認識しているのか、確認をしておきたいと思います。
●奥田契約調整担当部長…特別重点調査の導入に当たりましては、業界紙への情報提供を初め、ホームページでの導入告知、調査マニュアルの掲載とともに、主要業界九団体に呼びかけまして、説明会を開催いたしました。また、いわゆる契約案件の公表時に、各案件ごとに、特別重点調査導入後の低入札価格調査適用案件である場合には、そのような旨の告知を添付するなど周知に努めております。入札参加者の方も、十分特別重点調査の導入を理解した上で参加していただいているものと認識しております。
●西岡委員…案件の公表時に特別重点調査適用案件であるということの告知の添付があったということですので、その点でカバーされていたのかなと思います。
それでは、契約案件を所管している財務局としての対応にも、これまでとは違った取り組みが行われたのではないかと予想をいたします。具体的にはどのような調査が行われたのか、お伺いしたいと思います。また、担当部局の事務手続が円滑に行われていくことも重要だと思います。これまでと比較して事務手続上の変化はどうであったのかも伺っておきたいと思います。
●奥田契約調整担当部長…今回付議いたしました議案に関しましては、四議案が特別重点調査の対象となったわけでございますけれども、調査対象者は、調査において求めた資料の提出がなされなかった、また、提出があっても不足があった、もしくは一般管理費等の規定に抵触したのいずれかに該当しましたため、これらの対象者を落札者といたしませんでした。
また、今回の特別重点調査におきましては、対象者に対して提出を求める資料内容の説明を、複数の調査対象者に対して同時に行うなどによりまして、調査日数などの事務手続上の変化は生じませんでした。
●西岡委員…行われた調査において求められた資料が未提出、あるいは一部不足している、あるいは一般管理費の規定に抵触したことによって、複数の対象者に対し同時に調査を行ったことから、事務手続上の変化はなかったということであります。担当部局の事務手続上の煩雑さを少し予想しておりましたけれども、この点については安心をいたしました。
それでは、特別重点調査となった四件のこの契約議案には、合計で四十二者が入札に参加をして、そのうち特別重点調査となった入札者数が十七者となりました。今回の特別重点調査の対象となった、この入札者の数をどのように東京都として評価しているのか。想定よりも多いと認識されているのか、少ないと認識しているのか伺っておきたいと思います。
一方、東京都健康安全研究センター新館B棟(二十一)新築その他改修電気設備工事では、九者が入札に参加をして、八者が特別重点調査に入っています。つまり、一番札から八番札までが失格となって、一番最後の九番札が落札者となっております。これは極めて極端な例かもしれませんけれども、この結果についての都の認識をお伺いしておきたいと思います。
●奥田契約調整担当部長…特別重点調査に至った案件は、先ほども申し上げました四件でございますが、制度導入後まだ間もないこともございまして、その件数が多いか少ないかにつきましては、今後の状況を見た上で評価できるものと考えております。
また、入札結果等が公表されているところでございまして、制度が継続的に運用されていく中、お尋ねのような極端な、いわゆる低入札が続くようなことは今後考えにくいと思っております。
●西岡委員…こういった結果は導入直後の結果ということで、今後の推移によって極端な低入札傾向が改善されていくのではないかということが表明されましたけれども、私といたしましても、極端な低入札傾向が改善していくことを大いに期待していきたいと思っております。
では、この制度の導入によって、過去の入札案件と比べて入札参加者数に影響があったと考えているかどうか伺っておきたいのです。つまり、入札参加者数がふえてきたのか、減ってきたのか。また、業者にとって参加しやすくなったか、しにくくなったという点も重要だと思っております、いかがでしょうか。
●奥田契約調整担当部長…いわゆる特別重点調査導入後の低入札価格調査制度の対象となります大規模工事の発注が、実は十一月末までの開札で十七件しかございませんので、影響については不明であると思っております。
●西岡委員…全体で大規模工事の発注が、この議案の上程までの期間では十七件ということで、影響がわからないという状況ですね。それで、これまでは極端な低入札が横行しまして、その結果、入札を見合わせていた業者の方も相当数あったのではないかなと推察をいたします。そもそも、やっぱり入札というのは、競争原理が働いて、その結果、技術力も高まり、また東京都なりの発注者側にとっても、応札が多くなって選択肢がふえた方が、一般的な制度としてはいいわけであります。今後、低入札傾向の改善が期待されるわけですけれども、入札者数が増加していくことを期待していきながら、今後の動向に注視していきたいと思います。
ところで、この特別重点調査は行われてない案件ではありますけれども、東京都健康安全研究センター新館B棟(二十一)新築その他改修空調設備工事及び、東京都健康安全研究センター新館B棟(二十一)新築その他改修給水衛生設備工事のこの二案件は、入札者が一者となっております。
規模の大きい設備関係の入札でありますけれども、これなぜ一者だけの入札となったのかなということを私も大変考えております。東京都側の見解を求めておきたいと思うんです。
先ほど申し上げましたように、やはり入札は参加者が多い方がいいわけで、一者入札ということは余り望まれるべきものではないのかなと理解いたしておりますが、見解を求めておきたいと思います。
●奥田契約調整担当部長…お尋ねの二案件も含めまして、今回付議いたしましたいずれの案件も、一般競争入札というような制度で供しております。一般競争入札におきましては、入札参加申込者に関しまして、その資格を確認し、条件を満足していれば入札に参加させる一方、追加で入札者を指名する任意指名を行うことができません。その結果、今回一者の入札となったものが二件出たということでございます。
なお、入札参加者につきましては、いずれの場合も開札後まで、札をあけるまで参加者数、参加者名を公表していないわけでございまして、一者のみの入札であることが、その参加者にはわからない仕組みになっておりますことから、競争性、透明性の観点からも問題はないものと考えております。
●西岡委員…制度上は入札が行われたということの見解が表明されたわけですけれども、こういったところはこれからの大きな課題になってくるのかなと思っております。
新制度の導入に伴いまして、実施後の参加者及び受注者側の声というものも把握しているかどうかも重要な視点だと思っております。実施している場合はどのような声があるのか伺っておきたいと思いますし、また、行われていない場合は、今後把握していく予定があるのかどうかを伺っておきたいと思います。
●奥田契約調整担当部長…直接の声を聞いたということはまだないんですけれども、業界紙等を見る限りでは、おおむね好印象を持って受け入れられたものと認識しております。また、声を聞くという点でございますけれども、先般十月の当委員会にご報告させていただきました実施方針におきまして、今後、入札契約制度に関する業界団体の方との意見交換の場を公式に設置することを予定しておりまして、そういった場も活用していきたいと思っております。
●西岡委員…以上、何点か伺ってまいりましたけれども、今回のような入札結果となったことを、現時点でどのように評価しているのか。また、特別重点調査導入による効果があったと考えているのか、総括的にお伺いしたいと思います。
●奥田契約調整担当部長…今回の重点調査につきましては、過度な価格競争、いわゆるダンピングに対する抑止効果が期待できることがある程度見込まれたということで、公共工事の品質確保に関する有効な対策であるというふうに総括しております。
●西岡委員…わかりました。
特別重点調査を導入した新たな制度の課題ですね。課題としてはどのようなことが上げられるのか、お伺いしたいと思います。また、その課題に対して今後どのような対応をとっていこうと考えているのかお伺いしたいと思っております。私は、例えば効果が上げられている制度であれば、この制度の対象範囲を拡大をしていくということも考えられるのではないかなと考えておりますけども、いかがでしょうか。
●奥田契約調整担当部長…制度でございまして、いろいろな社会経済状況に応じて、今後、品質の確保に向け、常に妥当性を検証していく必要があるということでございまして、この制度におきましても、そういったことの検証は続けていくべきと思っております。
しかしながら、一方、低入札価格調査制度は、工事施工上の工夫の余地が大きい大規模工事を対象としておりまして、それは、そうじゃない中小規模の工事に適用対象拡大ということは、これは工夫の余地の点を考えますと、そういったことは考えておりません。
●西岡委員…この制度の拡大についてでありますけれども、私といたしますと、実は最低制限価格の設定によって行われている入札、土木は四億円、建築五億円、設備一億二千万円とラインがあるわけですけれども、その最低制限価格で行われている工事は、これ、いまだにくじ引きがある状況が残っているのだろうと思うのです。ただ、低入札調査と最低制限価格のラインとなっているこの金額を引き下げて、この制度を拡大していく方向も検討される余地があるんだろうなと、私としては考えています。
ただ一方、来年の一月から最低制限価格の上限が撤廃をされて、新たな算定式による方式が導入されることが既に表明をされております。上限の八五%に限りなく近づける安易な札入れが横行し、その結果くじ引きが行われてしまうわけですけれども、今後は、入札者側の積算能力などが求められる制度に移行をしますので、結果、くじ引きの減少も期待できるということで、東京都が導入しようとしている来年一月以降の状況を、都議会としてもしっかりと注視していかねばならないのだろうなと考えております。
昨今、公契約における課題といたしましては、下請への賃金などの未払いなど、労務管理の面において、下請が大変厳しい契約条件にさらされることが指摘をされております。私も時折そういう相談を受けることがあります。これは大変重要な課題だと思っております。低入札を防止できるこの特別重点調査制度は、これらの労務管理面におけるさまざまな問題にも一定の歯どめがかかると考えられますが、ご見解をお伺いしておきたいと思います。
●奥田契約調整担当部長…特別重点調査が労働安全対策などの法令遵守の徹底や、中長期的な工事品質の確保の観点に立ちまして、資機材調達や下請関係の費用についても詳細に調査をすることを予定していることからいえば、この制度は、下請へのしわ寄せ等の懸念を払拭する一面があるものと考えております。
●西岡委員…答弁でもありましたように、公契約に関連する公正な労働環境の確保は喫緊の課題でありまして、下請へのしわ寄せなどの懸念を払拭する一面があるということを期待したいと思いますが、今後とも、私たちといたしますと、総合評価制度なども含めましてさまざまな方策を検討して、この労務管理の改善に努めていただきますよう、強く要望しておきたいと思います。
何点か特別重点調査について伺ってまいりましたけれども、さきの第三回定例会には落札率が五三%、五八%という結果の契約議案もありました。今議会では新たな制度が導入されて、最も低いのは古川地下調節池工事の六五・九三%であり、建築議案も七〇%前半に落ちついております。また、特別重点調査の対象となった入札案件は、そのすべてが失格となっております。そういう意味では、まさに調査機能が働いたものと認識できるのではないかと思います。
落札率の上では、低入札が改善しているということで、課題となっていた低入札問題に、この制度が一定の歯どめをかけていると判断できることから、この間の取り組みは評価できるものと考えられます。
東京都の発注工事は今後、大規模改修改築方針も含めて増大をしてまいります。今後十年間で、知事部局だけで八千億円、さらに水道局など含めれば、その規模は二兆円を超える規模だと思います。工事のありようを左右する入札制度の改革は極めて重要であります。今回の特別重点調査については、日々、制度の評価を行うことを要望しておきたいと思います。私たちもその動向を注視してまいります。
また、去る十月二十八日に東京都から発表された、公共工事に関する入札契約制度改革の実施方針の着実な実施も重要であります。中でも、東京都が進める政策目標を推進する上でも、意義のある総合評価制度の目標達成に向けた拡大も重要な課題だと思っております。
また、昨今、自治体においては、あるべき公契約のあり方を規定した公契約条例を制定する動きも活発であります。都議会民主党といたしましても、あるべき入札契約制度の確立に向けて精いっぱいに取り組む決意を表明し、次の質問に移りたいと思います。
続いて、東京都一般会計補正予算(第三号)について伺ってまいります。
政府は、十一月二十日に発表した月例経済報告において、緩やかなデフレ状況にあるとの認識を示しました。月例経済報告でデフレという表現を使われるのは、三年五カ月ぶりのことであります。十月の完全失業率は五・一%となり、三カ月連続で改善したものの依然として過去最悪水準にあり、先行きの懸念は消えておりません。
こうした厳しい経済情勢の中にあって、民主党政権も前政権下で編成された十四兆円規模の国の第一次補正予算について、民主党政権において約二・七兆円の見直しを進めつつも、地域経済にとって必要なものはしっかり継続し、国民生活を守る姿勢を貫いてきたと理解しております。そして今、民主党鳩山政権において、厳しい経済情勢に緊急に対応するために、新しい視点も盛り込まれた政治主導による七・二兆円の緊急経済対策が取りまとめられている最中であり、経済界も含めて大きな期待が寄せられております。
さて、今回の補正予算は、その国の第一次補正予算に基づくものでありまして、何点か伺ってまいります。
今回の補正予算では、東京都の一般財源を充当しておらず、あくまで整理予算という位置づけかもしれませんけれども、規模は一千四百七十四億円と、非常に大きく内容も多岐にわたっております。先日の我が会派からの代表質問において、今回の補正予算に対する都の考え方を改めて伺い、今回の国の予算は、国の経済危機対策のうち、子育て支援や雇用創出、福祉、医療施設の耐震化や介護基盤の整備促進などのために新たに九基金を創設し、既存の四基金を拡充し、国から交付される資金を積み立てるものである。あわせてこの基金の一部を取り崩し、本年度に実施可能なものを事業化したものである。今回の補正予算で、雇用や医療、介護など、緊急課題に対応する措置を新たに講ずることは、経済危機下にある都民生活を支えていく上で意義のあるものという基本的な見解が既に表明されております。
今回の補正予算の執行によって、経済危機のもとにある都民生活を支える上で重要な意味があるとのことでありますけども、その内容としては、緊急雇用事業を初めとして、区市町村が実施する事業も大変多く含まれております。実施可能なものについては、年度内に一部基金を取り崩して百七十五億円分の事業を実施するとされております。
それでは、年度内に実施する百七十五億円事業のうち、区市町村の事業と東京都の事業はどの程度あるのか、伺っておきたいと思います。
●長谷川主計部長…今回の補正予算の中で、本年度事業化するための予算を計上したもののうち、区市町村が実施主体となるものにつきましては、介護基盤緊急整備等臨時特例基金、及び緊急雇用創出事業臨時特例基金に係る事業など、全体で約七十四億円となっております。一方、都が実施主体となりますのは、介護職員処遇改善等臨時特例基金や先ほどの緊急雇用創出事業臨時特例基金に係る事業など、全体で約百一億円となっております。
●西岡委員…数字が発表されまして、区市町村が七十四億円で東京都の事業分が百一億円という内訳であります。ただ一方で、他の道府県については、既に第三回定例会までに補正予算を計上している団体も多いと聞いております。今回の補正事項である基金に係る予算について、他の道府県の計上状況も伺っておきたいと思います。
●長谷川主計部長…総務省のまとめによりますと、国が今年度の第一次補正予算で計上した都道府県及び政令指定都市向けの基金に係る補助金二兆一千百八十七億円のうち、各団体が九月補正までに予算計上した額は一兆五千九百七十一億円、約七五%相当となっております。
●西岡委員…他の道府県については、もう既に全体の七五%が予算化済みということであります。国の第一次補正予算が成立したのは五月でありまして、既に半年が経過しております。都は、地域経済や国民生活に与える影響を踏まえ、もっと機動的に対応すべきであったという考えも出てくるわけでございますけれども、この時期まで、なぜ第一次補正分の予算案が提出されなかったのか。この十二月の上程になったということで、特に区市町村が実施する事業について影響はなかったのかという心配もあるわけであります。都はもう少し早く補正予算を編成すべきだったという考えもありますけれども、この第四回定例会、十二月まで補正予算を編成しなかった理由、上程時期の理由について伺っておきたいと思います。
●長谷川主計部長…補正予算ですけれども、昨年九月の補正以来、東京都は切れ目なく補正予算あるいは当初予算、今年度に入りましても、五月に成立した国の一次補正の事業のうち早期に内容が把握できたものについては、いち早く第二回定例会で補正予算の形で対応を行ってきております。
その上で、ご質問の、この時期の編成になった理由でございますけれども、第三回定例会までの間におきましては、今回の補正に該当する基金につきまして、対象となる事業などその詳細な内容が明らかになっていないものがありまして、また予算計上の前提となります事業を実施する区市町村などの事業計画も取りまとまっていなかったために、予算として編成することが困難でございました。
今回、それらが整いまして、該当する基金について、基金の設置拡充と本年度の事業化等を予算計上することが可能となりましたことから、これらを合わせて補正予算として編成したものでございます。
なお、今回、百七十五億円計上しております今年度中に事業化する基金事業につきましては、区市町村の行う事業も含めて、具体的な事業実施には支障はございませんので、ご安心をいただきたいと思います。
●西岡委員…上程理由については理解いたしました。市区町村には影響が出ていないということでありました。
そうしますと、既に第三回定例会までに議決した道府県は、具体的な事業化を検討する前に既に議決をして、東京都の場合は、具体的な事業化をしっかりと検討した上で予算化をしたということが表明されたのかなというふうに理解をしておきたいと思います。
最後に、先日、都は、今年度の税収見込みを発表しましたが、何度も表明されていますが、二十年度決算と比べて一兆二百億円もの減収、今年度予算と比べても五千億円減少するということが明らかになっております。来年度である平成二十二年度の予算編成にも大きな影響が及んでおりまして、既に、概算ですが、各局からの歳出の概算の全体が歳入見込みを六千億円も上回っている状況も明らかになっております。
今後、都財政を考えますと、改めて歳入歳出の見直し、さらに基金の繰り入れ、都債の発行などの検討が行われることと思いますが、懸念されるのは、この厳しい経済情勢の中で、歳出の見直しが都民生活を直撃しないかどうかも大変懸念される要因であります。
また、一方、今年度の都税収入にも影響が及ぶ、地方分権に逆行する、法人事業税の国税化の即時撤廃をなし遂げなければならないということも強く認識をいたしております。我々都議会民主党も、現在、精いっぱい取り組んでいる最中であります。
現段階で、具体的な方策を示すのは難しいかもしれませんけれども、まずは緊急に求められるのは、今年度の都税収入の大幅な減収にどのように対応していくのかということが、これは極めて大きな課題だと思っております。この対策について、局長に最後にご見解を伺いまして、質問を終えたいと思います。
●村山財務局長…今、お話しいただいたように、非常に大幅な税収減ということでございまして、今年度の税収減への対応というのは、非常に難しい課題だと率直に考えております。その理由は、その減収の幅がかつてなく一兆円という大幅なものであるということはもちろん一つございますが、同時に、私どもとして非常に考えなければならないのは、この落ち込みというのが、下がってすぐに上昇するというような一時的なものではなくて、今後しばらくは、来年度以降回復しないというふうに想定した方がきっと妥当なんだろうというふうに思わざるを得ないような落ち込み方であるという点でございまして、そういう意味では、短期的な落ち込みであれば、その分、都民生活に影響を与えないということであれば、例えば基金をそれにすとんとその額そのままを充てるということも、選択肢としてないわけではないわけですけれども、今後しばらくの間こういう状況が続くということになるとすれば、そうではなくて、既存の歳出歳入そのものについて洗い直しを行わなければならないというふうに考えざるを得ないと考えております。
一方、現在の経済危機下にある都民生活ということを考えますと、今年度の予算に計上したさまざまな施策について、それを影響を及ぼすような形で処理をするということは、これは東京都としての役割として回避しなければならないということもございまして、その二つの課題の間で、どういうふうにこれから、数カ月あるわけでございますけれども、そういう中で知恵を絞っていくのかというなかなか難しい状況にございます。
そういうことがあるからこそ、知事からも、都民サービスに直接影響を与えないことを前提にということで、予算執行の点検見直しを指示をされているわけでございまして、いろいろ各局とも相談しながら対応策を検討しているところでございまして、今、ここで直ちに、こういうふうにやりますというふうに申し上げるわけにはいかないわけでございますけれども、いずれにいたしましても、今後いろいろ来年度予算の編成とも兼ね合いながら、歳出歳入両面から、都民生活には直接影響を及ぼさないようにという努力をしながら、いろいろあらゆる努力をしながら、何とか頑張っていきたいというふうに思っておりますが、それにつけても、法人事業税の国税化の影響というのは、非常に我々にとって、今、ボディーブローのようにきいてきておりまして、都議会の皆様のご努力によってぜひとも即時撤廃を実現していただきたいと、切に願うものでございます。
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