二宮忠八翁の玉虫型飛行機製作記(Part1)
 二宮忠八翁が仲南町樅の木峠で飛行原理を覚り、最初に作成したのがゴム動力の「カラス型飛行器」模型でした。この「カラス型」はあくまで、この原理を実証するための実験模型。そして、この模型飛行機の実験の成功により、空飛ぶ機械に確証を得た忠八は、次に実際に人が乗って飛ぶことができる「有人飛行機」の構想に進むこととなります。
 この玉虫型飛行機は研究段階で作成された翼長2mぐらいの試作模型です。この機体は残念ながら空を飛ぶことはありませんでした。が、私たちはこの機体が空を舞うさまをどうしても見てみたくなったのです。
 機体製作は当クラブの近藤会員です。

 玉虫型飛行機

仲南町北小学校に保管されている玉虫型飛行機のレプリカ。これをもとに製作の開始です。
以下、近藤会員の製作記です。

 製作記 (Part1)
■Prologue
 2002年4月に仲南町に飛行場を移転。そのドタバタがようやく治まった6月、副会長とクラブ員数名で仲南町役場へご挨拶に伺ったおり、11月に開催される町のイベント「二宮飛行神社例大祭」でラジコン飛行機を飛ばしてもらえないかという話がでました。
 それを受けてクラブ内では、それならいっそ忠八翁の「カラス型」「玉虫型」をラジコン化して飛ばしたら面白いのではという意見が出て、「それはいい!」と言うことで大いに盛り上がり、田辺会員が「それなら私がカラス型を作りましょう」なんて言い出したもんですから、勢いで「じゃあ、オレ玉虫型作るわ」などと言ってしまい・・・・
 家に帰り冷静になってよく考えると、ひょっとしたらどえらいこと引き受けてしまったのでは?

■ともあれ製作開始
 「カラス型」は模型として実際に飛んでいますが、この「玉虫型」は試作段階のものであり、飛んだ実績が無い機体です。このまま作って飛ぶものかどうか。また、こんなに大きな4枚ペラのプッシャータイプは作ったことも、いや、見たこともありません。駆動系はどうするか、翼形は、操舵は、重心位置はどのへん・・・何もかもが初めてのことばかりで・・・・でも引き受けてしまった。
 えらいこっちゃ!えらいこっちゃ!っとプレッシャーにオロオロしている自分と、ここが私の腕の見せ所とばかりに張り切っている自分が混在する複雑な心境の中、製作は開始されたのです・・・・

まずはラフプラン。
全体的な機体構造や、エンジンの配置、駆動系の検討を行います。
◆サイズ
翼スパンは1300mm程度でエンジンは30クラス。
◆駆動
ボート用のシャフトを使用し、プーリーにより約1/2程度に減速。大型の4枚ペラは自作。
◆主翼
とにかく浮くことのみを考え、翼形はクラークY。重心調整のため上下翼はゴム止めで取り付け位置を移動できるようにしておく。
◆操舵
オリジナルは下翼全体を動かすフルフライングですが、当機では下翼にエルロンを取り付けエレボン仕様とする。
 例によって、写真とラフスケッチと物差しでCADに入力して設計図を書きます。
 CADを使用すると、翼断面や翼端のカーブの設計がとても楽に行えます。
 プリンターに出力した翼形を元にブリキ板を加工して型材を作成。作成した型材でバルサをリブの必要枚数サンドイッチにしてボルトと万力で固定しカッターの刃で削っていきます。


 これは愛用の卓上丸鋸盤と卓上糸鋸盤。
プロクソン スーパーサーキュラソーテーブル
リョービ (卓上糸ノコ盤)モデルTF−30

 こういった道具があると作業効率はグッとよくなります。
 下翼をプランクしています。下翼の上反角は約10度。
 エンジンは中低速を重視し、SAITOのFA−50に決定。
 下翼と胴体の上面のフレームが出来上がったところです。
 さて、上主翼のプランクです。
玉虫型の特徴でもある滑らかに反りあがった美しい主翼。このカーブを少しでもそれらしく再現するために、まずベニヤ板で治具を作成しました。(写真下の箱状の台)

 上下の翼と胴枠が完成したところで、胴枠にエンジンを載せ、翼を仮組してみました。
 プロペラは型紙、減速用のプーリーは木製のイミテーションです。
 プロペラはバルサ製で、周囲をピアノ線で補強しエポキシで固めて作成する予定です。
 後方からのビュー。独特の2枚翼がとてもいい感じだと自分では思っているのですが・・・



 製作開始からここまで約2ヶ月弱。アルミ製のプーリーの製作を依頼し、プロペラができたら駆動実験です。さて、ほんとうに飛ぶんでしょうか。機体がそれらしく形になってくるとともに自信と不安が両方増していくこれまたヘンな心境。でも、がんばるぞーっと。
この続きは「Part2]にて。