| 松原秀樹先生連載59 |
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善意はよくて、悪意は悪いか?
人はコミュニケーションにおいて、そのコミュニケーションの内側に悪意を持つ場合と善意を持つている場合があります。もちろん比較的ニュートラルな気持ちでおこなうコミュニケーションもありますが、このようなコミュニケーションは事務的な伝達をする場合などに用いられています。 ある人のことばや態度によって傷ついたりショックを受けている人に、その怒りや悲しみを慰めたり、少しでもその気持ちを和らげようとするときに、人はよく「悪意でのことじゃないのだから…」と慰めることが多いものです。しかしはたしてそういうものでしょうか? 悪意をもったことばや態度の裏には、必ずその人個人の利得的な目的が存在しています。その目的はその個人的な利益につながるものであり、その人に利益をもたらすためのものですから、目的に合致すると思われる言動なわけです。したがって合目的的な、この場合はその人の利益への意識程度のものになるわけです。したがって底というものは知れているわけです。しかし、善意の場合にはほとんど底というものがありません。善意の態度をとる人自身は、よいつもりでいるわけですから、まったく加減というものがありません。ですから、加減というものがないこうした善意によることばや態度は、相手によっては、下手をすると際限のないショックを与えたり、深く深く傷つけていくこともあるのです。
連載60
up 2006/06/02