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「ローレル・・」 アンジェラはそう言ってから、ようやく頭を下げた。 「娘を・・ありがとう。それに私のことも」 「いいのよ。大したことなくてよかったわ。下でヴィクターって方もおろおろしてるから、早く顔出してあげるといいわ。」 ローレルを見て、アンジェラは頷いた。それから、部屋を改めて見回してみると、そこはデュランの家だった。アンジェラが見たことあると思うのも当然である。 「どうして・・ローレル、デュランの家に?」 「あ、誤解しないで。デュランの家しか私は頼るところを知らなかっただけ。城下の人とは私あまり知り合いがいないのよ。だからステラさんにお願いしたの。」 「ああ、そう・・ごめんなさい。わざわざ面倒なことさせて」 「そうでもないわ。私、あなたと話したかったから。」 ローレルは持ってきたお粥をお盆ごとアンジェラに手渡すと、目の前のもう一つのベッドに腰を下ろす。 「私も結婚したの、アンジェラ」 にこりと、微笑んでローレルはそう言った。アンジェラが意外そうに目を瞬かせてから、慌てておめでとう、と付け足した。 「でも、うちの人デュランとのことを疑ってるの。私がまだデュランを好きなんじゃないかって疑ってるの・・」 「パパを、好きだったの?」 エテュナが突然、口をはさんだ。アンジェラもローレルもエテュナがいたことをすっかり忘れていた。吃驚して、アンジェラはエテュナに声をかける。 「パパは人気者なのよ。フォルセナでは有名人なんだもの」 「フォルセナでもパパ有名なの?パパすごいねぇ」 アンジェラはエテュナの素直さにほっと胸をなで下ろした。エテュナには、下でご飯を食べさせてもらいなさい、と促し、エテュナを階下に行かせた。 「・・でも、その相手の人、ローレルを好きだったんでしょう?だから結婚したんでしょう?」 気を取り直して、アンジェラはローレルに声をかける。ローレルはそのはずだけど、と自信なさそうにそう言った。 「・・さしつかえなければ・・相手の人の名前、教えてくれないかしら?」 ローレルは言われて、はにかんだように微笑んだ。その表情を見てアンジェラは、本当にローレルがその人を思っていることが分かって、その誤解に苦しむローレルをかわいそうだと思った。 「ブルーザーよ。知ってるでしょう?多分、今回の剣術大会の決勝戦は、彼とデュランよ。」 |
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fin.