| 松原秀樹先生連載60 |
|---|
好かれる先生と嫌われる先生
10数年以上前に、大学の1、2年生から、思い出に残る先生という題で書いてもらいました。3年間にわたってこの課題を行いましたので、総数は900件を超えて集まりました。書き方は、たとえば小学校の3年の頃、男の先生で、年齢は40歳くらいで、どういう印象を持ったか、それはどのようなことがあったからか、というように教示して書いてもらいました。驚くべきことには、半分近くの数に先生の実名が書いてあったことです。先生の実名の書かれたレポートは良い思いでの先生と悪い思い出の先生がほぼ半数ずつでした。
今回は悪い思い出に残ったのはどういうことからかという因子を抽出して書いてみましょう。たとえば、「あれぐらいのこと」をくどくど言う先生は嫌われています。こうした先生に対する逆批判は、だんだん強まっていく傾向があり、普段のあらゆる面、先生の行動に批判や悪印象が増えていく傾向にありました。すなわち教え方や趣味が悪いなどにわたって、嫌悪感がエスカレートしていくようです。脅しや強圧型の先生も嫌われています。いわゆる「ニラまれたらヤバイ」先生でしょうか。警戒され、その先生にはだんだんと生徒の生の姿という情報がいかなくなる傾向にあることが分かりました。また、生徒の弱点をつかんで、それを「黙っててやるからな」というタイプの先生がいるようです。こうした弱点を握って手懐けるような態度の先生に対しては、生徒は弱みを感じて、苦手感をもつようになります。したがってその先生には従うようになりますが、その他の先生に対してはこうした態度は般化せず、言うことは聞かないようです。
嫌われる先生をまとめてみると、熱心に教えてくれない、言ってることがはっきりしない、皮肉をよく言う先生、そして最大の嫌悪される因子は、贔屓をする先生でした。こうした関係は学校での教師−生徒間の問題だけではなく、日常の人間関係でもみられるものですし、気をつけたいところです。
連載61
up 2006/05