| 松原秀樹先生連載45 |
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住めば都、しかしなかなか移り住まないようです
ひとはかなり頑なな面をもっています。中華料理屋やフアミリーレストランなどに行った時を考えてください。相変わらず同じものを注文します。通勤も同じ道をたどり、同じ電車の同じ車両の同じドアから乗り込みます。家に帰るときも同じで、同じ手で同じようにドアを握り、いつもの通りに靴を脱ぎ、そして同じ場所にカバンを置き、服を脱いでかけ、同じ場所に同じように座るのです。
そしていつもと同じ角度から部屋を見るのです。お風呂にしても同じで、同じような順番で体を洗って、同じ方向だけを向いて湯船につかり、同じ時間で上がってくるのです。
しかし温泉に行くと、風呂上りは、かく別です。これは泉質の効果以上に入浴の頑なな一連の行動の連鎖が壊れ、いつもとは違った行動順序になるからです。家のお風呂でも、こうした行動の連鎖を変え、順序を大幅に入れ替えると、入浴後の気分がぐんと良くなります。
いつもの行動の頑なさ、行動連鎖を切ってみると、リフレッシュ効果、違った気分という結果が手に入ります。こうした行動連鎖の変更は臨床でも、おおいに効果をあげます。たとえば吃音の治療でみると、出だしの苦手な発音、おはようございますの「お」で引っかかるクライエントの場合、その引っかかる数そのものが行動連鎖です。おはようと言う前に5回引っかかるとしたら「お、お、お、お、おはようございます」という行動連鎖であることが分かります。したがってこの行動連鎖をわざと変え、「お、お、お、お、お、お、お、お、お、お、おはようございます」というように実施させると、実にスムーズに「おはようございますと」言えるようになるのです。
up 2005/02/06