2011年11月1日(火)財政委員会(質疑概要)

1、東京都債の発行現状と今後の課題について

2、都庁舎の安心・安全、震災対策、電力対策等について


●西岡委員…財務局の事務事業に関して伺ってまいります。
 まずは、東京都の都債について伺わせていただきます。
 都税収入は、景気の影響を直に受けまして三年連続の減となっており、さらに、震災の影響、海外経済の動向、昨今の円高の状況を見ましても、この先、伸びを期待することは非常に難しい状況になっております。こうした中で、都政がその役割をしっかりと果たしていく上で、どのように財源を確保していくのかが、これがますます重要な問題になるものと認識をしております。
 法人事業税の暫定措置の撤廃も、もちろん、その一つだと思っております。その上で、都債の果たす役割は大きく、適切な活用を図っていくことが求められますが、一方で、将来の負債であることも踏まえれば、発行の規模に関しても、将来を見据えた議論を行った上での活用を進めることが必要であると思います。
 また、東日本大震災の影響により、電力債の代替需要として、今、地方債の利回りが低下しているという情報もあります。ある意味、発行主体である地方自治体にとっては、地方債を発行していくチャンスでもあると見られますが、しかし、市場の動向は刻一刻と変化するものであり、いつまでも都にとって有利な状況が続くとも限りません。
 こうした中で、都としての貴重な財源である都債をどのように活用し、さらに財政の健全性維持との両立を図っていくのか、また、国の動向なども踏まえて、どのように戦略的に都債管理を行っていくのかという観点から、数点、質問させていただきます。
 まず、二十三年度予算の歳入における都債は、補正予算後の数字で見ますと五千億円近くになっておりまして、増加傾向にあります。平成二十三年度における都債活用の考え方について、まず最初に伺います。

●武市主計部長…都債には、世代間の負担の公平あるいは財政収入の年度間調整を図る機能があり、計画的な財政運営を行う上で重要な役割を担っております。
 かつてバブル経済が崩壊して以降、都は積極的な財政運営を行いまして、都債もかなり大量に発行を続けたことから、石原知事就任直後、都債残高は七兆円を超える規模にまで膨らんでおり、都債の管理は急務を要する課題でございました。そのため、平成十二年度以降は、都債の新規発行を抑制することによりまして、都債残高を大幅に減少させてまいりました。
 ただ、平成二十一年度以降は、リーマンショックの影響などによりまして、都税収入が再び大幅に落ち込んでまいりましたため、財政再建の成果であります都債の発行余力を活用すること、すなわち、都債の発行を増額することで必要な財源を確保いたしました。
 平成二十三年度も引き続きまして、財源確保の手法として都債を活用し、一般会計予算における都債の発行額は、補正予算を含めて四千九百九十六億円となっております。

●西岡委員…過去の発行水準を見てみますと、抑制基調であった平成十二年度から二十年度までの間の起債の水準に比べると、非常に高くなっているんだと思います。平成二十一年度に都税収入が一兆円も落ち込んで以降、都債の活用は、いわば積極路線に変わってきているんだと思います。債券発行は、やはり負債を抱えることと同じでありますから、適切な水準については検証が必要になっているというふうに思います。
 この点について、都はこれまで都債の発行余力を培ってきたということを、時にお話しをされますが、この発行余力を具体的にとらえるということは非常に難しいものと認識をしております。
 そこで、都は、この発行余力をどのように培ってきたのか、また、発行余力というものを具体的な効果としてとらえると、どのような説明になるのか伺ってまいります。

●武市主計部長…都債の発行余力、すなわち、どれぐらい都債を発行する体力を都財政が備えているかということでございますが、この発行余力というものは、幾つかの指標を複合的に見て判断すべきものかなと思っております。
 まず、フローの面で見ますと、現在の予算が過剰に都債に依存をしていないかどうか、そこがポイントになるのかなと考えておりまして、平成四年度から十一年度までにおける都債の年平均発行額が七千六百億円でありましたのに対し、平成十二年度から二十二年度までにおけます都債の年平均発行額は三千二百億円と、四割の水準にまで抑制をしてまいりました。
 また、ストック、都債残高の面で見ますと、今の残高が将来の財政運営の圧迫要因となっていないかどうかという点がポイントでございまして、平成十九年度から二十年度にかけまして、都税収入の増加を背景に、過去に発行した都債の借りかえを抑制し、元金償還を確実に進めるとともに、平成十五年度には五千億円を超えていた減債基金の積立不足を、平成十九年度にはすべて解消いたしました。その結果、普通会計における都債残高が、平成十二年度の七兆六千億円をピークに、平成二十二年度には五兆七千億円と二兆円減少しており、公債費、元利償還金の支出も、あわせて減少してございます。
 このように、財政再建の取り組みを通じて、着実に都財政の体力の回復、発行余力の拡充を図ってきた結果、現在は十分な発行余力を備えているものと認識しております。

●西岡委員…ありがとうございます。
 減債基金の積立不足を十九年度にすべて解消もしているということでありました。確かに、過去の大量発行を続けていた場合に比べますと、公債費の縮減が図られていることは一定の成果であるといえます。しかし、とはいっても、これは平成十九年度までの起債抑制の効果であって、いつまでもその効果が続くわけではありません。  来年度の予算編成についてはこれからの話でありますが、具体的な発行水準について、現時点では数字がないと思いますけれども、景気の動向を考えれば、大幅な都税収入増が見込めるとは到底思えないわけであります。そうなると、現在と同様の都債の積極活用路線が続いていくのではないかというふうに懸念をするわけであります。
 現在の発行水準は、補正予算を経て五千億円近くになってきておりますが、この水準で、今後、都財政の健全性が維持されていくといえるのかどうか伺っておきたいと思います。

●武市主計部長…先ほども申し上げましたとおり、補正予算を反映した二十三年度の都債の発行額は五千億円近くになっておりますが、それでも起債依存度は、まだ一けた台であります七・九%となっておりまして、これは、国の起債依存度四七・九%、あるいは地方財政全体の起債依存度一三・九%と比べますと、極めて低い水準にあるのかなと考えております。
 また、その元利償還の水準をはかる指標であります実質公債費比率を見てみますと、こちらは、都道府県の平成二十二年度の決算値が、最も高い団体では二四・一%、都道府県平均ですと一三・五%となっているのに比べまして、東京都は、全都道府県中最も低い二・二%にとどまっております。
 こうしたことから、都債の発行水準は、現在の五千億円という水準は適切な範囲におさまっているというふうに考えておりまして、都財政の健全性は維持されているものと認識をしております。

●西岡委員…都債の活用も、返済能力を超えた水準までいってしまうということになれば、将来に大きな負担を残すことになり、これはもう絶対に避けなければいけないと思います。
 また、適切な状況を超えた財政運営を行ってしまえば、現在、都債が得ている市場の信認、これ、都債には市場の信用が大変重要でありますけれども、この信認も失ってしまうことになりかねないわけであります。仮に信認を失えば、利率も上がり、結果として、公債費の負担が将来的に増加するという悪循環になってまいります。
 こうした都債の発行条件を決めるのは、まさに債券市場ではありますが、現在では、都債の発行条件は大変いい状況にあると聞いております。東日本大震災の影響で、地方債の利回りが低下しているということでありますが、都債の発行について具体的にどのような影響があったのか伺います。

●武市主計部長…地方債市場におきましては、三月の震災直後は、基準となる国債金利に対します上乗せ幅、これはスプレッドと呼ばれておりますけれども、このスプレッドが一時的に上昇をいたしましたが、その後の投資家需要が地方債に集中するということによりまして、スプレッドは急激に低下し、七月以降は過去最低水準での発行が続いております。
 都債におきましても、地方投資家を中心に多くの需要を集めまして、基幹商品であります十年都債のスプレッドは、七月以降、〇・〇二%という過去最低を維持しておりまして、非常に好条件での発行が続いております。
 これは、冒頭、先生の方からもお話がございましたが、債券市場の約五%を占めておりまして、安全性が高く流動性がある銘柄と位置づけられておりました電力債への信頼が、東日本大震災を機に一変いたしまして、電力債の起債自体も途絶えると、そういった状況の中で、電力債にかわる安全な銘柄として地方債への人気が集まっていることが、主なその要因であると考えております。

●西岡委員…今、答弁にもありましたが、電力債が出ないという状況によって、非常に地方債への需要が高まっているとありましたけれども、こうした状況がいつまでも続くとは限りません。適切な財政運営を行っていなければ、すぐに市場の信認を失ってしまうのではないかとも考えられます。
 これからも適切な発行条件で都債を安定的に消化していくためにも、適切な発行水準を保っていくことはもちろんでありますが、一方で、国の動向など外部環境の影響も十分に予測しながら起債運営を行っていかなければなりません。
 都債発行には、信認度をはかる指標として格付というものが用いられております。東京都の格付は、平成二十年三月にスタンダード・アンド・プアーズから格付を取得いたしまして、外債及び国内債とともに、これはダブルA、安定的でありました。その後、日本国債格付の変更を理由に、平成二十二年一月に、見通しがネガティブに変更となり、平成二十三年一月には、ダブルAマイナス、安定的に格下げ、同年四月には、見通しがネガティブとなりました。他の自治体と比べると、しかし、東京都は、最も高い水準で現在に至っていることも事実であります。
 一方、平成十九年二月に取得したムーディーズ・インベスターズ・サービスは、平成二十一年五月に、格付方針を国格付を上限とする方針に一方的に変更したため、都は、そのとき撤回を依頼しましたが、八月にはムーディーズの格付をすべて取り下げたという経過もあります。
 都債の市場への信認度をはかる指標として格付があるわけでありますが、国の財政運営が東京都債の格付に与える影響はどのようになっているのか伺います。

●武市主計部長…先生からも今お話がございましたとおり、海外の大手格付機関でありますムーディーズは、平成二十一年、自治体の格付は国債格付を上限とする方針に見直しを行いまして、しかも、一方的かつ十分な説明もないまま、東京都を含む地方自治体の格付を同時に引き下げております。
 また、ムーディーズと並びます二大大手格付機関でありますスタンダード・アンド・プアーズ、SアンドPも、これまでに三度、東京都の格付や見通しの変更を行っておりますが、これは、いずれも国債の格付が変更となったことを受けて変更されたものばかりでございます。
 SアンドPは、東京都につきまして、財政基盤が最も強固で、財政内容の健全性も最高水準にあるというふうに認めていながら、一方で、日本の地方財政制度が大きく転換し、国から独立した自立的な財政運営が可能とならない限り、格付が国債格付を上回る可能性は低いという説明をしております。
 こうしたことから、今後も都の格付は、国債格付の変更を唯一の理由として格下げとなる、そういった影響を受けることが懸念されております。

●西岡委員…ありがとうございます。
 地方債は国の制度の中にあるために、国の基準を超えられないというのは仕方のないことでありますけれども、やはり都財政の健全性は、そういう格付会社の状況があるならば、独自に健全性を広く対外的にアピールしていくことも、これは極めて重要であろうと。また、格付だけに頼ることなく、都が独自に努力して、東京都として発信をしていくということも必要だろうと考えております。
 これからは、地方が主体的に財政運営を行う上で、財政健全化に十分配慮した運営を行うことはもちろんのこと、起債についても、みずからの責任でより機動的に、また戦略的に行っていくことも必要であります。地方債を発行するには総務大臣への協議が必要でありますけれども、民主党政権の中で、地域主権改革の一環として協議制を見直す方向となっております。財政状況の良好な団体は協議が不要となるなどの動きがあります。
 現在の協議制における起債運営上の課題は何なのかを伺っておきたいと思います。

●武市主計部長…現在、地方債を新規発行するには、国との協議が必要であります。その協議の結果、国の同意が得られた地方債は地方財政計画に反映されることによりまして、地方交付税制度を通じた国の財源保障が得られるというのがありまして、これは地方にとってはメリットであろうというふうに思います。
 一方、総務省が告示で示した協議スケジュールにのっとって手続を進めますと、国の同意が得られるのが九月中となりまして、新年度が始まってから約半年間は、実質的に新規の地方債を発行することができない。すなわち、市場の金利の動向にかかわらず、年度後半に発行を集中せざるを得ないということになっておりまして、これが最大のデメリットであろうというふうに思います。
 なお、国では、地方分権の一層の推進を図る観点から、協議制から事前届け出制への移行を進め、法律を八月三十日に改正いたしましたが、その法の施行時期や事前届け出制の対象となる団体の条件など、そういった詳細につきましては政令等に委任をしておりまして、手続、スケジュールも含めまして、その内容はまだ明らかになっておりません。

●西岡委員…ご答弁をいただきましたように、この協議制の見直しは、これまで護送船団方式で行ってきた地方の自主性、自立性を高めるものであり、健全財政に尽力している都にとっては、資金調達を容易にするものであるとして、私は地方分権の観点からも歓迎されるべきものであると思います。
 また、この協議制の見直しにより、事務負担が大幅に軽減をされますし、発行までの期間が短縮されることとなり、また発行時期が多様化することとなれば、投資家の方々の選択の機会がふえることになるなどのメリット、利点があるものと思います。
 したがって、国の動向によっては、より機動的な起債が可能になることも想定をされ、地方自治体の起債に対する責任は、その分、ますます重くなってくると思われます。都は、これからも適切な水準を維持しつつ、市場の信頼を得て、円滑に消化できる体制を構築していかなければならないと考えます。
 最後に、円滑な都債の発行を進める上で、市場の信頼をどのように得ていくのか伺ってまいります。

●武市主計部長…市場の信頼を得るためには、大きくいいまして、二点必要かなと考えます。
 まず一つは、例えば、税収の変動にも十分対応できるような強固な財政基盤を持続していくことにあるというふうに考えています。
 さらに二点目といたしまして、その堅実な財政運営について、投資家の方々に対し日ごろからアピールすることによりまして、都債に対する安心感を持っていただくということでございます。例えば、その具体的な活動といたしましては、先月、機関投資家を対象とした都債説明会を開催いたしまして、約百四十名の方にご参加をいただき、二十二年度決算を中心に都の財政状況についてご説明をいたしました。また、機関投資家の個別訪問を積極的に行いまして、都政の最新情報を提供するなど、投資家との丁寧な対応を継続して実施しております。
 今後とも、堅実な財政運営を行いながら、積極的なIR活動、投資家情報提供活動を継続し、投資家の皆様方からの信頼を保つよう努めてまいります。

●西岡委員…都債の発行条件は、現在、地方債の中でもよいレベルであるということであります。今後ともこうした努力を続けていただいて、また、将来世代への負担のことも十分考慮に入れつつ、今後とも都債の活用を引き続き検討していただきたいと思います。そして、次の質問に移ります。
 次に、主に防災面からの都庁舎の管理について伺ってまいります。
 まず、都庁舎の長周期地震動対策について伺います。
 東日本大震災は、新宿副都心の超高層ビルに長周期地震動を引き起こしました。四十八階建ての東京都庁第一庁舎、片側で六十五センチメートル揺れ、五十四階建ての新宿センタービルは、十三分間にわたり、片側で五十四センチメートル揺れたとのことであります。
 震災後、都議会民主党の防災対策の検討会では、最近、東京消防庁が導入した、いすに座るだけでリアルな地震体験ができる地震動シミュレーターというもので、我々も実際に地震波を体感いたしました。私もそのいすに座りまして、とてもリアルな長周期地震動を体感しましたが、本当に驚くほど長く、そして左右に移動する、信じられないような怖い揺れを体験いたしました。都庁の職員の方も、大勢の方が体験してしまったんだと思います。
 東京には、最近の耐震技術の進展によって、六十メートルを超す超高層建築物は千棟を超え、超高層マンションも急増し、四百棟を超える数となりました。
 一方、東京の地下構造が長周期地震動を増幅させる地盤であることを考えれば、都が最も被害を受ける長周期地震動の対策を十分に行っていかなければなりません。
 そこで、五月、都は、国の対策試案の方法による東海、東南海、南海の三連動地震の影響を踏まえ、耐震安全性調査委員会での検討結果を踏まえ、都庁舎の長周期地震動対策を発表されました。その内容は、平成二十六年度からの都庁舎の更新に合わせて、およそ四十億円の経費をかけて対策を講じていくものということで発表されております。
 都庁舎の対策は、制御装置であるオイルダンパーというものの設置を対策の中心に置いておりまして、第一庁舎のオフィス内で九十四カ所、第二庁舎で六十一カ所設置する対策となっております。この取り組みによる都庁舎における具体的な効果の検証、このオイルダンパーを設置することで、実際にどのように長周期地震動の抑制につながっていくのか、その具体的な効果の検証について伺っておきたいと思います。

●室木技術管理担当部長…都庁舎の長周期地震動対策についてであります。
 長周期地震動による超高層建築物などへの影響が指摘される中、都では、都庁舎への影響を把握する必要があるため、耐震安全性調査委員会を設置し、調査検討を進めてまいりました。この委員会において、最新の知見に基づく長周期地震動の設定や、それによる現状の都庁舎への影響を検討した結果、長時間の繰り返しの揺れにより、一部の構造部材で損傷が生じる階の発生や、仕上げ材及び設備配管の一部脱落や損傷が生じ、一部の業務に支障を来す可能性のあることが明らかになりました。
 このため、大地震発生時において、建物の変形を小さくし、大きな揺れを早くおさめるなど、都庁舎の耐震安全性を向上させることを目的に制振装置を設置することといたしました。このことによりまして、大地震発生後、構造体を補修することなく都庁舎が使用でき、業務に支障を来す仕上げ材や設備配管などの損傷に至るような大きな変形が生じないことが確認されております。

●西岡委員…具体的な効果を確認しているということでありますので、着実にこの対策を打っていただきたいと思います。
 また、都内の超高層建築物は、多くの人々が生活し活動する場所でもあるため、対策の普及啓発を図っていくこと、都庁舎の成果を常に情報発信していくということ、また、都民や関係団体に的確に情報を提供していくということを求めておきたいと思います。
 人々の生命、財産を守る取り組みを積極的に行うとともに、災害時の拠点である都庁舎の安全確保に万全を期すことを求めておきたいと思います。
 次に、都庁舎への地震計の設置について伺います。
 平成三年の都庁舎竣工時に、加速度検知器、記録装置などから構成される地震計が都庁舎には設置されています。加速度検知器は、第一本庁舎で八台、第二本庁舎で七台、そして地中に二台となっており、計十七台が既に設置をされています。都庁舎では、設置されている地震計により、地震が発生したときの地震動の大きさや、建物の揺れの継続時間などを観測し、そのデータを記録しております。そして本年六月の東京都の補正予算によって、加速度検知器を第一本庁舎と第二本庁舎に増設することになっております。この増設状況及び増設による都庁舎の地震対策にどのような効果が期待できるのか伺います。

●室木技術管理担当部長…都庁舎におきます地震計についてでございます。
 都庁舎においては、地震の大きさを把握するため、平成三年の竣工時から、先生のご指摘にありましたように、加速度検知器や記録装置などから構成されております地震計を設置しております。
 今回の緊急対策では、現状設置されております加速度検知器は十七台でございますが、新たに十台を増設いたしまして、計二十七台にすることなどによりまして、地震計の機能を拡充するものでございます。これによりまして、今回のような大地震の発生直後に、建物や設備の状況を早期に把握することが可能となり、都庁舎の復旧活動など、初動態勢の早期確立や二次災害の防止ができるようになります。こうした取り組みから、来庁者や職員などのより一層の安全確保を可能としていくとともに、防災拠点である都庁舎の機能確保を図ってまいります。

●西岡委員…今、初めて数値が発表されたと思うんですけれども、今年度内に十台地震計が増設されて、合計二十七台になるということであります。来庁者や都民の安全確保、災害時のかなめとなる都庁舎の安全対策に、ぜひ万全を期していただきたいというふうに思います。
 次に、都庁舎の節電対策について伺っておきたいと思います。
 特に、ことしの夏の節電対策と、これから来ることしの冬への対策について伺います。
 ことしの夏の節電は、本当に都庁舎の皆様方も大変ご苦労され、ご努力されたことと思います。都庁舎でのことしの夏の節電対策は、政府目標の一五%を大きく上回る二五%減が達成されたことが発表されており、電気代も三千四百万円の節約になったと発表されました。
 計画停電という事態などは初めて体験する事態であり、都庁舎としては、民間への模範的な存在であることから、とても熱心に取り組んだことと思います。都庁舎は、昨年までに既に、かなり一定の取り組みを行っていたわけでありますから、ことしの取り組みは相当な努力の結果と受けとめております。これらの取り組みの結果、照明などにおいては、健康に悪影響を及ぼすことなく、今後も継続して常時取り組める課題ではないかということが明らかになるなど、新たな発見もありました。
 一方で、来年の夏以降やことしの冬に向けて、さまざまな総括をすることも必要なのかなと考えています。
 今後も電力の供給状況は厳しい局面が続くため、当然、これからも節電の努力は必要でありますけれども、ピーク時以外の取り組みに関しては、都民全体の模範的立場である都庁舎として、ピーク以外のときにどうあるべきなのかということは検証をしておいた方がいいのかなという思いも実はあるんです。
 今回の節電対策について、都庁舎としてどのような課題があったのかお伺いしたいと思いますし、また、もう間もなく冬が来ます。ことしの冬の都庁舎の節電対策については、どのような方針なのかを伺っておきたいと思います。

●藤森庁舎運営担当部長…都庁舎におけるこの夏の節電対策につきましては、東京都電力対策緊急プログラムを受けまして、国の削減目標の一五%削減を上回る二五%削減を目標にし、主に空調、照明、昇降機関係の節電対策を講じることにより、この目標値を上回る削減を達成することができました。
 しかしながら、例えば、朝や昼の時間帯におけるエレベーターの混雑など、来庁者や職員に対しまして、いわゆる我慢の節電を強いてきた面もあったことは事実でございます。今回の震災に伴う電力不足は今後も予断を許さない状況でございまして、この夏の節電対策の検証等を踏まえまして、エレベーターの稼働台数をふやす一方で、照明の二分の一消灯など、効率的で無理のない節電対策について、引き続き継続してまいります。
 さらに、この冬に向けてでございますが、都庁舎が機密性のある建物でございまして、職員やOA機器などから発生する熱による室温上昇を抑制する空調運転が必要なため、今後、空調運転の試行や検証を進めながら、冬場の効率的な運転方法や室温設定などについて検討していくこととしております。

●西岡委員…ぜひ引き続き検証していただきたいと思います。
 私も、この冬の対策をいろいろと調査する中で初めてわかったのですが、都庁舎は、真冬でも逆に冷房を入れて冷やさなければいけないときもあるというぐらい、独特な都庁舎の特徴があるようでありまして、なかなか一般的な、普通に考える対策とまた違った感覚が必要なんだなということも理解をしたところであります。
 いずれにしても、私が申し上げたいのは、ことしの夏はもちろん頑張らなければいけなかったわけであります、常時。しかし、このピークカット以外に、例えば健康面、都庁舎の話ではありませんけれども、夜の防犯灯になるようなところまで消してしまっていたりとか、いろいろと反省すべき面もあるし、そのピーク時以外−−ピーク時はもちろん、みんなで何としても計画停電を阻止するために頑張るわけですが、それを乗り越えた一定の、例えば夜間とかは、その節電の仕分け、やれるものはもちろんやるんですけれども、やはり常識的な範囲の中できちっと守るべきものもあるのではないかという思いもありまして、ぜひ都民の目線からも、また職員の目線からも、さまざまな面から、来年の夏も同様に厳しい夏が来るといわれておりますので、ことしの経験をぜひ総括していただいて生かしていただきたいし、先ほど我慢の節電という言葉がありましたけれども、できる節電というのでしょうか、適切な節電、そういう考え方でまた取り組んでいただきたいと思います。
 次に、都庁舎の電力確保について伺っておきたいと思います。
 先日の新聞報道によりますと、都庁舎で使用する電力に関して、東京電力からのみではなくて、新たに電力の一部を東京ガスから購入する方針が固まったとのことであります。そこで、この方針は、来年度からの導入となっておりまして、都庁舎全体の最大需要電力一万一千キロワットのうち、まずは三割程度となる三千キロワットを確保すると聞いております。
 この取り組みは、災害時のリスク分散による都庁機能の確保というふうに認識をいたします。電力は、新宿新都心地域冷暖房設備の天然ガスによるガスタービンコージェネレーションからの電力供給を購入するとされています。今回の取り組みによって、東京電力、東京ガス、そして非常用自家発電という三系統の電力が確保されることになります。
 都庁舎は、東京ガスから電力の購入を検討しているということでありますが、現在、この件についてどのような検討を行っているのか、また、今後の見通しについて伺います。

●末菅建築保全部長…都庁舎の電力は、東京電力から供給を受けております。その東京電力からの供給に加えまして、都庁舎などに冷暖房の熱等を供給している地域冷暖房センターから、ガスタービンにより発電した電力の供給を受け入れる電力供給の多重化を現在検討しているところでございます。これは、先生がお話しのとおり、地震等災害時における都庁舎の電源確保についてのリスク分散を図るものでございます。
 電力の多重化を行うに当たりましては、電気事業法などの法規制や発電設備などの改修経費など、さまざまな課題がございまして、こうした課題について、東京電力や、地域冷暖房を運営している東京ガスの子会社であります株式会社エネルギーアドバンス社などと協議を行っているところでございます。今後は、さらに電気料金や設備改修に要する経費の負担などの協議も行い、こうした協議が調い次第、都庁舎の受電設備改修のための詳細な調査を実施の上、設計に着手し、平成二十四年度に電力の多重化を図ることといたしております。

●西岡委員…これ、大変よい取り組みでありまして、評価できるものだと思います。ぜひ着実に協議を進めていただきたいと思います。
 また、この取り組みは内外から大変注目をされています。今後、最終的な電力の確保割合、供給量、新宿新都心地域冷暖房設備や都庁舎における設備更新、どういう設備更新が必要になってくるのか、今後のスケジュール、また、どれぐらい都庁としての予算を確保する必要があるのか、電気使用量はどうなるのか、設備更新の負担のあり方はどうなるのかなど、具体的な取り組み内容の協議が調い次第、この財政委員会にも明らかにしていただきたいと要望しておきます。
 また、新宿新都心地域冷暖房設備は、都庁舎とほぼ同じ時期に開設した設備であるため、施設や設備の耐震対策など、震災対策の安全性を高めることも重要だと認識しております。今後とも、この取り組みを注視してまいります。
 一方で、この取り組みが終了するのは、報道上では平成二十七年ということになっているようであります。そう聞いておりますが、東京に影響を及ぼす地震は、いつ起きてもおかしくない状況でありますから、それまでの間に、打てる対策を構築していくことも必要であります。
 また、最悪の場合には東京電力が、また、この取り組みが軌道に乗った後に、東電さんと東ガスの双方から電力供給が絶たれた際には、最後は、やはり頼りになるのは非常用自家発電であります。
 しかし、停電によってこの電力送信が途絶えた場合には、自家発電による電力確保が必要となりますけれども、現時点での非常用自家発電による電力の供給率は、第一庁舎、これは議事堂も含めますが、使用電力のおよそ七〇%、二庁では五〇%と聞いております。災害対策のかなめとなる都庁舎でありますから、早急な増強対策が求められていると思います。
 これで、時間の関係で最後の質問になると思いますが、現在、都庁舎の更新にあわせて自家発電設備の増強が行われておりますが、その増強策によってどの程度にまで電力供給が増強されるのか、伺っておきたいと思います。

●藤森庁舎運営担当部長…都庁舎におきましては、設備更新の一環といたしまして非常用発電設備の増強を行うことといたしまして、現在、第一本庁舎の非常用発電設備につきまして、二千五百kVA二基を四千kVA二基に増強する改修工事を行っております。
 非常用発電設備による電力供給は、あくまで災害時等の非常時の対応であるため、まず消防設備や防災センターへの供給を最優先といたしまして、次に、非常用エレベーターや照明、コンセント電源に必要最小限の範囲で供給いたしまして、その後、事務室の空調、一般用エレベーターなどへ、順次負荷を確認しながら供給していくこととしております。
 今回の工事によりまして、従来の非常用発電設備と比較いたしまして、例えば、事務室の照明は、四分の一の点灯から二分の一点灯まで拡大できるように増強することとしております。また、OA機器等の稼働に必要なコンセント電源は、十分の一程度から二分の一のコンセントが使用できるよう増設することといたしております。
 次に、改修工事のスケジュールですが、来年の夏前までに工事を完了することといたしております。

●西岡委員…第一庁舎について、ぜひ着実に、そして早期に進めていただきたいと思います。
 また、第二庁舎に関しては、今後の取り組みになっておりまして、来年度以降の取り組みになると思います。当然のことながら、第二庁舎も大変重要な都庁機能が入っておりますので、二庁も一〇〇%補強することが可能となる自家発電設備の導入を着実に予算化するよう求めまして、質問を終了いたします。

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