| 松原秀樹先生連載44 |
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宗教が教えてくれること
仏教の修行は、まず欲を捨てることから教えがはじまります。しかし実際、欲を捨てることは、古来なかなか難しいことなのです。ストレス対策のひとつに、あきらめるという方法があります。しかし、人はなかなかあきらめきれないもののようです。しかし見方を変えてみると、あきらめることは、さして難しいことではないものになります。欲などもてない所にいればいいだけのことなのです。
僧やキリスト教の修道士の修行は山奥の、何もないところで行われていったことを考えると、なるほどの工夫だと思えます。女性がいなければ、禁欲は容易になります。修行の初めの時期でも諦めがつきやすいです。周囲に欲しいような物がなければ、お金もいりません。しかし、小金を持ちながら欲を捨てようと思うと大変です。さらに現状は、ものが、つまりさまざまな欲を呼び起こす誘因が周囲に溢れています。そうした誘因刺激の嵐の中で、自分の分を守って生きていけるのは、大変な修行だと思います。耐えるということそのものが、内なる力を蓄えるということであるということが分かっている方は少ないです。損をしているのではなく、内なる力を蓄えているのです。これが人間性の厚みや幅、懐の大きさや奥行きを創っていく根のように思えます。
up 2005/02/06