松原秀樹先生連載91

 

 

 本当の気持ち、本当の自分、本当の・・・

 

    面接の中でよく出てくる話題に、本当の気持ちではないと思う、本当の自分は何なんだろう、などの話が出ることが多いものです。このような疑問や不安を持っているクライエントは、自己不全感が強いタイプだと言えます。つまり素朴な自信や、ひとつだけでも良いのですが、自分を好き、自分を肯定的に見ることができない方々でしょう。

    世の中に、永劫不滅なものなどない、ということが分かっていないのです。すべてのものが未来永劫、確実な存在ではありません。早いか遅いかの差こそあれ、必ず変化し流転していくものなのです。

    実際、本当の自分なんかありません。どういう自分でいたいか、これを守り、維持し続けることが大切なのです。自分で、どういう自分でいたいかを決め、それを維持すべく努力するわけです。そうしていて、出た結果に責任を持つことです。責任転嫁して、他者のせいにしてはいけません。もし仮に他者にも責任がある場合でも、自分の責任を担うことです。

 本当の気持ち、本当の自分は・・・と悩む方は、このような責任性が希薄になっています。セラピーにおいて、援助しつつ、こうした責任性を植え込み、育つべく援助し、守り、できていることを指摘しかつ十二分に認めほめていくことがセラピストの大切な仕事のひとつでしょう。

 

 

 

連載92

up 2007/

 

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