2003年7月の開設者うらみ日記


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7月1日(火)
 一日だらだら10月刊行本のテキスト整理。いやだって眠いし。なんだってこんなに眠いのか今日は。東京ドームにも行かずとっとと帰る。

 なんとなく買った「AERA」、「沈黙系サバイバル」というトップ記事がなかなか面白かった、というか身につまされまくり。口下手・プレゼン下手・自己アピール下手がますます生きにくくなった世の中、無口な人々はいかにして社会で生きて行けばいいのかという特集。もちろん記事のほとんどは無口ビトさんたちの泣き言だが、最後に口下手な人への4つの処方箋を提示している。いわく

 「得意分野をもって組織に頼られる存在になる」
 「世代を越えた社内の友人を作る」
 「同僚の趣味に少しだけ興味をもち、共通の話題を探ってみる」
 「会議では最低一度発言する」

こうしてみれば社内での居心地がかなりよくなるらしい。けっこう的を射ていると思う。特に1番目。俺も(頼られているかどうかはともかく)得意分野だけでクビにならずにすんでるようなもんだし。ただの得意分野じゃなくて、「他人と違う得意分野」を持っていることは長生きの秘訣である。「左殺し」とか「バントの名手」とか。

 その次の対北朝鮮記事「核開発にどう対応するか」も、抑止核武装・先制攻撃・ミサイル防衛・経済制裁のいずれも、こと北朝鮮の核に対しては効果がないことを理論立てて説明した佳作。
 いわく、まず「核武装」は、北朝鮮以上に日本の核武装を怖れているアメリカまで敵に回すことになるし、そもそも抑止核は相手がマトモな判断力を持っていてこそ機能するものであって、北朝鮮にそこまで理性があるのかどうか。だいいち刺し違えるにしても、東京とピョンヤンではあまりに割が合わなさすぎる。「先制攻撃」も、隠蔽された自走式発射台を事前に発見するのはアメリカですら不可能(例:湾岸戦争。こないだのイラク征伐では事前に査察しまくったおかげでスカッドはそれほど脅威にならなかったけど)。ミサイルテロを止めるには空襲だけは足りず、発射地域全体を地上戦で制圧しなければならない(例:ナチスのV2)。「ミサイル防衛」のハイコストぶりと低い信用度は言うまでもなし。「経済制裁」で北を崩壊させたら、あの大量の不良債権を引き継がなきゃならない韓国だけでなく、日本もベラボウな戦後復興のための負担金をアメリカ様から請求される。もちろん細かくツッコミ入れていけばキリがないが、少なくとも、読売の脳天気社説よりはずっと勉強になる。
 ただ、そのアレもダメコレもダメの行きつく先が「そうなる前に、経済援助と引き換えに昨年9月の平壌宣言の線に北朝鮮を引き戻すことができれば、他の選択よりマシだろうが」となるのは、朝日ならではの御愛嬌だが。朝日ということを割り引いて読めば、読売型イケイケ論調に洗脳されがちなアタマに新鮮な空気を入れるだけの効果は十分あり。
 まぁね、正直な話、三食たっぷり食って電気使いまくってる国の人が北朝鮮ビトに同情するには、超人的イマジネーションを要求されるし。つうか、読売ばかり読んでると、将来北朝鮮が開国した時、悲惨な状況が明らかにされていくにつれて「なんで自分は、こんな近くの国の人たちが死んでいった時、手を差し伸べてあげなかったんだろう」と後悔することになるから。俺みたいに罪悪感のカケラもない鬼畜外道はともかく、普通の感性持った人はたぶん慚愧の念に耐えられないと思うから。北朝鮮に何もできない人たちは、今のうちに、その罪悪感を薄めるための言い訳を自分の中で構築しておいたほうがいい。

 早く帰ったのでまた『キノの旅』。またぐはははははと笑いながら、後味の悪さに酔う。もしかして「前田愛」って3代目コメットさんの中の人の姉じゃなくて、デジモン無印のテンガロンハット女やってた人のほうですか。だとしたら勘違いスマソ。でもデジとは雰囲気全然違うな。夕食はお茶漬け。
 TVでロッテ×日ハム。俊介が6回2失点のナイスピーで終わったのに、あろうことかひろゆきが打たれ、俊介の勝利あぼーん。ウワァァァン!
7月2日(水)
 鼻風邪。でも今日はいろいろあるので最終兵器ストナリニは使えない。天気はいいが7月にしてはわりと涼しく空気も乾いている。
 午前中、経営講習会。面白そうだったのは最初の5分だけで、あとはなんの建設的意見もない、突き放したような経営論。つうか後半なんかウチのコンテンツへの個人的不満をたらたら並べるだけで。たとえるなら、視聴率は取れそうだけどなんの意味もない辛口報道バラエティ番組を見せられたような徒労感のみ残る。「そうか外部から見るとこういうふうにバイアスかかって見えるんだウチの業務って」、ということだけは分かりましたけど。誰だあんなのに講演頼んだのは。管理職も頭抱えてるのがありありと。
 昼、すゞ金で長くてぬるぬるした魚重。やっぱスーパーで売ってるべしゃっとした冷凍ものとは段違いのほこほこ感。その昼食中もみんなで文句たらたら。月給ドロボウな俺よりも、ふだんがんばって仕事してる人たちのほうがムカツいてる模様。
 午後は神田の精興社で出張校正。念校でもほとんど赤を入れなかったし、すぐ終わるかなーと思ったが、さすがに580Pもあるとノンブルチェックだけでもひと仕事だ。たっぷり1700近くまでかかってしまう。仕事終わったところでストナリニ使用。はぁ。
 せっかく神田まで出たんで、古書街アタック。さる27日、早稲田で探しそこねたアレを中心に探索。アレは結局なし。うわ、神田でも全滅か。
 そのかわり、何年か前ちらっと写真だけ見て気に入ったものの名前が分からなかったモデルさんの写真集を、どっかの店の写真集売り場でほんとに偶然発見する。今まで知らなかった鳥か花の名前が不意に分かったような、そんな感動。等価かい。
 新宿に出て、やんばるでソーキそば。西武新宿線、また人身事故でダイヤずたぼーろ。特急でちんたらと帰る(ちんたらした特急というのもどうかと)。こないだの「女性セブン」にひきかえ、「週刊女性」はわりとSMAPに厳しい。
7月3日(木)
 週刊文春読む。こないだのドタキャンロスケについて唐沢議長が「みんな楽しんだんだから結構」と言っていたが、文春も「久々に堂々と叩けるタレントが来てマスコミが喜んで食いついた形」と。たしかにああいうオウムのような存在は希有だったかもしれない。で、オウムのごとくこれまでのファン層には影響はぜんぜんないそうだし。
 スーフリ記事も。和田サン以上の黒幕が慶応にいるとかで、大変なことに。で、レイープがらみで福田官房長官オフレコ大暴言も暴露されたが、これはたしかにオフレコってこともあり太田誠一や森喜朗のアレにひきかえ全くメディアに出てこなかったなぁ。
 2000までおしごと。帰る。福田官房長官の暴言ニュース、Nステでもちらりと出たが、週刊文春頼りで全く腰が引けている。まぁ政治家にもオフレコで不謹慎トークをぶちかます自由ぐらいは認めてあげなくてはとも思う。実行に移さないかぎりは。
7月4日(金)
 まんだらけ事件。みんな古川社長の言い種に眩惑されてまんだらけへの非難ばかりが聞こえるが、そもそも一番悪いのはさくら出版ではないか。盗品買い取った質屋よりも持ち込んだドロボウのほうが悪いのは当然で。たとえ質屋がイワクつきの品物と知りつつ買ったとしても。

 読売「論点」、明大専任講師の内藤朝雄先生の論考。「ゆとり教育」の「ゆとり」とは本来勉強でなく生活のゆとりのことであるべきなのに、推進派は「勉学のゆとり」の確保にばかり暴走し、そして今、否定派が「勉学のゆとり」と一緒に「生活のゆとり」をもシメ上げようとしていると指摘。推進派否定派どっちにしても「生活のゆとり」をないがしろにしてきたって寸法で。んで先生は「勉学はしっかり、生活はゆとり」という第3の選択はできないものかと提言している。
 まったくもってその通り。だがこの論考、近年の教育現場における大問題のひとつ・学力低下に関しては説明できていても、もうひとつの問題・学級崩壊に関しては視野の外にある。もしかしてアレは、実は「生活のゆとり」のほうを拡大誤解した者たちによる暴挙の帰結だったのではないかと。
 まぁね、「ゆとり教育」にかぎらず「愛」とか「自由」とか「正義」とか反論のしようがない耳障りのいいコトバってのは、その厳密な意味定義をなされないまま受容され、あちこちで好き勝手に解釈され、事態を混乱させるものと相場が決まっており。ラバンピーだぜベイベー。

 仕事せこせこ。本当はこんな早い時期にやるべき仕事ではないのだが(どうせ9月ごろにまた同じ作業をすることになる)、何かやっていないと不安でしょうがないのである。ものすごく精神的にプレッシャーがかかっている模様。体調が悪い時は普通にへたばり、体調がいい時は無駄に心を騒がせる。どうしろというのだ。ある意味時間を無駄にしつつ焦燥のうちに定時過ぎへろへろと退社。夕暮れ空に、久々に見る飛行機雲。

 帰ると実家から留守電。こっちから電話。父親に貸した金、無事返ってくるらしい。一気に返すと経理上めんどくさいので、企画で得られる月給から月々返すという形にするとのこと。2200過ぎ、ラボ帰りの父親本人から電話。今日び定期預金でもつかないぐらいの高利子までつけてくれるとのこと。やっと最大の懸案だった金策のメドがついて、安堵というかハイになっている模様。よかったよかった。
 この父親というのがまぁ俺の直系の血縁だけあって、石橋を叩いて渡らない慎重居士、もちろん借金や投機なんか大嫌いな性分で。もし銀行や街金融なんかから金借りていたら、そっちの心配でカリカリきて本来の仕事どころじゃなかっただろう。やっとささやかな親孝行ができたといったところか。つうかそもそもこの金、●年間パラサイトシングル放題してた時代に自然と貯まったもんだし、親に還元するのはスジ的に当然といえば当然だわな。以上、日本民話「寄生虫の恩返し」でした。どっとはらい。
7月5日(土)【ここまでは2003.08.24更新】
 かくのごとくテレビ東京つけて『ミルモ』。入れ替わりネタは定番中の定番だが、そこは『ミルモ』だけにいろいろ細かい工夫あり。妖精が空を飛ぶのは単に足が短いからでしたか。それとも空飛びすぎて足が退化したですか。大昔、読売漫画大賞でそんな1コママンガ見たぞ。足が退化して体の下半分がブタみたいになったあさましい姿のペガサス、あれにはワラタ。あれ描いた人(女の子だったと記憶してるが)その後プロになったのかなぁ。で、あそこまでシャッフルしながらあえて結木とリルムだけ入れ替えなかったのも、双方のキャラを壊さないための工夫か。一瞬テニプリパロまで交え、今日はもう絶好調。ドリフ的ヤケクソオチも、定番をとことん突き詰めたもののみが放つ美しさに満ちてグー。EDが3ヶ月で楓とミルモのデュエットに換装。しかも毎回歌い手が変わるってさ。すげー。
 かくのごとく教育テレビにチャンネル変えて『うたっておどろんぱ!』。「おどろんファイター」バカでいいなー。スタジオ収録番組でついに巨大ロボまで登場。ブラックオドレーヌの適当な歌にちゃんと「作詞・作曲・歌 渡辺久美子」とクレジットが入る芸の細かさ。『ミルモ』ともども「バカは徹底してこそ美しい」を地で行くような番組。朝から心洗われる。
 そのあとの科学番組で、「人はどうして汗をかくのか」特集。9分間ボクシングしたあんちゃんの全身から採取された、ほのかに黄色く半濁した150ccの液体がメスシリンダーにたまっていく映像に、うっぷと吐き気を催す。さすがの睦月先生もこれはダメだろう。せめて女性ボクサーならなぁ。
 外はすでに梅雨明けしたかのような夏空。洗濯物の乾きもよさそうだ。昼前のニュースで、ニカウさん死去の報。享年60ぐらい。タキギを取りに行ったまま帰ってこないので家人が探したら、行き倒れてたという。ライオンに食われたとかハードボイルドな死に様でないところがまことにニカウさん的。同じのたれ死ににしても、ハリウッドでアル中になってとかに比べれば、なんと静かなさりげない最期か。
 夕方、実家へ里帰り。猫と遊んで長くてぬるぬるした魚ほかいろいろ食って発泡酒とボルドー。ふにゅ〜。きのう誕生日だった弟(7月4日生まれとは生意気な)といろいろ積もる話。ファンタジーにはうるさい弟、「『ハリポタ』ってこないだ初めて読んでみたけど要するに主役の設定は『ゲド戦記』のパクリじゃん」とか。でも『ナルニア国』はイイと。健全かつマイペースな審美眼を養っているようでケッコウ。俺みたいに「『フラッシュ・ゴードン』を悪く言うなーっ!」とサイトで絶叫するバカの道には進みそうもないな。今度はトールキンに手を出してみよと示唆。そして泥沼にハマれ。
7月6日(日)
 『でじこ』観ながら、そういえばパンダ娘と黒ゲマ団の皆様が出てないことに今ごろ気づき。このマターリ感を醸し出している要因のひとつに挙げられるのでは。
 礼拝の帰りに自転車で所沢まで出て古書店回り。まず効率的にこの界隈最大の古書店・貴龍堂へ。バックナンバーはけっこう揃っていたけど、比較的古いものばかりでお目当ての号はなし。そのかわり、似たような特集やってる号を見つけたのでかわりにゲトしておく。南下してダメモトでBOOKBOOK。やっぱり出物なし。さらにダメモトでブックオフ。バックナンバーすらなし。でもCD売り場でKyokoSoundLab.のわりと初期のアルバム『月の石がみている夢』発見したので個人的には満足。そのほか資料など5500円ばかし買い込む。
 で、自宅周辺も洗ってみようかと戻り、とある店を探して出たところで、なんと王猛烈先生とバッタリ! まさか路上で会うとは思わなかった。それも古本屋の前で、というのがオタクらしいと言えばオタクらしい。王さんもサークルとれたとのことで、ネタどうしようと二人して悩みをぶつけ合う。そのほか尽きることなくオタ&鬼畜な立ち話に興じ。王さんがバイトでアバレブラックの中身やってる写真見せてもらったり(いいなぁー)。そのうち破李拳竜みたいな漫画家になるかもしれんな王さん。それとかメテオさん人形発売中止の件も、「わしらトランスフォーマー者もタカラに何度も何度も苦杯を飲まされてきた(ユニクロンとか)」と涙ながら(嘘)に語る王さん。合唱の練習がなければそのまま職務質問されるような時間まで話し込みたいところだった。いやとにかく「オモチャ九倍段」のすさまじさを実感。オモシロすぎる。教えてもらった『スペースガンダムV』の主題歌を口ずさみながら帰宅。他人の空〜似〜♪
 合唱行って帰って寝る。新刊原稿への気合いがだいぶチャージされた。がんばれるかもしれない。ありがとう王大人!
7月7日(月)
 春に依頼していた、10月刊行本の閲読結果がやっと届く。約束では4月中までに読んでくださいということだったのだが。こっちの想定していたコンセプトがあまり伝わってなかったというのもあるが、かなり厳しい。予想通りっちゃあ予想通りだが。やっぱりこの本、ウチからは出せないの!?マジでヨソ持って行っちゃおうか!?とか血迷うぐらい醜くうろたえる。情緒不安定。
 昼前から夕方まで、ほぼ一日会議でつぶれる。定時まであとかたづけ。帰って西友で鳥南蛮弁当食って寝る。
7月8日(火)
 ヌギスタ学園を観に行ったら、ヌギスタのファンサイトができていた。およそアニメやマンガやアーティストの「ファンサイト」というのは佃煮にするほどあるが、「サイトのファンサイト」というのはなかなかあるもんじゃない。
 で、用語辞典を読むと、不勉強ゆえ見逃していたいろいろな基礎設定があることに今さら気づく。舞台となる巨大な学校「ヌギスタ学園」が、眠狂四郎並みの戦闘能力を誇る豪傑少女たちが覇を競い合う異常事態になったのも、あの学園は謎の古代遺跡の上に建っていて、遺跡に飛来するUFOが変なアイテム(兵器)を落としていくためだったなんて。しかも、UFOの宇宙人と、古代遺跡を作ったとみられる宇宙人とは別の宇宙人で、使用するエネルギーも相反するんだと。
 ヌギスタ学園、このまま突き進めばほんとにエッダのような壮大な叙事詩になりそう。やってることは女子をイジメて辱めるだけなんですけど。もっともそれ言ったら北欧神話やギリシャ神話だって、神々が騙し合ったり殺し合ったりエロいことしたりのスーパーフリー和田サンマジック状態なんですけど。集合的無意識。

 午前中、図書目録のチェック。昼、なんかめちゃめちゃ肉を焼きたくなり大昌苑へ引き寄せられる。平均してウェルダンな焼き加減に。午後、2時間ほど会議ののち楽譜のデータ打ち込み。夜、同じセクションのみなさまと高円寺ガード下の寿司屋(回らないけど回る店と同じシステム)でぱくぱく。実はお寿司が回る店というのは生まれてこのかた入ったことがないもんで、少々うろたえるが、じきペースを掴む。そんなとびっきりおいしいわけではないが悪くもなし。パルコのパック寿司クラスか。
7月9日(水)
 パレスチナ問題とか南北朝鮮問題とかを評して「ノーベル平和賞が泣く」とよく言うが、日本だってヨソのことは言えないのではないか……と昨今の核武装論議を聞きながら。

 とにかく働く。昼は昇龍軒でチャーギョー。なんだか腹が減って、チャーハンもうまいギョーザもうまい。
 スポニチ読むと、こないだの長崎の幼児全裸つきおとし事件の重用参考人が今日にもタイーホ、いやなんでも中学生みたいなのでホドーらしい。中学生。またですか。6年前の酒鬼薔薇ん時の日本全土を包んだ狂騒、アレが一時的に再現されるやも。オウムフィーバーの瞬間再現となったパナウェーブと言い、湾岸の焼き直しとなったイラク征伐と言い、今年は「再放送」ブームですな。

 午後は明日の会議の準備。「引用」と「剽窃」の違いについていろいろ調べるうちに、俺が学究の道に進まなかった最大の理由を思い出した。
 俺はガキの頃、やっててよかった公文式に通っていた。算数・数学てぇのはありゃパズルと一緒ですから、当然のようにスラスラ解き、当然のように100点をぼこぼこ取っていた。だが、俺はなかなか上の級に進めなかった。先生が何度口をすっぱくして言っても、答えを出すまでの途中の式をぜんぜん書かなかったためだ。これでは、ちゃんと解き方を理解した上で解いているのか、超能力で答えを透視しているのか先生としても判断できない。ゆえに進級させるわけにゃいかぬ。で、俺もとてつもないバカだったもんだから、進級できなくても別に困ることもなく、一日千秋のごとく同じレベルの「パズル」を飽きもせず解き続けた。まーそのおかげで中学程度までの数学力はみっちりついたんだけど。
 そう、俺は、「自分の思考がどういう経路でその結論に辿り着いたか」、その道筋を記録することを心底苦手とする。それに、「他人の話を『そのまま』『時系列に』記憶することができない」という病気も加わる。10年前に読んだ本の1フレーズが10年間自分の中で熟成され変形していった末に不意にぽこっと脳裏に甦った場合など、どうすればいいのか。この日記で今まで書きなぐってきたエラソウなグチの数々も、実はどっかの本に書いてあったことを、出典も忘れ果て、知らずにアレンジしてくっちゃべってるだけかもしれない。その恐怖と戦いながらこの日記や『大宗教学』は書かれている。それが怖いから、あまり思想書を読まないというのもある。そもそも俺、自分の言ったことすら忘れるし。3秒前に自分が何を考えていたかさえ忘れてしまう大バカ者、フランス語で言うところのコンなもんでのう。

 帰ると夕刊紙は長崎事件速報でもちきり。詳細は追々分かってくるだろう。また替え歌の天使が降りてきそうな気配。
 西友の豚しょうが焼き弁当。一昨日の伊集院。伊集院も唐沢議長の一行知識本を読んでた模様。でも「としかず」じゃなくて「しゅんいち」なんだけど……。
 ナイターのせいで30分遅れた『トリビアの泉』。しょっぱなD大のH先生が出てビックリー。てゆうかなぜわざわざ京都まで聞きに行くのか。東京にだってH先生クラスの新約聖書学者は何人もおるのに。それとも1つのトリビアに対し予算●●万円以上使わなければいけないという鉄の掟でもあるのか。ちなみに「目からウロコ」はイエスか誰かの言葉ではなく、使徒パウロの目からウロコのようなものが落ちたという故事だゾナ。渋谷のロープウェー以外はトリビアでもなんでもない常識レベルの話ばかりだが、やはり映像のパワーはすごい。溺れるアメンボの映像にタイタニックのBGMを入れるなど、音響のセンスがバカでイカス。ディカプリオー!
 ロッテ×近鉄、ひろゆき今季初先発。6回3安打無失点のナイスピーで3勝め。

【今日のアクセス解析情報】
 「酒鬼薔薇聖斗」関係の検索がにわかに急増。やっぱりあの12歳ペドから酒鬼薔薇を連想するのは自然な発想らしい。
 それほどではないが、「ジョンベネ」もなぜか増えた。
7月10日(木)
 日証平均株価9990円。このまま10000円の大台に回復したとたん、ロッテのようにどだだだっと連敗しそうな悪い予感がするのはなぜ。
 それはそれとして新聞もスポーツ紙もTVもきのうの長崎事件でもちきり。この少年も『ピッカピカウォッシュ』のビデオ1本持っていれば、生身の子供になんぞ手ェ出すほど追い詰められもしなかっただろうに。まぁ欲望はより強い刺激を貪欲に求めるものなれば、実際は『ピッカピカウォッシュ』ぐらいじゃ満足しなかったか。

 D大卒の後輩に、きのう『トリビアの泉』にH先生が出てたと言ったら驚いていた。後輩も『トリビア』途中から観てたけど、「豚に真珠」は一番最初のトリビアだったもんでH先生の晴れ姿は見逃したらしい。
 午前中は内部の会議。昼、八幡でランチちらし。午後は古いゲラの片付け。もっとコマメに資源ゴミにしていくべきなんだろうが、どうしても溜めてしまうんだなこれが。
 1600、10月刊行本のことで、とある先生と打ち合わせのため、上司とともに某女子校へ。敷地内に入ると同時に、さりげなくしかし確実に、こちらの動きと同じぐらいの早さで警備員が近づいてくる(昔のファミコンゲームの敵キャラにいたな、こんな動き方するの)。学校のはじっこに位置する受付へ誘導される。ここでも客は「客」との旨明記された名札を胸に装着させられる。
 まぁ、近隣にTV局まである都心のチャラチャラした治安悪そうなロケーションを考慮すれば、この鉄壁のガードもやむをえまい。これに加え、内部においても「高い学費」と「高い偏差値」という二重の防壁を敷いて、構成員の中に場違いな価値観を持った者が混入しないよう細心の注意を払っている。こうして維持された空間はまさにサンクチュアリと言うべき雰囲気で、そのへん歩いて部活してる生徒たちはきわめてマジメかつノビノビ生活しているように見え、ほのぼのしてくる。いや、学校の外で何やってるかまでは知りませんけど、すくなくとも校内ではね。うちの職場の後輩にもここの出身者がいるけど、なるほどこういう環境で多感な10代の6年間を過ごし、某キチガイ大学(いや俺も出たけど)でまた6年過ごせばああいう面白い生き物が出来上がるわけだ、と妙に納得させられた。
 にしても、部外者の身としてはアカラサマに自分が「異物」になった感覚が全身に押し寄せ、空気にひねりつぶされそうなほどである。見てるぶんにはいいけど、身を置くのは苦痛かも。名もなく貧しく美しくなく。

 打ち合わせはとどこおりなく進む。月曜の閲読結果でかなり不安になっていたが、フタを開けてみればなんとかテキスト全とっかえという最悪の事態は回避され、一般人の便宜をはかるべく若干の修正意見が出る程度におさまりホッとする。たしかに説明が要るところ多数。学校の先生らしい数々のご指摘、ありがたし。ホントはこういうチェックは編集者がやるべきコトなんだが、その編集者自身がテキスト書いてる場合これがなかなか気づかない。占い師が自分を占えないのと一緒。関係ないけど、思うにカウンセラーとか占い師(※ひえだ先生みたいなマジメな人)ってのは「人生の編集者」と言えるかもしれん。いい編集者は作品を生かし、悪い編集者は作品をボロボロにした挙げ句ライターまで自殺させることもある。
 駅の側の寿司屋で寿司。そういえば昼も寿司食ったような気がするが頓着せず。内部は高級ファミレスといった雰囲気だが、とにかくウマい。「閲読が遅くなった」ということで、申し訳ないことに先生のゴチになる。上司と二人してお辞儀を五万回。帰りは新宿まで先生と一緒になる。なんとか今までのウチの本とは毛色の違う、カタギの衆に売れる本にしましょう、と話し合う。

 さるやんごとなき方より、さる企画への助力を乞うメール。あのお方にご指名されてまさかイヤとは言えまい。原稿もあるが、なにはさておき1日空けてきますと返事。
 長崎事件の続報もちらりほらり。12歳少年の愛読書は『三国志』。やっぱり関平タソハァハァな人だったですかあのここなド変態は。ジャーンジャーン!
7月11日(金)
 新潟少女監禁事件の佐藤宣行クンに最高裁判決。併合罪が適用できるかどうかが争われていたが、再逆転・懲役14年ということに。判例上はイレギュラーではあるが、心情としては喝采を送る。まー佐藤クンも「こんなトコ(監獄)に入るのは二度とイヤだからもう再犯の可能性はない」なんて反省のカケラもないコメント出してたぐらいだし、自業自得と言えば自業自得だろう。
 「Windows(98以降)に重大な不具合発見」の報に、ウチの職場も大騒ぎ。怒りのあまり補償問題だのゲイツ逝ってよしだのと息巻く人も。個人的にはMac使いなので、こういう時は精神の均衡を保ててよきかな。で、朝から来週早々の会議の準備。
 靴底が破れたので昼休み、リペア屋へ持って行って見せたら「底のアクリルが酸化しているから直しようがない、ふさいでもその周囲からまたボロボロ来る」と。カセットテープのケースじゃあるまいし、なんだそれは。ガムで溶けたのか。まだ2年しか履いてないのに。
 午後もみっちり会議の準備に費やし、帰りに池袋まで出て、10月刊行本の資料となる薬品を求めに西口の漢方薬局へ。薬品セットで購入したのち、こちらの身分を明かし、実はそちらのHPに載ってましたナニの情報をいろいろこちらのナニの参考にさせていただきたいのですが、とお願い。どーぞどーぞ遠慮なく、と快諾していただく。おまけにこの薬品に関する新聞記事のコピーなどまでいただいてしまう。ありがたし。実は店長さん、こないだ原稿お願いした某先生の知己とのことで驚く。狭い業界だ。巻末の参考文献&情報提供者紹介欄にお店の名前を載せることを約する。またひとつ「思い」を背負った。いい本にしなくちゃな。
 ついでにヴァージンメガストアに寄ってCD物色。『角川アニメ スーパー・ベスト』ゲット。帰って聴く。こないだ「地球を護る者」はゲームのラスボス戦BGMそのものと言ったけど、「幻魔の攻撃」は中ボス戦BGMにあたる。『幻魔大戦』のエマーソンサウンドが当時のオタカルチャー系アーティストにどれだけ影響を与えたか、その事件度を今さらながら実感する。最近の若いもんが今さらビートルズ聴いて驚くようなもんで、まこと恥ずかしいかぎりだが。

 12歳ペド少年の通っていた中学校に、抗議と言う名のイヤガラセ電話&FAX殺到。「貧困な精神」とはこういう連中に手向けるべき言葉であろう。鴻池防災相までが「少年を裁けないなら少年の親や校長を市中引き回しの上首つめろやゴルァ」と、何かを勘違いした発言。「そうすれば親も気をつけて子育てをする」とさ。防災相はよほどご自分の子育てに自信を持っておられるらしい。
 つうか防災相の発言は単なるヤツアタリにすぎないので気にすることはないけどさ。つまりはみんな、誰かが罰せられるところを見たいだけなんだよな。その「誰か」が誰かなんてどうでもいい。本人により近しい存在なら誰でもいいんだ。少年の学校にイタ電&FAXした連中も、少年に近いところで誰かを罰してやりたい、という自然な感情(罰せられるほうにとってはこれほど理不尽な話はないが)に突き動かされ、それに疑問を感じることなく実行してしまっただけのこと。バカだねぇ。自分の「正義」にインディアンペーパーほどの疑問も差し挟まない人間は、えてしてこういう面白いマネをしてくれる。
 罪を犯した人間が、必ずそれ相応の罰を受けるとはかぎらない。いやむしろ罰を回避したまま人生のゴールまで逃げおおせる者のほうが多いぐらいだ。そんな不条理を見続けてきた人類は、「死後の世界」を設定して、そこで悪人が罰を受けるという世界観を構築した。しかし、自分もその罰せられるべき悪人の一人であることに気づいてしまった人たちは、自分が罰を受けるのはイヤだから「神の子が全人類の罪を負って死んだ」というありがたい信仰を発明した。この有名な信仰も、世界の創造者である神に製造者責任を負わせるという点では、「本人により近しい存在を罰する」思想の延長線上(そしてその究極点)にあるような気がする。それだけにこの歴史的「発明」は現在に至るもなお多くの人類に支持されている。ラクだし。自分の罪も赦されるし、なにより他人の罪が罰されないことにイラつきストレスをためることもない。まさに阿片である。階級の不条理に反逆することを勧めたマルクス先生が阿片呼ばわりしたのもむべなるかなである。
 自分の生殺与奪にかかわる罪(経済的搾取とか)まで見逃すのは、それはたしかに思考停止に等しい。でも、今回のペド事件みたいに自分に直接なんの関係もない犯罪にまで、いちいち一喜一憂して罰だ罰だと騒ぐのも、それはそれで無駄に腹を立てすぎなのではないかと。いや普段『大宗教学』で「あのバカ殺せ死刑だ逝ってよし」と騒いでるくせにこんな殊勝なこと書くのもアレですけど。でも、ちょっとヒスが過ぎるのではないかと。お前ら少し落ちつけと。
 あ、でもここで落ちついたら、4歳児を1人で量販店のゲーム売り場におっぽってた両親のポカにみんなが気づいちゃって、こんどは手の平返したようにあの被害者両親に非難の矛先が向かってしまうこと確実。すまん、みんなそのまま頭に血ィ昇らせておけ。ペドガキのママンも先生も打ち首獄門でいいよ。どんどん騒げ。
7月12日(土)
 『ミルモ』。どんどん壊れていくダアク様。ゆくゆくはボス戦で自ら楽器持って「ダア、ダア、ダアクでポン!」とかやりそうで、小杉十郎太も大変だ。アクミの元カレ登場。昔は耳長くなかったんだアクミ。てことはワルモ団も覆面取ると耳が長いのか。
 長崎しょたしょた節。12歳ペド少年、ADHDの疑い濃厚に。いつぞやのオタク迫害のような浅薄なADHD迫害が起こらんか懸念。俺の時代以上に「落ち着きのない子供」がガンジガラメにされたり。
 埼玉の土屋知事辞任。ムスメの不始末ではすまなくなったか。ま、親子してこんだけ儲けたんだから、衆議院議長の座をなげうって国政から県政に乗り出した甲斐はあっただろう。にしても選挙めんどくせーなー。夏コミにかからないといいんだけど。
 イランの二重体児(29歳だから「児」じゃないか)シンガポールで分離手術失敗両者死亡確認、といういたましいニュースの直後ザッピングしてたら、ちょうど教育TVでドラマ『天使みたい』の再放送やってて「人は昔、2人でくっついて生まれてきました」みたいなナレーションがかかったもんで呼吸困難に陥る。俺のところに現れる西手新九郎はとりわけド鬼畜な奴らしい。

 そんなかんじでTV観ながらダラダラと夏新刊のネタまとめ。陽の傾いてきた1600ごろ出かけて、実家近くの行きつけの靴屋で靴買って、めんどくさいから実家には寄らず(おい)、パルコにとって返して無印良品の店で化粧品用の小分けカプセル買う。帰ってネタまとめ続行。そんな一日。
7月13日(日)
 『ガッシュ』、ティオ&恵登場。釘宮ー! 前田愛(コメ姉じゃないほう)起用はCD展開を狙う上でも順当ですか。『でじこ』、アキバ編。ついにゲのマのズ登場。店長はちらりと出ただけ。もちろんぴよこも出ない黒ゲマ団も出ない。本来の設定に収斂しそうでしない寸止め感に5年来のオタどもは悶絶していることかと。

 今日もネタの整理に終始する。原稿描き始める段階に到達するまでの儀式が長すぎる。毎度毎度どうにかならんか。

 ひょんなことから矢玉四郎のサイト発見、ついつい読みふけり。「優れた子供向け作品」と世に言うモノは、「大人がイイイイと騒ぐもの」であって、必ずしも当の子供たちが喜ぶとはかぎらない、という大宇宙の真理を思い出させてもらった。俺も矢玉先生と同じく、いわさきちひろの絵をイイなんて思ったためしがないし。名作『サルでも描けるマンガ教室』にあった、「子供向けコンテンツを売るには、子供に受けるよりも親に受けるコンテンツを作るのがコツ」というアレだ。実際『はれぶた』は売れただけに説得力がある。このデンで行くと、『コメットさん☆』は圧倒的に前者に傾く作品なのかもしれない。もし俺に子供がいたら、たぶん『コメットさん☆』を観せまくるだろうけど、子供がそれを喜ぶかどうかはまた別の問題。たぶん子供は寝るかもしれない。
 きわめてやさぐれた文章で、「小林vs服部盗作裁判」で小林亜星を支持するなどところどころ俺と意見が合わないところもあるけど、非常に面白い。なによりこの日記よりもずっと一本スジが通っている。あの『はれぶた』の原作者だけあって、教育問題に関してはかなり一家言持っているようだ。偏屈オヤジぶりがまたこの人の場合心地いい。
7月14日(月)【ここまでは2003.09.06更新】
 すごく眠いけどがんばって起きて、パン焼いて、職場行く支度して……という夢を見てたら目覚ましが鳴る。二度手間(とほほ)。
 昼前から座談会の録音を兼ねた会議。会の後半あたりから吐き気がしてくる。昨夜、安かったんで刺身をバカみたいに買ってきて食いすぎたのと、寝不足で消化器があまり稼動してないせいかもしれない。あと、いろんなプレッシャーね。うう。一回吐く。
 それが終わったらすぐ市ヶ谷の私学会館に飛んで(というかヨロヨロ這いずって)また別の会議。こっちは会館側でルームサービスとかやってくれるし、また参加者が勝手知ったるお歴々ということもあり、昼の会議よりずっと気が楽。体調も徐々に楽になり、夕食の時間にはぱくぱく食べる。つうかやっと胃腸が目を覚ましたのかもしれぬ。
 へろへろになって2200過ぎ帰ると、こんどは「コメットさん☆音頭」の合いの手を決めるチャット会議。一日中会議ですか。そんなに会議好きか俺。もっとも俺は話をひっかき回しただけに終始。すいません役立たずで。そのまま2530までチャット。死ぬ気か俺。

【今日の随想】
 「盗作」と「模倣」の差について。
 たとえば、誰かが戦で手柄を立てたと思ってくれ。
 その勇者がとった戦法をまねて自分も功名を狙うのが「模倣」。
 その勇者が立てた手柄を横取りするのが「盗作」。
 ……そうたとえると、どっちが犯罪でどっちが罪に当たらないか、把握しやすいのではないか。
 そうやって先人の戦訓をどしどし取り入れて各人が勝利を収め、戦に勝つこと。それが、「模倣の連続が文化を作る」との謂いである。
 盗作がはびこる世界というのは、兵が他人の手柄を奪い合っている軍隊と同じである。そんな軍隊は負けて当然。
7月15日(火)
 チャットを抜けて5時間だけ寝て、脳と体を使わない仕事(きのうのダビング)に終始。そのかたわら10月刊行本をいじくる。
 昼、食欲がわかずコンビニで菓子パン買ってもそもそかじる。

 頭を使ってないので、いろいろ余計なことが脳をよぎる。つくづく俺の原点はブロック遊びだな、とか。仕事にかぎらずなんでもかんでも、俺のしていることは全て図式化すると「A+B→C」、つまり事象Aと事象Bを繋ぎ合わせて全く新しい価値Cを創出することに尽きる。Aという歌でBというネタの替え歌Cを作ったり。アーティストAさんのためにBという情報を見つけてきて作品Cを作るための資料にしてもらったり。Aさんを団体Bに紹介してCという活躍をさせたり。
 自分では何も生み出さないけど、AとBを出会わせることで新たなCを生む。言うなれば伝説の戦士に聖剣を授ける魔法使いのような役ドコロですか。もちろんこちらがふさわしき戦士と認めなければどんなに金積まれても聖剣はやらんし、こちらが認めればタダでノシつけて献呈する。そうした形で他人に貢献することに快感を覚える、という変態的な本能が生まれつき備わっているらしい。
 願わくば、その出会いがすべて良き出会いであってほしい。そう切に祈る。かつて、よかれと思ってAにBを教えて大失敗したことがあった。俺がAのレベルを過大評価していたことが原因だ。Bと出会わせるには、まだAは不安定だった。結果的にAの人生を台無しにさせたアレに、おそらく俺が教えたBも少しく関わっているのではないか。そんな後悔と自責の念が、今でも断続的に俺をさいなんでいる。あの時のようなことは二度としたくない。

 夜は、昼食べ残したパンで済ます。
 長崎事件、幼児の遺体に「ハサミで傷つけた痕」があると報道されていたが、実はちんちんを切っていたらしい。……ちょっと待て、なんだその面白すぎる事実は。替え歌の天使が本格的に舞い降りてきそうだ。ああ、『女大太郎』が「ちん切り十字軍」のせいで回収されませんように。あと、ユダヤ人が「幼児のちんちんの皮を切る野蛮な部族」とか言って迫害されませんように。
7月16日(水)
 読売朝刊「論点」、今朝は高橋紳吾先生。お題はもちろん今話題沸騰の長崎事件。「犯人がさっさと捕まったおかげで、酒鬼薔薇事件の時みたいに第二の殺人や犯行声明などによる『事件のワイドショー化』が阻止できた」という指摘にはうなずく。しかし、今回の顛末を評価しているのはその点のみで、「少年少女の異常行動の監視」や「幼児から目を離さない」などといった酒鬼薔薇事件の時に学んだはずの教訓が全く生かされていなかったと苦言も呈している。直接表現こそないものの、暗に被害者の親をも批判している、今日び珍しい論考。一歩引いて事件を見つめている精神科医だからこそ、この時期に冷静にそこまで指摘できるのだろう。
 その隣の投書欄に、17歳高校生からの心洗われるお便り。「拉致問題解決のため」を名乗る募金に乏しいおこづかいの中から協力したものの、実は拉致家族の会は街頭募金など全く集めていないということを知り衝撃を受けたという。そこで普通なら怒り狂って「ニセ募金は死刑」とか書くところだろ(俺ならそう書く)。ところがこの高校生は違った。「拉致家族の支援団体にちゃんとお金を届けられるシステムを」と訴えるのである。いや、この美しさにはちょっと心打たれちゃったよ俺。こういう美しい人たちをだまして金をむしり取るクソ虫ってのは、なに考えて生きてるんだろうね。自称「三宅島支援」募金集めてた連中とかさ。
 それにひきかえ社説は今日もひどい。「昭和の日」の今国会成立を目指せとか。やっぱり「昭和という時代」と「昭和天皇」とを混同している自家撞着を自覚できてないバカ。だからなぜ「昭和時代を記念する日」を12月26日や1月8日にしないんだ。成立賛成に傾いたという菅直人まで、いみじくもこの改正案が皇室ガラミである(時代とヒロヒトを区別できてない)ことを告白してしまっているし。昭和天皇のことを記念したいんだったら最初から「4月29日を昭和天皇を記念する日にしよう」と国民に問えばいいのに、どうしてこういうゴマカシをするのかが不可解の極み。こういう小細工をするから、余計「4月29日」が胡散臭く思えてくるのだ。それがなぜ分からない。

 しごと。その一環として、絵師のI氏とT氏にささやかなお中元を郵送。時期外れもいいとこだが。
 昼休み、メシ食いに出て歩いてるとふと「切ったぞ、切ったぞ おーちんちんー♪(以下略)」という替え歌が浮かび、しにたくなる。志乃原で鳥南ばんうどん。NHKニュース、「昭和の日」が衆院を通過したとの報。あーあ。こうして胡散臭い祝日がまた一つ。
 帰ってニュース観ると、痴漢冤罪の会の代表が写メールでおねーちゃんのスカートの中盗撮してタイーホという大笑いニュース。冤罪防止を訴えるビラをまいた帰りというからいい度胸である。で、容疑者は画像消去の上ケータイをぶっこわし、やっぱ冤罪を主張しているという。一番頭抱えてるのは、当の「冤罪の会」の人たちだろう。小野悦男のことを思い出した人は多いだろうから俺は特にコメント付け加えませんけど。
 『トリビアの泉』。やっぱり一行知識そのものよりも「見せ方」でウケを取る、きわめてTVらしい(いい意味で)演出手法。桃太郎のアレなんかトリビアというよりは一般教養だけど、ああいう見せ方をされたら笑わざるを得ないじゃないか! 「へぇ」じゃなくて「ぶはは」という項目もあれば大分様相が変わるのでは。タモリが「飛龍」ネタに食いついた時に笑いが起こったのは不可解。ほんとに世界に誇る名機なんだぞ四式重爆は! タモリのセリフには自動的に笑いのSEが入るようにでもなっているのか。
7月17日(木)
 今日もしこしこ仕事です。
 1430ごろ、絵師I氏より宅急便で10月企画のイラスト見本が届く。うわっスゲー! 期待した通り、いや、期待以上の出来に汗が出る。ただ上手いだけじゃなくて、まさにI氏ならではの実用的な、説明力のある絵。10年のキャリアはダテじゃねぇー。そうそうこういうのを待ってたんだよー!
 つうかむしろもっと肩の力抜いて三分程度の力で描いてもらってもよかったんだけど、I氏も名刺代わりになるようなモノを目指したのかもしれぬ。こんな力作もらった日にゃ、とても約束の安ギャラじゃ見合わねぇー。金額はもちろん、プロモ材にするための現物支給など金額以外の面でも、あれこれ手立てを考えなくちゃと思う。ますますノリがビジネスライクから同人誌のそれへと。もともと企画自体同人誌みたいなバカ企画だからやむなしか。へっぽこ実験本。
 いずれにしてもウチとしては異色中の異色企画になるのは確実。それだけに営業サイドからは熱い視線を浴びているのだが、どこまでその期待に応える数字が出せるか。がんばらないと。まだ最大の難問……装丁の問題がクリアできてない。イメージもそうだが、肝心の装丁家。最も信頼度の高い装丁家さんが8月いっぱい入院とのことで使えなくなったのが痛すぎる。こんなことならデザイナーの知り合いも作っておけばよかった。
 とりあえず今日できることはしておいて、本業のことは火曜日まで凍結。月曜までは脳味噌切り替えて夏コミ新刊に没頭だ。まだ下書きにすらとりかかってません。しにそう。

 議長や植木先生たちが書いているムック『東大物語』(翔泳社、1995年)をぱらぱらと読みながら帰る。「編集者と打ち合わせをすると、相手が大卒だと思ってどうしても押されてしまう」というデザイナーさんの談話を読む。俺たちゃ逆だな。著者の先生方のほうがはるかに学歴高いし。
 きのうだったか行方不明が報じられた稲城の小6女子4人、赤坂のウィークリーマンションで発見。誘拐犯人かもしれない男は室内でなぜか練炭自殺。こないだの長崎しょたしょた節に勝るとも劣らぬセンセーショナルな事件だが、長崎の分かりやすさに比べると、謎の部分が多すぎる。
 サンディエゴで86歳のじーさんが青空市の会場に車で突っ込み、40人以上死傷。「デスレース2003」というフレーズはたぶん現地アメリカでも数万人が思いついているだろうからやめとく。
 『あずまんが大王』やっと全巻読了。ヤママヤー!(涙)。全巻通して読んだけど、1巻しか読んでなかった最初の頃よりも、だいぶ評価は高くなった。てゆうかこんな普通の4コマみたいな終わり方をするとは思わなかった。
7月18日(金)
 さーてみっちり原稿描くぞー、と言いながらワイドショーで小6集団監禁事件続報だらだらと観る。どーも児童売春組織の出先支店だったらしく、顧客にはそれこそセンセイセンセイと奉られる社会的地位の人たちがゾロゾロとのこと。あ、こりゃ真相は薮の中に葬られるな。今後の報道も、奥歯にモノの詰まったようなもどかしい展開になりそうだ。少なくとも今度の新刊には間に合わなそう。ちぇー。
 つーわけでゼロからのスタート。実質この4連休の進捗次第で、今年の夏が決まる。40ページか、24ページか、新刊落とすか。どこまでやれるか。やってやる。
 絵師T氏より、先日送った御中元の返礼に、ちっちゃなタバスコの瓶(1/8オンス入り!)届く。タバスコってルイジアナ原産だったんだな知らなかったヨー。てっきり猪木にビンタされた男たちの鼻血を煮詰めて作るもんだとばかり。だいいち「タバスコを最初に日本に輸入したのは猪木」という話自体が事実なのか都市伝説なのか。
 夕刻、IPPANさん新田さんと連れ立って、骨折で入院中の桐生さんのお見舞い。面会時間ギリギリまで、病院の中では普通はばかられるような鬼畜話に花を咲かせる。
 それから東新宿・幸永で肉むしゃむしゃ。何話したっけな。ああそうだ、「荒木飛呂彦は『武装ポーカー』以来ずっと我々人類を騙し続けている」ことを熱く主張したことは覚えている。落ちついて考えると『武装ポーカー』のあの「ドンデン返し」ってかなりムチャクチャだろ。もし普通のマンガ家が同じストーリー描いて担当に見せたら、ふざけんなこのスットコドッコイ好美のぼるかお前はヘソ噛んで死ねとぶん殴られること必至。なのに手塚賞の審査委員たちは、あのマンガを絶賛した。どんなムチャクチャな展開でも、怒涛の「説得力」をもって読者になんとなく納得させてしまう力、それこそが荒木最大のスタンド能力だと思う。未だに「キラー・クイーン・バイツァ・ダスト」がどういう能力なのかよく分かってない人は多いだろうけど、普通のマンガ家ならそいつの作った設定に重大な齟齬が出ただけの話と解釈されるところが、荒木の場合、分からないこっちのほうがバカなんじゃないかと思わされてしまう。そんな「バカには見えない服」を編み、王様に売り込む才能、それが荒木の一番おそろしいところである。そう俺は信じているんだがどうか。つうか芸術家ってのは大概そういう「裸の王様」相手の商売のような気がするが。
7月19日(土)
 0915起床。しまった『ミルモ』の録画忘れてたー。今日はメテオ様属性の新キャラ登場回だったのにーぐわー。
 ビデオでまとめて『アバレ』。「お、オラにこんな力があったなんて!(座禅組んだままピョンピョン跳ねながら)」。『ナージャ』。火事の回。リタしゃべる。ポケモンみたいに「あまりに大谷がうますぎて喋らせる必要なくなった」ということにはならなかった模様。海賊の回。で、モンガー同様しゃべりまくるリタ。キャラ的にはダンデライオン一座に足りなかったツッコミ属性になるか。「カスタネット海賊団」て、もしかして星に輪ッかの紋章じゃありませんかドキドキ団長は冷酷非道な女王様じゃありませんかワクワクと思ったけど違った。CMの「おばばミシンレッスン」には我が目を疑う。そうか今回は「ミシンさえ出せば何やってもいい」という指定ですか。暴走ルージュ・ドゥ・ルーンに最近いい仕事してる山吉演出が加わり、えらいことに。
 あとはもう原稿原稿で。
7月20日(日)【ここまでは2003.09.07更新】
【今日の随想】
 茶道の調度や作法に、身分の上下を一時的にワヤにするための仕掛けが随所に施されているのはよく知られている。それがキリシタン文化を取り入れたものかどうかはともかく、戦国大名たちにこれほど流行ったのは、もしかしたら一種のプレイとして受け入れられたのではないかという妄想。医者とか弁護士とか政治家がSMプレイにハマるのと同じ原理だったのではないかと。(←茶道関係者各位:こいつのタワゴトは聞き流してください)
 「見立て」で世界観が形成されるところなんか、まさしくイメージプレイじゃないですか。そう考えると九十九茄子とか平蜘蛛といった名器も、伝説の職人が作った最高級のムチや木馬みたいなもんですか。(←茶道関係者各位:聞き流してください聞き流してください)
 じゃあ利休は女王様だったんですね。「ほらとっとと飛び石を渡るんだよモタモタするんじゃないよこの薄汚ないブタ! ブタはブタらしく這いつくばって茶室にお入り! お前ブタのくせにマイ湯呑みなんて使ってるんじゃないよ! ブタなんて回し飲みで十分! ほほほほほほ何てあさましい姿だい!」……そりゃ秀吉に切腹させられてもやむなし。(←茶道関係者各位:聞き流してください聞き流してください聞ーきーなーがーしーてーくーだーさぁーい!)

 『ナージャ』。「最近は小学生でもマニキュアしてる」とか驚いて慨嘆してる大人は多いが、こんな低学年向け番組でCMかけてりゃねー。『ガッシュ』。あいかわらず泣けるー。「大谷&釘宮」って視聴者悶絶死さす気ですかー。
 また一日原稿三昧。肩はこるこる頭も痛い。だけどやるしかありません。今回は40ページだなやっぱ。いろんな要素から無理はできない。
 ネット巡回すると、例の『エトワール・ド・メモワール』が早くも先週末リリースされたらしく、あちらこちらのサイトで萌え狂ってる星の子たちの声が爆発している。俺は職場受け取りにしてしまったのがアダとなり、しかも代引きだから実際目にするのはもっと後になりそう。でも今読んだらきっと原稿どころじゃなくなるのは必至なので、ちょうどよかったかも。

【今日の面白アクセス】
 「エーデルワイス+メテオさん」。何事かと思ったら、ドッコイダーなる深夜アニメにそういう名前のメテオ様そっくりのキャラが出ているらしく。画像を探したら、なるほどこれはこれは(萌)。ボーイッシュな人間形態もなかなか(萌)。しかも声は釘宮(萌)。貴様ら俺を萌え死なす気ですか。俺を殺して誰が利益を被るのか。
 「横須賀線+車内にトイレ」。俺と同じ病の人はけっこういるらしい。
 「デリックメイ+コメットさん」……なんで?(汗)
 「呪ってやる+家族+日記+親+憎い」。何を期待した。
7月21日(月)
 朝から涼しく、原稿もはかどる。ジメジメするのはアレだが。水俣で大雨降らせた雲の残党が時折ざざーと在庫処分をしていくが、こちらではまず洪水にはなるまい。

 サギメールがウチにも来る。面白いので転載。
 (ちなみに改行がぜんぜんないのは元からです)

Date: Mon, 21 Jul 2003 13:13:19 +0900
From: 情報リサーチ協会管理部
To: ********@********.***

顧客管理番号:******-** 前略、 先日発送しました債権譲渡通知書はご覧頂けたと存じますが、同通知書でもお知らせしました通り、弊社はインターネット・コンテンツ配信事業社から債権譲渡を受け貴殿の債権(利用料金)の回収をさせて頂くことになりました。  弊社が回収受任した貴殿の債務について、幾度と無くご連絡されて頂きましたが、あなたからの入金が確認できません。 弊社顧問法律事務所とも協議の結果、次ぎの通り最終和解案を決定いたしましたので最後の通知をいたします。※ 尚、今回の通告を無視された場合、すべての情報機関に通達(ブラックリスト登録)をさせて頂きます。 最終和解案【入金期限】 即日・即刻【振り込み先】三井住友銀行  船橋支店       普通口座 9106314  情報リサーチ協会  マサキ カツヤ※ 必ず『電信扱い』でお願いします。【債務入金額】 合計 45000円          内訳     コンテンツ利用料金 35000円        延滞利息      12500円        督促費用       5000円        特別減免額      −7500円        合計     45000円※ 今回、万が一入金が確認されない場合、弊社関連組織の回収専門員が自宅・勤務先へ直接伺う事となります。メールアドレス相違、郵便事故、その他いかなる事由により今まで連絡が取れなくなっていたにせよ、それは弊社に起因するものではなくお客様の責任によるものです。 従って、今から問い合わせを頂いても、一切お答えいたしません、円満な解決を望むならば至急入金をお願いします。尚、回収にいった場合、交通費、宿泊費、実費手数料等(金10万円)を上記金額に上乗せし、請求いたします。入金遅れは1日たりとも猶予しませんので、何卒よろしくお願いします。※ 入金が確認された場合すみやかに弊社の料金未払い者リストから削除させていただきます。情報リサーチ協会 債権回収部


 やっぱり連休狙いで来ましたか。で、明日銀行が動く前にかき集めてドロンというシナリオですか。さーて、次は「オレオレ詐欺」でも来ないかな。

 そんなこんなで予定の40ページ、ほぼネタで埋まる。よくここまで進んだもんだ。
7月22日(火)
 実家近くの路上で、こまっしゃくれたガキに背後からバットで殴られ、怒ってこっちも殴り返し、なにすんだコノヤロなんだこのスットコドッコイと言い合い(ほとんど漫才)になるという夢。ロリータコンプレックス(元のナボコフ的意味で)とどつき漫才欲求のあらわれでしょうかフロイト先生。そのまんまですか。それにしても、夢の中だとなぜこうポンポン言葉(罵倒)が出てくるのだろうか。よほど現世では抑圧しているものと。

 昨日の進捗は予想外というか計算外というか奇跡的なものがありましたが。人間こうなると欲が出てくるもので、ひょっとしたら新刊48ページもイケるんじゃないかと考え始める。自縄自縛。へんたいですね。まぁ今の替え歌の出来具合いなら、あと8ページ増えても問題なかろう。
 4日ぶりの職場。『メモワール・ド・エトワール』は、出張準備で金曜日出てきていた先輩が代引たてかえてくれてた模様(汗)。お帰りになったら重々礼をしなければ。しこしこ仕事。その合間に新刊の表紙用紙を発注。昼休み、珍しくREYで日替わりランチ(おろし焼肉定食)。
 午後、担当してたA5判580ページの本が印刷所から届く。よく作ったな俺。でも、数年前出した『●●●●●●●●●●●●●』は598ページ。去年出した『●●●●●●●●●』なんか770ページ(普通に組んだら900ページは行ってた)だし。俺歴代3位か。あー当分こんなでかい本はいいや。定時、とっとと退社。コミケカタログと「くらオリ」買って帰る。
 空揚げとポテトサラダで残りごはんをかっこみ、『メモワール・ド・エトワール』の封も開けず替え歌のレタッチに励む。

 ウダイとクサイがモスルでの銃撃戦であぼーんした模様。こいつら俺とあんまし歳変わらないのに、なんとも豪快な生涯を送ったものである。いや絶対マネしたくはないデスが。つくづく俺の父親がバース党に入ってなくてよかった(笑)。まぁ2人とも一生分のいい思いは存分にし尽くしただろうから、氏して悔いなしだろ。
7月23日(水)
 実家の近所から出るバスに乗ってて、ふと東の夜空を見ると、小さい月ぐらいの大きさの火星が浮かんでいる。さすがは大接近。……そんな夢。いくらなんでもそこまででかく見えるわきゃない。
 自由党と民主党、合併。かくして自民党のアブレ者が一同に集結することに。まー、どっちも「反自民票」以外頼るものがないから、パイを奪い合うよりもいっそ合併して集票力を上げるという戦略は正しい。最大の懸案は党名か。
 きのう買った「くらオリ」読みながら職場へ。裏表紙のおまじないアイテム広告の女がなんともいいツラ。実写版『笑ウせえるすマン』を撮るなら喪黒服造役はこいつしかいない。
 仕事。午後、おなか壊れた模様。疲労か。会議して後片付けしてとっとと定時退社、パン買って帰ってもそもそ食う。
 原稿一段落するまでは、と思っていたが、つい『メモワール・ド・エトワール』の封印を解いてしまう。いやもうこんな鼻血の出そうな充実ぶりを誇る本とは予想だにせず。4395円(代引手数料込み)、全く高くなし! あまりに熱中しすぎて『トリビアの泉』観るの忘れる。
 まず、コメットさんのデザインにこれだけ手間がかかっていたとは思わなかった。いや、あの微妙なアホ毛の配置など、言われてみるとものすごい試行錯誤の果てにデザインされたものだと納得する。初期、中期、後期、決定稿に至るまで何種類も描かれたプロトタイプコメットさんの設定の山に、初めてオリジナルもののキャラデザを任されたまきだかずあきの気負いと苦闘の道程がありありとにじみ出ている。それに比して、デコ出すか出さないかの差だけであっさり決定稿が出たメテオさんって。
 さらにあの音楽の数々が、「音に反応するオモチャに対応させるため」ということで(結局そんなオモチャは出なかったのだが)ガンジガラメな縛りの中で作らされていたという事実にも驚いた。そんな縛りがあったことなんて、あの音楽聞いたかぎりでは全く意識させられなかったし。たぶんこの「縛りなんて全然意識しませんでした」と言うのが、小西への最大の賛辞かもしれない。
 資料集としてはおそらくこれ以上のものはもう出ないだろう。つうか根こそぎ載せまくってるし。あとはそれこそ『ガンダムセンチュリー』みたいに勝手に設定の考証しちゃうしかない。「トライアングル星雲=M87」説とか。しかし「星国=霊界」説が一時オフィシャルになりかけてた(17話あたりで)という新事実の前には、よほどな嘘をでっち上げないと読者を満足させることはできなさそうで。
 ともかく、『コメットさん☆』という「作品」そのものに少しでも思い入れのある人なら、絶対買って損はなし。(コメットさん以外の)キャラ萌え限定の人にはちょっと退屈かもしれないけど。すくなくとも俺は大満足。つうかもしあれ以上メテオ様の画像が多かったら、もう萌え狂って原稿どころじゃありませんでした。しかしメテオ様の設定画が少なかったのを補完するように、コメントコーナーで作監ズがみんな申し合わせたようにメテオ様描いてるのがイイ。
7月24日(木)
 腹の調子、まだよくない。でも仕事。11月刊行予定の本、原稿整理を始める。絵師のT先生に資料を6冊送る。昼休み、胃を活性化させんとスパイシーでプレーンカレー。定時退社。帰りに『ミルモ』新OPのCDゲット。もちろん替え歌のためだ(←おい)。
 珍しく「アサヒ芸能」読みながら帰る。『長崎「局部切り少年」を生んだ暴走「性教育」!』というトップ記事に引かれて買ってしまったんだが、これが長崎ちょきちょき節とは全然関係ない、最近の小学校性教育の過激さを3ページうだうだとあげつらっただけ。しかも例に出ていた「ひどい授業」は私立の授業ばかり。12歳ちん切り少年がこんな教育受けていたわけがないのである。マジで徳間に「金返せ」と言いたくなった。もちろん、「アサヒ芸能」にはもとから期待してないので(浅草キッドのコーナー以外読むとこないし)、抗議の電話はかけなかったが。騙された俺が悪いってことで。それにどうせ拾った雑誌だし(←おい)。
 『ミルモ』CD聴く。TVサイズじゃ聴けない間奏部分がコンチクショーってなぐらい小癪に処理されてて、もう。本編では使われてないカップリング曲(また「ちゃお」の付録か何か用の曲?)も大変なことに。

【今日のアクセス解析情報】
 また『聖書の暗号』がらみの検索が山のように。今度は何に出ましたか。『トリビアの泉』にでも?
 それと「山田みつ子」も増えてるんですが何かありましたか。
7月25日(金)
 きのう「山田みつ子」でアクセスが急増したので何かと思いましたが、今朝読売見たら、例の民事裁判で「月命日のたびに分割して払う」ことになった慰謝料を、実は一銭も払ってなかったことが明らかになったとの記事。ダメだこいつ。

 たぶん仕事してたんだろうと思うけど、記録がないので忘れた。記録もできないぐらいアタフタしてたのかもしれないし、記録するまでもないぐらいホヘラ〜としていたのかもしれないし、記録したくもないぐらいイヤなことがあったのかもしれないし。メメント。

 週刊文春で小6監禁事件の記事。ほーほー吉里弘太郎容疑者(享年29)の好みはストレートのロングヘア幼女ですか。『ラブやん』の天使長メテ・ルー様なんかド真ん中ですな。吉里容疑者もせめてオタクになっていれば、同人誌とかエロゲとかでハァハァして生身の女の子に手ェ出さずに済んだかもしれませんな。自殺も練炭じゃなくて身体中の養分を出して死んでやる方向で。

 NHKニュース。国際サンタクロース協会、今年のサミットでついに「サンタの故郷はトナカイのたくさんいるグリーンランド」と宣言。もちろんニュース中では「海外のほのぼのニュース」的扱いしかされていなかったが、実はこの決議が、サンタ界(なんだその世界は)をラグナロク状態にたたき落としかねない重大事であることに気づいている日本人はいったい何人いるであろうか。
 この協会については、自身も協会公認のサンタであるパラダイス山元氏の『サンタクロース、ライフ。』(ヤマハ、2002年)に詳しいが、世界中に散らばるサンタクロースを束ねる番長連合のような組織で、年に一回コペンハーゲン郊外に集まっては「ヒゲは自前でなければいけないか」「女サンタを認めていいのか」「トナカイ以外の交通手段を使っていいのか」などなど、人間にとってはドウデモだがサンタにとってはその存在に関わる数々の問題を話し合う「サンタサミット」を開催している。
 サンタを観光資源にしている国はスウェーデン、ノルウェー、アメリカ(インディアナ州、アラスカ州他)など数多いが、こうした国々もこの国際サンタ協会には一目置いていて、毎年、国代表のサンタをデンマークに送り込んでいるそうだ。しかしただ一国、80年近く前から「サンタの故郷は我が国北方のコルヴァトゥントゥリなり」と宣言していたフィンランドだけは、「ウチこそ元祖」との矜持があるのか、どんなに招待状を送っても代表サンタを派遣してこないという(この事実は、表現こそボカしてあるが『サンタクロース、ライフ。』にもしっかり書かれている)。なかなか生々しい話である。
 で、今年のサミットにもフィンランド代表は出席していなかったと報じられていた。つまりフィンランド抜きでフィンランド以外の国がグリーンランドを「サンタの地」と正式に決議したというわけで、事実上フィンランドに対する最後通牒というか宣戦布告と言ってもいい(藁)。サンタ界にとっては、ロードマップ崩壊クラスの大問題である。ついに「元祖vs本家」争いが表面化するかと思うとガクガクブルブルじゃけんのう。仁義なきサンタ。ラップランドを血に染めて。でもみんな出入り中も「ホーッホッホッ」しか言わないわ、ドスで刺しても服が赤いから血しぶきも目立たないわで、絵としてはどうにも盛り上がりに欠けるというか。へへへ、なんてロマンティックなんだ……。

 その他のニュース。庄和町で、男が少女の部屋に忍び込んで2階の窓から投げ落とすというまたわけのわからない事件。たしか庄和町って他の事件でこないだニュースになったような。通り魔だったかな。そんなにキティガイ濃度の高い町なのか、それとも通り魔と同一犯の犯行なのか。
 船橋の住宅で火事。11歳の「もえ」ちゃんが焼死。脊髄反射的に、この世で最低最悪の部類に入るダジャレ(もちろん書けません)がひらめき、死にたくなる。寝る。
7月26日(土)
 0630起床。日テレの朝刊チェック。香取慎吾が「日本一のジブリファン」に認定とのこと。ハァ?(謎)。「おもいっきりテレビ」、みのもんた休暇中の司会に一茂起用。さすが「おもいっきりテレビ」だけあっておもいきった事をするなぁ。
 未明、宮城ででかい地震があった模様で、ズームインプラスではそのニュースをみっちりと。傾いたブロック塀を取材していたら、その数分後に起きた余震でその塀がぶっ倒れたり、断続的に大きな余震が起こっている模様。のちに仙台地獄地震と呼ばれるような大災害にならなければいいが。仙台のスラムキングって、三日月型のクワガタつけたカブトをかぶって眼帯でもしてそうだな。梵天丸もかくありたい。
 0830出かける。以降のことはあまり詳しくは書かないが、ADHDって「あいこ・どれみ・はづき・ドッカ〜ン!」の略だったんですね(爆笑)。くれじじさん、天才すぎです。帰りの電車の中で、週刊新潮の「吉里容疑者はアトピーが原因でロリコンになった」とかいう記事を読みながら、アトピー持ちの人たちみんなで激怒する。「それだから『潮』や『第三文明』や『灯台』の広告でボロクソ言われるんだよー」と暴言まで飛び出す。そんな謎のイベントでしたが何か。
 2050帰宅。どこからか夏祭りの音頭の太鼓。自宅のフロアまで上がると、北の地平低く花火が見える。この半年間、冬に向けた企画を続けてたもんで季節感がワヤになってたけど、そろそろ心身が「夏」を実感してきた。それにしてもめっちゃくちゃ眠い。2300就寝。
7月27日(日)
 0800起床。一滴もアルコール摂取してないのに、飲んだ翌朝のような疲労感。肩がバリバリに張っている。礼拝中もバリバリ緩和されず。気晴らしにビッグサムでプチプチマット(部屋の断熱用に)を買うが、まだバリバリ。しょーがないからナロンエース飲んで3時間ほど寝る。
 1630ごろ起きるがまだ治らず。でも原稿はしなければ。はひー。
 日没後そこそこ回復するも、とても版下作りどころではない。原稿の配置も再考だ。印刷開始は下手すると木曜か。いやそれが無難だな。焦ってはいかん。焦ると、ただでさえ荒い仕事がそれこそ目も当てられんレベルにまでなりそうだ。木曜金曜で各16ページずつ、月曜で残り16ページを印刷できれば、スケジュール的には十分だ。……なんとかしよう。
7月28日(月)
 一時的に、10月刊行企画に手をつける気が全く起きなくなる。クリエート用のメモリを全部夏コミ新刊に振り向けてしまったため、ロコツにもう一方のジョブが滞る。誰や知るこの大苦悩。まーそれでも、こないだI先生からもらったイラスト見本を参考に、もっとイラストを大きく使えるよう版面を天地に計6.5ミリ拡張するなどの小細工をチンタラと。
 帰る。原稿描きながら、「HEY! HEY! HEY!」で平井堅の新曲聞く。めちゃめちゃキーが高いけど、平井堅自身ぜんぶ裏声で歌ってるんじゃん。こういう歌唱法もアリと思うとちょっと気が楽になる。そもそも地声聞くかぎり平井堅の声域ってだいぶ低くないか。大変なことである。しかし議長の日記に書いてあった「平井堅のドゲイ〜♪」がずっと頭から離れないのはどうにかならんか。先週読んだ「アサヒ芸能人」のカットにも大笑いしちゃったんですけど。Ken's Barのカウンタでフンドシ一丁の平井堅がシェイカー振りながら「めんそーれ(はぁと)」って。
 そしてひえだ先生のタロット。最初は笑ってた客席がだんだん先生の占術に引き込まれていく過程がなんかイイかんじ。でも「片桐はいり」はひでぇー。次は「ミュージックステーション」でロシア人デュオを呪う呪法をタモリに伝授してあげてください。はたして島谷ひとみ、先生の占いどおりブレイクできるのか。カバー商法から脱皮できるのか。
7月29日(火)
 仕事、昨日の続き。へーーろへーーろ、へーろへろーーー。
 昼休み、あゆみBOOKSへ。「ユリイカ」の最新号が平積みになってるのでひょいと見たら「特集:黒田硫黄」キター! すっかりスノッブ系オタ向け雑誌になりはててうれしいぞ。もちろん映画『茄子 アンダルシアの夏』公開にひっかけての特集で、表4にはどーんと映画の広告が。こうして見ると、俺はほんとギリギリのところで黒田硫黄に出会えたというか、10年遅かったというか。
 それにしてもさすが題材が題材だけあって、執筆者各位まぁ饒舌なことこの上なし。これだけ「語る」「読み解く」余地というか、そういう「評論ゲーム」のモティーフにし甲斐のあるマンガ家は大友克洋以来かもしれない。しかも大友以上に「語り」の切り口が多様多彩にとれるところが面白い。黒田マンガのエロさにまで言及してくれた論者がいたのに感銘。そうそう、絶対黒田ってムッツリスケベだと思います俺。つうか俺が『大日本天狗党絵詞』買っちゃったのも、実はシノブたんにハァハァしたからと言っても過言ではなし。目つきやさぐれててショートカットでズボンでフードで昔のスリみたいな帽子でダッフルコートでいきなりダサスカートはいてみる微妙なオンナ心とか、ああもうツボー! こういうキャラが描ける人は十中八九ムッツリスケベかつダメにんげんです。萌える人はさらにダメにんげんです。よって俺様ダメ確定。何を今更。ハァハァ。
 帰って原稿。すいません、毎年この時期の日記はいつもこんなかんじで。
7月30日(水)
 夏期休暇という名目で仕事をサボり、終日MR021の原稿。イラスト4枚、まえがき、もくじ、あとがきを残し、なんとかなる。執筆に着手したのが18日、実質作業時間は18-21日と27日、今日の計6日間。そんな時間でよくまぁ48ページ原稿書き上げたもんだと(まだ6ページ残ってるけど)。かみさま……。
 『Nステ』。きのうの横浜vs阪神戦で、ファウルフライを追う横浜の外野手にストライプの応援バットが投げられたという。先日の催涙弾と言い今回のと言い、20年前のいしいひさいちマンガそのままである。あれはギャグ表現でもなんでもなく、単に阪神ファンの生態をそのまま活写しただけだったようだ。そういえば、「阪神優勝」を商標登録していた千葉の阪神ファンと阪神球団との間で話し合いが持たれ、金銭面も含めて合意へ向かっているらしい。そりゃ本物のファンなら球団とケンカするつもりもあるまい。さてどうなるやら。
7月31日(木)【ここまでは2003.09.15更新】
 この時期は、早稲田までコピーに行って、その合間に仕事してるようなもんで。月給ドロボウはなはだしきことここに極まれり。
 そんなわけで昼、いつものコピー屋でp.17-24まで印刷。コンビニおにぎり3個で昼食すます。1730過ぎに退社、その足でp.25-40まで一気に印刷だ。すげーもう本文半分刷了ですか。なんと順調な。まーここからがまた大変なんだけど。ファーストキッチンのベーコンエッグバーガーセットを特急の中でぱくぱく。メシ食う時間も惜しすぎる。
 スーパーフリー影の首魁・岸本英之容疑者(慶応OB)ようやっとタイーホ。とんだ早慶戦である。これまでネットなどで早稲田をバカにしていた慶応OBたちはどのツラ下げることやら。こういう時は、有名大学出てない俺は気が楽である。
 帰って替え歌用のカット描いて、2300さっさと寝る。つかれた。
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