| 松原秀樹先生連載74 |
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治療的な操作 その2
操作性のないコミュニケーションは存在しません。「こんにちは」などの挨拶を考えてみると分かるでしょう。相手がどのような「こんにちは」の挨拶を返してくるかが問題になるでしょう。ただうなずきによって応答してきたら、どのように感じたり思うでしょうか。たとえ「こんにちは」と声の応答があったとしても、その声が、こちらの声の半分の大きさだったり、倍近い大きさの声だったりしても、戸惑いますね。コミュニケーションは、このように何らかの期待や確認したいための何らかの予測が含まれています。たとえ初期のカウンセリング技法、いわゆる傾聴法のみによる面接をしたとしても、セラピストのうなずき反応、確認のための要約を言うことなども、立派に操作をしていることになるのです。
コミュニケーションのもつ目的性や方向づけ、期待することを露骨にしているか、隠微にしているかの違いがあるだけではないでしょうか。
では、治療的コミュニケーションにおいては、何を意識すべきなのでしょうか。セラピストがクライエントが変化できると信じていること、そうした期待をもっているということは、大きな操作的コミュニケーションになります。セラピストの期待感、そしてさらにクライエントのもつ期待感は、大きな改善や効果の源だと思います。直接的にも、そしていつもいつも間接的に表明し続けておく必要があるものです。
up 2006/10/18