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【らんま1/2】台詞お題30より |
| ■「なんか面白いこと無い?」→「なんか面白いことないのかなぁー」 |
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掲載日[2008/7/24] 庭のくちなしの花がしおれ始めたのを見つけて、あかねは少し寂しい気持ちになった。季節がこれから夏へと移り変わる今、ただそのときのためだけに花開きしおれていく。花の命は短いとはよく言ったものだ。 それでもくちなしの花は白く輝かんばかりに花開いていた。そこには甘い匂いが立ち込めていて、そこを通るたびに鼻から吸い込み何度も空気の色を楽しんだ。しかしその今年の期間もどうやら終わりのようだ。 「残念。また来年ね」 あかねは言いながら、しおれかけた白い花をそっと撫でた。 「なにしてんだ?」 ひょいと現れたのは乱馬だった。あかねは振り返って乱馬の姿を確かめてから、さびしそうに笑った。 「くちなし、今年はもう終わりみたい」 「そうか」 名前は聞いたことがあったのだろう、乱馬は花に近づいてしげしげと見つめた。あかねはそんな乱馬を見て、くちなしの花に視線を戻す。 「きれいな白だな。しおれかかっちゃいるが」 「うん、真っ白い花。勢いのある白よね。白って結構なんにでも染まりそうな感じだけど、この白は全部を吸収してしまっても白くいられるような強い感じがするの」 あかねはその強さに惹かれるのか、その手で花を撫で続けていた。 「花言葉、知ってるか?」 唐突に乱馬がそう言ったので、あかねはきょとんと目を見開いた。 「花言葉、って言葉をあんたが知ってたことに驚くわ」 あかねはたっぷり驚いた後、やっとのようにそういう。乱馬はあかねが言ったことにそれほど憤慨もせず、淡々とその理由を言った。 「お前、そういう本持ってただろ?本棚にあったのを見たことある」 ああ、とあかねは思い出す。確かずいぶん前に興味を持って買ったことをあかね自身も忘れていた。 「くちなしの花言葉、調べてみようぜ」 乱馬はそういってあかねの手をとった。さびしそうだったあかねを見て、乱馬なりの励まし方だったのかもしれない、と思うとあかねは嬉しくなって、乱馬に手を引かれるまま母屋に戻った。 本棚には確かに花言葉の本があった。1ページずつ花の写真と簡単な花の解説、花言葉、誕生花の場合には月数などが書かれている。何か一つの花が気になってつい買ってしまったものだったろう、手垢も皺もないきれいな装丁のままの本だった。 「くちなし、くちなしっと、これだ」 乱馬は本を開いてそのページを二人の間においた。今時期はい草のカーペットを敷いているので涼しくて心地よい。その上に本を置き、二人は覗き込むように本を見つめた。 「お、アカネ科ってあるぜ。花の種別にもアカネってあるんだな。空の色ばかりじゃなくって」 「ほんとだ。あたしぜんぜん知らなかった。かすみおねーちゃんなら知ってたかな」 ふたりして本を覗き込みながら言う。写真の中ではまだもみずみずしく花開くクチナシを見て、あかねは少し気持ちが安らぐような気がした。写真の中では永遠なんだな、と思う。 「天国に咲くといわれているこの花は邪悪なものを追い払うといわれています、とさ。さっき言ってた染まらない白の話といい、あの花はやっぱり誰にでもそう思わせる強さがあるんだろうな」 乱馬は言いながら、あかねに顔を向けて笑う。あかねはそんな乱馬の飾り気のない笑顔が好きだった。いつでもその笑顔はあたしを幸せな気持ちにしてくれる、あかねは乱馬こそが朱にまじわらない強い存在だとも思う。 「私は幸せです」 あかねが花言葉を見つけて声に出すと、乱馬がはっとしたようにあかねを見た。あっと思い、あかねは慌てて乱馬に弁明する。 「は、花言葉、花言葉よ」 「あ、そうか。なんだ、びっくりした」 乱馬が少し引きつった笑いを残したので、あかねはちょっと胸の奥がちくりとした。 −私は、幸せです。 −それは、いつもは忘れそうになってるけど大事な気持ち。 花はしゃべらない。花は言葉を解さない。それなのに花言葉なんてものが何故存在するのか。 もしその問いに答えるとすれば、こういう大切な言葉や気持ちを思い出したり、気づいたりするためなんじゃないか、そんな言葉や気持ちをおろそかにしないためではないのか。あかねはそう思う。 だから。 「乱馬」 「なんだよ…」 あかねは乱馬の顔を覗き込みながら、笑ってみせる。 −伝えなきゃ伝わらない。 「あたしの気持ちも、同じよ」 「へ?」 呆けたようにあかねを見つめる乱馬に、あかねは肩をすくめ小首をかしげた。そして、乱馬が好きな極上の笑顔。 「あたしは幸せです、よ」 あかねがそう言って笑うと、乱馬は少し顔を赤らめてからごまかすようにふんぞり返ると、腕を組みながら、ったりめーだ、と言った。 「俺が夫なんだからな」 「よく言うわ」 あかねが笑いながら、立ち上がる。 「さ、そろそろ来るんじゃない?約束の日は今日でしょう?」 「そうだな」 乱馬は立ち上がると、またあかねの手を握り締める。あかねはそれに気づいて、乱馬を見上げた。 「やけに今日は手を握るのね。どうしたの?」 特にそのことを責める風もなく、あかねは何気なく聞いてみると、乱馬はにっと笑って見せた。 「しばらく二人っきりになれねぇからよ」 「……甘ったれ」 あかねは笑いながら納得すると、二人並んで階段を下りていく。いつもとは違う乱馬の一面が嬉しくこそばゆい。それでも照れた顔を見せたくなくて、あかねは乱馬の一段後ろを追うように歩いて下りていた。 そのとき、その階段の先にある玄関の戸ががららっと勢いよく開いて、開いた戸の間からは小さな子供たちが二人、声を上げながら入ってきたのだった。 「こんにちはー!あ!おじーちゃんとおばーちゃん、手をつないでるっ!」 「ほんとだっ!うわー今日は仲良しなんだねっ!よかったー!」 二人の小さな子供たちは乱馬とあかねを見るなりそう言って、乱馬とあかねのそばに走り寄った。あかねがぱっと乱馬から手を離す。 「蓮馬(れんま)!久しぶりだな」 「ひよりちゃんも、よく来たわね」 乱馬は二人を腕に抱え、あかねが隣からひよりに声をかける。この子らは幼稚園にも満たないやんちゃ坊主と姫なのだった。そして二人の血を引く直系の孫、になる。 玄関にはもう一組の男女が階段に立つ乱馬とあかねを見上げていた。慌てたように女が頭を下げる。 「お義父さん、お義母さん、ごぶさたしてます」 「元気か?ふたりとも」 言葉尻のはきはきした発音は父親譲りか、息子の蒼馬だった。となりの女性は蒼馬の妻のさよりだ。 「よくきたわね。暑かったでしょう、さああがって。お茶にしましょうね」 あかねは階段を下り切って二人を出迎えると、二人を居間に通した。 階段に残っていた乱馬も居間に向かおうとしたそのとき、蓮馬が乱馬をぱっと見上げると突然声を張り上げたのだった。 「聞いてよじーちゃん!とーちゃん夏休みなのにどこにも連れてってくれないんだ!」 「そーよそーよ!なんか面白いことないのかなぁーもう!」 ひよりも兄の尻馬にのって抗議をするが、乱馬はにんまりと笑うと二人を抱きしめて言った。 「お前ら、ちゃんと面白いもの探したか?ほんとは面白いことなんてそこらじゅうにいっぱいあるんだぞ!」 乱馬はそういうと、先ほど孫に見つかって慌てて手を離したあかねの顔を思い出す。 あかねは恥ずかしそうに赤らめ、乱馬を少し目で睨み付けたのだった。睨みつけたとはいっても、怒りのある目ではなくどちらかと言えば恥ずかしくて窘めるような目だったので、逆に可愛く思えたくらいだった。 乱馬は人知れずそれを思い出し嬉しそうに顔を緩ませた。 嬉しそうに笑う若い祖父を、二人の子供たちは不思議そうに見上げていた。 ■END
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◇◇◇◇個人的な設定。◇◇◇◇ 蒼馬は顔はあかね似。両親が騒がしいので反面教師(?)でお穏やかな人。武道の心得はあるが道場は継がず。 蒼馬の奥さんは来菅(きすが)さより。静かな人。いい家柄の人。親が華道の家元。蒼馬は婿養子。 蓮馬は乱馬そっくり。隔世遺伝主張。道場を継ぐ気まんまん。自信過剰タイプ。4才。 ひよりは内弁慶。外ではおとなしく、うちでは騒がしいタイプ。武道の才がある。顔はのどか似。3才。 蓮馬の「蓮」は植物の「はす」が天上の花なので、「空に関する名称(天道家)」+「馬(早乙女家)」を継いでいる。 ひよりは小春日和とかの日和から。「空に関する名称&ひらがな」(天道家)を継いでいる。 乱馬とあかねの関係が甘いのは新婚〜蒼馬1才くらいまで。その後、蒼馬が独立して出て行くと甘モード再開。 設定考えてる方が楽しい罠。 |