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【らんま1/2】台詞お題30より |
| ■02「お前俺に惚れてるだろ。」→「あんたってあたしのこと好きなんでしょ?」(性別と語尾を修正) |
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突然降って湧いた縁談話。 「好きなのを選んでくれたまえ」 意気揚揚と同い年くらいの名も知らぬ少年に言ったお父さんの台詞が信じられなくて、あたしは呆然と座り込んでいた。 ちゃっかりしているうちの姉達は、その縁談話をよりにもよって一番下のあたしに押し付けてきた。 「あかねに決まりね」 「幸い乱馬くんは半分女だし」 なんなのよ。それ。 ・・・ま。仕方ないといえば仕方ないのかな。 かすみお姉ちゃんは年下の相手が嫌だって言うし、それに、おっとりしてても今では我が家のお母さん役に徹してくれているし。 なびきお姉ちゃんは身勝手なところがあっても、結局我が家の生計を立てる上では不可欠な役割を担っているし(自分の取り分はしっかりしているとはいえ、ね)。 かく言うあたしだって、天道道場の娘として唯一武道家として日々鍛錬を怠らない重要な役割を持っている、とは思っているんだけど。 結局それっていますぐ必要ってわけじゃないのよね。食事とお金には負けちゃうし。 だからね、その「許婚」ってやつも、私の一つの役割だって思うことにしたの。 あーあ。三女って損だわ。役割先に取られちゃった後じゃ、どうしようもないもの。 *−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−* 「そんなこと思ってたのかよ」 呆れたように乱馬があかねを見下ろしている。 突拍子もなく現れたあたしの許婚は、あたしのこれまでの生活をいっぺんにひっくり返してしまった。 あたしの長年の片思いに終止符を打たせたかと思えば、押しかけ女房になりたがる中国娘や、次なる許婚が目の前に現れて。 あたしの心をじわじわと占領してく。 「そうよ。役割、って思えば深刻にならずに済むもの」 「けっ」 乱馬はさも面白くなさそうに吐き捨てると、フェンスから飛び降りた。 「だって許婚なんて言われたって、ぴんと来ないもの。現実味がないっていうか。だったら役割以上の何物でもないじゃない?今はあんたの許婚の役割があたしってだけ」 「・・・」 珍しく乱馬はあたしの隣を歩いている。いつもはフェンスの上を飄々と歩いていくというのに。 「だって、先のことなんて、わからないじゃない?」 乱馬はまだ黙り込んでいる。隣を歩く肩越しに不機嫌そうな顔がちらちらと覗く。 そんな乱馬の不機嫌そうな顔を見て、あたしはなんとなく笑いを堪えてる。 どうしてだろう?どうして、あたしはこんなことを言っているのかしら・・? 「でもさ、分からないから楽しみよね?」 「え?」 乱馬がふっと気が抜けたようにあたしを見る。何を言うのかと、きょとんと目を丸くしている。 「だってさ。”あんたってあたしのこと好きなんでしょ?”なんて言う日が来るかもしれないじゃない?」 おどけるように笑うあたし。 乱馬はというと、あたしの台詞になぜだか耳まで真っ赤になっちゃって。 「あるか馬鹿!」 いきなりそう怒鳴りつけると、逃げるようにフェンスの上に飛び移り、すてててっと先に家路を走っていってしまった。 「やぁねー。そんなことあるわけないのにねーっ!」 あたしは逆上した乱馬の顔が可笑しくて、一人でくすくすと笑いながらゆっくり家路を歩いていった。 ――そう遠くない未来に、本当にそんな台詞を吐くとは微塵も思わずに。 ■END |