松原秀樹先生連載83

 

表面張力

  小学校の理科の時間に表面張力の実験をしたことを思い出します。なぜビーカーいっぱいの水が零れないのか、不思議に思いました。その後、洋画で、表面張力のコップの水が零れないように、そろりとコインを入れていくのを見て、感動したものでした。もちろん何回も練習してみたものです。映画のようにはなかなかいかなく、10円と1セント硬貨の違いかと考えたりしたものです。

 表面張力状態のビーカーの水に、一滴、一滴と水を加えていくと、突然どっと水が溢れました。そのときの驚きを今も覚えています。ほんの1滴が、大量の水の溢れを呼ぶわけです。加えた水の量と比べて、信じられないような大量の水が溢れます。ちょうどこの現象のように、慢性の小さなストレスの蓄積が、どっと大きな自律神経症状として出てくることがあります。クライエントは日常それほど大きな問題がないのにと、あわてます。しかし、表面張力の現象のように、少しでも積み重なってゆっくりたまっていき、それがたいしたことではないことにもかかわらず、どっと溢れて大きな症状になって出ることがあるものです。後で考えるとなぜそれほどの喧嘩になったのかが分からない夫婦喧嘩もこうした表面張力現象で大きな喧嘩になっていることがあるものです。

 連載84

up 2006/11/23

 

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