松原秀樹先生連載55

 


上手な叱り方

 この大前提は、相手を傷つけない文句のいい方が必要です。叱ろうとしているその相手を、過去に誉めたことがなければ、叱ったとしても素直に聞いてくれることはほとんど期待できません。また気をつけるべきは、以前注意していて、その本人が自分なりに気をつけてることについて繰り返し言わないようにしましょう。なぜならば、改善する気(やる気)が失われてくるからです。この典型例が、「勉強しなさい」です。また、必要ならば文句をいう練習をすることも大切です。カラオケの持ち歌を増やすには、30回繰り返して唄うと、持ち歌になります。叱り方も練習が必要です。

 ではどう叱ったらいいのか、という問いが出てくるでしょう、そこで以下に望ましい叱り方の法則をあげてみます。



 他人がいないところで、当の本人にだけ文句を言うべきです。そのことを他の人には言わないようにしましょう。

 問題のその行為について、他人と比較して叱らないこと。

 叱るタイミングは、できるだけ早くにその問題の相手と二人きりになって、文句が言えるような状況になってから言いましょう。

 不満は表情や態度で表すのではなく、ことばを使って言いましょう。

 一時に、1つのことだけを叱りましょう。いっぺんにいくつものことを言わないようにします。なぜならば、いくつも言うと分散してしまうからです。

 前え置きを置かないようにしましょう。前置き、たとえば「後で私のところに来て、注意したいことがあるから」などと言われたものなら、その人は、その時間が来るまで、いやーな気持ちで、何のことだろうなどと考え、すごさなければならないからです。当然のことに生産性は落ちます。

 叱った後で謝らないようにしましょう。言い過ぎたなどは、せっかく言ったことを台無しに、チャラにしてしまいます。

 「何故,怒られることをする」などと動機を問うてはいけません。叱られたいと思ってわざとしたことならば、この問いに答えられます。でも、叱られるためにしたわけではないので、答えられません。

 止めてほしいことは、「止めて」と言いましょう。

 「いつも」「決して」「また」といった言葉を使わないようにしましょう。例外はたくさんあるはずだからです。

 当てこすりを言わないようにしましょう。

 間違いなく変えることができる行動についてのみ文句を言いましょう。



 そしてフォローアップが必要です。たとえば「反省したね、いい顔をになってる」「できたね」「よくやった」などです。

 「叱る3分に誉め7分」ということばがあります。日常その人のできていることを認めて評価しているからこそ、問題を指摘したときに素直に反応するのです。

 「〜してほしいな」などのお願い言葉、「もし〜してくれたら…」などの ifことば、などは効果的なことばです。


連載56

 

up 2006/05/01

 

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