二宮忠八翁の玉虫型飛行機製作記(Part6)
 骨組みは完成しました。こんどはいかにも飛びそうなフォルムです。さあ張りきって作業を加速することにします。

 製作記 (Part6)
■主翼と胴体のフィルム貼り
 さて、たぶん難関となるであろう主翼のフィルム貼り。T号機の時もそり上がった主翼のへこんだ側のフィルム貼りには苦労しました。今回のはさらにうねっています。どうなるやら。
 まずはその前にエルロンの切り出しです。この部分もまっすぐではないので切り出したパーツもうねった形になっています。しかし、ヒンジのラインは真っ直ぐなのでこれに合わせて動作時の逃げを削っていきます。

※こんなエルロンを作ったのもはじめて。やることなすこと初めてのことばっかりで、冷や汗もでるけど退屈もしません。
 フィルムを貼りましょう。今回はオラライトの透明。案の定、へこんだ側は浮いてきます。両足で押さえて片手で引っ張って片手でアイロンと、布団の上で主翼と格闘。気分はほとんどデストロイヤー四の字固め・・・となると主翼は力道山かせんだみつお?(古すぎ)


 主翼、なんとか貼れました。
 胴体上部は平面なので楽勝。

 手前にあるのが、U号機用に制作を依頼していたアルミ製のプーリー。T号機と同様、プーリーの設計製作とベルトの強度計算は田辺会員にお願いしました。仕事の時より真面目に計算してくれたそうです(冗談です・笑)。


■プロペラの作成
 前回、T号機の時にはバルサ製の4枚ペラとスプルス材を一刀彫にした2枚ペラのふたつを作りました。4枚ペラの方は忠八のオリジナルに似せたスクリューのような形でしたが、ペラの面積が大きすぎたのかエンジンが回しきれていませんでした。逆に2枚ペラでは1/2減速で7,000rpm回っていましたので逆に過回転気味。そこで今回は前回の2枚ペラの形状でダイヤを小さくして、これを組み合わせて4枚ペラにしようと考えました。
 右側が参考にした昭和16年製井上式KD1エンジンの木製プロペラ。ダイヤは14インチ、ピッチ4.5。とりあえずこのままのサイズで逆ピッチで作成し、あとで13インチに詰める予定です。

 材は家具などに使われるスプルス。知り合いの家具屋さんに頼んで、まさ目の整った部分を調達しました。
 前回の制作記では「スプルス材を一刀彫で・・」の一言すませたペラ作りですが、今回は少々詳しく。

 型どりした材をまず卓上糸鋸で切り出します。4枚ペラですから2枚必要です。
 側面のピッチの線を型紙を使って書いていきます。お手伝いはY、ヤソゾー氏。しっかり押さえとってね。
 この線に沿ってカッターで荒削りしていきます。

 すごく順調そうにみえると思いますが、実のところ、夜はちびりちびりとやりながらの作業。「あっ!」と言う声とともにカッターの刃が線に食い込んで2本ほどお釈迦にしてしまいました。再度、切り出しからやり直し。
 荒削りのあとは粗めのサンドペーパーで整形していきます。

 これは自作の新兵器。台所のもう古くなったお玉を頂戴してきて、これにサンドペーパーを両面テープで貼ったもの。ペラの裏側の凹面を成形するものです。
 このあと両端を0.5インチずつ詰めて、だいたい成形できたものを今度は大まかなバランスを取りながらサンドペーパーで磨き上げていきます。



 中央部を相互に切り欠いて合わせます。表面の仕上げはエポキシ。いったん全体を処理してから、さらにエポキシの塗り加減でバランスを取っていきます。

 今、全国でペラを自作する人なんていったい何人いるんでしょうか。でも逆ピッチの4枚ペラ、ないものは作るしかないです。

■さあ、あとひとふんばり
 ノーズギヤとメインギヤを作成。ノーズギヤは3mm、メインギヤは3.5mmのピアノ線で、タイヤはMK軽量ホイル、ノーズにφ60mm、メインはφ55mmを装着予定。

 装着位置はT号機よりノーズは100mm、メインは180mm前方にしてあります。
 スタンチューブを固定。上部駆動軸の潤滑はモリブデングリス。
 エンジンフレームにエンジン(SAITO FA-50)を搭載し、下部駆動系も取り付けます。下部の駆動軸の軸受けは廃油を引き込んで潤滑。
 メカボックスに受信機、バッテリー、サーボを詰め込み、ラダー(前輪)及びエンコンのリンケージをし、燃料タンクを取り付けます。
 エンジン前方には待機時のオーバーヒート防止用の電動ファンを取り付けました。飛んでる時には少しは推力の足しになるかも。
 装飾のやぐらを取り付け、胴体部もこれでほぼ完成です。

 エンジンフレームはこの段階ではまだ仮付け。プーリーの位置を変えることによって、フレームごとエンジンの位置が変更できますので、翼を取り付けて重心位置を確認してから固定します。このあと、滑走実験の具合によっては、さらに調整が必要かもしれません。

 



玉虫型U号機、完成しました。



 機体はなんとか形になりました。あとは送風機による舵の効き具合の確認、駆動系の実験、走行滑走実験をしてから本番飛行の予定です。ここまで来たら、壊さないように慎重に事を運ばなければ・・・