研究発表
『徳利長屋の怪』感想

 さあ、江戸城が消える期待の後編です。
 とりあえず、感想を書いてみました。今回は大分ざくざくっと書いております。本気で読み直しながら書くと更新遅くなりそうだし。
 ネタバレは反転にしました。読みたい人はやめといてね。




 ネットでみかける他の人の感想にも多いですが、『怪盗九印』の方が完成度としては高いと思います。伏線のひきかたとか好きだな。はやみねかおるの良さが出ている。ってより、多分この犯人が好きなので好感高いのかも(笑)

 一方、番外編はかなりがっかりー。凧を使ったという発想は面白いけれど、これ、猫を大量虐殺しなくちゃかけない話ではないんじゃないかなあ。他の作家にはこんなこと別に要求しないけれど、本格「児童」推理文学作家はやみねかおるの作品としてはちょっと許容できない。

 江戸城消失、大筋としては面白かった。森ファン的に興味深い(詳しくは下で)。ただちょっと文章が荒いなー。この辺は、時間がなかった様子をwebで知っていると複雑なものもあります(^_^;それでも、解決編を中心にもっと盛り上げてほしかったな。慌ただしくてもったいない。
 あと今回は、「ええ話やなあ」感がラストではなく各話全体に広がっちゃってる分、最後まで読んだ余韻が少し乏しいように思えました。
 それから、児童文学としてはですね、歴史上の人物は伏せた方が良かったんじゃないかと思います。
 教科書でエピソードを知って、「…夢水シリーズに出てきた梅太郎だ!」って思った方が感動すると思いません?でもってもっと幼い層は、混同しないかちょっと心配。テストに夢水の名前書いちゃったりしないだろうか。そういう子どもは個人的には可愛いですが、何も知らない先生はただ怒るだけだろうしなあ。って余計な心配か。

 森ファン的にというのは(以下ちょっとネタバレ)とあるトリックが某森作品に似ているという話ではありません。念のため。森博嗣的「ミスリーディング」が日記で語られていたのが話題になったばかりなので興味深かったのです。はやみねさんが森作品からこの手法を取り入れたかはわかりませんが、もしそうだとしたら「作品で生かされていて」面白かったからチャレンジしたくなったんじゃないかなあ。全然勝手な想像ですが。

 ともあれ大江戸編、また読みたいです。江戸城消失含め、この時代を舞台にしたからこそやっちゃえた感じがしますし。はやみね作品って、こういう大胆なトリックも長所だと思うんですよ。実現出来る出来ないはまあ、いいじゃん。ということで平安編もいつか読んでみたいです。そろそろ日常夢水が恋しいってのもありますけどね。