アンチエイジング(3)

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西 条 俊 生 / Shunsei Saijo WEB

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更新日 2009-08-07 | 作成日 2008-06-26

part_3  永遠の現在ー今、ここに。


 我々は、通常時間というものは直線的に流れていて過去、、現在、未来という時間軸に沿って生きていると思っている。昨日があって、今日があって、明日があるというふに。しかし、それは本当のことだろうか?
 真実なのだろうか?ある物理学者は、時間はあるのか無いのか証明したものは誰もいないといっている。
時間は人が作り出した概念で、それを形にしたものが時計だろう。春夏秋冬、朝から昼、昼から夜それを計測する便利な道具として時計はある。しかし本当は過去も未来もなく、我々は現在にしか生きていない。しかも「今、ここに」しか生きていない。ただ人は過去を記憶することはできるし、未来を想像することもできる。しかしそれはあくまでも今ここでの想いにすぎない。我々は常に現在を生きている。

 アンチエイジングの考え方からすると、この事は大変重要なポイントである。つまり人の「生=時間」をどう捉えるか?である。時間には客観的な時間と主観的な時間のふたつがある。客観的な時間とは、計測可能な時間つまり時計に象徴される共同意識によって定められたもの。それに対して主観的な時間とは、各個人が感じる内的時間だ。「えっ、もうこんな時間!」というあの感覚だ。楽しいことはあっという間に過ぎ、退屈な時間は長く感じる。だから主観的な時間は人によって異なる。例えば同じ24時間なのに一日が長く感じる人と短く感じる人のように。また同じ人でも、その日によって時間の長さが異なって感じるのは誰もが経験しているだろう。

 かつて私が足しげく通ったバリ島で、人々が良く使っていた言葉に「ジャムカレッド」というのがある。直訳するとジャムは時間でカレッドはゴムという意味である。つまり時間はゴムのように伸びたり縮んだりするということである。バリ人の生活は客観的な時間より主観的な時間によって行動しているので、ストレスがなく自然体でいる。しかしこと約束の時間ということになるとまったくらちがあかない。彼らにとって時間はゴムのように伸縮するので、時間を決めて会うことは難しい。まあ、二、三時間のズレは気にしてないようだ。
B6.jpg我々日本人も子供のころは一日が長く感じられ、大人になるにしたがい短くなっていくと、多くの人は時間の伸縮を感じているはずだ。それは子供の頃は一日中自分の時間であるのに対して、大人になればやるべき事や、責任を負うような仕事に時間が費やされるためではないかと思う。では引退した老人はどうか?
 老人もまた時間が早くすぎているように感じている。それは「死」を強く意識するため、残り少ない「生」の時間を惜しむためだろう・・・。老人はのんびりしているようで内心は意外とせっかちである。
さてアンチエージングにとって問題なのは、この個々がもつ主観的な時間感覚を社会の共通概念である客観的時間概念に自分を合わせすぎていることである。ところで主観的時間概念には二つの要素がある。
一つは動物としての時間で、いわゆるサーカディアンリズムといわれるものだ。朝が来れば目覚め、夜が来ればねむくなり、食事の時間がくれば自然と腹が空いてくる体内時計のことだ。今一つはその人独自の時間リズムだ。例えば、何事にもせっかちな人、その逆にスローモウな人といったぐあいに人にはそれぞれの生きるテンポがある。アンチエイジングにとって大切なのは、サーカディアンリズムは当然としてこの個々人のリズムだ。日本のサラリーマン社会においてしかたがないのかもしれないが、自分の時間すらも社会的時間のリズムに慣らされていないだろうか。それは常に時間を意識する生活、何時になったら食事をし、何時なったらTVを見て、何時になったら風呂に入り、何時になったら床に着く。明日は何時に人に会い、何時まで遊び何時には帰宅する。そうした計画時間主義は直線的な時間概念のなかにスッポリおさまり、個々のもつ内的な時間感覚を喪失させる。そのために自分本来の呼吸のリズムを忘れてしまい、知らないうちにストレスを溜めてしまっている。そして、直線的な時間概念は過去から未来へと人は老化していくものという意識を植えつける。世間一般では30歳、40歳は中年で、50歳、60歳は壮年で、70歳以上は老人ということになっている。
 実際は個々人によって老化の進みぐあいは随分と差があるのに、「もう歳だから・・・」「いい歳して」とか既成概念にとらわれアクティブな行動をすることを諦めてしまう。アンチエイジングは、まず常識的な時間概念から開放されなくてはならない。私は20代の頃から腕時計をしたことがない。それは時間にとらわれたくないと考えたからだ。
 それと時間に追い回されるもしたくない、それならむしろ時間を追いかけるような生き方をしたい。
これをするにはもっと時間がほしいといったぐあいに。時間は人が作った概念であり、観念だ。
我々は過去でも未来でもなく、「今、ここに」しか生きていない。その時間を早めるのも、ゆっくりさせるのもその人しだいである。時には社会的な時間の流れからはずれ、自然に親しみながら自分の時間を取り戻そう。
 ヨガ、瞑想、太極拳をするのもよいだろう。そしてふだんからゆっくり呼吸をすることを心がける。そして「今、ここに」を大切にして、過去、未来にとらわれず、年齢など気にせず、今したい事に集中する。または楽しむようにすれば、確実にアンチエイジングを実行することになるだろう。

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