松原秀樹先生連載62

 

 

全部強化していく、それとも部分的に!?

 

 第50回で強化について書きました。強化の働きのあるものはが行動に随伴して、あるいは行動の結果に手に入ると、その行動は以後増加していきますが、強化子の飽和に気をつけなくてはいけません。2次的な強化子であるお金には飽和しにくいのですが、1次的な生理的な満足をもたらすものには飽和現象が起こりやすいです。与え方の量が多すぎても飽和しやすいです。たとえばとても美味しいメロンを、4分の1玉ほど毎日3回食べたらどうでしょうか?3日もしないうちに飽きてくることでしょう。魅力的な強化子でも与えすぎると飽和が起こってしまい、強化子の働きが弱くなります。ごはんや水のように、特に特徴のないものは飽きにくいものです。各国の主食がご飯のようにあまり特徴のないものだから飽きずに食べ続けられるわけです。第40回目に書きました飽和という現象もセラピーでは配慮していかなくてはなりません。

 そこでこうした強化の特徴を意識して、さらにその与え方を考えていきます。

つまり連続して与えていくか(連続強化、全強化)、非連続にか(非連続強化、部分強化)ということです。じつは部分強化で維持されている行動は消去しにくいという特徴があります。消去抵抗が強くなるのです。パチンコなどギャンブルは毎回勝つ(強化される)わけではなく、時々勝つことがあります。つまり部分強化されているのです。このためにギャンブルを止めさせることは、大変難しい課題になるのです。よい項で見ると、毎日毎回ではなく、月に1回しか強化子を得ていないにもかかわらず、日常の行動に差が出ないで頑張ってするのが給料をもらうサラリーマンの就業態度ですね。

 望まれる行動を何回かは毎回強化して成立させ、習慣化した後は、部分強化で維持するようにしむけると、その行動は、毎回のように強化子が得られなくても、長期間維持します。お使いのお駄賃などは、時々にするとよいですね。

 

連載63

up 2006/06/22

 

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