2004年10月の開設者うらみ日記


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10月1日(金)
 朝指輪。往きて帰りし物語、のんびりと帰還。エルロンド親子の別れ。そうか、ただのガンコ親父の一番長い日とは比較にならんほど重い意味があるんだよなこの親子の場合。変態こじきどころか王にだって娘をやりたくはなかろう。昨日の暴言多謝。
 仕事。海外の出版社のサイト覗いてたら、おおっという本を見つける。専門家に評判を聞いてみて、よさそうだったら出版契約とってみよかな。企画通ったら、またワクワクする仕事ができそうだ。昼、昇龍軒でチャーハン。
 指輪、帰りの電車でラストスパート。すっかり私怨に燃える小悪党になりさがったサルマンに涙し、ダミーのいとしいしとでハァハァするフロドに戦慄し、いとしい旦那をさしおいてナオンに走るサムの尻軽ぶりに憤慨し(←おい)、「あれ? ケレボルンはどこ行った?」と思いつつ、ついに『指輪物語』読了。タイムは30日8時間40分
 ボロネーズすすって寝る。
10月2日(土)
 11日の『シルマリル』他オンリーイベント「ノルドランテ」に合わせ、同人原稿に着手する。初めてビルボとかスランドゥイルとかレゴラスとかビヨルンとか描いてみる。いやビヨルンはアレだが。
 ……ちょっと待て、『指輪』読み終わったばかりでもう同人誌か。

 イチロー大記録達成。そのかげで、18年ぶりとなる三冠王に輝いたのにダイエーファン以外誰にも相手にしてもらえない松中の立場に思いを馳せる。そらまぁ今年は五輪徴兵(←「徴兵」言うな)のせいで、ファームに落ちたわけでもないのに満足に試合消化できなかった選手がゴロゴロいる状態、それに加えてストまでありーので、今年の個人記録はぶっちゃけ言えば全部参考記録にとどまるわけですが。それにしても、ペナントレースの最中も全く騒がれなかったのはどういうことかと。てゆうか松中が三冠王狙えるポジションにいたことすら俺知らなかったし。2001、2002年あたり松井やカブレラが三冠王取るかどーかと大騒ぎしていたのにくらべるとなんとも気の毒と言うか。まーロッテには関係ありませんが。ああ遥かなるプレーオフ。
10月3日(日)
 『ガッシュ』。『レジェンズ』、マックもタリスポッドゲト。メグは「いーやー!!」。
 TBSラジオつけっぱなし、伊集院を聴きながら、ノルドランテ新刊の原稿とかネット放浪とかミクシィとか久々に日記整理してみたりとか。
10月4日(月)
 ダラダラできるのもたぶん今日が最後。思いきりダラダラする。昼、肉王スンヨプの霊が憑衣したらしく、がスドンが無性に食べたくなりフラフラと三朝庵へ。
 定時に出て四谷のクリスマス用品見本市を覗く。ついでに1か月ぶりに銀座ナルニア国へ足伸ばし、『シルマリルの物語』を買ってしまう。買いに行けそうなのは今日ぐらいだし。ああアホや。そういえばナルニアのトールキンコーナーには「ぼくチン版」がないぞ。わかってるなあ。
 さっそく帰りの車内で『シルマリル』をひもとくも、こいつはでかすぎてちと電車で読むわけにはいかん。これ通勤時間に読んでたら、読破する頃には腕がムキムキになってると思います。これも『指輪』みたいに文庫が出てれば読みやすいのに。イルーヴァタールの創世神話、「主題」を『指輪』、アイヌアを腐女子と勝手に脳内で置き換えてほくそ笑む。いや、アイヌアがトールキン研究者たちで、腐女子はメルコールですか。

 ミクシィに入門して早や数日。特に用もないのについつい頻繁にアクセスしてしまうのは何故だろうか。おそらくはケータイメール依存症と似たようなメカニズムで引き起こされる病理のような気がする。すいませんいつもの当てずっぽうです。いやでも本当に、こっちにハマると、どんどん自分のサイトのメンテナンスがおざなりになってきそうで怖い。すでに4か月半も更新遅れてる日記とかどうしようホント。
 今日は、母校OBOGの集うコミュニティ(2ちゃんねるにおける「板」に相当)を発見。参加者100人ちょっとなのに、その半数以上が「はじめまして」スレッドに書き込んでいる積極性がいかにも母校らしい。こないだアエラに載ってた大学満足度アンケートの記事でも母校の学生は「授業でよく発表/質問する」とか論評されていたが、その美徳つーか性癖がこんなところでも遺憾なく発揮されてるのが面白い。残念ながら俺の知人は見当たらなかったので参加せず。
 明日からめちゃめちゃ忙しくなりそうなんで、これでアクセス頻度も落ちつくかな。
10月5日(火)
 昨日からの雨、今朝はどえらい勢いに。でも仕事には行く。今日は行かねばならぬ。
 でも朝刊の投書欄を読んで、朝から気力が萎える。

脳への影響考えゲームをがまん
小学生 ●橋●● 9 (東京都●●区)
 この間、学校で保健室の先生が、「ゲームのう(脳)」
について説明してくれて、ゲームがどれだけ、のうに
悪いかということについて学びました。
 しかし、その内容は、生徒一人一人にどこまでひび
き、どこまでとどいたでしょうか。あいかわらず、下
校後は毎日毎日、みんなあたり前のようにゲームをし
ています。
 テレビやざっしで、新しいゲームのせんでんをよく
しています。それを見たのか、ほしがる子どもはたく
さんいます。それと同じくらいにゲームを買って子ど
もにあたえる親がいます。これでは、子どもたちがお
かしくなるばかりです。だから、いろいろな事件がお
こるのです。
 「みんながゲームを持っているから」「ゲームを持
っていないとなかまはずれになるから」という考え方
は、やめてほしいのです。「ゲームのう」について親
たちがもっとしんけんに考えるべきだと思います。
 わたしは、はやりのゲーム機を一つも持っていませ
ん。わたしが持っているのは、古いゲーム機一つだ
けです。そのゲーム機を使えるのは、ごほうびの時に
三十分だけ、と決めています。わたしも、みんなみた
いにゲームを好きなだけやってみたいと思うことも
あります。でも、がまんします。こういうがまんも必
要なのではないでしょうか。


> 「ゲームのう」について親
> たちがもっとしんけんに考えるべきだと思います。
 俺も同感です。親たちはもっとしんけんに、「ゲーム脳」が無根拠なトンデモ説であることを考え、どっかの小学校の保健室の先生みたいに安直に鵜呑みにして子供たちにいらん不安の種をまきちらすようなマネをしないようにするべきだと思います。●橋●●ちゃんの悲劇をくり返してはいけません。

 昼前、印刷所から小包。うわスゲエ、三校全部出てきた! がんばってくれたなあ。
 ちょうどそこに著者から電話。東京国立博物館に申請していた資料使用許諾の件、ようやく認可の手紙が届いたとのこと。申請書郵送して1か月、ウンともスンとも言ってこねぇからこっちもヤキモキしていたんだが、著者のほうに行ってましたか。先生のカオもあってか、カネ払う必要はないとのことでほっと一安心。「で、三校ゲラは如何」。ええ先生、つい今しがた届いたとこですんで、照合終わったとこから随時送ります。今度こそ、くれぐれも、追加修正は最小限に願いますぜ、お願いですから。こっちももう哀願モードである。
 紅梅で牛丼食って腹ごしらえして、どがががががと赤字照合に取り掛かる。1830頃、第一部まで宅急便で著者に送りつける。これだけでもちょっとした1冊の本ぐらいの分量があるのだが、いいとこ全体の1/3弱。さらに第二部の照合を2030まで。
 『指輪』追補編のゴンドール王家興亡史をちんたら読みながら帰る。
 料理どころか何か買う元気すらなく、カレーヌードルすするダメにんげん。
10月6日(水)
 最近クマ出没のニュースをよく聞くが、今日の「だと思ったらクマだった」というじじいはヒョーソク合い過ぎてて、不謹慎だけど笑ってしまう。ハムスターもこわいしクマもこわい世の中です。

 超巨大企画、イギリス公文書館から資料使用許諾のメール。ええーっこんなとっくに著作権切れてる文書を、しかも国内にコピーがあるから紙焼きもフィルムもいらないってのに、36ポンドも取るのかよー強欲ー。まーでもこの公文書館、返事が早いのだけは助かる。昼、大昌苑でいつもの。
 午後、第二部照合と荷作り。第三部にも着手し、2150までかけて照合終了。もちろん発送は明日になる。たすけてください。(世界の中心でなんとやら調でシャウトする元気すらなし。)

 ふらふら高田馬場まで歩き、ふらふら電車に乗ると、でかい本を読んでるメガネっ娘がいた。A5判ハードカバーのぶあつい本なんかよく電車で読めるな。読破した頃にはさぞや腕がムキムキになってるのではと。書店カバーのすそから見えるラベンダー色の装丁、ちらと目に入った本文レイアウトからして、どーもハリポタらしい。売れてるんですにゃー。すいません俺、まだ第1巻しか読んでません。
 出版業界でごはん食べてる人間としては、もっとハリポタをヨイショしなきゃいけないのかもしれないけど、まだ全巻出るまでは評価できないし。だって、この先ローリング女史がきちがいになって、最終巻でハリーがパイプ椅子に座ってロンやハーマイオニーたんの拍手を受け、世界中のポッタリアンが暴動起こすわエゲレスではブルームズバリーが焼き打ちに遭うわ本屋さんがこぞって首吊るわという美しい未来だってありえぬ話じゃなし。石橋を非破壊検査して渡る性分の俺としては、最終巻が出て評価が固まってから、2巻以降も読んでみようと思いますすいません。
 で、俺はメガネ女を尻目に、十分評価が固まってる『指輪物語』追補編を読んでました。
 万人受けする『ハリポタ』と違って、『指輪』は極めて人を選ぶ。この世界に足踏み入れてやっと実感した。なんて言うか、アタマのいい人間、教養と学習能力があればあるほどズブズブとハマり込む仕掛けになっている。それだけに、ハマった者が「こんな作品にハマれたこと」を特権的に意識するような仕掛けにもなっている。まるでスノッブ野郎を大量生産するために書かれたような、危険きわまりない本である。実際、知人によると、『指輪物語』自体が読者にとって「一つの指輪」と化す現象は珍しくないそうだ。コミケとかで他ジャンルオタクたちを鼻白ませている一部の指輪スノッブは、こうして『指輪』に取り込まれた「指輪の幽鬼」のなれのはてらしい。幸いあたしゃそこまで知能高くないんで、ナズグル化する心配はありませんけどね。
 ああ、『シルマリル』を電車の中で読める腕力が欲しい。
10月7日(木)
 2130まで第三部ゲラの発送と索引作り。

 帰ってミクシィの自己紹介欄を書く。

  *  *  *  *  *  *  *  *  *

 ・非常に心が狭く癇癪持ち
 ・想定しない事態が起こったり自分の予定を狂わされるとすぐ
  パニック起こすかカリカリ来る
 ・だから未来の予定が立てられない
 ・部屋も机も片付けられない
 ・人に頼みごとができない
 ・人にごめんなさいと言えない
 ・自分の仕事量が計算できない
 ・借りた本は何年も返さない
 ・軽度の視線恐怖と重度の邪眼妄想
 ・文章書くのがめちゃめちゃ遅い
 ・その上文体もめちゃめち
 ・弟が事故で入院しても実家からツッコまれるまで見舞いにも
  行かない薄情者
 ・常時睡眠不足でフラフラ
 ・具体的目標の見えない努力ができない
 ・自分の安寧こそが第一関心事
 ・さわやかな笑顔というものが作れない
 ・目つきが悪い
 ・発声法がなってない
 ・強度の知ったかぶり
 ・三歩歩くと用事を忘れる
 ・同時に二つ以上のジョブを処理できない(両方忘れる)
 ・人間の好き嫌いが異常に激しい
 ・そのくせ自分が嫌われるのは耐えられない
 ・騙しのテクニックは熟知しているのにヘンな所で潔癖なため
  実際の人間関係に応用できない
 ……などなど、社会不適応者の素質だけは天下一品。

 それでも人生の要所要所でいくつかの幸運に恵まれたおかげで、
 かろうじて自殺もせず他殺もせず、ほそぼそと自分一人ごはん
 を食べるだけのお給金をもらいながら、マガリナリにも社会内
 存在として生きてるみたいです。
 あとはその幸運を十二分に生かす才能さえあれば。

 *  *  *  *  *  *  *  *  *

 ダメな自己紹介の見本。
10月8日(金)
 米で「イラク大量破壊兵器はやっぱありませんでした」と公式報告出る。
 さて読売新聞はこのニュースをどう報じるやら、とワクワクしながら朝刊を開くと、なかなか期待を裏切らない。「編集手帳」は「過去を振り返る時、人は神になる」「一見おそまつな攻撃が、どれだけ未来の大規模テロを未然に防いだか」とサイコーな言い訳に終始。
 いや「編集手帳」はまだ毎回毎回書き手の苦渋ぶりが行間から滲み出ているぶん、同情の余地がある。社説に至っては「でも大量破壊兵器がなかったことを証明しなかったサダムも悪い」と「悪魔の証明」をやっている始末。じゃあ読売も、楽天にライブドア潰しを依頼しなかったことを、高橋吉伸の親父の件も何もなかったことを証明してみろ(笑)。わはははは、これでこそ読売!
 そもそも「編集手帳」の「予防的攻撃肯定論」だって、まずサダムとアルカイダが協力関係にあったことを論証しないと成立しないだろう。よしんば両者の関係を証明する動かぬ証拠があったとしても、それならそれで、イラクへの要求は「大量破壊兵器を出せやゴルァ」ではなく「金輪際アルカイダとの縁を切れ」とするべきではなかったのか、という疑問がわいて出てくる。「アメリカ自身が全人類を余裕でほろぼす量の大量破壊兵器を保有しているくせに」と世界中からツッコミ入れられるのもかまわず、なぜブッシュは「大量破壊兵器」を論点の中心に据えたのか。
 なんか、向こうからは立証のしようがない「悪魔の証明」を突きつけ、開戦の大義名分としようとしたんじゃないかとすら思えてくる。
 ブッシュ政権はそろそろ正直に白状したらどうか、「ビンラディンを直接ぼてくりこかせないことへの国内のフラストレーションをガス抜きするためイラクに八つ当たりしただけです」と(笑)。

 仕事は索引作成に終始。
 台風22号まっすぐ関東に接近中。さてさて、11日のノルドランテはどうなる。それより10日のぷにケットの運命や如何に。
10月9日(土)
 0945起床。台風の中、突発本の原稿をしこしこと。A5判・6ページのオールギャグ本。6ページしかないのに「本」とはえらそうに。こないだ『指輪』読み終わったばかりなのにもう本作るたあええ度胸と言うか生兵法もいいとこと言うか。いいのか本当に。さらに、知人の強い希望でギャグを描いてみましたけど、上古からのファンの方々に俺のギャグが通用するかどうか。ころされないか心配。
 参考資料の『シルマリル』もぱらぱら読む。やっと「UTUMNO」って何のことだか分かった。
 1600になんなんとする頃、外の雨音が大きくなる。ふと、NHKつけっぱなしだったTVをぽちぽちザッピングしてみると、どの局も台風情報。ミクシィ観てみようと思ったら開かない。ネズミ算式に増えてきた参加者数にシステムの増設がおっつかないらしく、どうも障害が多い。このぶんだと将来的には有料になりそうだなやだなあ。
 1800頃、原稿完成。やってもうた……。

 「フハハハハ、わかればよい!
  わしの宴を邪魔さえしなきゃ、
  何も怒ったりはしないのだよ。
  わしの名前はスランドゥイル!
  華麗なるスランドゥイル様だ!!
  言ってごらん?」(CV:若本規夫)

 「か…華麗なる、スランドゥイル様…」

 「てめえらを土牢に送る名前だーー!!!
  よーーく覚えとくんだなー!!」(CV:若本規夫)

 「ワー! やっぱり怒ってるー!!」

 表紙だけはそんなかんじで。Vの体勢。なっ何をする我が息子モヒカンレゴラスよ!(意味不明)
 でもこの嵐では、コピーには行けそうにないのうとほほ(明日はぷにケに行くんで時間がない)。とっとと台風通り過ぎて、夜中あたりコンビニ行ければいいんですけど。なにはともあれイベント今日じゃなくてヨカタよ。
 嵐が去るのを待ち、2100コンビニで印刷。2600までダラダラと製本。
10月10日(日)
 0900起床。『ガッシュ』。♪敵ーか味方か、宍戸ー留美ー(敵かな?味方かな?)♪の本領ここでも発揮。『レジェンズ』。マックまであっちの世界に行ってしまって戦慄のメグ。

 1050頃家を出る。電車がなんとも蒸し暑い。1210過ぎぐらいにPIO到着。ぷにケットXくれじじさんの新刊『こんな瀬川おんぷは300万年の眠りにつけ!』は期待以上の出来。こういうニュートラルなタッチって、まさにコラボ型パロを描くための絵柄だと思う。もしくれじじさんがコゲどんぼとか高雄右京みたいな絵を描く人だったら、あのネタ群の破壊力はかえって激減するんじゃないかと。
 もちろん、色のつきまくった絵柄がイカンと言ってるわけじゃないですよ。ぶるまほげろーさんの『はだかんぼう(はぁと)』も大笑い。「みんなのうた」のアレ知ってる人は必読。そして死ぬがいい。

 1330PIOを出て、千歳烏山へ飛ぶ。雨がちらほら落ちてきた。モスバーガーで若干遅めの昼食をとって、ライブパブ「TUBO」へ。演者はアイリッシュユニットRivendell
 明日のノルドランテのプレイベントとあって、当然ながら客層の95%が女性。ぷにケとまるで真逆の男女比に慣れるまでドキドキ。同じオタのイベントだというのにこの住み分け具合はどうよ。このままじゃオタクもエルフやドワーフやエントみたいに滅亡していきますよ。あと、異常にロングヘア率が高かった。気持ちは分かりますなんとなく。
 アイリッシュハープとアコーディオンで編成された素朴な音楽と脱力系のトークは実にいい。ギル=ガラドをうたった歌や「アー・エルベレス・ギルソニエル」などトールキンなレパートリーもあり、作品世界にマッチするサウンドとあいまって……いやこれは俺なんかよりも、年を経たトーヲタの皆様に評価してもらったほうがいいのでそっち方面の日記を探して読んでください。
 なんでも、昨年のクリスマスに銀座教文館でライブしてたとこをまりのさんがナンパして、今回のうれしいライブが実現したそうだ。まりのさん、露骨にトールキンなユニット名にまんまとひっかかったのもさることながら、「ハープ弾く男性萌え」もあったらしい(笑)。たしかに男のハープ弾きって、神話や物語ならともかく、ナマモノでは珍しい。Rivendellのファーストアルバムも中休みに即売していたが、この上品なジャケデザもまりのさんが手がけたそうだ。萌えのチカラ。
 むろと先生に、くだんのギャグ本の見本誌を献呈。ウケたのでホッとする。さらに、ぜんぜん面識ないトーヲタの人にその場で1部売れた。昨日30部刷ったけど、調子に乗って重刷決定。
 明日のイベント手伝いの件など若干話し合う。もしかしたら大手サークル周辺で交通規制をしく必要が出てくるかもしれないというので、通行止めボードを用意しとくことに。1800頃辞去。

 大統領選TV討論会に出たブッシュの背中に不自然なふくらみ。無線機を入れていたらしい。マスコミ的には、こういうツッコミ甲斐のある奴が再選したほうが助かるかもしれない。
10月11日(月)
 0530起床。イベントのカラーに配慮し、黒のスーツと黒シャツに銀のタイを締めてゴンドール近衛兵っぽく。黒と銀のコーディネートなら、ロッテのビジター用ユニシャツという手もありましたが。袖にはエルフたちに海への憧れをかきたたせるカモメの紋章までついてるし(笑)。とりあえず「空気読め」と殴られるのはイヤなので無難なとこで。
 0630出発。浅草橋のマクドでモーニングののち、0830、オタクにはおなじみのあそこへ集合。イベントの設営を始める。もっとも下ごしらえは万全に用意してもらってるので、準備も戦場というほどではなくマターリと進む。
 サークル入場開始。いつもローテローゼのドイツワイン試飲会で使ってる3階A号室に、60サークルをぎゅうぎゅうに詰め込んだ配置はなかなか壮観。これが男分満載のイベントだったら奴隷船か九龍城かという壮絶なビジュアルになったとこだろうが、さすがに『シルマリル』オンリーなんぞという高踏的イベントに直参するサークルさんはキレイどころばっかしで、むしろ女子校の文化祭といったテイ。

 あまり大きな声では言えんがイベントスタッフやるのは初めて。準備中もオタオタし、むろとさんに叱責されたり。もちろん準備会も俺が役立たずであることは承知しており、イベント中は部署的にヨコの連係を必要とせず1人でもできる稀覯本展示コーナーを任せられる。
 と言っても閑職というわけではない。今回のサークル参加者のお1人が長年蒐集してきた貴重な本ばかりで、旧版『シルマリル』の初版をはじめ、珍しい絶版洋書、さらにトールキン本人のイメージ画集(これも絶版)など、ファンにとっては垂涎で隅田川氾濫しかねない品がゴロゴロという状況。また飛び入りで台湾の『シルマリル』(固有名詞の繁体字表記が笑える)なども並ぶ。白の手袋をはめた即席ニセ学芸員のコスプレで展示品の見張り。
 そしたらイベント始まってみるとこのコーナー予想外の大人気。ほとんどブースの前から人が切れることがないの。俺ぐらいの歳から大学生、いや高校生そこそこにしか見えない女子のみなさんが、ユリイカ1992年7月号や幻想文学1985年第12号に目を輝かせ「うわーこれどんなに探しても見つからないんですよー!」と狂喜するさまは信じ難い光景である。女性がここまで古本にキャーキャー嬌声をあげるところを見たのはさすがに初めてかもしれん。「おいくらですか?」いやこれは同人誌じゃないので。
 必然的にニセ学芸員も書誌情報の書かれたアンチョコ片手に応対に追われるが、困ったことにこっちは全く『シルマリル』の知識がないときたもんだ(←おい)。で、お客様方が「あーっ、これは●●●!」「あの●●●ってこういうイメージだったんですね!」と感嘆するのをええそうでございますハイとかなんとか、さもハハハハ私は何でも知ってる不思議な博士だよ〜とでも言わんばかりに受け答えしながら、心の中では冷や汗かきつつ『なるほどマニアはこの絵を見せると感動するのか』『なんだと●●●●ってそんなに強かったのか』『へー、シルマリルってそういう話だったんだ』と、徐々に断片的知識を蓄積していく。その蓄積の範囲内で分かることは、某学会さながら実物のページを繰りながら解答・解説し、分からないことを聞かれたら「オーナーさんに問い合わせてください」と持ち主さんのブースを紹介して逃げる。ええもう詐欺師と呼んでください。もし俺がまだアイヌリンダレしか読んでないとバレたら袋叩きに遭っただろう。
 かくいう俺も、今回1、2を争う人気だったトールキンピクチャーブックの中にモリアのバーリン日記(焼けコゲ刀傷等損傷甚大)を見つけた時は、商売がら超絶激萌えしてしまいました。うわ、あれ実際に書いてたのかよ教授!
 途中メロンパンはむぅしたのと、一度ぐるっとサークル回ってみてむろと先生ご推薦のバカ本買うた以外は、ほとんどレア本の前にはりつき詐欺行為に終始する。

 心配していた局地的混雑もなく、ゆうべ一応作っておいた専用通行止めボード(「きさまは通すわけにはいかぬ!」byガンダルフ)も幸い出番なし。それでも客はどしどし訪れ、盛況かつマターリとした雰囲気のまま、つつがなくイベント終了。あちこちで写真撮影会。通行止めボードまで撮影されてるぞ(笑)。結局ボードは後日他のトールキンオンリー主催する方に引き取っていただきました。
 で、肝心の俺の本ですが、さっぱり売れず。やっぱトールキンとガッシュ両方マークしてる人はいないのか。失敗だあー。

 サークルさんが呼びかけて開催された二次会には、北海道から九州までに散らばった『シルマリル』ファンが一堂に会したカタチとなり、50人予定のところなんと100人もの大所帯に。コレに来なきゃ他にオフラインで『シルマリル』語れる場所はない、とばかりにみんな必死である。スタッフはそっちに入りきれず別室ではーやれやれと互いの労をねぎらいつつ腐女子話に花を咲かせる。俺はほとんど初対面の方たちばっかりだったが、売れ残った本がちょうどいい名刺代わりに。
 そこに、本会場から挨拶に訪れる人々が続々と。みんな「よくこんなニッチなイベントを開いてくださった! 主催者はネ申!」と半死半生のまりのさんに大感謝。うるわしいのう。
 そこからスタッフのみ(+一般参加者2名ナンパして)有楽町で中華。なぜか平成ライダーやウルトラマンガイアやシャンゼリオンの話に。腐りきってます。2200お開き。
 いいかげんタマシイ出かかってるまりのさんをタクシーに放り込んだのち、残ったスタッフで主催者の功業を称える。ほんと、初のイベント主催にしては、プレイベントのコンサート企画したりいろいろ工夫をこらし、それでいて全く破綻させずオシマイまで見事にまとめたまりのさんは大した方である。
 とりあえず皆様おつかれさまでやんした。あんま役に立たなくてすんません。
10月12日(火)
 疲れた。休みとればよかった……。
 昼食:志乃原味噌煮込み、夕食:神戸屋パン、と、食う物もバテバテモード。
10月13日(水)
 今日も疲れがとれません。トシですか。トシですな。
 ダラダラと仕事。昼、サンポルタに入るが、カレー食べるほど気力がなく、ポークしょうが焼きにする。吉村作治を目視にて確認。
 1700、上司2人と連れ立って高田馬場でM先生と会う。ルノアールで超巨大企画の三校ゲラ引き渡し。やっぱりだいぶ赤字入ってるけど、初校再校にくらべりゃ屁でもなし……と思ってしまうほど麻痺してしまった自分が(涙)。印刷所も哭くだろう。3回も著者校正出したのは初めてだが、総頁数642頁になんなんとする学術書だけに仕方なし。思えば、今年の仕事始めの日にいきなり原稿どさりと渡されて以来、ほとんどかかりっきりになって編集してきて、ようやっと刊行の見通しが立ってきた、という感じ。あとは本当に売れるのかどうか。それは営業方と著者にがんばってもらおう。俺ががんばれるのは、出すところまでです。
 死ぬほど死んでたので、ゲラ受け取って職場に持って帰っただけでとっとと帰る。
 さぼてんカキフライ弁当食ってタウリンとって、もう今日はさっさと寝る。
10月14日(木)
 仕事。超巨大企画、今日明日で(場合によれば土曜日も使って)印刷所にぶちこむ予定。今日は7時間寝たから大丈夫だろう、うん。これだけ熱心に(先生も俺も)チェックしてきたけど、それでも刊行してみたらラテン語のスペルミスとかポルトガル語のアクセント記号の間違いとかぽろぽろ誤植が見つかるんだろうなあ。
 そもそもラテン語も中世のポルトガル語もネウマ譜もカトリック教会の典礼も全然勉強してないくせにこんな本を担当するのはサギです。クリスマスのこと全然知らないくせに本とネットの情報だけでクリスマスの本を書いたり、経済学カケラもかじってないくせに千昌夫先生の経営戦略を批評した原稿を扶桑社の本に寄稿したり、『シルマリル』読んでないくせにシルマリルオンリーイベントに同人誌出したり、俺の人生サギ一色です。
 もっともマスコミ業界なんてウソツキだらけですけど。ウソツキでなければとてもこんな不特定多数に情報をたれ流すなんて危険な商売できません。だからこれでいいのだ。いいのか本当に。

 午前中、没頭。昼、麻の葉でざしきわらし。午後、没頭。2000頃まで没頭。没頭のあまり、部分日食のことすっかり忘れてた。鬱。
 ティーヌンでカオマンガイたいらげ、古書市で角川春樹のヨメの本買って帰る。「男だったら地道に段階を踏んでいかないと近づけないような権力中枢にも、女なら一気に踏み込んでいって一流の知恵を拝借したりできる」って、そりゃあんたぐらい狡智にたけたオンナじゃなきゃ無理ですってば。
 でもこんなふうに、社会で成功する上で「女であること」をハンディキャップととらえず、逆に主要な武器のひとつとして配備・運用できる、一種開き直った人間は強いと思う。自分の持つさまざまな能力を生かしまた伸ばすために「女であること」を利用する、その割り切り方は、生き方としてアリだと思う。だって、世の男が「男であること」を利用して方々の局面でオイシイ目を見てるのに、女が「女であること」にストイックにならなきゃいけない道理はないだろと。……もちろん、「女であること」それだけしか才能がない人はどうしようもありませんケド。
10月15日(金)
 久々の晴天。でもまた朝刊の投書欄で出ばなをくじかれる。

真剣に考えたい ゲームの悪影響
塾講師 ●川●● 26(前橋市)
 「脳への影響考え ゲームをがまん」(7日)に同
感です。投書のように「ごほうびの時に三十分だけ」
といったルールが確立していれば心配はないと思いま
すが、私の知る限り、一日に二時間以上もゲームで遊
ぶ子供も少なくありません。
 ゲームに接するのが長くなれば、その分、家庭での
学習時間は当然少なくなってしまいます。子供の基
礎学力の低下が問題となっていますが、その一因に
ゲームによる影響はないのかどうか、私たち大人が
真剣に考えるべきだと思います。
 親たちは、「子供が仲間はずれにされたらかわいそ
う」という理由で子供に安易にゲームを与えがちで
す。また、ゲーム業界も、表現方法に関する基準を設
けるといった取り組みもあるようですが、「売れれば
よし」といった姿勢は相変わらず根強いように感じま
す。
 ゲームのやり過ぎが脳の働きに悪影響を及ぼし、感
情のコントロールがきかずキレやすくなるという指摘
が出ています。子供たちのためを本当に思うなら、今
までの考え方を大人がまず改める勇気を持つべきだと
思います。


 7日の小学生の投書に「同感です」と言いながら、「ゲームをやってると勉強時間がなくなる」って、それは「ゲーム脳」とは関係ないんですが……。んで最後に思い出したように「ゲーム脳」の話を付け足してますが、先生の憂う学力低下と「ゲーム脳」との因果関係は最後まで不明。ゲームを叩く材料でさえあれば、その科学的妥当性はどうでもいいんですね。こういう大人たちの安直で感情的な「ゲーム害悪思想」が、「ゲーム脳」をここまで社会に(無批判に)受け入れさせる土壌となったんだと思う。「大人がまず改めるべき勇気を持つべき」なのは、こういう安直さのほうなのではないか。

 仕事。ドタバタと超巨大企画の三校戻し。

 1日に見つけた面白そうな洋書、到着。原著出版社に翻訳権強奪のオファーは出してあるけど、見本が届くのが待ち切れないので、思わずアマゾンに頼んでしまってワンワンワワンという次第でして。
 トンデモ本だったらどうしようかと思ったが、ざっと雰囲気を見たら、思ったより研究対象が広く、案外骨太の本でよかった。元ネタ本もけっこう読み込んであるようで。これならうちの職場から出せそうだ。たぶんこんな本は●●社や●●●●●社や●書房や●●書店もノーチェックだろう。翻訳権が無事ならなんとか取りたい。もちろん出す時は、引用部分は●●社に許可とらなきゃいけないけど。
 問題は、英語が読めないので、細かいところの考察が我が国で出版するレベルに達しているかどうか、自分では分からないところ(バカ)。それとさらなる問題は、こういう本が訳せる翻訳者が見つかるのかどうかだ。
 具体的にはまだ言えないが、この本は、Aの世界をBの手法で読み解くというシロモノで。Aの専門家、Bの専門家ってのは日本にもウジャウジャいるんだが、A・B双方に造詣の深い人ってのはあまりいそうになく(と言うか俺は聞いたことがない)、さらに日本語に翻訳までできる力量を持った人間となると、本当に地球上にいるのか、学界でもその存在が疑問視されている。ともかく来週の編集会議に間に合ったので提出はする予定。

 昼は昇龍軒でチャーハンにギョーザまでつけてガツガツ。午後もドタバタ。ムリヤリ印刷所にぶちこみ、帰る。
 神戸屋パン食って寝る。
10月16日(土)
 1000までグッスリ。久々に8時間眠る。
 米、イラクでブイブイ言わせてるザルカウィに今ごろテロ組織指定。9.11から一月ちょっとでもうアフガンにトマホークぶち込んでたのに比べると、ずいぶん慎重なことであるな。なんで?
 ミクシィに入り浸り。こういうところにいると日記も熱心に書いてしまう。「ネット出しゃばり」ほど楽しめるシステムになっているらしい。人間のコミュニティってのはすべからく出しゃばりほど楽しめるもんだが。ノルドランテもそうでした。
 ひさしぶりに日記整理にとりかかるがそれほど進まず。なーんかミクシィだらだらとやってしまう。落ちつかない。
 昼はトースト、夜はスパゲティと外に出なくてもいいメニュー。ひきこもり。
10月17日(日)
 0830起床。いい天気。洗濯機回して『プリキュア』。さっさと逃げろ番人。ストーリーは二の次・キャラ萌えに特化した作品……と言うと、まるで『東京ミュウミュウ』の方法論を援用して作ったような作品に聞こえるんですが。『ガッシュ』。たまたまサンデーで読んだことのある回だったんで、原作とのアレンジ具合を楽しむ。前々回からの流れでパムーンを出したのはうまい。レイラがなぜアルベールにこだわるのか、原作ではもっと克明に描かれているんだろうか。『レジェンズ』。いいのかメグそれで。そしてドロンジョ様一味(違)はトラバーユし、逆に先生は悪の大幹部に。
 教会の帰りに生涯学習センター前を通りかかると、「炬火リレー中継所」が設営されていた。国体でも聖火リレーするんだ。いや「聖火」じゃなくてただの「炬火」なんだ。別に聖なる火じゃないんだ。子の権現で巨大ワラジを燃やして作った火とかじゃないんだ。するなそんなこと。
 そう言えば朝食食べてなかったので昼からスーパーのトンカツ弁当かっくらう。ビデオで『鈴木タイムラー』。初々しいおぐりゆか、まだスタイルを模索中の議長。今後どうなるかだ。
10月18日(月)
 企画会議の前に、先週金曜日届いた本の企画書をダガダガダガダガとまとめる。
 会議に提出。やはりコレを訳せる翻訳者がいるのかどうかがネックになった。前にも同様の企画を同様の理由でポシャらせた経験上、上の上の方たちも慎重になっている。それは仕方ない。とほほ。
 けっきょく、候補者を探してから再提出することとなった。でも、そんな黒い白鳥を探すような(1697年までは成立した比喩)探索作業、俺の特殊な人脈では不可能です……。探し物全般は得意なほうですが、人材探しだけは専門外なんだよう。すでに日本で読んでて自分で訳してる物好き、どっかにいねーかな。いっそファンの間で悪名高い●●●●とか●●●●●に訳させて、Amazon.comのカスタマーレビューで軒並み☆1つつけられたり批判サイト作られてボロクソ言われたりするのも面白いかも。だからそうヤケクソになるな俺。
 幸い上司に心当たりが約1件あるとのこと。今はそれに期待。その方に、火中の栗を拾ってくれるほどの力量と度胸があるかどうか。安請け合いされても困るけどね。これが「火中の栗」だと知らない人に下手に訳されてはほんとにかなわん。

 翻訳の仕事している人はウジャウジャいるはずなのに、何故こんな誤訳迷訳オンパレードな翻訳書を量産してネットでもボロクソ叩かれている翻訳家がいまだに仕事もらっているのか……と不思議がっている読書家はけっこういると思いますが。出版社が使える「翻訳者」てのは、案外限定されるもんなんです。
 定評のある原著者の本は、それなりの地位(大学教授等)なり場数を踏んだ経験(何冊訳書出したか等)なりを持ったヒトに頼むようになってるんですよ。また、無名の著者の本の場合も、翻訳家の名前で売ることがありますし。有名人(芸能人とかまで含む)に翻訳させてみたり。
 あと、専門書は通常その道の研究者に訳させるもんですが、その本の分野がマニアックであればあるほど、そういうことを大学などの研究機関で研究してる(つまり出版社側から探しやすいところにいる)研究者も少なくなるわけでして。つまり選択肢の幅が小さくなるわけで、そうなるととにかく「翻訳ができる」というだけで重宝がられ、畢竟、翻訳のウデそのものはあまり考慮されなくなるし。
 無名でも本当にその道の知識も力量もある翻訳家に、ぴったりの仕事が来るケースなんてのは、ほんと、隕石の衝突並みにレアなんですよ。そういう無名な人たちは、丁稚奉公のごとく偉い翻訳家の先生の下訳をしたり、専門外の本でも生活のためにガツガツ訳したり、そんな毎日を送りながら、「いつか偉くなって仕事を選べるようになってやる!」と思いつつ辛い下積み時代を送っているんですよ。で、偉くなった頃には初心を忘れ果ててたりして。
 ……なんの話でしたっけ。

 帰り、力が抜けるタイプの眠気に襲われる。『指輪』追補編のエルフ語がアタマに入らぬ。
 すっかりふぬけきり、西友で牛丼とサラダ買って帰って食う。植木先生の日記を読みながら「向こう三軒領土なり」とかダジャレを思いつく。感染力強いなあ。
10月19日(火)
 またどでかい台風が列島縦断コースをとりつつある模様。雨がぱらぱらと。いいかげんにしてくれい。
 カラダがどうも「超巨大企画以外」モードに入らない。ただの寝不足という話も。とにかく雑誌の入稿にとりかかる。昼休み、大昌苑で焼肉定食食って、こっそりミクシィ。コミュニティをあれこれ物色する。「編集者・ライター」コミュを見たがあまり面白くなさそうで、かわりに「校正」コミュに参加してしまう。
 午後も原稿整理。3本入稿してやれやれと思っていたら、早めに来ていた原稿が1本あったのをコロッと忘れていてギャーと。頭痛もあり、ひさしぶりに定時退社。
 さぼてんのカキフライ弁当で夕食。タウリンタウリン。パソコンのあたりからシルシルシルシルと何かを回転させながらこすりつけているような音。まさかHDDですか。一旦システム終了してみる。そろそろ買い替え時期か。
 ミクシィの「機能制限に関するお知らせ」におびえる。このぶんだと本当にミクシィ有料化の日も近いかもしれん。もはや足抜けできないから厄介だ。依存性の強い麻薬みたいなもんだからな。有料化のアカツキには末端価格は月いくらぐらいになるのか。経済的にも肉体的にもボロボロになるのがイヤでなんとか中毒抜こうと思ったら思ったで、ネット環境にない密室に閉じ込められて「せぇんせぇ〜ミクくれよミク〜!」(じたばた)「ばかっ!もっと自分を大事にするんだ!」とか修羅場を演じないといかんじゃろかー。それを思うと友達をミクシィに紹介なんかできない。知人をドラッグ禍に巻き込んじゃいけないよな、人として。ダメ、ゼッタイ。by.西村知美(脳内麻薬の大家)。
10月20日(水)
 22号の次はすかさず23号。「お前はカブレラのホームランか!」とツッコミたくなるほど続けざまにボコボコ来やがる台風。前回は関東直撃が土曜日だからよかったものの、今度はウィークデーですよ。今日はまだしも明日は無事おしごと行けるんでしょうか。
 風台風の22号に続き今度は雨がすごい。豪雨でもちろん遠出はかなわず、紅梅で日替わり定食(豚丼)。昼のNHKニュースは延々と台風情報。各地で被害が出て、ケガ人も続出。佐賀では68歳の男性が、屋根を補強しようとして転落し大ケガを負われたそうで。……ってそれは台風のせいと違うのでは。
 主に雑事中心にこなし、帰って、神戸屋パンをかじりながらパソ。エアコンつけてもいないのにエアコンのようなサーという音が窓から聞こえてくる。窓開ける気にもなりません。外はさぞかしマイナスイオンが雨あられのごとく。いや実際雨なんですけど。

 小樽で女子高生らが大麻所持でタイーホ。土地柄気になるのは、買ったのか、それともそのへんに自生してるのを刈ってきたのかという点。
 タイマーズたちは「えーっ大麻ぐらいでポリス沙汰になるのー!?」とショックを受けているそうだ。かつてのタバコぐらいの感覚でキメていたのだろうな。ガキ特有の背伸び感とか背徳感とかを友と共有し結束力を固める装置として。もはやタバコがそこまで背徳感を提供し得ないぐらい「普及」してしまった現在、もはやそれに変わり得る装置は大麻ぐらいしかないのか。しかし、「大麻ぐらいで」というのももっともな話だ。大麻なんかよりもっと毒性の強いニコチンをお国が国民に売り捌いて貴重な税収入にしてる現状でなぜ大麻がダメなのか、という思いは強かろう。俺もそう思う。いや未成年じゃタバコもダメですけど。
 てゆうか窪塚洋介は何をやっておるのか。こういう時にしゃしゃり出てきてマリちゃんファナちゃんを弁護するコメントでも表明してくれれば、俺は窪塚を認めるのだが。「一本スジ通ってるじゃんか」と。そして車椅子で熱弁を振るう窪塚の姿に、故クリストファー・リーブ的感銘を受けたお茶の間ビトたちが徐々に大麻支持へと傾き……やっぱ出てこなくていいや。

 そういえば上々颱風は今いずこ。
10月21日(木)
 ケロヨンクラブの幹部どもに逮捕状。ざまーみろ。
 朝方、まだ雨が残るが、めんどくさいので傘を持たずに駅へ。はたして高田馬場に着いた頃には上がっていた。雑誌や楽譜集などいろいろ。
 昼、志乃原で味噌煮込み。TVではレッドソックスvsヤンキースのプレーオフ最終戦。うわ、9-3でボストン勝ってるじゃん。ヤンキース3タテのあとでレッドソックスが意地の3連勝。そして迎えた最終戦もほぼ勝敗は決した模様。日本人の大半は単純に松井のいるヤンキースを応援してるみたいだが(志乃原の客もおやじもそうだった)、個人的にはやはり、一度もワールドシリーズ制していないレッドソックスに同情する。だって日本で言えば近鉄だし(笑)。いうなれば近鉄vs読売ですよさしずめ。結果は1989年日本シリーズと全く逆になりそうだが。松井が「デビルレイズより弱いっスよ」とかよけいなことを言ったんじゃなかろうか。
 ティーヌンでセンレクヘン食って帰る。レッドソックス、呪いも発動せずあのまま勝利、リーグ制覇。大変なことになった。
 もっと大変なことになったのが台風23号。こっち(関東)に来る頃には日本アルプスに阻まれてだいぶ勢力弱まっていたんで、まさか西ではあんなに死者が出ていたとは思わなかった。なんで平成の御代に昭和30年代並みの死者が出るのかと。もはや佐賀の屋根から落ちた68歳男性のことなど誰も被害者にカウントしようとは思わないだろう。そのへんのクラスまで加算していったら被害はすごいことになろう。で、また24号が同じようなコースで接近中ですか。1つぐらい北朝鮮にでも行っちまえ。
 23時過ぎ、電話が鳴る。ドキリとして受話器を取る。なんだファクシミリか。
10月22日(金)【ここまでは2005.01.10更新】
 超巨大企画、印刷所のガンバリのおかげで、どうやら京都まで出張校正に行かずに済む模様。台風のせいで来週は京都のホテルどこも取れない状態で、最悪、校正室にシュラフ持ち込んで寝てやろうかと思っていたところだったが、これはありがたい。他の仕事も山積しているし。ただ、往復の新幹線の中で『シルマリルの物語』を読破してしま おうというアテが外れたのだけが残念。そんなアテどうでもいい。
 昼、昇龍軒でチャーハン。天気もいいので、神楽坂のデザイナーさんとこまで自転車で装丁データを受け取りに行く。しかしこれが甘かった。地図上ではたいした距離でもないのだが、箱根山をはじめ全行程これアップダウンのみで構成された難コースで、しぬかと思った。チャリにギアついてなかったら遭難してました。
 そのまま午後はグッタリ。運動不足&寝不足ここに極まれり。

 浅草橋に出る。いつものドイツワイン試飲即売会。その前にマクドでおなかくちくしておく。ついでにシモジマに寄ると、店内はもうすっかりクリスマス一色。コミティアのディスプレイ用に小さいクリスマスツリー買う。
 今回もいろいろ試飲。何年か通ってやっと分かってきたんだが、同じメーカーの同じ銘柄でも、年によってずいぶん印象が変わるもんだなとしみじみ。たとえばラインヘッセン、デーブス醸造所のガオ・オーデルンハイマー・ペータースベルクQ.b.A.(甘口の赤ワイン)も、年によって甘かったりさほどでもなかったり、風味もだいぶ違う。今回来た2003年の新酒はなかなか甘くておいしい。このへんがワインの難しいところでもあり、面白いところでもある。だからハマる奴は異常にハマるんだね。いやほんと試飲しないでワイン買うのは福袋と一緒。危険すぎ。
 贔屓にしてるナーエのショット醸造所の2003年ものもいくつか並んでたので試飲。蜂蜜から作ったような濃厚な色と香りと甘味は今年も健在。でも2000年だか2001年だか、地域で金賞もらった時のやつはコレよりもっっとおいしかったなあ。個人的にここの酒はリースリングよりも、ジーガーレーベとオプティマをブレンドしたやつのほうが性に合います。
 いいかげん酒精が回り、あとは贅沢なのをちょこちょこ飲んで仕上げますかと、老舗・トゥリーア慈善協会のを飲んでみる。そしたらここのピースポーター・ゴールドトレプヒェン2003年シュペートレーゼが、もう驚くほどの出来。もちろんアイスヴァインほどのズガンとしたボリューム&猛烈な香りというわけではないが、甘味酸味香りのどごしの全てにおいてすごく高いアベレージでバランスがとれている。とんでもない「完成度」の酒だ。あまりの旨さにしばし動けず、その場で最後の一滴までチビチビ舐める。
 ここの酒は慈善協会のくせに「ウチも慈善事業じゃなくってねぇ」と言わんばかりの高めな価格設定で。このシュペートレーゼも1本4500円と自分で飲むにはもったいない値段(ちなみに前述のショットさん家のシュペートレーゼは3000円)。だが、今年はこの値段で全く文句つけられない。一言で言えば、ウマー!! 2003年はヴィンテージイヤーになるなると言われてましたが、そうかこんな酒が出来てしまいましたか。うわー。
 ショットさん家の酒2本と、他ちょこちょこ自宅用に注文。それと、「例の本」が重版されたお礼に、絵師のI先生とT先生にさきほどのピースポーターを贈る。ドイツワイン飲んだことのない人でも、アレなら口に合わないはずはない。逆に、アレをおいしいと感じないようなら、申し訳ないけど遺伝子レベルでドイツワインとは縁がなかったと思ってあきらめてもらうしかない。I先生んとこは小さいお子様もいるので、ブドウジュースも2本つける。ジュースったって、ワイン醸造用の果汁から作ったむちゃくちゃ贅沢なやつだぞ。醗酵させればそのままワインになる。香りや色ツヤまで白ワインそっくり。
 で、さっき「福袋はいかん」とか言っておいてナンだが、酔っぱらって気が大きくなり、ワイン福袋(2000円)を1本試してみる。55番と書かれたパッケージを取ったら、店の人が「松井ですね」。ちがーうイワオー!!(涙)……と神戸の人に訂正してもまず分かってもらえそうにないので(千葉でもツラいと思う)エエまあそうですタイみたいな顔で。中身は定価2500円相当のスパークリングでした。大当たりはアイスヴァインが入ってるそうですが。やっぱクジ運だけはダメですな俺。
 いやしかし、ほんの11日前この同じ会場で自分が同人誌即売会のスタッフやってたと思うと笑えて仕方がない。

 「バンチ」と「くらオリ」買って、ワインの瓶下げてちんたら帰る。酔っぱらった目で見ても、「バンチ」の誤植はひどいねどうも。「噂」が「嘘」になってたり。いいかげんにしろウ〜イ。新宿駅でなにやらザワザワ騒がしい。あんだって、埼京線で線路陥没!?
10月23日(土)
 0800起床。洗濯して、QUICK嘘屋の原稿にとりかかる。前回の反省から、今回はもうあたりさわりなく小樽の大麻女子高生ネタで。もちろん遅筆な俺が数時間程度で書き上げられるわけもなく、中途なところでタイムアップ。1500髪ばっさり切って、1630、嘘屋のGさん御成婚奉祝オフ会のため浅草に向かう。
 電車に飛び乗ったところで、そういえば手土産が何もないことに気がついた。どうしよ。そうだ、浅草橋に寄るぐらいの時間はあるかな、どうせ浅草と1字違いだから近いだろう、とヒラメく。路線図見てみたら実際ちょっと寄り道する程度にしかならん。てなわけで進路変更、昨日行ったばかりのワイン会へノコノコと。
 すんません昨日試飲したコレ1本持ち帰りで買いたいんですけど、と例のトゥリーアのシュペートレーゼを所望するも、好評につき今回東京に持ってきた在庫は品切れ、欲しかったら神戸の本店に注文してくんなましとの返事。オーノー。今日持参できないと意味がねえので、かわりにショットのシュペートレーゼをテイクアウト。入場料も払わんと売ってくれてありがたし。
 在庫があるか調べてもらってる最中にグラッ、いや、グラ〜ンといったかんじの地震。うわ、でかいぞこれは。周囲はビンだのワイングラスだの割れ物の山なもんで万一の際はえらいこと確実だが、幸い会場は被害なし。それより店の人がパニクりもせず比較的落ちついてたのに驚く。さすが10年前神戸で地獄を見た人たちはひとあじ違う。

 地下鉄で本来の目的地・浅草へ移動、集合場所になっているスマートボールとやらの店を探す。でもスマートボールってなんだか知らないので迷う。「なんとかボウル」と書いてある大きな建物の前で中を覗くが知った顔はさっぱり。あ、ここはただのボウリング場ですか。やっと、駄菓子屋以上ゲーセン未満程度の店鋪を見つける。そこに主賓のGさん夫妻も到着。重いのでさっさとワイン渡す。やがてゲームを終えた嘘屋の面々が三々五々出てきて、さて移動しますか、と思ったところでまたグラ〜ン。携帯のニュースによると、新潟でどでかいのがあったらしい。大丈夫か。
 幹事の玄界灘男さんの先導でぞろぞろ三次会会場へ向かう道すがら、ジェンキンス夫妻クラスのアツアツぶりを見せつけるG夫妻の後ろから、光デパートさんと二人でまー奥様なんてハレンチなんざましょと陰口たたきながらケリを入れる。まったくなんでGさん披露宴もやらんわ結婚式も身内だけで済ますのかと。出席者全員で「カミさんいるの? ボクいないの。チョンチョン!」とやりたかったのにと。広川太一郎だらけの披露宴。「このこのぉ、毎日毎日カミさんとエロゲーかぁ? やったらしいんだからこの助平がぁ、チョンチョン!」……なるほどそれで披露宴しないのか。
 とかなんとかあほ言ってるうちに、すごい和会席の店に連れ込まれる。玄界さんだけはいまだに正体が分からない。おいしい料理に舌鼓を打ちながら、店の人をいじったりG夫妻をいじったり。ところで今日一番びっくりしたのは、Gさんが私より年上だと知ったことだ。今までタメだと思い込んでましたすいません。G妻の本音もコッソリ聞き出す。最大の不満は「部屋が汚いこと」だそうだ。わははははは俺だったらとっくに殺されてるな。もうひとつここだけの話。結婚前に「タバコをやめる」と約束して本当にやめる男はいやしねえぞ。ウチの親がそうだ。「タバコ吸ったらリコーンする」とまで逆関白宣言されたものの、家以外ではスパスパと。父の車はヤニ臭いぞ。でもいまだリコーンする気配なし。今後、Gさんがいかに怖いカミさんを手なずけるかが勝負の分かれ目となるだろう。

 四次会のカラオケでもG夫妻のアツアツぶりに一同アテられ続ける。「死ね死ね団のうた」歌っても動じることなく「あいつの名前はレインボーマン」で返してくるGさんの余裕しゃくしゃくぶりと言ったらもう。どんな攻撃呪文ぶつけても全てディスペルされるかんじ。やはり直接攻撃しかないのか。釘バットで撲殺とか。Gさん関連以外では、「マツケンサンバII」を完璧に歌いこなす光デパートさんに戦慄する。ちょっと耳コピしたぐらいで平気でアレコレ歌う恥知らずの俺とは、芸に対する覚悟が違いすぎる。あと「ANNIVERSARY」ってウォンレイ×リィエンの歌だと思うと泣ける。

 のんきに終電で帰ってきてみたら、TVがこぞって特別番組モード。夕方の地震、とてつもない大きさだったんですね。NHK総合が地震情報一色なのはともかく、NHK教育までが「たずね人」モードになってるのを観て、やっと事態の重大さを認識。なんだろうか、この、安否を問う親族のメッセージを淡々と流すだけの番組の、その一つ一つに込められた必死の思い、そしてそこからにじみ出る底知れない不気味さというか恐ろしさ。妙に震えてくる。夜が明けたら、一体どんな実状が明らかになるのか。「6人死亡500人ケガ」で済めばマジで天の配剤もの。
10月24日(日)
 0830起床。  昨日の地震、朝になっても死者はあまり増えてない。津波がなく、阪神淡路のようにストーブの季節でもなかったのが不幸中の幸い。それでも道は壊れ家は潰れ壁は崩れ、中越の惨状はすさまじい。新幹線までひっくり返っている。なんだこれは。
 『プリキュア』はロミオとジュリエット。『ガッシュ』は紫の丸い人が味方になったとたんボケ属性発揮。『レジェンズ』は先生がイタいよう。ちらっと『マシュマロ通信』にチャンネル変えてみたら画面が小さくなっている。欄外は地震情報。『ガッシュ』『レジェンズ』にはこんなテロップ出てなかったのに。フジのほうがテレ東より反応薄いってどういうことですか。でも笑っていいとも増刊号はまた画面小さくなる。スポンサー様の強さとか、視聴率とか、そういうので左右されるのか。
 ダラダラとQ嘘の原稿をまとめる。さすがの俺でも地震ネタは使えない。1830頃脱稿。
10月25日(月)
 朝、日本シリーズ第6戦のニュース。西武が逆王手をかけたらしいですね。右翼スタンドに飛び込んだ和田の勝ち越し4号ソロをダイレクトでキャッチするや、即座にグラウンドに投げ捨て返す怒りの中日ファン。球場ではたまに見かける光景だが(捨てないと周囲から「捨てろ!捨てろ!」と煽られることもある)、TVでここまで鮮明に映されたのを観たのは初めて。半世紀日本一を経験せず、リーグ優勝するたんびに西武に全国制覇を阻止されてきている中日からすれば、西武は怨んでもあまりある宿敵。気持ちは分かる。にしてもいいなあ日本シリーズ。プレナ幕張前にクス玉が用意される日は来るのか。
 しかし、ただでさえ注目度低めの日本シリーズが、新潟県中越地震(「県」は入るの入らないの?)でさらに輪をかけてどうでもよくなってしまったのう。せめて読売が出ていれば、読売報知日テレ系列が意地になって無理矢理盛り上げようとするところだろうが。

 先日見つけた洋書の続報。まー要するに、とある英文学者の研究書なんですけどね。18日の日記に書いた「上司の心当たり」に上司がコンタクトしてみた結果を伺う。誰か翻訳できそうな人がいないか意見立法審査権してみたところ、なんとこの先生が「自分で訳したい」と仰ってきたという。
 もともとT先生は、別の英文学者の研究ですごく定評のある方なんだが、ちょーどこっちの英文学者に関する論文を書こうと画策しており、かなり研究も進めている。実力も知識も申し分はない。しかもこの本もすでに持ってて、これはなかなかいい本だわいと思ってたところだという。そこにたまたま今回の話が来て、「渡りに船」とばかりに一も二もなく引き受けてくだすったわけだ。当方としても、英文学・宗教学双方に通じ著書も訳書も山ほどあるプロパーに御自ら翻訳引き受けてもらってこっちこそ「渡りに船」もいいとこである。もう、双方の利害合致しまくり。こういう「巡り合わせ」って本当にあるんだなと。
 せっかくの「巡り合わせ」だし、これは大事にカタチにしないといかん。まずは俺ももっと勉強せんとな。原作の洋書ぐらい買っておくか。

 続々と入ってくる地震の被害報告。通信・交通網が寸断され、いまだ被害の全貌が掴めないそうだ。下手したら村ひとつ地の底に落ちてたり、小学校ひとつ砂漠化した未来にタイムスリップしてたりしても誰も気が付かないのではないかと。それにしても、使用料滞納したわけでもないのにライフラインが止められる理不尽さというのも、想像するにあまりある。それと「久保田」の新酒が全滅だそうで。あまり日本酒飲まない俺ですら、勿体なさに涙とヨダレが止まらん。台湾大地震で老酒工場の倉庫が酒びたしになった映像を観た時以来のビジュアルショック。あと、今日の『ブラックジャック』が放映中止になったとか。なんの話? ああラルゴ? じゃあしょうがない。よりによってアレかあ。
 そのかげで日本シリーズ第7戦。西武、逆王手からそのまま投了。ああよかった、これで中日に負けてたらダイエーファンから何言われるかと。それにしても今季1勝しかしてない石井貴がMVPってどうよ。伊東もよく起用したというか。あっちも山井なんて全く名前聞いたことのないピッチャーがすげー好投してるし。最初名前聞いた時「やまい」ってどういう漢字書くのか分からず、ベタだけど「病」か?と思ったもんだ。一時西武の「代打男」として名を上げた金森も、あのサヨナラ逆王手ヒット打った年のシーズン、実は代打全部失敗してるらしい。お祭りってのは不思議だ。
10月26日(火)
 「トリビア」、アメリカで吹き替え版放映開始だそうで。 フジの「めざましテレビ」でうれしそうに言ってた。それでもスーパーバイザーであるところの唐沢俊一先生にはたぶんビタ一文入らないんだろうな。日記にもお書きになられてないところを見ると、下手したら情報すら入ってないかもしれん。パチンコの近代的釘配列「正村ゲージ」を発明した正村竹一氏、カラオケを発明した井上大佑氏に匹敵する、戦後日本大衆文化の三大功労者の一人に数えられてもいいお方がこの報われなさってどうなのよ。
 「怪物の生みの親」というのはえてしてこういうものかもしれない。
 生んだのが人間なら、実の親はその所有権を主張できる。実際子供を「怪物」に仕立て上げる際の貢献度は、チチローレベルから鈴木あみの親父レベルまで様々なのだが、「親です」と言ってしまえばすんなり子の七光りを享受できる。しかし、DNAのつながりのない「商品」の場合、話は簡単ではない。血がつながってるかどうかもそうだし、生み出し、カタチにし、「怪物」にするまでの過程であまりにも多くの人間の手が介在しすぎるということもある。そして、「生みの親」が特許なり何なりを主張していない場合、「生みの親」が他の関係者からリスペクトされることはまず期待しないほうがいい。青色LEDの中村修二教授がどれだけ苦労したか。
 たしかに「トリビア」を怪物にしたのは、あの「瑣末な無駄知識を無駄な金かけて実証する」という贅沢な手法を取り入れたおかげだし(アレも「探偵ナイトスクープ」の拡大版パクリと言う人もいるが)、フジテレビという巨大な資本と人的資源を持った組織でなければあんなポトラッチな贅沢は不可能であることは言を俟たない。また、大衆向け(小学生レベル)にまで薄味にしたことが今日の大成功の一因でもある。あそこまでウスくなるともはや議長のノリでは全くない。……それは分かるのだが、やはりタマゴを立たせたコロンブスにはそれなりの物的恩賞を受ける権利があるのではないか。
 人間、共にビンボな時はうるわしく助け合うものだが、金や名誉がからむとすぐに性善説を捨て去るから面白い。エデンの神話なんか信じちゃいないけど、やっぱ「原罪」ってあると思う。知人友人間でもえてしてそうなんだから、ましてや純然たる「ビジネス」においてをや。リスクマネジメントと利益配分は、性悪説に基づかなければいかん。黙っていては誰もヒトの権利など考慮しちゃくれないし。

> トリビアの泉のスタッフから打ち合わせ日程についてまたメール。
> 「とてもお忙しそうでいらっしゃいますね!」
> と。そうだよなあ、せめてあの単行本の印税の1パーセントでも
> 貰えれば、こんな忙しくしなくても左団扇なのだが。
[2004年9月19日の裏モノ日記より抜粋]

 このクダリには泣けたぞ。

 肩が痛くて上がらない。もう四十肩かよ。アシュレイちゃんほどじゃないけど人より成長(いや老化だな)が早い体質らしい。ともかく職場へ。西武線のあちこちにライオンズ日本一祝賀ポスターがべたべたと。レオの背後の「V」の字が金色で刷られたポスターはほんとに久しぶり。最後に貼られたのは12年前か。

 超巨大企画の青焼きが届く。もう死にたくなった。おぼろげながら頁立てした本の形になってみると、全然ダメ。レイアウト見難いし。横組で脚注のある本なんだから、ハシラもノンブルも天に持っていけばいいものを、地に置いちゃったし。他にも、三校戻しのタイムリミットがあと2週間、いやあと1週間あれば改善できた点とかボロボロ出て来て。今年の仕事始めの日に戻って最初からやり直したい気分。
 俺のように期日までに仕事をこなす社員は、会社としては都合がいいだろう。こっちもそれを売りにしてるからクビにならずにすむのだが。しかし、納期に追われ不本意な仕事を残すことになるのはなんとも遺憾である。上司は「最初は6月刊行予定だったのをここまで延ばしてやったのに」みたいな言い方をするが、ふざけんじゃないと。半年で本にできるような原稿じゃないだろアレは。最初の見通し甘過ぎ。原稿受け取った瞬間からそのことは訴え続けてきたのに聞いちゃくれなかったし。現在の11月納品だって突貫工事もいいところだ。「信濃」クラスの。艤装もままならず魚雷1発で沈みそう。つうか、俺が残業も休日出勤もせず怠けていたとでも言いたげな言い方ですな。いやいやおかげさまで超過勤務手当ては存分に頂戴していますぞ。
 それとも何ですか、著者の言いなりになって3回も著者校正出したのがいけなかったとでも。じゃあもっと雑な状態で迅速に出せばよかったですか。あの大先生のライフワークを。そのほうがよかったんですか。文芸社の自費出版みたいに、編集部内では校正もなんにもせずに。で、『リアル鬼ごっこ』みたいな有様になって先生に恥かかせて怒りを買って「ああやっぱり●●之友社や●●社から出せばよかったぜケッ」とか言われたほうがよかったんですか。時間的制約から、いい原稿を十全な形で本にしてあげられない無念さ。それも、その時間設定に特に合理的説明がない場合の理不尽さといったら。こんな形で本にするぐらいなら、もっとこの分野の本職がゴロゴロいる版元から出してもらったほうがずっとマシだ。くやしすぎる。
 いやほんと出張校正じゃなくてよかった。出張校正してたら、印刷所から飛び降りてたかもしれん。キョエー!とか奇声あげて窓ガラスぶち破って京都の空にアイキャンフライ。

 そんなこんなで、途中で一歩の焼肉定食かっこんだ他は、終日ギャーギャーワーワー殺してーいっそあたしを殺して−と騒ぎながら(迷惑な奴)1900責了。納得いかない仕事をしてしまった良心の呵責、方々に当たり散らしたことへの自己嫌悪で、どんよりしながら帰る。
 食欲もなく、西友でサラダだけ買って、カレーヌードル食べる。レタスがしなびてる。台風のせいだ。
10月27日(水)
 またイラクで自己責任(これで流行語大賞にならなかったらウソだ)日本人がとっつかまったらしい。「小泉首相、ボキの命を預けることになってスマソ」とわざわざ謝っているらしいが、ズッコケ3人組ショックは全国民に深いトラウマを残しているようである。家族はいろんな意味で生きた心地がしないだろう。さあ小泉首相、今度はどんなラッキーを見せてくれるのか。人質が首つめた直後に関東地獄地震でも起こってウヤムヤにされてしまうとか。

 ……なんて言ってたら1040頃またグラ〜リと揺れる。ネットニュースを見るとやはり新潟の余震、震源では震度6弱出ている。本震と同じ威力の余震が何度も続く。いよいよ新潟地獄地震か。じゃあスラムキングは田中真紀子か。とかひどいことを言ってられる暢気な南関東の住人。
 昼、Reyで豚もやしピリ辛炒めランチ。NHKニュースは余震フィーバー。カメラクルーが多数中越入りしてカメラ回していただけに、いい絵がどしどし撮れた模様。山あいの風景を映していたカメラが、余震が襲ってきたとみるやサッと崖にパンし、さあ崩れろ崩れろと言わんばかりにカメラ回し続けるサマとか(結局崩れませんでした)正直でよろしい。中でも特にいい絵が撮れたのが新幹線の脱線現場。復旧作業撮ってたらグラグラグラー!と来て、カメラも作業員のみなさんもまるで植木等に襲撃されたかのごとく(以下略)。
 一方、ガケ崩れで潰された乗用車の救出活動もこの余震で邪魔され。こっちはちょっと笑ってはいられない。足場が極めて悪い上に、こう余震が続くとレスキューも文字どおり命がけだ。下手したら自分のほうが救助される状況になりかねない。それでも「親子3人生きている」なんて未確認情報もあり、やらねばならない。

 ……で、イラク人質は? と思ってたら、その人質、どうも親御さんが日本最大のプロテスタント合同教派の信徒さんらしいとの情報が。本人は違うそうだが。それで「証生」なんてそれっぽい名前つけられたんですね。けどそれでキリストの福音を証しつつ生きるどころか自分のバカさかげんを全世界に宣べ伝えてちゃ世話ないというか、まさに親不孝もいいとこというか。キリスト教なら4月のサヨク団体のようなことはしないだろうが。ああもう。
 さらに、さっきのガケ崩れペシャンコ車から1人生還とのニュース。ええーっ本当に生きてたんだ!

 夕方、タイムサービスで超巨大企画の青焼を印刷所に送りつけ、ほうっと一息。さて雑事でも……というところでつい見てしまった学会MLに載ってたクイズがさっぱり分からず、仕事が手につかなくなったので帰る。こういう奴こそ死んだほうがいい。
 青の洞窟ボロネーズをずるずるすすり、ニュースやらネットやら。
10月28日(木)
 懸命の救出活動が続いている。香田証生クンじゃなくて新潟の皆川真優ちゃんの。真優ちゃんには「生きていてくれ」と一億総祈願し、証生クンのことは「あーもうダメだ打ち首ケテーイ」みたいに言ってる我々日本人って。

 気温いきなり低下。こう寒いと昼もあったかいものが欲しくなるもんで、大昌苑でクッパ食べてカラダあっためる。みんなカゼひいたようで、同僚や上司や新人がどんどん早退していく。16時頃からずっと留守番&電話番。そして誰もいなくなって寂しいので定時にとっとと帰る。「バカはカゼひかない」って上古の伝承は本当だったみたいです。例の超巨大本も青焼責了したんで、来週あたりコテンと逝っちゃうかもしんないですけど。
 チャンピオン読む。馬場民雄の新連載、『虹色ラーメン』と同じ時間軸らしい。ひょっとしてトールキンばりに一大ラーメンサーガを描き上げる気か馬場。一つのラーメンはすべてを捕らえて、ドンブリの中につなぎとめる。ネギ横たわるトンコツスープに。
 久しぶりにとっとと帰ったおかげで、久しぶりにお米炊いてキーマカリーぶっかけて、久しぶりに『サヴァイヴ』が観られた。今日が最終回。NHKらしくキレイに終わったなと。「なんで惑星クイーンシャアラじゃないのか」と思った俺は多分俊俊さんの同人誌の読みすぎなので注意せよ。超巨大本でドタバタさえしてなければ、1年間ちゃんと観られたかもしれない。非常に丁寧な作りのアニメだったようで、なんとももったいない。ザリガニとか悪い人とか全然観てないし。だから同人誌からの情報でストーリーを補完したせいで、じじいは畑のコヤシになったものということになってます。人間の形にきれいに草が生えてるかんじで。だから俊俊さんの本の読みすぎだと。

 イラク人質、きのう「ズッコケ3人組ショックは全国民に深いトラウマを残しているようである」と書いたが、当人は1月から日本にいなかったらしい。じゃあ半年前のあの騒ぎは知らなかったんだな。それで特攻しちゃったんだな。あーあ。
 あんのじょう誹謗中傷が直方市方面へと飛び交っているそうだ。なんで日本人てのはこういう時に「親の責任」てのを必要以上にギャーギャーあげつらうのか。人質はもういい大人なんだし。 批判してる人たちだって、もし自分に成人してる子供がいたら、そこまで責任持てないだろうに。みんな連座制好きだなあ。
 で、親御さんの所属してるプロテスタントの教団が、折よくというか悪くというか、ちょーど2年に1度の教団総会を開いていたもんで、総会の席で「政府はなんとかしる!」みたいな声明を緊急に採択したそうで。タイトルは「自衛隊の即時撤退を含めた人名最優先の対応を要求する声明」。やっぱり撤兵のほうが先に出るか。さてさて。

 秋の園遊会で、東京都教育委員会はこれだけ国旗国歌をビシバシ強制しておりますハイと胸をはる米長邦雄に、陛下が「強制にならないのが望ましいデス」とお言葉をかけたと。これは面白いことに(笑)。
 そりゃまあ陛下もこういう風潮は迷惑だろう。陛下はなんにもしてないのに、臣下が勝手にバンザーイとかやって、民草の反感を買う。そしてその反感のトバッチリは確実に皇室がかぶるんだもんなあ。俺が陛下でもイヤだ。
 なんかこう、自分自身が「権威」になる度胸はないけど「権威」の持つ支配力だけは行使したい、というヘタレ野郎が、他人を「権威」に仕立て、自分はそのエージェントにすぎませんよというツラをしながら権勢を振るいオイシイとこだけいただくパターン。政治から2ちゃんねるに至るまで、日本型システムは津々浦々まで健在ですな。自戒を込めて。
10月29日(金)
 きのうの陛下発言、読売はぜんぜん記事にしていない。さもありなん。
 日テレ「ズームインスーパー」にて、香田さんちの前でアナウンサーが「香田さん宅には誹謗中傷の電話が多数かかっていて……」と紹介。でも「そういうマネは絶対やめてください」とは、アナウンサーもスタジオも一言も言わずじまい。それは「もっとやれ」と暗に煽っているですか。正直だな読売。今ごろ「祝電」がどしどし届いているんじゃないか>香田家。ひでえや。

 いい天気だが、昨日同様さむい。馬場で電車を降りると、黒いローブまとった魔法使いとゴジラが歩いていた。早稲田でハロウィンパーティでもあるのか。
 1030過ぎ、図版使用許諾の件で♪ヨコハマ〜へ〜行こう〜♪(by.ルー大柴のヘタ歌)。JRで桜木町に出てバスで横浜開港資料館に向かう。バス降りて資料館へ歩く。ふと周囲を見渡すと、見覚えのある北欧料理店が。なんだここ、昔会議やってたホテルの向かいだったんだ。経費節減のためここに来なくなって数年経つが、また景気よくなってこの店で豪遊(笑)できる日が来るといいのう。地下のアーカイヴに案内されるが、若干ながら入館料がかかるという。ええーっ事前に頼んだ資料の使用許可もらうだけなのにー、ケーチー。
 下りてみると留守番のバイトさんだけで、係の館員さんが帰ってくるまでちと待つ。「その間、資料ご覧になっててください」と。普通なら横浜関係の古文書なんか読んでもしょうがないところだが、そうだ、せっかく戦前の文書が揃ってるならアレを探そうと思い立つ。あ、あったー! よーし読もう読もうぐへへへへへ、と当該記事を開いたところで「係の者が帰ってきましたー」と。ええいもっとノンビリ帰ってこんかベリーシット! 許諾願いの書類はすんなり受理。あとはハンコ捺して郵送してくれるそうだ。お金も(さっきの入館料以外)取られない。ただ掲載書は1冊寄贈しないといかんが。
 外に出たらちょうど12時の鐘が。向かいの県庁目当てか、弁当の屋台が出ている。せっかくだから山下公園で弁当……にはちと肌寒い。正午にこの気温ですか。急に秋が深まってきたな。おとなしくみなとみらい線の駅にもぐって、東横線経由でまっすぐ高田馬場まで。グレートインディアでマトンカレー食って遅い昼食。

 コートなしで横浜まで旅したのが祟ったか、頭痛くて肩が凝って、定時退社。
 お茶漬けすすってネットちょっと見る。ティクリートで遺体が見つかったという情報が飛ぶも、証生クンではなかったようだ。それはそれで遺族の悲しみは等価であり喜んでもいられず。
 その一方、イラク人は10万人殺されてるというデータ(http://www.kahoku.co.jp/news/2004/10/2004102901001320.htm)なんか見ると、どんどん感覚が麻痺していくばかりで。有限なるヒトの身で、ミクロもマクロも等価に扱う無限の「神の視点」を持つのはなんとも難しいもので。

 2100にはとっとと就寝。
 嘘屋オフに遅刻してあわてる夢にうなされ、夜中の3時に目が覚める。
 また寝たら、今度は合唱の発表会に遅刻してあわてる夢にうなされる。
 何か焦っているのか俺。
 ……そうかもしれない。
10月30日(土)
 雨が降る。でも洗濯強行。
 『ケロロ』の前になんとなく観てしまう『ビューティフルジョー』。『ダンドー』よりは出来イイんだけど、どうにも絵柄にアクが強く、日本人だと慣れるのに時間がかかるタイプのアニメなのがもったいない。アゴヒゲ生やしたあんちゃんが主人公のアニメって、日本ではどんなジャンルでもありえないし。同じストリート系キャラでも、日本のアニメならもう少し年齢低め(せいぜい中学程度)が相場だし。とらわれのヒロイン(メガネ)も服装だけ見ると20代行ってそうだし。そのあたりが珍しいと言えば珍しい。
 イラクでまた遺体発見の報。「どの?」と言いたくなる。どうにも情報が錯綜している上に、どこのニュースも新潟新潟で。まあそりゃそうでしょうけど。まだ本人確認はできてないようだ。首が繋がってるから別人だ……と思いたい。もし本人だとしたら、残念だがこれでよけい自衛隊は撤兵しにくくなったな。
 こないだ作った同人誌、表紙があまりにも狭い層にしか訴えないものだったので、もっと客層に分かるストレートなものに換装するべく版下作り。カレーヌードルすすって、雨をついて印刷強行。今日はいろいろ強行する。サンクスに着いたら店内がまるで略奪にでもあったかのようにガランとしてて驚く。改装らしい。なんだ。

 黒スーツに着替え、やたら寒いので冬用黒コートやレザー手袋まで引っぱりだし、すっかり冬の装いでS井グッズ番長の結婚披露宴へ。ちょっと早く有楽町に着いてしまったので、丸善ウエストへ寄る。まともな宗教の本は全然ないくせに自己啓発本はズラリと並んでる、なんだかなあな品揃え。2005年の手帳買う。これがないと日記も書けない。
 1800頃、披露宴会場へ。K子先生が黒の和服とザーマス奥様調のヅラで決めててうわあと驚く。事前には「一般人もいるのであまり濃いオタク話はしないでください」とのお達しが出ていたんでこっちも普通のスーツ着てきましたけど、蓋を開けてみたらほとんど新郎側の関係者(=学会員)ばっか。なんだこれならロッテのスタジャンでもよかったんじゃないか、むしろそっちの方が新郎も喜ぶ(笑)。
 議長の挨拶も談之助師匠の余興も容赦なし。取り残された新婦はただただポカーンと。新郎の交友関係を知っておくのは今後のためにも結構なことだと思いますのでごかんべんください。でもお二人のなれそめはGENKEN(幻魔大戦読書研究会のほう)とのことで、BGMに「地球を護る者」が普通に流れてたりするので別にこのくらい許容範囲かと。
 さすが高級なお店(というか某大会社の宴会場)だけあって料理もウマく、量も十分。日本トンデモ本大賞打ち上げの戦訓が生きた模様。さらに酒の持ち込みOKだったので、ショットの蜜酒を持参。議長にもおおむね好評をいただけたが「甘いのが玉にキズですねー」。いやそういうお酒なんですすいません。
 2100、三次会に向かう。カラオケボックスで新郎のはずかしいビデオinSF大会を上映してひとしきり爆笑したのち、当然のようにオタクカラオケに突入。「残酷な天使のテーゼ」の映像編集が非常にうまくて、一同おおっとどよめく。「シャアが来る」の映像も、ザク→ズゴック→ゲルググ→ジオングと全機種カバーしてて、歌のへっぽこさを覆い隠すぐらいかっこいい画面に仕上がっている。すごい。いやそもそもこんな曲が入ってること自体すごいんですが。個人的に「ウィラブマリーンズ」の映像には萌え尽きた。間奏部分で幸一のサヨナラホームランを挿入して歌い手がギャーと狂喜できるようにして、最後はちゃんとコバマサで締める、泣かせる編集。第一興商、かなり優秀なオタクを入社させたとみえる。いや、優秀な下請けを入れたのか。

 帰宅。ちょっと出かけていた間にも、状況が二転三転した様子。昼間報じられた死体、けっきょくイラク人だったと。普通に民間人の死体が転がっている状況もどうかと思うがさておき、外務省の情報収集能力は壊滅的ですな。マスコミの検証能力も。情報の「速報性」は格段に進歩したが、肝心の「確実性」がさっぱりなもんで、誤報が光速で広範囲に伝播されるという弊害が目立つ昨今である。こないだの新潟ぺしゃんこ車の「3人とも生存」とかもそのいい例だ。「ウラを取って真実を知る」ことよりも「ヒトより早く新しい情報を伝播する」ことのほうが人間に快感をもたらすんでしょかね。おっとしまった、「香田さんの遺体発見」と決め打ちしちゃった日刊ゲンダイを買い忘れた。
 香田親が、くだんの死体がわが子ではなかったことに安堵しつつも、その死体の主への哀悼の意を述べたという。我々無関係な第三者が「神の視点」を発揮して「でも死体があったってことは1人死んでることには変わりないし」てとこに考えを至らせるのは案外簡単です。でも、さっきまでその死体が我が子だとさんざん脅されていたお父さんがそこまで言えるのは、なまなかなアレじゃない。正直、大したもんだと驚嘆する。……それでもこの心意気が、一億総2ちゃんねらーとなりはてた我が国世論にどこまで通じるやら。
 もっとも2ちゃんねらーは、思想信条があって誹謗中傷くり返してるわけじゃないので、ほっとけばいい。もし捕まったのが自衛官だったとしても、彼らは平気で「焼肉マダー?」「志願した香具師の自己責任」と書くでしょうし。「他人の不幸を笑う」という行動は誰に対しても首尾一貫している。その点では、自分の思想信条に都合良いように、被害者によってダブルスタンダードを使い分けるマスコミのほうがよほどタチが悪い。「1人の巨悪をタイーホするのに10万人殺してもやむを得ない」というアメリカ的論理を受け入れた時点で、どこかが壊れてしまったんだろう。なんかよくわかんなくなってしまいましたすいません酔ってます寝ます。
10月31日(日)【ここまでは2005.01.16更新】
 昨日の死体誤認は共同通信の誤報だった模様。まだ望みが……と思った矢先、『レジェンズ』の最後にニュース速報。
 香田証生クンの死体確認
 満足ですか。これで満足ですか>政府。
 町村外相、一言ぐらい「我々の力が足りずこんな結果になってご家族には正直すまんかった」と言えなかったものかな。本気でそう思ってなくてもいいからさあ。
 今回はむしろ2ちゃんねるのほうが政府より同情的なぐらいだ。ああ、ああ、イラク板の論調が手の平返したかのように。「その時々で一番叩きやすい相手を叩く」という手法は、一般マスコミのそれと極めて似通ってますね(共通点:どっちも記者は匿名)。
 ニュースをあれこれ見るも、なぜか人質関連の続報が見られない。俺の運が悪いのか、人質ニュース自体が少ないのか。普通だったらどんなに情報が少なくても、アレコレ内容水増ししてでも報道時間だけは増やすもんだろ。4月のアレの時はこんなもんじゃなかっただろ。ましてや今回は、死んでるんだぞ、なあ、おい。あの時以上の大事件のわりにあまり画面にのぼらないのは、本当に新潟県中越地震のせいなのだろうか。
 明日の新聞はどうなっているやら。特に、これまで社説やコラムでこの件をほとんど黙殺してきた読売が何と書くか。楽しみだなー。……こんなことを楽しみにでもしなきゃやってられねえ。ほんとにもう。
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