| 松原秀樹先生連載65 |
|---|
15分アタック
フェスティンガーによる認知的協和・不協和という説があります。それまでもっていた自分の認識にあわない情報を得たときの対処について論じた説です。好きな人について違った情報を得たときに、頭からその情報を疑ったり、拒否したり無視することがあります。こうした態度は、それまで抱いていた思いに矛盾する情報を否定することによって、認知的な波風が立つのを防いでいるわけです。
人は少々荷の重たいことを前にすると、後でしようと考えやすい傾向があります。そうなんです、はじめは少々な重さなのですが、時間がたってくるとその課題が大きく感じられるようになり、さらに日時が過ぎていくと、ますます荷が重くなり、とても解決できないように感じられてくるものです。課題が大きすぎるという思いも、認知的不協和を解決するための方便です。他ならぬ自分がサボってきた、自分はだらしがないと認識するのは辛いので、このような責任転嫁の考えになっていきます。
苦手な人に会う場合でも、のらない仕事や勉強をするときでも、15分間だけであれば、人はなんとかもつものです。そこで15分アタックをするのです。15分間だけ、仕事をする格好を続けたり、勉強すべき教科の本やノートを触ったり、ページをめくってみたりするわけです。こうして15分間だけ逃げずにかかわっていると、しないでいたという後ろめたさを持たなくてすむようになります。したがって、課題に対して適切にかかわれるようになっていくのです。
私の場合、原稿や発表や講演など、何かを依頼されたら、その日のうちに15分アタックを開始しています。パソコンに向かい、ワードを立ち上げて表題を書き、思いつくことがあれば、メモ的に何行かあけて書き込んでみたりしています。手帳を開いて、締め切り日にその旨を書き込んだり、締め切り前後の仕事のスケジュールを考え、いつごろに書き終わっていたらいいかを考え、その旨を手帳に書き込んだりしています。そうこうしている内に15分したら作業を止めるのです。
もし、のってきたらそのまま続けます。こうして毎日15分アタックをしていると、
締め切りのはるかに前に課題が終わります。その後は、おもいついたときに見直します。何回か見直しているうちに書いたものが練れてきます。
up 2006/07/19
参考リンクは松原慎による。