| 松原秀樹先生連載68 |
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治療的な操作
治療的に操作することを、極端に嫌う心理臨床家がいます。カウンセリングのロジャースの治療条件の解明、治療関係における学習あるいは態度変容の基本的な条件という研究結果、1957(昭和32)年に発表された、セラピーにおけるパーソナリティ変化の必要かつ十分条件の影響が大きいのではないかと思えます。その中の3条件として有名なのが、共感的理解、無条件の好意的尊重、一致または真実性(透明性・純粋性・自己一致)です。クライエント中心療法と名づけられていた頃のカウンセリングのアプローチでは、ある治療技術を教えたり利用することよりも、セラピストの一般的な態度や能力に重点がおかれていたからです。しかしその後の研究から、セラピストは自分自身の感情や関心をクライエントに伝えることにより、以前よりも積極的に表現的になることの重要性が認識されてきました。このロジャース自身の研究から、治療を成功させる因子としては3条件だけでは不十分であることが明らかになり、セラピー成功の条件として、その後セラピストには説得能力という条件が追加され、さらにクライエント側には自己探求能力が必要であることが加えられました(1968、昭和42年)。説得力、まさに操作的な概念が付け加えられているのです。
up 2006/09/06