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最激戦区(AFC東地区)
マイアミ・ドルフィンズは、“最後”のスターQBマリーノと人気のジョンソン・コーチがスーパーボウル出場に賭ける最後の年。チームのムードは上々だが、「堅守&ボールコントロール攻撃」のジョンソン哲学をささえるエースRBがいない。定評ある選手発掘力で今年の新人RBがものになれば、直弟子ウオンシュテッド(前ベアーズ・ヘッド)をアシスタント・ヘッドコーチに、トニー・マーチン(前ファルコンズ)をエースWRに獲得したのが生きてくる。苦手のエルウエイが引退したブロンコズとの開幕戦が今季を占う一戦。
プロ入り15年にして、サイズを克服してNFLトップ級になったQBフルーティ、ロングパス(20ヤード以上のレシーブが22回はリーグ1位)のWRモールドの活躍で、昨年度のシンデレラとなったバッファロー・ビルズだが、連続プレーオフは可能。プレーオフの本拠開催権を獲得すれば、AFC選手権に一歩近づく。
ニューヨーク・ジェッツも名将パーセルズがプロ生活の集大成として、直弟子門下生を集めて最後の挑戦をする。QBテスタヴァーディが昨年並の活躍をすれば、判断力と規律のあるチームなだけにプレーオフ出場はかたい。
ニューイングランド・ペイトリオッツは危機。攻守ライン、RB陣が平均以下で、昨年のように主力が負傷(QBブッレドソー、WRグレン、TEコーツ)すれば、一気に転落もある。
次代のヒーローといわれる二世QBペイトン・マニングは、プロ入り1年目終盤には確実に進歩した。これで、マリーノ、フルーティー(またはジョンソン)、テスタヴァーディ、ブレッドソー、マニングとAFC東部は好QBのショーケースとなった。ただし、インディアナポリス・コルツには問題山積で下位からの脱出は、来年以降だろう。
ジャガーズの一人舞台(AFC中部)
リーグ加盟以来3年連続のプレーオフ出場で、新勢力のトップに立ったジャクソンヴィル・ジャガーズ。QBブルネル、RBテイラー、WRスミスとマッカーデル、OTボセリ、シアシーと攻撃は一流選手が並び、不安だった守備にSレイク、DTウオーカーを補強、キッキングは定評がある。日程もソフト、地区はレベルダウン、苦手エルウエイ引退と、今季はチャンス?
今年こそプレーオフ出場を果たすであろうテネシー・タイタンズの鍵を握るのは、フィッシャー・コーチ。保守的すぎる攻撃でチャンスを逃がした、過去3年(連続8勝8敗)から脱するのはQBマクネアの活用次第。新築のイーストバンク・スタジアムが新本拠となる。
不安定なQBスチュアートに象徴されるピッツバーグ・スティーラーズの不振、カウワー・コーチにとっては92年就任以来初めてプレーオフを逸した98年だった。定評の守備はまずまずだが、リーグ25位まで転落した攻撃を新攻撃コーディネーターのギルブライトがどこまで立て直せるか。
チームのアイデンティティを求めて低迷していたボルティモア・レイヴンズは、今季からヴァキングズの攻撃コーディネーターだった(ブラウンズにほぼ就任が決まっていた)ブライアン・ビリックをコーチに獲得、方向が出た。黒板よりコンピューターで戦術を操る新世代コーチのビリックは、QBスコット・ミッチェルにウエストコースト攻撃を指導中。
90年代勝率がリーグ最低の、シンシナティ・ベンガルズの積年の課題はスタートQB、今年は新人エイキリ・スミスを獲得してブレイクと併用、オドネルとジャスティンを放出した。00年まで契約のあるコスレット・コーチだが、昨年同様3勝だとツライ。
99年復活加盟のクリーヴランド・ブラウンズは、長期計画で魅力ある攻撃型チームの育成を計る。00年のエクスパンション・ドラフトで底辺作りが完成する。
QB探し(AFC西地区)
史上初のスーパーボウル3連覇を狙うデンヴァー・ブロンコズは、リーグ3位の攻撃からQBエルウエイが引退、11位の守備からSアットウォーターが報酬キャップで抜けた。しかし、優秀なシャナハン・コーチとスタッフの対策は完璧だろう。QBは中の上のブリスターが埋めるが、シャナハン好みの2年目のグリーシー(弱肩)登場もある。チームの核はリーグを代表するRBテレル・デーヴィス、過剰負担(98年度392回キャリーはリーグ史上最多)はスミス(カウボーイズ)の例から調整が必要だろう。CBデール・カーターをとったが、2年目Sエリック・ブラウンの進歩がスーパーへの鍵となるかもしれない。
適任コーチを獲得して、やっとシアトル・シーホークスがプレーオフに進出する(はずだ)。パッカーズからスタッフを引き連れて、念願のザーコーチ(全権コーチ)となったホルムグレンは、ムーンを解雇してスタートQBにキンタを起用する。モンタナ、ファーヴ等超一流を育てた手腕は定評がある。RBワタース、WRギャラウエー、OTバラード、DEシンクレア、LBブラウン等タレントは十分。
負傷と連帯感欠落からチームが崩壊したカンザスシティ・チーフスは、ショッテンハイマーが(限界を感じて?)引退、守備のカニンガムが新コーチに就任、心機一転を計る。Gゾット、DTマクグロックトンが負傷から回復、DTダン・ウイリアムス(契約保留)が復帰。鍵を握るのは負傷から復帰のQBガーバック、控えはムーンとT・コリンズ。RBモーリスのランとショットガン攻撃で(ウエストコースト攻撃から)より積極的な攻撃を展開する予定というが、時間が必要だろう。
一時の精悍さを失い、ただの暴れん坊となったオークランド・レイダースだが、2年目となるグルーデン・コーチは着実な再建策を実施中。判断力と動きをかった新QBギャノンのウエストコースト攻撃に期待するところは大きい。シーズン前半に厳しい日程がある。
サンディエゴ・チャージャーズは、この4年間で4人目となるコーチとして、オレゴン州立大のマイク・ライリーを獲得したが、昨年の6勝を越えるのは難しい。2年目の“大型新人”リーフがプロとして伸び悩み(負傷もあって)、獲得したハーボーがスタートQBとなる。リーグ1位となった守備だが、中核のDEフラーが引退、コールマンがFA移動と戦力ダウン。
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21世紀に向うカージナルズ(東地区)
DTレット(薬物違反)とCBサンダース(踵手術)が復帰すれば、ダラス・カウボーイズのNFC選手権出場、あるいはその先も可能性がある。就任2年目のゲイリー・コーチ兼攻撃コーディネーターの実務的なスタイルは選手の信頼を集めた。QBエイクマンの新戦術の理解は高い。薄かったWR陣にイスマイルを補強、持ち直したRBエミット・スミス(29歳)とワレンの2人RB制もまずまず。キッキングも良く、守備ラインの向上があれば、思わぬ躍進も。
51年ぶりにプレーオフ勝利(対カウボーイズ)をあげたアリゾナ・カージナルズは、さらにステップアップする好機。トーヴィン・コーチのドラフトを核とする堅実な再建計画は実を結びつつある。次代を背負うQBプラマーは、プロ入り26試合にして8試合を4Q逆転に結びつけ、モンタナ2世のニックネームがついた(そのモンタナですら同時期の逆転は3試合、エルウエイは4、マリーノは2にすぎない)。課題は守備、右膝負傷から復帰するDTスワンが健在ならチームに芯が通る。
3年目を迎えたファッセル・コーチだが、結局ニューヨーク・ジャイアンツをレヴェルアップしたのだろうか。97年は弱い対戦相手の日程に恵まれ、ターンオーヴァー・プラス25(幸運もある)の攻守で10勝で地区優勝、98年は逆に強豪相手の日程と主力守備選手の負傷に泣き8勝に終わった。今年はソフトな日程、地区レベルもほどほどである。QBグラハムの控えに問題児K・コリンズを獲得したのは大胆な構想。守備の生命線であるバックには、CBシホーンが負傷から復帰する。昨年は合計19回のインターセプトのうち18回は勝利試合(8試合)で記録した。
パッカーズのQBコーチだったアンディー・リードはフィラデルフィア・イーグルズを復活させられるだろうか。(契約の大幅な遅れもあるが)大物新人QBマクナブの初年度は修行ときめ、パッカーズから連れてきたペダーソンをスタートさせる。ただし、攻撃がリーグ最下位では観客を失う。昨年の攻撃TD数は17で、NFL平均34・6の半分以下、トップのファーティナイナーズ(60)のほぼ4分の1だった。
ワシントン・レッドスキンズは複雑だ。オフに8百万ドルで売却されたが、新オーナーは若い(34歳)スナイダー、本来なら6年連続プレーオフを逸したスタッフは総入れ替えだろうが、買収承認が5月にずれ、結局時間切れでスタッフは留任となった。積極的に現場に口を出す新オーナーで一波乱ありそう。期待されるQBブラッド・ジョンソンは知性と精密なコントロールを持つが動きが不安。攻撃ライン、WRも人材不足である。
過去・現在・未来(中地区)
予期せぬ名手Kアンダーソンのミスでスーパーボウルを逸したミネソタ・ヴァイキングスだが、傑出したタレント集団であることに変わりない。NFL記録となったシーズン556点を支えるのは、今年もカニンガム。98年のセンセーショナルーWRモス、カーター、リード(昨年は負傷に悩んだ)に投げわけるパス攻撃は破壊力抜群、負傷の少なかったRBスミスが昨年並の活躍をすれば、12勝はかたい。あとは、グリーン・コーチのチャンピオン・コーチとしての適性にかかる。
優秀なコーチが若手を理想の形にまとめると、タンパベイ・バッカニアーズになる。97年プレーオフ出場から、昨年はパッシング攻撃の不振から8勝にダウンしてファンを悲しませた。期待されたQBディルファーが成功率52・4%と大不振。ダンジー・コーチは得意の守備から始め、キッキング、ラッシングと適確にレヴェルアップさせ、残った勝者の条件はパスのみ。好感の持てるチームの雰囲気に、勝者の哲学を織り込み時期だろう。
ホルムグレンが去り、同じくフォーティナイナーズ育ちのローズがコーチについたグリンベイ・パッカーズ。両者の違いは、ローズが積極的に選手と話し、激しいパッド付の練習を重視することだろう。昨年リーグ5位の攻撃、4位の守備と記録的には安定している。実力リーグ一のQBファーヴが核だが、攻撃ではラインとWR、守備ではセカンダリー、そしてキッキングで層が薄くなった。あとはケメストリーの問題。
名RBであるバリー・サンダースが全てを投げ捨てて引退した。真面目な彼からフットボールへの誇りを奪い去る、ネガティヴな雰囲気がデトロイト・ライオンズに充満していた。フォンテが残した自由な風潮と、ボビー・ロス・ヘッドコーチが持ち込んだ規律遵守とがぶつかって大きな亀裂が生じた。激怒したロスがシーズン中に「報酬だけのためにプレーする」と一部の選手を非難して、対立が激化した。どうなるのか。
ついにウォンシュテッドを解雇したシカゴ・ベアーズが、2年連続4勝から立ち直るのは時間が必要だろう。前ジャガーズ攻撃コーディネーターのジャウロンが、負傷にとりつかれた(?)クレイマーと組んでリーグ21位の攻撃改造に取り組むが、選手にポジティヴ精神を植え込むのが先決だろう。
ウイン・ワン・フォーXX(西地区)
リーヴス・コーチの勝者哲学が集大成された、アトランタ・ファルコンズはほんものである。キーワードは規律。激しく守り、堅実に攻め、そして相手が自滅する。昨年のターンオーヴァーレシオ・プラス20はファルコンズ勝者の象徴であろう。RBアンダーソンのパワーと信頼感は一流、QBチャンドラーの独特の勝負勘、6TDを稼いだ守備とマニア好み見所たっぷり。守備セカンダリーは人材不足。今年は日程が厳しく、昨年並14勝は難しい。今年度のスーパーボウルはアトランタ開催である。
11月になると、QBヤングは38歳、WRライスは37歳となる。守備の核であるSマクドナルドは34歳、ハンクスも31歳、キーポジションに高齢化が押し寄せ、サンフランシスコ・フォーティナイナーズのひとつのピークが終わり告げる時期に近づいて来た。ただし、タレントは豊富で今年もスーパーボウルは射程距離、マリウチ・コーチが“シャナハン”になれれば、ヤングが“エルウエイ”になる。
カロライナ・パンサーズは新コーチにシーファートを迎えた。スーパーボウル優勝2回の名将に選手の期待も大きい。シーファートはクールである。賢く指導して、スマートに勝利する。固く守り、大胆に攻めるのが、シーファートの魅力。ゲームでの辣腕を育成でも発揮できるか、興味深い。わずか4勝、攻撃20位、守備30位、人材不足と底辺からの出発だが、大化けさせる実力はある。
“ハードボイルド”ディトカ・コーチがこれでスーパーボウルと叫んだのは、大物新人RBリッキー・ウイリアムズに、ベアーズ時代のペイトンに姿をダブらせたからだろう。ニューオリンズ・セインツに就任して2年目だが、(期待選手を負傷で欠きながら)連続6勝は、実力以上でディトカ効果が大きい。穴はいたるところにあるが、ジョンソン・グローヴァーのいる守備ラインは安定している。
過酷な練習だけが話題のヴァミール・コーチも99年で3シーズン目、勝負の年。セントルイス・ラムズは大物RBフォーク(コルツ)を獲得、不安定なバンクスを放出してレッドスキンズから獲得したグリーンを正QBに据えた。エースWRブルースに負傷なく、OTペースを核に攻撃ラインがまとまれば、10年連続負け越しは防げるが。
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