2010年3月5日(金)財政委員会総括質疑
1、契約議案及び東京都の入札契約制度改革の進捗状況と今後の課題について
2、平成21年度最終補正予算案及び都財政の現状と課題について
●西岡委員…まず最初に、契約議案について伺います。
今回付託された六件の契約案件のうち、いずれも落札率は、七七・八〇%、六九・五四%、七一・三六%、七二・六六%、九四・四八%、七一・四九%となっており、一者入札で九〇%台の東京都美術館(二十一)改修空調設備工事を除いて七〇%前後となっています。特別重点調査を導入して今議会で二回目の定例会となりますが、特別重点調査に関する評価について伺っていきたいと思います。
議案について、特別重点調査導入の前後の状況を集計、比較をしてみました。まず、特別重点調査導入前の平成二十一年第三回定例会の六議案について見ますと、六議案いずれもが低入札であり、その落札率は五四・〇二%から八〇・五一%、また、平均落札率は六八・二三%でありました。一方、特別重点調査導入後の平成二十一年第四回定例会及び今回の定例会の十三議案では、低入札が十議案で、うち特別重点調査は七議案でした。落札率は六五・九三%から九九・九七%、また、平均落札率は七八・七五%であります。この結果、特別重点調査の導入で落札率の最低は一一・九一ポイント上昇し、平均落札率は一〇・五二ポイント上昇したことが見て取れました。
このように、特別重点調査導入の前後の議案を比べると、調査導入後の落札率は落ちついているように見えますけれども、契約金額九億円以上となっている議決要件議案以外の契約状況についても大変気になるところであり、どのようなことになっているのかは確認をしておく必要があると思います。調査導入による入札結果に変化があったのか、その状況を伺っておきたいと思います。また、特別重点調査の項目や、その基準は、既に公開をされておりますが、特別重点調査が現在も発生していることについて、どのように評価し、何が原因と考えているのか、あわせて伺います。
●奥田契約調整担当部長…議案以外も含めた低入札の状況でございますが、財務局契約分ということで、平成二十二年一月末開札分までで申し上げますと、特別重点調査の導入によりまして、低入札価格調査の対象となりました案件の第一順位者の平均入札率は六九・四%から七三・〇%と三・六ポイント上昇するとともに、導入前に見られた四〇%を下回るような極端に低い率での入札がなくなりまして、低くても七〇%弱程度となりました。また、平均落札率は六九・六%から七六・九%と約七・三ポイント上昇してございます。このことから、特別重点調査の導入によりまして、品質確保の点からの懸念は改善される方向にあるものと認識しているところでございます。また、特別重点調査の発生原因といたしましては、厳しい受注環境を反映いたしまして、入札参加者が一番札を目指しまして、特別重点調査の基準をにらんで積算し入札に臨みましたが、結果として基準を下回ったものと考えております。
●西岡委員…議決要件九億円以上の分野と、議会では議決しない分野において、どうでしょうかという話を聞きましたが、低入札の防止に一定の効果があらわれているものと理解をさせていただきました。
では、一方、特別重点調査の対象となって、落札に至らなかった業者に対して、どういう点で調査の対象となったということの説明も重要であります。また、事業者側からの説明の要望もあるものと予想されます。現状は、どのようになっているのか伺います。
あるべき入札契約制度を確立し、よりよい入札契約制度改革を確立し、次の改善につなげることを考えると、入札に悪影響を与えない範囲での情報の共有化は、発注者及び受注者にとって重要な観点と考えます。いかがでしょうか。
●奥田契約調整担当部長…ただいまの質問でございますけれども、工事主管課におきまして、積算に関するより一層の公正性、透明性の向上を図るため、契約締結の日から契約締結の翌月末までの期間、工事設計書に合わせまして総括内訳書、工事種別または科目別内訳書を閲覧に供しておりまして、入札参加者を含め、希望者が積算内訳書の内容を確認できる対応を実施しているところでございます。また、特別重点調査の適用対象となりました入札者に対しましては、落札者の決定後に問い合わせがあった場合には、特別重点調査に該当した費目名の説明を行っているところでございます。
●西岡委員…今後とも継続して取り組んでいただきたいと思います。
一方、今回も、空調改修工事、東京都美術館(二十一)改修空調工事では、入札一者となり、落札率は九四・四八%となっています。改修空調工事をさかのぼって見てみますと、前回、平成二十一年第四回定例会でも、改修空調設備工事は入札一者、落札率九九・九七%でありました。また、同年第二回定例会でも、改修空調設備工事は入札一者、落札率九九・四二%でありました。この結果では、一般都民でも、空調関係の工事においては、参加事業者が少なく、落札率も極めて高くなっておりまして、競争になっていないのではないかという印象を持たざるを得ません。過去の実績も踏まえ、どのように評価しているのか伺います。
●奥田契約調整担当部長…お尋ねの議案を含めまして、今回付議したいずれの議案も、一般競争入札に供しているところでございます。一般競争入札におきましては、入札参加者に関して、その資格を確認し、条件を満足していれば入札に参加させる一方、追加で入札者を指名する任意指名を行っておりませんので、結果として、今回入札の一者となったケースが出たものと考えております。
なお、入札参加者につきましては、開札後まで、参加者数、参加者名を公表しておりません。したがって、一者のみの入札であることが、参加者にはわからない仕組みであることから、競争性、透明性の観点からも問題ないものと考えております。
●西岡委員…この件は、私は、契約案件を所管する財務局として、調査分析が必要なのではないかというふうに考えておりまして、答弁では、結果として入札にはなっているというご答弁でありましたけれども、私は、より精査な、精査して調査分析を行うべきだというふうに指摘をしておきたいと思います。
さて、ことしの一月四日より、都は、入札契約制度改革の一環として、最低制限価格及び調査基準価格の算定基準を改正し、予定価格の八五%の制限が撤廃をされました。これは、最低制限価格及び調査基準価格の算定基準について、市場実態に即した水準に改善するための制度改革とされております。この制度改革の対象となっている契約案件は、議決要件となっていないため、議案として検証することができません。重要な改革内容ということで運用状況について伺っておきたいと思います。
今回の最低制限価格制度の制度改革の対象となるのは、都では、建築工事で予定価格五億円未満、土木工事で予定価格四億円未満、設備工事で予定価格一億二千万円未満となっております。従前は、最低制限価格の設定上限が予定価格の八五%となっていたことから、その八五%を目安とした応札が横行し、結果的にくじ引きが多発化しておりました。安易な積算や工事品質に懸念が生じておりました。新しい制度導入によって期待される効果について伺っておきたいと思います。
●奥田契約調整担当部長…今回実施いたしました最低制限価格制度の改正ですが、第一に、最低制限価格が市場実態に即した水準となるよう、算定式を見直し、設定水準自体を引き上げることで、適正な履行を通じた工事品質の確保が図られること。第二に、これまで最低制限価格の設定上限を八五%としておりましたが、この上限の撤廃で入札が予定価格の八五%へ集中することによって生じるくじ引きが抑制され、積算能力の劣る事業者が排除されることといった二つの効果を期待しているところでございます。
●西岡委員…それでは、実際の運用状況について伺っておきたいと思います。ただ、一月四日改革スタートということで、まだ短期間ではあります。この改正が導入された後の、一月四日以降の運用状況、そして傾向についてどのように評価しているのか伺います。
●奥田契約調整担当部長…改正後の最低制限価格制度は、今お話があったとおり、ことし一月以降に公表した工事案件から適用を開始したばかりでございまして、その開始結果は一月末現在で二十九件と少ないため、現時点ではっきりとしたことは申し上げられませんけれども、くじ引きが発生した案件は一件のみとなっております。今後の開札状況を見た上でなければ、制度改正の効果について正確な評価は難しいんでございますが、こうしたくじ引きの発生が少ないといった傾向が今後も続いていくことを期待しているところでございます。
●西岡委員…今後とも、この分野についても、この領域についてもしっかりと注視をしていきたいと思っております。
さて、入札制度について、業界団体、特に私は、中小企業の方々からの広範な意見を聞いて、意見交換を行う場の創設も重要であると、前回の委員会でも指摘をしてまいりました。私からの質問に対しては、開催の方向性は示されておりましたけれども、具体的な準備状況について伺っておきたいと思います。
●奥田契約調整担当部長…都といたしましては、発注者と受注者との間で、あるべき契約制度や工事技術に関し、意見交換し、相互理解を深めるとともに、そうした意見を十分に踏まえた上で、透明性、競争性、品質確保に配慮して、入札契約制度の改善を進めていくことが重要と認識しております。
今回、入札契約制度改革研究会での改革の検討を進めるに当たりまして、重立った業界団体から都の入札契約制度に関して複数回意見を伺っておりまして、その上で、研究会の報告書がまとめられております。都の制度改革に向けた実施方針は、こうした研究会の報告を踏まえまして策定したものでございます。
都としては、こうした有益な取り組みは今後も継続していくことといたしまして、実施方針におきまして、業界団体との定期的な連絡会の設置を掲げたところでございます。具体的には、都、重立った業界団体、そして入札契約制度に詳しい学識経験者を加えまして、三者による意見交換の場を設置いたしまして、各団体ごとに年一、二回程度実施できるよう準備を進めているところでございます。
●西岡委員…わかりました。さらに、今後、入札制度においては、優良な事業者の受注機会を拡大するため、単なる入札額だけではない制度の早期導入が重要です。技術提案型の入札制度、あるいは環境への取り組みを重視している企業や、社会貢献を重視している企業などを優遇する、いわば政策目的実現に寄与する制度設計などであります。
入札契約制度改革研究会からの報告を受け、昨年十月に発表された公共工事に関する入札契約制度改革の実施方針では、来年度、平成二十二年度からの総合評価制度の拡大とともに、政策目的実現への寄与の拡大が掲げられております。平成二十年度における総合評価方式は、東京都が競争入札により発注する工事に占める割合は約五%にとどまっていることが既に指摘をされております。技術力評価の拡大のみならず、公共性を高める政策的評価を取り入れた制度の積極的な早期導入が求められております。今後の方向性についてどのように考えているのでしょうか伺っておきます。
●奥田契約調整担当部長…入札契約制度の中で、企業の環境保護や社会貢献度に関して目標を設定し、企業の自発的な取り組みを誘導していくことは、自治体が進める政策を実現するための有効な手法の一つと認識しております。
ただ、政策目標の内容によりましては、契約内容として設定することについての法令上の制約があったり、目標設定の仕方次第では、過度な入札参加制限につながる可能性もあることから、そうしたことがないよう十分配慮していく必要がございます。
実施方針では、政策目標につきまして、格付及び総合評価方式の評価項目に対し、客観的かつ検証可能な基準により設定していくこととしておりまして、具体的内容は今後政策を所管する各局と財務局で調整していくというふうに考えております。
●西岡委員…この分野は、非常に重要な分野だと思っておりまして、総合評価の拡大は、ぜひ早期に進めるべきだと考えております。政策実現の分野でいえば、例えば、環境、福祉、雇用、防災、地域や社会への貢献など、さまざまな分野が挙げられます。早急な検討を要望しておきたいと思います。
最後に、平成二十一年度は、都の入札契約制度に大変大きな動きがあった一年間だったと思います。今後とも、制度改革を普遍的なものとしていかなければなりません。平成二十二年度の入札契約制度改革の方向性や制度改革は、どのようなことが想定されているのか具体的に伺います。
●奥田契約調整担当部長…昨年十月に公表いたしました実施方針では、十の方針を掲げたところでございまして、今年度はその中でも、低価格入札対策を中心に特別重点調査の導入や、最低制限価格制度の適正化を、他の方針より先行し、見直しを進め、その効果が入札結果にあらわれてきていると考えております。
二十二年度に向けましては、まず実施方針に掲げたその他の方針を早急に具体化し、着実に実施していくことが重要と考えております。具体的には、四月以降、総合評価方式の適用拡大につきましては、全競争入札案件の二割への適用を目指しまして実施に当たり、工事の種類ごとの発注件数を考慮した上で、各局ごとに目標を定め、今後三年程度で段階的に拡大することといたします。その際、事務負担が大きな評価項目の見直しもあわせて進めてまいります。
また、設計業務の品質確保を図るため、新たに成績評価制度を、四月以降、本格実施し、将来の総合評価の導入に備えます。このように、都が目指す透明性、競争性、品質確保という三つの社会的要請にこたえた入札契約制度の構築に向けて引き続き取り組んでまいります。
●西岡委員…総合評価については、二割目標ということで、今後三年かけて努力していくということが表明され、また、設計業務について、新たに成績評価制度を本格導入するというところで具体的にご答弁いただきました。
ぜひ、実施方針に基づき、できれば早期に進めていただきたいとともに、昨今やはり契約案件というのは、大変大きな注目を集めております。私は、財政委員会ですから財務局所管のことについてきょう質問していますが、財務局所管以外の都庁関係すべてで行われている契約全般について、しっかりと見直して、報告団体、監理団体も含め、都庁を挙げて、入札契約制度が適正に行われているのかどうか、しっかりと検証していくべきだと、そういう必要があるということを意見表明をして、次の質問に移らせていただきたいと思います。
続いて、平成二十一年度一般会計補正予算(第四号)、最終補正予算案について伺います。
平成二十一年度の都税収入見込みは、急激な景気悪化の影響を受け、当初予算と比べ、約一割となる五千四十六億円もの減、二十年度決算と比べ実に一兆二百七十億円と過去最大の減収となりました。また一昨年来の経済危機に見舞われている日本経済は、一部に景気の持ち直しを示す指標も見受けられますが、雇用情勢の一層の悪化や、海外景気の下振れ懸念、デフレの影響など、景気を下押しするリスクが依然として存在しており、都民は、いまだに先行きへの不安をぬぐえない状況にあります。
今こそ、新しい視点、政治主導実現に向けた検証が伴う一貫性のある成長戦略が求められており、民主党政権は、失敗に終わった公共工事のみへの過度な依存でもない、また、格差拡大を招いた市場原理主義でもない第三の道となる、日本の進路ともなる、環境、健康、観光を柱とした百兆円超の新たな需要を生み出す新成長戦略を策定し、大きな期待が寄せられております。
さて、石原知事は、大幅な税収減が明らかとなった昨年十一月の記者会見において、都民サービスに直接影響を与えないことを前提に、予算執行の点検、見直しをするように指示したと言及し、同時に、環境が厳しいときだからこそ、都政の底力が生かされるとの認識を示しました。こうした厳しい財政状況の中でも、都民が抱えている大きな不安を払拭していくために、都としての責任をしっかりと果たしていこうという姿勢を示すことは非常に重要だと思います。
ただ、一方で、将来の都財政に禍根を残すような財政運営は避けなければなりません。都が過去において積極的に財政再建の取り組みを行い、一定の成果を上げてきたことからすれば、税収減に直面したから、基金でそのまま財源不足を穴埋めしましょうというような短絡的な考えであっては決してならないものと考えております。
仮に、そのような考えをとるとすれば、短期的にはしのげたとしても、中長期的には、都政がなすべき役割を果たしていくことはできないと考えます。私は、将来にわたって都政がその責任をいつまでも果たすことができる強固な財政力を確保し、財政の健全性を維持することが極めて重要であると考えております。
平成元年度以降で見ますと、最終補正段階での都税の減額補正額は、バブル崩壊期の平成四年度の五千七百四十四億円に次ぐ二番目の減額幅であると聞いております。それだけ今が緊急事態であるともいえます。都は、このような大幅な税収減と、都民が持つ不安感に対して、最終補正予算でどのような対応を行っているのか具体的に伺っていきたいと思います。
今回の最終補正のポイントは二つあると思います。
一つは、都民サービスに支障を生じさせずに税収減に対応すること。二点目が、国の新たな補正予算に対応することの二点であるということですが、都税収入が、当初予算と比べて五千億円以上も減収となる中、どのように財源を手当てしたのでしょうか。
まず、気になったのは、財政調整基金の取り崩しであります。家計に例えれば、最も使い勝手のよいとらの子普通預金を口座から引き出すことになります。今回の補正予算では、財政調整基金を五百十七億円取り崩しておりますが、適切な形での活用となっているのか検証する必要があります。繰り返しになりますが、中長期的な財政運営を考慮すれば、財源として活用可能な基金はなるべく残高を維持して、将来にわたっての財政力をしっかり確保することも重要であり、その点が心配です。そこで、この財調の活用に当たっての考え方を伺います。
●長谷川主計部長…財政調整基金は、いわゆる特定目的基金と異なり、使途が特定されていない基金でありますので、都財政にとってはまさに貴重な一般財源でありまして、景気の変動を受けやすい歳入構造にある都財政にとりましては、この基金の残高を極力維持する必要がございます。
今回の財政調整基金の活用に際しましては、まずその前提として、歳出面で不要不急な経費の一部先送りといった現時点で不要となることが明らかな経費などを、財源を確保する観点から徹底して洗い直しを行った上で減額をするとともに、歳入面におきましても、財政の健全性を損なわない範囲で可能な限り減収補てん債の発行を行うなど、でき得る限りの財源確保を図っております。その上で、なお不足する財源に対して、最終的に、財政調整基金を活用したものでございまして、その取り崩しは、あくまでも必要最小限にとどめたところでございます。なお、このように財政調整基金の活用を最小限にとどめたということは、その後の二十二年度当初予算編成においても、財源として活用可能な基金残高の一連の確保という継続的、安定的に都政の役割を果たし得る強固な財政力の確保にも資することとなっております。
●西岡委員…極めて大幅な税収減の中で、最終的に財政調整基金の活用はやむを得ない対応でありますが、基金の取り崩しを必要最小限にとどめ、残高を極力維持していこうという姿勢は大変大事だと思います。その点で、そうした認識を十分持った上で努力をされているんだろうというふうに理解をいたします。
歳入の確保の上では、まずは、今回、減収補てん債を発行したところであります。一つ基本的な点について確認をしておきますが、いわゆる都債、通常債とどのあたりに違いがあって、今回はどのような考え方のもとでこの減収補てん債を発行したのか伺います。
●長谷川主計部長…まず、通常債でございますけれども、通常債は、地方財政法第五条に定める建設事業費などの財源として事業の目的別に定められた充当率の範囲内で発行する地方債でございます。一方、今回活用いたしました減収補てん債でございますが、これは、景気の悪化等によりまして、当初予定されていた地方税が減収見込みとなった場合に、その減収の範囲内で、財政状況等を総合的に勘案して発行する地方債というものでございまして、元利償還金の七五%が地方交付税措置されることとなっております。このメリットは、交付団体のみが享受するということでございます。
そしてその減収補てん債には、通常分と特例分という二種類がございます。通常分は、先ほど述べました通常債の対象となる建設事業費などの財源のうち、定められた充当率を超える一般財源部分に充当するものでございます。
もう一つの特例分でございますけれども、特例分は、この通常分を発行してもなお財源が不足する場合に、いわゆる赤字債として、建設事業など以外の一般的な経費への充当が認められるものでございます。この特例分については、平成十九年度から当分の間の措置として発行が認められております。
二十一年度の都税収入見込みは、当初予算に対しまして約五千億もの大幅な減収となっておりまして、この状況を踏まえ、歳入歳出の両面を洗い直した上で、それでも必要な財源を確保するために、都債の発行余力を活用いたしまして、通常分の減収補てん債が充当できる一般財源のすき間を集約した結果として一千三百九十億というふうになりましたので、その全額について通常分の減収補てん債を充当するということとしたものでございます。
●西岡委員…歳入確保のために、大幅な減収が生じた場合に認められる地方債を、極めて緊急、危機的な状況であるから発行したということであります。しかし、都債と同様に、減収補てん債は、東京都の場合、不交付団体であることから、その全額を返済する義務があることも忘れてはなりません。やはり通常の都債の発行同様に後年度負担に配慮した対応が求められております。
一方、歳出については、先ほども申し上げましたように、石原知事は、都民サービスに直接影響を与えないことを前提に、予算執行の点検、見直しをするようにと指示をしておりますが、今回の補正予算が、都民サービスに影響を及ぼしていなかったのかどうなのか、留意すべきだと思います。
先日の本会議においても、補正予算の編成で留意した点として、都民サービスに支障を生じさせないことを挙げていましたが、この点について少し掘り下げて聞いておきたいと思います。そこで、最終補正予算では、都民サービスに直接影響を及ぼすことがないよう、歳出の洗い直しが行われたのかどうか、具体的に伺っておきたいと思います。
●長谷川主計部長…まず、今回のような厳しい財政環境となる中にありましても、都としては、経済危機のもとにある都民生活を支えるべく、なすべき役割をしっかりと果たすということが重要であると認識しております。
こうした観点に立ちまして、今回の補正予算におきましても、都税収入が大幅な減収となる中で、都民サービスに支障を生じさせないということを前提に、どう対応するかに腐心したところでございます。このため、全庁を挙げて、徹底した洗い直しを行ったわけでございますが、歳出面では、給与費の不用額や契約差金など、都民サービスには直接影響を及ぼさない経費や、あるいは事業の進捗状況から、今年度は不要となることが明らかな経費などにつきまして精査を行って、一千七百七十四億の財源を確保したというところでございます。
具体的には、給与の減額改定による給与関係費で四百十九億円、契約差金で三百六十七億円、また不要不急な経費の一部先送りなどで百十三億円を確保しております。このような取り組みを通じまして、都民サービスを低下させることなく、予算上の対応を行うことができたものと考えております。
●西岡委員…歳出の精査に当たっては、執行残となる見込みの不用額を減額することで、都民生活に影響が生じないよう配慮したということであります。
さらに、今回の補正では、都債の借りかえの抑制をやめたことによって、約七百億円の財源を確保していると聞いております。都債の借りかえの抑制は、都債償還の前倒しにより、後年度負担を減らして、公債費の平準化に効果があるものだと理解しておりますが、今回、大幅な税収減に見舞われた中、この抑制を取りやめた考え方について伺います。
●長谷川主計部長…地方債は、五年、十年、二十年などの年限で起債をしてございますけれども、借りかえをすることによりまして、原則として三十年で償還するというルールとなっております。
都では、十九年度から比較的好調でありました税収を活用いたしまして、後年度負担の抑制などを図る目的で、過去に、個人住民税等の減税措置を補てんするために発行した減税補てん債の借りかえを抑制することによりまして、その償還の前倒しを始めております。加えまして、二十年度及び二十一年度には、次回償還が、二十五年度、二十六年度の都債償還全体のピークと重なることとなります公募五年債の借りかえも抑制することといたしました。
しかしながら、二十一年度の都税収入が、当初予算に対して約五千億円もの大幅な減となる中で、二十一年度予算に計上しております借りかえ抑制のための元金償還経費につきましては、都民生活に直接的に影響を及ぼさない経費でございますので、その執行を取りやめまして、借りかえ抑制を行わないこととし、ルールどおりに借りかえるという措置をいたしたものでございます。
なお、借りかえに当たりましては、都債償還のピーク期を避けるために、五年据え置き十五年定時償還債の活用によりまして、公債費負担の平準化などにも配慮してまいります。
●西岡委員…この件も、取りやめた理由は、いずれも、大変大幅な税収減ということであったというふうに理解いたします。しかし、繰り返しになりますが、後年度負担にも配慮した適切な都債の管理を要望しておきたいと思います。
一方、最終補正予算のもう一つの柱である国の補正予算への対応について、引き続き伺っておきたいと思います。今回の補正予算に計上された事項を見ますと、国の一次補正に対応するものと、二次補正に対応するものとが混在をしています。例えば、全国瞬時警報システムの整備は、昨年五月に成立した一次補正に関する事項でありますが、システム開発のおくれなどから、この時期まで予算計上できなかったというふうにその原因を所管局から聞いております。そうした一次補正の取り残し分を除くと、今回の国の補正予算への対応は、新たに発足した民主党政権による初めての経済対策として、昨年十二月に策定された、あすの安心と成長のための緊急経済対策を踏まえて編成されたものであります。
そこで、最終補正予算では、国の緊急経済対策の趣旨を具体的にどのように受けたものなのか伺います。
●長谷川主計部長…今回の補正予算では、昨年十二月に国が策定した緊急経済対策及び第二次補正予算に関連いたしまして、区市町村の事業計画などに基づき、都民の安全・安心にかかわる事業など、必要な事項について所要の経費を計上しております。
具体的には、雇用機会の創出や待機児童の解消などに向け、国の交付金を活用いたしまして、緊急雇用創出事業臨時特例基金や、安心こども基金を拡充するとともに、低所得者に対してワクチン接種費用を軽減するための助成を行うことで、新型インフルエンザ対策を強化しております。
また、地方自治体によるインフラ整備を支援する交付金でございます地域活性化きめ細かな臨時交付金が創設されたことを踏まえまして、路面補修や道路緑化など、地元の中小企業が受注可能な事業を実施し、雇用の創出や中小企業の支援につなげていくこととしております。これらの措置を講ずることは、都がこれまで先駆的に実施しておりました取り組みと相まって、都民の不安を払拭し、中小企業を下支えするなど、都民生活の安全・安心に資するものと考えております。
●西岡委員…国の新たな補正予算への対応につきましても、各事業が、国の予算と関連づけられて整理をされ、緊急経済対策の趣旨を踏まえて、都の施策にしっかりと生かされているんだということが理解できます。
これまでの答弁で、今回の補正予算では、極めて深刻な都税収入の減少に対して歳出を洗い直す努力を行うことにより、都民サービスに影響が出ないように配慮されているとともに、基金残高を極力維持するなど、将来の財政運営を見据えた対応も行われているんだろうと思います。
昨年末の定例会中の財政委員会において、私から、都税の大幅減収への対応についての質問に、局長からは、減収幅がかつてないほどに大きく、かつ短期的ではない見通しの税収減の中では、既存の歳出歳入そのものの見直しとともに、都民生活に影響を及ぼさない形での処理が求められることから、相当な努力が求められるという趣旨のご答弁がありました。この最終補正については、一定の努力が行われたものと理解をしております。
また国の補正予算に関連して、都民の安心・安全を確保する観点から、国の対策の趣旨を踏まえつつ適切に計上されており、中小企業などにも十分な目配りがなされていると思います。都にとって、今年度は、大幅な税収減の中で、どのように都政がなすべき役割を積極的に果たしていくか腐心した一年間だったと思います。このような厳しい状況だからこそ、法人事業税の暫定措置の影響をますます痛感いたします。
この措置は、福田政権下、平成二十年度の税制改正において、税制の抜本的な改革が行われるまでの暫定措置として、地方税である法人事業税の一部を先駆けて国税化し、地域格差を是正するというものでした。
この暫定措置については、民主党東京都連所属の藤田憲彦代議士が、去る二月二十四日に衆議院総務委員会の場で、廃止すべきであるということを原口総務大臣にじかに迫りました。まさに我々の要望を受け、国政レベルでも民主党東京都連を挙げてこの問題に取り組んでおります。これに対して原口大臣は、見直しも視野に入れながら税調で議論していきたいという答弁が行われました。こうした発言は、今後の取り組みにつなげていくための大きな一歩だと思っております。
都政が、今後とも継続的、安定的にその役割をしっかりと果たしていくためには、是が非でもこの暫定措置を撤廃することが不可欠です。都議会民主党が先頭に立って、この不当な措置を直ちに撤廃するよう、国に対して引き続き粘り強く働きかけてまいります。いずれにせよ、都財政を取り巻く厳しい環境のもとで、都民生活を守る予算を編成することと財政の健全性を堅持することを同時に達成することは、非常に難しい命題であったと思います。
最後に、こうした難しいかじ取りを行ってこられた財務局長に、平成二十一年、この一年間を振り返って、最終補正予算を含め、今年度の財政運営についての率直な思い、そして今後への思いを伺わせていただきまして、質問を終わらせていただきたいと思います。
●村山財務局長…この一年を振り返ってというお話でございましたけれども、感じていることは二つございまして、一つは、改めて都財政というのは、本当にその経済変動に生身をさらしているんだなと。税収動向に大きく左右される宿命を負っているんだなという点でございます。この点は、非常に実感を改めてしております。
同時に、もう一つは、平成二十年秋以来の経済危機は非常に大きいわけですけれども、その中で中小企業の倒産、雇用への不安といったような、都民生活の危機もまた非常に深くなって、都税収入は大幅に減っているんだけれども、同時に都民の抱える不安も増大している中で、それを払拭するというのが、私どもとしての役割であるという点もまた、改めて強く感じたところでございまして、この二つの点をどういうふうに両立させていくのかというのが、この一年間の私どもとしての大きな課題でございました。
さらにまた、今後も厳しい財政環境が当面は続くというふうに考えないといけないという状況の中で、この二十一年度単年度をしのげば何とかなるということではなくて、将来に向けても継続的にしかるべき水準の行政を継続しつつ、この二十一年度予算でお約束した都民サービスについては、それに影響を及ぼさないという、この点がまたもう一つのテーマでございまして、あえていわせていただければハードルということでございまして、そのためには、基金として積み立てているものを二十一年度のためにみんな使ってしまえばいいというわけにはいかないということでございました。
そこで、今もお話しございましたように、昨年の秋、末以降、従前以上に今年度の予算の執行に当たりましては、洗い直しということをさせていただいております。その中身については、先ほど主計部長からもお話し申し上げたように、都民サービスに影響しないという範囲での努力をしているところでございます。
同時に、そういういろいろな努力をしても、基金取り崩しはゼロというわけにはいかなかったわけでございまして、最終的には五百億円余りの財政調整基金を取り崩すということで、都民サービスを支えることができたという面も、あわせてあるわけでございます。
そういう意味では、仮にこれまでの基金の積み立てがもっと少額であったということになると、今年度のサービスを維持するということと、来年度以降のサービスを継続的に実施していくということとの間の比重の置き方というようなところにおいて、非常にまたジレンマも生じたこともあったのかなというふうに思っておりまして、そういう意味では、これまで税収の上昇局面にあっても、その上昇した分を使ってしまうというのではなくて、あくまでみずからを律した財政運営をやって、財源として活用可能な基金をしっかりと確保してきたということが、ここに来て、二十一年度もしかるべく対応し、また二十二年度以降についても、その安定的な要素を確保できたということにつながっているのではないかというふうに思っております。
もとより、基金に頼り切った財政運営をしていくわけにはまいりませんので、今後の将来のことを考えてみますと、改めてしっかりと税収の上昇局面、下降局面それぞれに対応できるような、しっかりとした足腰の強い都財政を引き続きやっていくために、堅実な財政運営に努めてまいりたいと思っているところでございます。
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