よろいを脱いだ桃太郎
鬼にも愛がある


物語:松田賀江 歌/プロデュース:MASAYA
発売元:株式会社レムリアアイランドレコード 1997年

 あのTOSHIをたぶらかしたレムリアアイランド主宰・MASAYA。その亡き妻のりのり(松田賀江)お手製の、小学生が作ったみたいな人形による、桃太郎パロディである。
 これも、あらすじだけ書けば十分だろう。

 村を荒らし、財宝を奪った鬼を追いかけて、犬・猿・キジをお伴に鬼が島へ上陸した桃太郎。
 しかし意外なことに、鬼たちは親子で平和なコロニーを作って仲良く暮らしていた。
 偵察に出たキジを見つけたお父さん鬼は、「よく来たね」とキジに米粉をまいてあげる。
 仲良く遊び始めるキジと鬼たち。つられて犬・猿も輪の中に加わる。
 それを見て、桃太郎の中で何かが大きく変わろうとしていた。
 「ぼくは、何か大きなまちがいをしていたんじゃないだろうか……」
 ついに桃太郎は刀を捨て、よろいを脱いで、鬼たちの前に出た。
 「鬼さんごめんなさい! ぼくはあなたがたを疑ってました!!」
 おいおい!! 「村を荒らし財宝を奪った」相手が地元では平和に暮らしてたからって、あっさり誤摩化されるんじゃなーい!! ナチスの親衛隊員だって家に帰れば子煩悩なマイホームパパだったんだぞ!! でなきゃモンティ・パイソンの「アッチラ・ザ・ハン・ショー」か。「パパー、おみやげはー?」「ほーら、生首だぞー」って(爆)
 桃太郎の突然のカムアウトに、鬼たちも答える。
 「こっちこそごめんよ。でも、人間たちをおどかそうとしたつもりはなかったんだ。人間たちがあのピカピカしたもの(財宝)を巡ってみんないがみあってるのを見て、捨ててやろうと思ったんだ。」
 「あのピカピカしたものさえなければ、私たちのように仲良く暮らせるのに。」
 莫大なお世話である。
 しかし、そんな鬼のタワゴトを信じ、感極まった桃太郎は、いきなり歌い出す。

 (1番)
  今まで何を信じていた すべてが幻と気づいた
  なさけないよ ぼくは 疑って 傷つけあって暮らしてきた
  ぼくたち人は苦しんで 奪い合いの世の中で
  宇宙は ぼくたちを育んで 全ての命へ愛を込めた

 さらに、映像は美しい大自然に変わる。そのバックに、さっきの歌を熱唱するMASAYAのねちょったらしい歌声がかぶる。

 (2番)
  今まで何をほしがっていた 全てがいつわりと気付いた
  なさけないよ ぼくは 奪う事 ほしがるだけに生きてきた
  いつでも君がそばにいて それに気づけずなくしてきた
  宇宙は ぼくたち全てを 何もなくても与えていた

 ああ、なんて心洗われるビデオでしょう!
 【いがみあいの元になる「ピカピカしたもの」は全部俺に寄進しなさい】
 というMASAYAのふざけたメッセージ、よっっく伝わりました!
 大爆笑、もとい大感動!

【1999.04.03の日記に加筆】