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【らんま1/2】台詞お題30より |
| ■「そういう恥ずかしいこと言うなよな。」→「そーいう恥ずかしいことを平気で言うなよな…」 |
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掲載日[2008/8/26] −こんなときに、こんなときなのに。あたしは何もできない。 「ごめんね、乱馬」 乱馬の服をぎゅっと握り締めて、あかねは言う。乱馬がそんなあかねを見下ろした。 「なに、お前弱気になってんの?」 「まさか!」 きっと顔を上げたあかねは、誰よりも凛々しくて少しも動揺した様子はない。普段は泣き虫だというのに、こういう正念場ではあかねは絶対に音を上げない性格だった。 「あたし何もできないけど」 あかねの顔は不安や恐れを微塵も感じさせなかった。真剣な表情で乱馬を見上げる表情は、相手に対する絶大なる信頼と尊敬の眼差し。 「乱馬から絶対離れない」 あかねはじっと乱馬を見上げてまるで誓いの言葉のようにそう言った。乱馬の体がぎしりと音を立てるほど硬直する。 「お前は……、そーいう恥ずかしいことを平気で言うなよな…」 乱馬が頭から煙を吹く勢いで顔を赤くする。あかねはそれでも真剣な表情のまま乱馬の服を握り締めたまま、不安そうに乱馬を見上げた。 「やっぱり、それだけじゃだめかな…」 ぎゅっと服を握ったまま、あかねが肩を落としそうになる寸前、乱馬がぐっとあかねの肩を抱くように握り締めた。あかねがはっとして乱馬を見上げると、乱馬の目はすでに敵を見定めようと鋭い目つきになっていた。手に持った獲物をいつでも敵に向けられるように握り締めている。 「ばーか」 「え」 きょとんとしたまま、あかねが聞き返す。乱馬はもう一度あかねの肩を握り締めて力づけるようにぐっと気合を入れた。 「それなら、百人力」 「乱…!」 あかねが嬉しそうに声を上げそうになるのを、しっと乱馬が遮った。敵がすぐそばにいるようだ。 「絶対離れるなよ、あかね…さん、に、いち」 「「ゼロ!」」 普段いがみ合うふたりでも、一旦協力しさえすればもはや誰が太刀打ちできるものではなかった。その引き金がが「勝負」となればなおさら二人の絆は強くなる。 飛び出した二人の前に現れたのは、玄馬と早雲の組だった。あっと二人が声をあげる前に、乱馬は手にした獲物を玄馬にぶしーっと当ててやる。水だ。まごうかたなきただの水。しかし水を掛けられた玄馬が瞬時にパンダに変化する。 乱馬が得意げにふっと息を吹きかけたのは、持っていた獲物、煙が出るはずもない水鉄砲だった。 「親父、ヤキが回ったな」 「ああっ早乙女くーん!」 がーん!という効果音が聞こえてきそうなほど、隣で早雲がパンダの玄馬を見て声を上げた。 「よし一丁あがり!次いくぞあかね!」 「うんっ!」 乱馬とあかねが仲良く早雲と玄馬を置いて走っていく。二人がせっかく仲が良いというのに、それにも気づかないほど父親たちは負けたショックに落ち込んでいた。 天道家早乙女家一家、そして猫飯店の面々は海に来ていた。一面の青い海と白い砂浜、といいたい所だが、海にはすでにくらげが発生していた。盆を過ぎたこの海ではしかたないが、せっかく海に来たのだから何かしたいと思案する。もともとは妖怪退治のために海への呼ばれたのだが、確かに数は多かったがたいした妖怪ではなく時間もさほどかからず退治が終わってしまったのだった。 「ねぇ、こういうゲームはどう?」 ただ海に入れない砂浜でとりあえず日差しと戯れてだらだら過ごしていた乱馬たちに、なびきが提案した。 「水鉄砲ゲーム」 「みずでっぽう〜?くだらねぇ」 乱馬は無下にそれを却下しようとしたが、あかねが興味ありげになびきに顔を向けた。 「どういうゲーム?」 「ほら、ここには水を被るとなんとやら、が4人もいるわけじゃない?」 そう、呪泉郷の呪いを受けた人間が乱馬、玄馬、シャンプー、ムースといる。 「正しくは5人」 乱馬が横で訂正する。あかねの腕に抱きしめている黒豚がその一名。しかし、正体が晒されることが前提のゲームでは参加できない。黒豚は乱馬の言葉に不機嫌に鼻を鳴らした。 「何怒ってんの?Pちゃん」 不思議そうにあかねが黒豚をみやる。 「でさ。二人一組になって水鉄砲で打ち合いするわけ。ルールはいたって簡単、ペアの呪いの発動が条件。つまり変身したら負けってことね。水鉄砲は一組に一つ。片方は的で片方は攻撃ってわけ」 「それはなかなか面白そうね!乱馬と私なら圧勝間違い無しね!」 さっきからいちゃついていたシャンプーが、更にごろごろと乱馬に懐く。それを横目に、あかねがむっとする。 「簡単に勝負が決まっちゃ面白くないでしょーが」 賭けにもならないし、となびきは心の中で反論する。 「厳正なるクジで組決めするのよ!」 結果、厳正かどうか怪しい結果となった。早雲玄馬チーム、乱馬あかねチーム、シャンプームースチーム、というわけだ。なびきとかすみは辞退、コロンも店の支度があるといって辞退したのだった。 「シャンプーとムースは両方とも変身しちゃうわよ。他のチームより余計に的があったら普通は不利よね」 あかねが気づいてそう言う。あかねは敵であろうとも、そういう公平さをきちんと質す性格なのだった。 「そうね、じゃあ二人は両方陥落がルールってことでいい?」 なびきがまとめると、他のみんなが手を上げた。 「異議なーし!」 参加者の満場一致でルールが確定した。そもそも勝負が決まった時点から、参加者全員が早く始めたくてしょうがないのだった。 「じゃー、位置について、よーい始め!」 「なげやりだなおい!」 文句を言いつつ全員が一瞬にして相手と間を取ると、一目散に駆けていった。とりあえず何もない砂浜では体力を消耗するだけなので、建屋や岩陰を目指したのだった。 「文句言ってた割にやる気満々じゃないの」 さー商売商売っとなびきは節をつけながら、人もまばらなな砂浜でなにやら怪しげな商売を始めるのだった。 「いってらっしゃーい」 かなり遅れたテンポで黒豚を抱きしめたかすみが全員を見送った。 しばらくのこう着状態が続いた。すべての組が物陰に身を潜め、相手の出方を待つ、という状態だった。 こういうときには動いた方が負けなのである。 根負けした早雲と玄馬はあたりに敵が居ないのだと勘違いをして場所を移動しようとでも考えたのだろう。そこを乱馬たちにしてやられたというわけである。 乱馬とあかねはこう着状態の間に作戦を決めていた。 あかねが握っていた水鉄砲を乱馬に託したのだった。的確な射撃と素早さは乱馬に勝てないと判断した。 あかねは自分で荷物になることを決めたのだった。 ただ、勝つために。 「やっぱあいつらとの一騎打ちか」 乱馬が神妙な顔で岩場を歩く。そのあとをあかねが続く。取り残された海の家の建屋にこれまで身を潜めていたが、辺りに気配が感じられなくなったので、二人は動き始めた。用心しつつすべての物陰をチェックしたが、すでに人はここには居ないようだった。 「二つの的が鍵ね」 あかねが静かにそういう。 「ま、言わずもがな一つは捨て駒にされるだろうけどな」 哀れではあるがムースのことだった。 最初、乱馬はムースを先に水を浴びせて単独でシャンプーがやってくることも考えたが、それはせっかくの安全帯を自らはずすようなものだと思いなおした。邪魔でも煩わしくとも、これは勝負だ。シャンプーだったらそれくらいの冷静な判断は造作もないことだろう。 「捨て駒か…」 あかねはそれを繰り返すように口にした。すぐに乱馬があかねを引っ張って岩場の陰に身を潜ませた。気配を感じたのだった。 あかねが乱馬を見上げると乱馬は無言で頷く。やはり敵が近いようだ。 相手もどうやら感づいている。しかし息遣いで分かる。近くに潜んでいる。 ぴんと張り詰めた空気が辺りを支配した。 絶対にこちらから動いてはダメだ、と乱馬は決めていた。あかねにも伝えてある。 これは先に動いたら負けの勝負だ、と。 そのとき、音もなく姿が現れた。潜んでいたそれほど背の高くない岩陰の真上にシャンプーの体がふわりと浮く。勢いよく水が飛んできたが、これは予想できたので二人はその水を避ける。あかねは乱馬と離れないように同じ方向に避けた。一瞬にしてシャンプーは別の岩陰に潜んだ。すでにその体は見えない。 「離れるな」 「わかってる」 阿吽(あうん)の呼吸で二人は合言葉を繰り返す。 次の攻撃は絶対に両方から来ると分かっていた。水鉄砲が連射できないことが一つのネック。しかし勝機はある。 乱馬もあかねもまだ諦めてはいなかった。 背後から気配。ムースだ。手には水鉄砲があった。乱馬の背中を狙ったが、辛うじて岩陰に素早く体を沈めた。 すぐに乱馬が水を発射。ムースがアヒルに変身する寸前、水鉄砲を高く放り投げた。 空中でムースの水鉄砲をシャンプーが掴み、そのまま流れるような素早さで乱馬に狙い定めた。 乱馬の水鉄砲はまだ水が装填―つまりトリガーが戻っていない。タイミングが悪すぎる。 「乱馬覚悟!」 「させない!」 あかねが瞬間前に出た。乱馬に当たるはずだった水が、あかねの服に跳ねる。一瞬のタイミング。だが、乱馬の水鉄砲に水は装填されるには十分な時間だった。シャンプーの水鉄砲は逆にまだ水が装填されていない状態。 絶好のチャンスだった。 「終わりだ、シャンプー!」 「…っ!」 シャンプーの頭に水が掛かると、シャンプーが猫に変わった。終わった、と思ったが、シャンプーは乱馬に飛び掛ったまま空中で猫に変化した。そのまま、乱馬の頭にぺたりと猫になったシャンプーが被さる。 「ねねねねごーーーー!?」 「あっ!ちょっと乱馬っ!?そっちは…っ!」 悲鳴を上げながら乱馬は一直線に海に向かっていた。せっかく勝負には勝ったというのに、乱馬は女になっていた。 「猫やだ猫やだ猫やだーーっ!」 ばしばしとめちゃくちゃに泳ぎながら、最後乱馬は岩場に頭にぶつけていた。 ごぉんと鈍い音が鳴ったのが聞こえてきて、あかねははぁっとため息をついた。 「あら、結局引き分けなわけ」 いかにもつまらなそうになびきは鼻を鳴らした。 「俺が勝ったんだよっ!」 女になった乱馬がそう言ったが、結果が明白なはずのルールなのにこれではいまいち締りがない。 動物にされた者を除いて、証言を得られるのは早雲だけだ。同じチームのあかねでは証言の信憑性に欠ける。あかねが嘘をつくはずないのは明白だが、それは身内だからわかることであって、第三者(賭けの対象としている人たちには)には十分疑う余地のある位置なのでしょうがない。 「私たちは乱馬くんにやられたんだが、シャンプーたちの一戦は見てないのだよ」 こちらもまた証言にもならない証言だった。 「だから、俺が勝ったって言ってんだろ!」 「乱馬くん、勝負の勝ち負けはルールによって保たれるものでしょう。勝ち負けの明確なルールが発揮されない勝者なんてのがいたとして、あんたそいつのこと認める?」 なびきの筋の通った言い方に、乱馬はうっと言葉を無くす。 「あんたはサッカーで言うオウンゴールをしたのと同じ。自分で自分に水を被っちゃったんだから当然そういうことになるでしょ」 「ぐぐっ!」 乱馬は悔しそうになびきを睨み付けるが、もう一言も言い返すことができなかった。 「悔しいなら、リベンジ戦でもやる?」 「上等だ!ぜってー俺が一番だってわからせてやるぜ!」 ぎりぎり、と乱馬は拳を震わせながら、勝負相手でもないなびきに声を張り上げた。 やっぱりこうなったか、とあかねは事の次第を眺めてからかすみの方に顔を向けてみる。 かすみはいつも通りの穏やかな表情で見守っているのだった。 ■END
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■「ひぐらし」&「風雲たけし城」(20年前のテレビ番組)リスペクト作品 ひぐらしの水鉄砲ゲームは面白いけど勝敗が分かりにくいなーと思って。 たけし城みたいに頭にでも的をつけるか、と思ったんだけど。 (たけし軍団vs視聴者軍団が水鉄砲戦車で戦う場面。戦車の先には金魚すくいの輪っかがあってそれを破られると失格。) 見栄えが悪いから躊躇してたら、そういえば水!と思って変身体質を活用。 乱馬vsシャンプーは「スパイラル〜螺旋の絆〜(カノン編)」のラストっぽく。 もっと裏の裏の裏の裏を!みたいにしたかったなー。残念。さてコンプリートまで残り2つ! |